大規模なデータベースやメディア・コンテンツなど、大容量データのクラウド移行では、移行時間がかかる場合があります。また、ネットワークに繋がっていないデータをクラウドに移行したい場合もあります。
そんな時は、Oracle Cloud Data Transfer Serviceを使ったデータ移行が便利かもしれません。Oracle Cloud Data Transfer Serviceでは、物理デバイスを使用して、オフラインでクラウドにデータ移行できます。
Oracle Cloud Data Transfer Serviceでは、物理デバイスに手元のデータを格納してOracle Cloudに輸送すると、データがOCIのオブジェクト・ストレージにアップロードされるサービスです。
物理デバイスには、ハードディスクまたはより大規模なデータを移行するためのアプライアンスが使用できます。
ハードディスクの場合は、お客様が購入したディスクにデータを格納して送ります。アプライアンスの場合はオラクルがお客様にアプライアンスを送付し、そのアプライアンスにデータを格納して返送します。どちらの場合も、データは暗号化されてデバイスに格納されるため、データ移行時のセキュリティが確保されます。
オンプレミスのOracle DatabaseのデータをOracle Cloudのデータベース(Autonomous Database)に移行する場合を考えてみます。データが大きく無い場合や、専用線などを使用していてネットワーク帯域が十分にある場合には、MV2ADBやGoldenGateなど様々なツールを使用したネットワーク経由での移行が考えられます。
しかし、データ・サイズが非常に大規模な場合や、ネットワークが接続されていなくオンラインでのデータ移行が難しい場合には、Data Transfer Serviceを使用した移行が考えられます。
Data Transfer Serviceを使用し、一度オブジェクト・ストレージにデータを格納し、そこからAutonomous Databaseにインポートします。
データがそんなに大きく無い場合でも、オフラインでデータを移行することで、既存ネットワークに影響を与えずに移行することが可能です。
Autonomous Databaseでは、データをインポートして使用する以外にも、直接オブジェクト・ストレージ上のJSONやCSVデータを検索することが可能です。Analytics Cloud ServiceやData Science Cloud Serviceなどの様々なサービスでも、オブジェクト・ストレージのデータを活用できます。そのため、例えば大量のログ・データをData Transfer Serviceを使用してObject Storageに格納することで、Oracle Cloudの様々なサービスでデータを活用できるようになります。
Oracle Cloud Data Transfer Serviceは、日本でも東京および大阪の2つのリージョンで使用可能です。大規模なデータやデータベースの移行が必要な場合には、ぜひご活用下さい。