参加御礼: Solaris Night Seminar 2nd repeat (2007/08/02)

さて、かなり書くのが遅れてしまいましたが、本日の話題は先日お知らせ開催しました Solaris Night Seminar 2nd repeat (2007/08/02) についてです。

まずはご参加いただきました皆様、ご興味を持っていただきました皆様、ありがとうございました。前回はセミナー申し込み受付開始後数時間で定員に達してしまったのですが、今回は定員になるまで 1 週間ほどかかり、「参加したい」と思っていたが申し込めなかったという方はほぼいなかったのではないかと予想しております。

seminar guide会場はこちらです

内容は 2007/6/21 開催分と同じで、「【ユーザー向け】 Solaris で業務をしよう」という、Solaris/OpenSolaris をデスクトップ用 OS として使用する話題の導入編 (付録には実際の環境で十分使用可能なコンテンツも多くあります) となっており、番外編として Solaris をデスクトップ環境として使うにあたっての最近よくあるパターンとしての Sun Ray を紹介しました。

これまで、Sun Ray の話題をセミナーでちょっとでも触れると、質問が Sun Ray のことに集中しがちだったのですが、今回のセミナーでは Solaris の質問を非常に多くいただきまして、皆様に Solaris/OpenSolaris をいろいろと使っていただいていたり、興味を持っていただいていたりしていることが実感でき、皆様の役に立つ情報をますますご提供していければ (いや、いかなくてはならないな) と思いました。以下、いただきましたご質問と、私なりの回答を記載させていただきます。今回は非常に多くのご質問をいただきました。ありがとうございました。

  • Q1: Solaris のシェアはどのくらい?どのリリースが使われている?
    • A1: 2007/4/30 時点で Solaris 10 が 870 万ライセンスを供与とのことなので、1 日 1 万ライセンス以上が供与されている計算です。さらにこの数字には Sun のホストに付属している Solaris のライセンスや、OEM のライセンスなども含まれていないようなので、プラス数 10 万ライセンスが出回っているようです。全ライセンシーがアクティブというわけでは無いですが、それにしてもかなり多くのライセンス数が世に出ていることになります。

      SPARC:x64/x86 は概ね 1:4 くらい、日本向けは概ね 1 割強くらいらしいです。対応ハードウェアシステム数は HCL ベースで現在約 900 です。Mission Critical 分野で UNIX サーバーが使用される場面にて、Sun, IBM, HP でざっくり同数くらいという感じでしょうか。

      UltraSPARC プロセッサに対応した Solaris 2.5.1、Enterprise サーバー群で非常に多く使われた Solaris 2.6、インターネットブームにわいた際に非常に多く使用された Solaris 8、これらを使用しているお客様もまだ多いようです。リリースごとの比率はちょっとわかりません。Solaris 10 へのアップグレードにあたり、Solaris 2.6 以降は ABI の互換性が保証されていますので、比較的容易なシステム移行が行えるかと思います。

  • Q2: Trusted Extensions (TX) とは?何が違う?
    • A2: TX は Solaris 10 11/06 リリースに付属している、OS のセキュリティレベルを高めるための追加コンポーネントです。追加といいつつも、Solaris 10 はもともと OS 内にこの機構を実装しており、追加コンポーネントをインストールすることによってこの機能を有効にするという感じです。軍事利用にも使用可能なセキュリティレベルを実現した Trusted Solaris 8 という製品がありますが、これと同様のセキュリティ機構を実現するものとなります。

      具体的に特徴的なのは、「機密ラベル」というタグによってオブジェクト (ファイル、ディレクトリ、プロセス、ユーザーなど) へのアクセスが制御される点で、このラベルは管理者によって付与されます。UNIX のアクセス権はユーザーによって設定可能なものが一部ありますが、機密ラベルは管理者によって設定され、システム内のオブジェクトへのアクセス設定が管理者によって行われるようになります。(MAC: Mandatory Access Control)

      さらなる詳細はこちらマニュアルをご参照ください。
      Solaris Trusted Extensions インストールと構成
      http://docs.sun.com/app/docs/doc/819-7609
      Solaris Trusted Extensions Collection - Japanese
      http://docs.sun.com/app/docs/coll/607.2
  • Q3: Sun 社員は何を使っているのか?
    • A3: 主に使っている環境としては、デスクトップは Sun Ray、Sun Ray サーバーは Solaris 10 on SPARC です。ブラウザは Firefox、メールは Thunderbird、オフィスは StarSuite 8 です。
      Sun on Sun と昔から言われていまして、自社製品を社内で使って不具合などを洗い出し、品質を高めた上でお客様に使っていただこうという考えと、自分たちで使えないようなものをお客様に勧めるわけにはいかないという考えに基づきます。
      業務内容によっては、Solaris ワークステーションや、Windows/Linux PC を多く使っている人もいます。開発を行っている人や、接続検証などを行っている人に多いようです。

