未来のイノベーターとリーダーの育成に向けた取組み

September 15, 2021 | 1 minute read
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著:オラクル・コーポレーション プレジデント ジャパン&アジアパシフィック ギャレット・イルグ

貧困、所得格差、経済的機会の欠如など、私たちの時代が抱える最大の課題には、世界の多くの地域で、質の高い教育・訓練へのアクセスが不十分であることが大きく関連しています。

一方、人事コンサルティング会社のコーン・フェリーによると、とりわけアジア太平洋地域では、あらゆる分野で4,700万人の技術者やその他の労働力が不足しており、2030年までに年間4.2兆ドルの機会費用が発生すると言われています。企業には労働者を訓練する責任があり、政府には教育プログラムを拡大する責任があります。特にこれは、この地域の経済がパンデミックから抜け出す上で重要なことです。マッキンゼーの最新レポートによれば、「このダイナミックな動きは、リモートワークや自動化・AIの役割以上のものです。」「これは、パンデミック後の時代に新しいビジネスモデルを創造するうえで、リーダーがいかに労働力を再教育し、スキルアップさせるかということなのです。」

私個人がオラクルの長期的な取組みを誇りに思う理由として、当社の創設者であるラリー・エリソンが中心となって、世界中でテクノロジー教育を進め、将来のイノベーターとリーダーになるためにあらゆる人々に刺激を与え、準備をさせている点です。この取組みは、人々の実践的な学習を通じて、キャリア・パスを開き、経済成長を促進し、生活を豊かにするものです。

特にオラクルはアジア太平洋地域において、慈善事業であるOracle Academy プログラムに注力しています。23カ国4,500以上の教育機関と10,000人以上の教育者と提携し、大学とキャリアの双方に対応できるよう何百万人もの学生を支援しています。

この地域のトップクラスの大学、専門学校、中等教育機関では、Oracle Academyの教育カリキュラムや教材、Oracle Cloudソフトウェアやサポートの無償利用を通じて、プログラムを強化しています。これにより学生たちは、クラウド・コンピューティングやAI、機械学習、データサイエンス、データマネジメント、IoTなど、今最も注目されているテクノロジー分野で、キャリアに直結する知識とスキルを身につけることができます。

別のプログラムであるOracle Universityでは、オラクルとパートナーが、Oracle Cloud製品のポートフォリオ全体を対象に、専門的なトレーニング・コースと認定をすべてのレベルで提供しています。Oracle Universityは9月に、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)トレーニングと、期間限定でOCI認定資格を世界中13の言語で、デジタル形式のオンデマンド配信として無償提供することを発表しました。

実践学習

この地域におけるオラクルの数多くのダイナミックな教育パートナーの中に、香港職業教育研究所(IVE)があります。IVEの情報通信技術コースでは、ソフトウェアエンジニアリング、モバイルアプリケーション開発、データサイエンス、AI、サイバーセキュリティなどの分野の仕事に就業希望する15歳から18歳の若者を育成しています。

香港のIVEで期待されている施策の1つに、学生がさまざまな最先端の小売業向けテクノロジーに触れられる「Smart Shop」という取組みがあります。このイノベーションハブには産業界、学界、研究機関の専門家が参画しており、買い物客のデータをリアルタイムに収集できる「スマートフロア」や、クラウドと接続して在庫状況をライブ監視できるスマートな自動販売機などが含まれています。

「S-Shop(無人店舗)では、顔認識、モバイル決済、ブロックチェーン、人工知能などに使われるスマートテクノロジーを高度にモジュール化して構築されています。そして、学生がそれらのスマートテクノロジーを学び、実践できる環境を整えています。」と教員であるWoo Hok Luen氏は説明します。「また学生たちは、システムで提供されているAPIを使って独自のソリューションを開発し、サンドボックスモードで他のモジュールに接続することができます。」

多様な組み合わせ

アジア太平洋地域におけるOracle Academyの教育パートナーの組み合わせは多様です。250以上のスタートアップ企業を支援しているシンガポール国立大学、台湾ではデータベース管理、プログラミング、ネットワーク、アプリケーション開発を専門とする情報管理学部と情報技術学部を擁する黎明技術学院などがあります。オーストラリアでは、卒業後4カ月以内に約90%が就職するという高い就職率で知られるラ・トローブ大学、インドネシア東部のスラウェシ島で、わずか数年前に情報学部を開設したムハマディヤ・マカッサル大学などがあります。

Oracle Academyでは、女子学生や若い女性にSTEM分野でのキャリアに関心を持ってもらうために、専門家による情報セキュリティ、起業、ライティング、コンサルティングなどに関するインタラクティブなセッションを提供するなど、学外でのオンライン活動も精力的に行っています。

未来の技術イノベーターやリーダーの育成は、一朝一夕にできることではありません。トレーニングや教育における世界的な取組みは、数年単位ではなく数十年単位で行う必要があるうえに、プログラムの内容はニーズの変化に対応する必要があります。しかし、私たちは変化を起こしつつあります。なぜならば、私たちの経済と人々の未来よりも重要なものはないのですから。

本ブログ記事は9月8日に公開したA Blueprint for Cultivating the Innovators and Leaders of Tomorrowの抄訳です。

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