X

A blog about Oracle Japan News Portal

豪ウールコック医学研究所、不眠症の原因究明にオラクルの自律型データベースを活用

Norihito Yachita
広報室長

研究者は、機械学習を活用して睡眠の妨害因子を研究。Oracle Autonomous Databaseの自動化機能によって、技術的な取り組みより、本来の研究に注力。

著者:リサ・モーガン

健康的な生活には栄養、運動、十分な睡眠が必要だと医師は患者に伝え、適切な食事や活動レベルについて多くのヒントを与えてくれます。一方で、不眠症の原因、その影響、不眠の解消方法についてはあまり理解されていません。

オーストラリア・シドニーにある、ウールコック医学研究所は、データサイエンスを活用し、患者の不眠症の特性に応じた治療法の発見に取り組んでいます。具体的には、睡眠中の患者の脳シグナルを測定し、不眠症の生理学に対する知識を深めようとしています。

この研究所ではOracle Autonomous Data Warehouseを活用し、従来、高性能の共有コンピューターリソースで数週間以上かかっていたデータモデルの構築をわずか1時間で実現しています。機械学習によりデータサイエンス処理の多くの部分を自動化し、問題解決の段階に速やかに移行できます。

ウールコック医学研究所のデータサイエンティスト、タンシー・カオ(Tancy Kao)博士は次のように述べています。「Oracle Autonomous Databaseにより、技術的な部分に費やす労力が減り、睡眠に何が必要かを解き明かす研究に注力することができます。」この研究所では200名を超える研究者や臨床医のネットワークを構築しており、研究、診療、教育を通して、世界中で睡眠や呼吸の改善に取り組んでいます。

ウールコック医学研究所はOracle for Researchと連携しています。Oracle for Researchは、科学者、研究者、大学のイノベーターにコスト効率の高いクラウドテクノロジーや、オラクルの研究者コミュニティーへの参加、オラクルの技術サポートネットワークへのアクセスを提供するグローバルプログラムです。

不眠症の種類

ほとんどの成人が一生のある時点で睡眠の悩みを経験します。急性不眠症は、例えば、翌日のスピーチを控えて緊張していたり、失業に動揺しているなどの状況から来ることの多い睡眠不足です。慢性不眠症は4060歳で発症しやすく、週に3日以上眠れない日が1カ月以上にわたって続く状態を指すとカオ博士は説明します。

慢性不眠症の1つに、脳が「興奮して疲れた」状態となり、睡眠時間が通常より短くなる場合があります。本来であれば一晩に78時間眠れるのに対し、入眠障害や中途覚醒などにより34時間しか睡眠できません。

「逆説性不眠症」の場合、睡眠時間は健康な人と同じですが、徐波睡眠(深い眠り)が相対的に弱くなります。

睡眠時間と睡眠の質はいずれも重要ですが、特に睡眠の質は大切です。長期間にわたりよく眠れないと、不安、鬱、高血圧、心臓病のリスクが高まります。

同研究所の推定では、オーストラリア人の3分の1が生涯のある時点で不眠症を経験しています。

ウールコック医学研究所の研究に寄与するシドニー大学のクリストファー・ゴードン(Christopher Gordon)准教授は、次のように話します。「効果的な治療を受けていない不眠症患者さんがたくさんいます。データサイエンスにより症状に対する理解を深め、それに基づき標的を絞った新たな治療法を模索します。」

現在のもっとも標準的な治療法は、一時的に症状を緩和する錠剤と、不眠症の根本原因を特定して対処する認知行動療法の2つです。患者さんは睡眠薬を長期間にわたり使用する傾向があり、また通院を続けることに抵抗を感じる患者さんもあり、いずれの治療にも制約があります。

「これは睡眠だけではなく24時間の状態に関わる問題です」とゴードン准教授は言います。

データサイエンスにより、答えを導く

ウールコック医学研究所では、患者の睡眠パターンに関する詳しい意識調査の結果や病歴、職場環境、家庭環境など、膨大な患者データを収集しています。ウェアラブル活動計の2週間分のデータ、睡眠検査施設での観察結果、カフェインやアルコール摂取などの行動記録の内容を収集します。

