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危機のさなかで事業を継続させるための5つのステップ

Norihito Yachita
広報室長

このブログは、アッシュ・ノア(Ash Noah - CPA、CGMA、FCMA、国際公認職業会計士協会学習/教育/育成担当マネージングディレクター)のブログ記事 5 Steps for Business Continuity Amid COVID-19を抄訳した内容です。

私はかつて最高財務責任者(CFO)として、湾岸戦争、9/11米同時多発テロ、2008年の金融危機など、さまざまな危機を乗り越えてきました。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらす経済の混乱は前例を見ないものです。世界の経済および社会情勢は未知の領域に入っています。

この不確実性の中で、財務部門は価値を創出し、戦略的ビジネスパートナーとしての自らの役割を強化することができます。公認会計士(CPA)や公認グローバル管理会計士(CGMA®)の資格取得者は、トレーニングや経験によって、リスクを軽減させ、組織、事業、コミュニティの復旧に向けた取り組みを主導するための専門知識やスキルを得ています。

国際公認職業会計士協会(Association of International Certified Professional Accountants®)は、皆様のお役に立てるよう、今後数週間のうちに財務部門のリーダーとともに4部構成のウェブでの講習会を実施し、事業計画に関する専門家の知見を提供して、現在の危機的状況の中で組織を主導できるよう支援しています。この講習会にはオラクルによるトレーニングも含まれており、同社の顧客がいかにテクノロジのベストプラクティスを活用して、現在の混乱を乗り越えるだけでなく、数カ月以内にビジネスの回復力を高めることができるのかをお伝えします。

事業継続性に向けた5つのステップによる計画

このシリーズにおける私の最初のウェブキャストポッドキャストとしてもご利用いただけます)では、オラクルのグローバル戦略担当バイスプレジデントであるクリス・カイト(Chris Kite)氏が、事業継続性計画(BCP)から始まる事業継続性へのアプローチを紹介しました。まだBCPを策定していない場合、活用できる災害復旧計画(DRP)があるかどうかを確認します。どちらも存在しない場合は、今こそ着手すべきです。BCPを策定したら、以下の5つのステップに従ってその有効性を確保します。

1. ビジネス・インパクト分析(BIA)を実行する

BIAは、COVID-19が事業運営に及ぼす潜在的な影響を特定・評価するために役立ちます。このプロセスには、継続的な運営に向けた組織の対応を評価するためのギャップ分析も含まれています。この分析を行う際には、以下のステークホルダーへの影響を評価します。

従業員:従業員は、組織にとって最も重要な関心事であるはずです。この時期にスタッフをいかに管理するかが、従業員のロイヤルティと維持率に長期的な影響をもたらす可能性があります。まず、「極めて重要」なプロセスと、それを実行するメンバーを特定します。次に、こうしたプロセスは職場で実行しなければならないのか、あるいはリモートでも実行できるのかを判断します。また、組織の大半がリモートで働けるよう、あらゆる対策を検討します。従業員の一部がウイルスに感染する可能性があるため、支援体制も合わせて構築し始めることが不可欠です。

顧客:組織がいかに顧客に対応し、サービスを提供するかは、長期的なロイヤルティの構築に極めて重要です。1つの失敗が、長期にわたる評判の低下をもたらす可能性もあります。顧客の負債レベルを注視し、定期的に信用リスクを評価します。現在は標準的な信用スコアが正確ではないため使用せず、従来とは異なる信用スコアを使用して、事態が正常化した後で顧客がゴーイングコンサーン(継続企業の前提)となるかどうかを判断します。

サプライヤー:グローバルなサプライチェーンが混乱している中、業務を継続するために「極めて重要」な供給品やサプライヤーを特定する必要があります。すべてのサプライヤー契約を見直し、その内容を把握して、いずれかのサプライヤーが商品を供給できなくなった場合に業務を継続するための代替策があるかどうかを判断します。今こそすべてを見直し、再検討すべきです。旧来の考え方を再考する好機であり、イノベーションと創造性を奨励します。

2. シナリオを構築する(モデリング)

次に、「最悪」および「最も可能性が高い」ケースのシナリオについて、モデルを構築します。これにより、検討すべき十分な範囲のビジネスの結果が示されます。例えば、主要なステークホルダーのグループと、それぞれに関連する見極めたリスクを考察する場合、今後3カ月間、6カ月間、あるいは12カ月間に見込まれる戦略面、業務面、財務面の結果を特定できるようにすべきです。CGMAシナリオ構築ツールは、このプロセスの指針となる素晴らしいリソースです。アップサイドリスク(利益が発生する可能性)についても忘れずに検討します。代替となるビジネスモデルや、顧客にサービスを提供する新たな方法が存在するかもしれません。

3. リスク分析とマッピングを実行する

このステップでは、シナリオ(ステップ2で作成)を検討して新たなリスクを特定します。これにより、着実なシナリオを構築できるようになります。財務面、戦略面、業務面、対外面などの潜在的リスクや、その発生率も検討します。CGMAリスクヒートマップは、この取り組みの指針を提供します。

4. 組織の連携とコミュニケーションを確立する

(まだ存在しない場合)部門横断型のパンデミック対策チームを結成します。これにより、優先事項に応じて組織の連携を確立できます。また、ガバナンス要件に準拠する継続計画を実行するため、承認を確実に得ておきます。
ステークホルダーとのコミュニケーションは、すべてのBCPで不可欠なステップでもあります。各ステークホルダーとの間でコミュニケーションを図りたい、内容や頻度を特定します。リソースや指針を用いて、従業員、顧客、投資家などに向けた個別のウェブページを作成することは極めて有益です。

5. 継続的なモニタリングによって行動計画を策定する

効果的なBCPは、優先プロセスの主要業績評価指標(KPI)にも焦点を絞ります。流動資産、売り上げ、在庫などを測定および監視する頻度を高め、毎日または毎週にします。変化するリスクに即座に対応できるよう、データフィードを活用します。主要部門で継続的予測を実現し、調整を維持できるよう取り組みます。前述のように、流動資産がカギとなります。また、作業人員、顧客へのサービス提供を継続する能力、生産ラインとサプライチェーンの維持も重要です。

危機を克服するために:シナリオ構築と戦略的モデリングの詳細を検討

4月9日に、事業継続性に関するウェブ講習会の第2回を開催しました。行動計画に合わせて現在のリソースを結集させ、終息後の世界でビジネス/業界変革の最前線に立とうとしている場合、オンデマンドのウェブキャストをご覧いただくか、無料CPEクレジットで特定の日にライブに参加して、今すぐに使用できるシナリオ構築や戦略的モデリング手法を詳細に検討できます。オラクルのEnterprise Performance Management(EPM)製品管理担当バイスプレジデントで、主要なプランニングおよび予算策定ソリューションを設計・提供、20年以上の経験を有する業界のエキスパートである、マーク・シーウォード(Marc Seewald)も登場します。

具体的な学習目標には、組織にとってシナリオ構築がいかに役立つか、シナリオ構築における財務の役割、適用すべきアプローチと方法論、そのニーズをサポートするために利用できるツールなどが含まれます。シーウォード氏はシナリオ構築のベストプラクティスを紹介し、現在の緊急事態から、多様な継続・復旧シナリオに向けたプランニングからモデリングへと移行する方法を参加者に紹介します。

講習会の第3回および第4回では、危機・復旧管理や人的資本管理戦略における専門家の役割について検討します。AICPA COVID-19リソース・センターで、このシリーズの過去の放送や今後のウェビナーをご覧いただけます。

 

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