  • Q4: OpenSolaris で suspend/resume 機能は使えるか?
    • A4: すみません、現在は使えませんが、使えるようにしようという動きはあります。

  • Q5: StarSuite の MS Office との互換性は?
    • A5: StarSuite 7 と比べて、StarSuite 8 では MS Office との互換性が非常に高くなりました。Office XP/2003 との互換性につきましては、ざっとではありますが 9 割以上大丈夫という感じです。Sun 社内ではお客様から送られてきた MS Office 用ファイルを StarSuite 8 で読み込んで編集し、再度 MS Office 用ファイルフォーマットで保存してお客様とやりとりしてそれほど問題は起きていません。小さい文字がたくさん入っているようなドキュメントで若干レイアウトがずれることなどはあるようです。
      マクロに関しましては互換性はありませんが、StarSuite 8 の Enterprise Edition ではマクロ移行ツールが用意されています。また、関数名が若干異なるものもあります。なお、Office 2007 との互換性はありませんが、今後の Update (概ね 3-4 ヶ月ごと) にて対応が予定されています。
      Office 2003 から Office 2007 に移行するよりは、StarSuite 8 に移行する方がはるかに簡単だという話も何件かいただいております。

  • Q6: Sun のベンダー資格の有効性は?
    • A6: 非常に曖昧な内容で申し訳ございませんが、Sun Certified System Administrator (SCSA) 取得者の給与は、そうでない人と比べて数 10% ほど高いというデータもあるようです。

  • Q7: Solaris 10 の機能で OpenSolaris より進んでいる点はある?
    • A7: 基本的にありません。新機能の実装やバグの修正もまず OpenSolaris (Nevada) にて行われ、それが徐々に Solaris 10 に取り入れられる (バックポートと呼んでいます) ようになっています。

      ただし、ハードウェアシステム対応につきましては、Solaris 10 ではサポートされるが、OpenSolaris での動作は未確認というものもあるので、この点に関しては Solaris 10 の方が進んでいると言えるかと思います。個々のデバイスサポートは OpenSolaris の方が先であることが多いです。

  • Q8: 日本語は使える?
    • A8: 問題なく使えます。ただし、他の OS とファイルなどをやりとりする際にファイル作成時の日本語保存形式 (エンコーディング) の違いに注意する必要がある場合があります。Windows や Linux でweb ページを見ていてたまに文字化けしているページなどがあるかと思いますが、あれです。日本語の文字は OS からはコード番号で扱われるのですが、コード番号の体系が大きく 4 通りあり、このことは実はどの日本語対応ソフトウェア (OS もアプリも) でも頭を悩ませている点です。

  • Q9: プリンタはどのくらい使える?
  • Q10: インストール時に固まってしまった
    • A10: ACPI の設定を変えて試していただくとうまくいくことが多いです。また、コンソールデバイスをシリアルポート (ttya または ttyb) として OS インストーラを起動してしまうと、途中から出力がシリアルポートに行われ、画面上では固まってしまったように見える場合もありますので、tty をコンソールとしない設定でインストーラを起動してください。詳細はこちらの虎の巻 (Solaris 10 1/06, SXDE 5/07) をご参照ください。

  • Q11: Windows を消したくないが Solaris/OpenSolaris も使ってみたい
    • A11: A10 の虎の巻を参照して dual boot (1 システムの HDD 上に複数の OS をインストールしておき、起動時にどの OS を起動するか選ぶ) の設定をしていただくか、Windows の Virtual PC、MacOS X の Parallels、VMware などの仮想マシンを設定して Solaris/OpenSolaris をインストールいただくことも可能です。