データサイエンスは、生活習慣と睡眠の変化を関連付け、活動の種類や活動時間が睡眠に及ぼす効果や悪影響を特定するために使用されます。

「例えば、屋内の活動なのか、屋外の活動なのか?友人や家族とのおしゃべりの時間は長いか、お酒の量はどうか、といったことです」、とカオ博士は言います。「これにより、活動による効果の見込める人、見込めない人を知ることができます。」

データは主に、同研究所の睡眠検査施設で一晩を過ごす患者に取り付けられた高密度脳波計により取得します。この機器は256個の電極により、500ヘルツのサンプルレートで2ミリ秒ごとに脳の活動を記録します。患者一人あたりのデータポイントは数百万、場合によっては数十億に上ります。

ウールコック医学研究所ではOracle Cloud Infrastructure上でOracle Autonomous Data Warehouseを稼働させ、データの収集、準備、解析に使用しています。その上でデータを分類し、変数の関連性の理解に役立てています。

Oracle Autonomous Data Warehouseの導入以前、カオ博士は手動でデータクリーニングを行い、各変数やその関連性を調べていました。その上でようやくデータを解析できるよう準備し、モデルを構築し、実際に解析していました。変数に欠測データがあれば、次に打つ手を判断する必要がありました。

カオ博士は、Oracle Autonomous Data Warehouseによって、解析の実施や機械学習の活用が提案されるため、それを採用すべきかどうか判断しながら作業を進められる点が優れていると言います。

「提案に沿ってデータクリーニングを行い、すべての変数のデータプロットを探索し、チェーンがどのようになるかを把握することができます。また、単純な分類もしてくれるので、その分類が妥当かどうか、機械学習に使うべきかどうかを判断できます。」とカオ博士は話します。

これまでウールコック医学研究所ではデータをサーバーに保存し、高性能コンピューターを使用して解析を行っていたため、その活用プロセスは技術的で時間のかかるものでした。従来のシステムでは「Linuxコマンドを使ってモデリングやマシントレーニングといったタスクを割り当てる必要があります。そして結果を可視化したい場合にはコンピューターに戻って作業します。あるモデリングタスクを提出すると、結果が返ってくるのに23日を要します。これは機械に学習させる負荷や難しさによって異なります。」とカオ博士は言います。

完全なモデルの構築には、モデルが正確だった場合でも12カ月かかっていました。モデルが正確でなければ、最初からやり直す必要がありました。現在、カオ博士はコーディングや数学的モデリングの知識を駆使することなく、わずか1時間でモデルを構築できます。カオ博士はRPythonLinuxコマンドを使いこなし、数学的モデリングにも精通していますが、Oracle Autonomous Data Warehouseにより、これまでカオ博士やゴードン准教授が手動で行ってきた多くの作業が自動化され、時間の節約につながっています。

「(各)患者さんのデータは膨大な量で、迅速なデータ処理が必要です。様々なメカニズムを通して、異なる方法で可視化して見ることで、別の発想を得たり、文字どおり数クリックで機械学習することができます。自分たちの想定するモデルを探索し、速やかに答えを得ることができます。」と、ゴードン准教授は言います。

さらに洗練されたデータの可視化を実現

これまで、ウールコック医学研究所では256チャンネルそれぞれの脳の部位を2Dの可視化画像で示し、特定患者の不眠症と各変数を関連付けてその重要性を把握してきました。

研究所では今後、3Dの可視化画像の構築を目指し、各シグナルが脳のある部位から別の部位に移動する経路を把握したいと考えています。これにより、脳のある部位で起こっていることだけでなく、それが他の部位におよぼす影響や特定の症状との関連性の有無を把握することができます。

「オラクルのテクノロジーにより、脳全体で脳波が夜間にどのように変化、移動するかを知ることができます。不眠症に関係のある脳の部位を特定できるだけでなく、これらの部位でどのようなやり取りが行われているかを知ることができます。」と、カオ博士は言います。

画像提供:ウールコック医学研究所

著者のリサ・モーガンは、ジャーナリスト、業界アナリスト、コンテンツストラテジストとして、テクノロジー関連のビジネスや法律問題に関するコンテンツを企画・制作しています。

本記事は、The Woolcock Institute of Medical Research explores insomnia’s causes using Oracle Autonomous Databaseを抄訳しています。

Be the first to comment

Comments ( 0 )
Please enter your name.Please provide a valid email address.Please enter a comment.CAPTCHA challenge response provided was incorrect. Please try again.