  • Q12: Solaris の仮想環境は?
    • A12: Solaris 10 をとりまく主にソフトウェア的な仮想化技術は以下のようになります。
      • Solaris Container
        Solaris 内に独立した Solaris 環境を作成する Solaris Zones と、各 zones へのシステムリソース配分を管理する Solaris Resource Manager から成ります。各 zone は、あたかも 1 Solaris ホストであるかのように動作します。
      • LDoms
        UltraSPARC T1/T2 プロセッサの持つ仮想化機能を使用し、独立した Solaris 環境を動作させる仕組みです。
      • Xen
        OpenSolaris プロジェクト内で Solaris 対応が進められているプロジェクトです。dom0 と呼ばれるドメイン (1 つの OS) 上に、domU と呼ばれる他の OS の実行環境を構築できます。OpenSolaris では dom0 および domU への対応を目指しています。
      • 仮想 PC 上へのインストール
        A11 をご参照ください。
      • Sun Ray / Secure Global Desktop
        サーバー内に仮想デスクトップ環境が作成され、それがユーザーの目の前にある端末に表示されます。デスクトップの仮想化と呼んでいます。

  • Q13: Solaris のウィルス対策は?
    • A13: 以下列挙します。
      • デスクトップ向け OS として Solaris がこれまで Windows ほどは使われていなかったので、ウィルス作成者の攻撃対象となりにくかった。
        • ウィルスがほとんど無いので、個人デスクトップとして Solaris を使用する人向けの anti-virus ソフトを作っても儲からないらしく、今そのような製品は無い (らしい。以前あったようです)
      • Windows PC をクライアントとして使用する場合の Solaris サーバー (メールサーバーなど) で Windows 用の virus 対策を行うソフトはある
      • そもそも UNIX は複数ユーザー、複数プロセスを動作させることを意図して作られていて、一般ユーザーの権限ではシステムに危害を与えにくい方針となっている
      • さらに Solaris は、主にサーバーを用途として使われている。サーバーに何か問題が起こるのはまずいので、まず設計的に virus 被害を受けにくくなっている。また、サーバー用途ということで、多くのシステム管理者や開発者から日々チェックを受けており、穴があってもすぐ塞がれるようなプロセスとなっている。
      • さらに Solaris 10 では、最小特権という仕組みによって、ユーザーのみならずプロセスも行える権限の範囲が厳密に設定されており、プロセスを乗っ取っても大したことはできないことが多い。(厳密に設定されているが、Solaris 9 などで動いていたバイナリへの互換性があるという、非常に技術的に難しいことを成し遂げています!!)
      • さらに Trusted Extensions では、通常 root 権限などで動かす daemon プロセスですら、乗っ取られてもほとんど何もできないような設定を行える

  • Q14: Sun Ray の良さ、Windows との共存から移行へのプラン
    • Sun Ray Software は Solaris または Linux 上で動作しますので、そのままではデスクトップとして Solaris または Linux を使用します。Sun Ray Software 4 に付属している Sun Ray Connector for Windows OS というソフトウェアを使用しますと、RDP にて Windows (Windows Server または XP Professional) と通信でき、Sun Ray 端末の画面上に Windows の画面を表示できます。アプリごとやウィンドウ表示も行えますが、全画面表示によって Windows の画面のみを表示するようにもできます。

      セキュリティやコストの都合から Sun Ray を使いたいが、どうしてもアプリケーションなどの都合で Windows 環境も残したいという場合、この Connector を使用して Sun Ray と Windows の共存・混在が可能です。

  • Q15: 環境を作っては壊すという使い方には?
    • A15: Solaris で (もちろん無償で) 使える Flash、Zones、LiveUpgrade といった機能を使用すればかなり便利にできると思われます。
      • Flash
        Solaris をインストールし、各種設定を行った状態を Flash Archive という 1 つの大きなアーカイブファイル (tar や zip のようなものと思ってください) に保存します。このファイルをインストール時に用いれば、設定まで完了したホストができあがるわけえです。別のホストに このホストのコピーを作るのが元々の使い方ですが、同じマシンに何度も同じ環境を構築する際にも使用可能です。
        アーカイブに OS を含める必要がある場合は、インストールに OS インストールと同じようなの時間がかかりますので、設定や追加ソフトのインストールに非常に時間がかかる場合などに有効な方法です。
      • Zones
        デバイスドライバなどのテストは行えませんが、ミドルウェアくらいの層のソフトウェアから見れば、ホスト内で個別に独立した Solaris ホストが動作しているものとして扱えます。例えば 1 ホスト内で 3 tier の動作確認テストを行う場合などにも使えます。OS 全体をインストールし直すよりも短い時間で Zone を構成可能ですし、Zone の再起動は非常に短い時間で行えます。
      • LiveUpgrade
        今動作しているシステムのコピーを、システム動作中に作成し、そのコピーに対して upgrade インストールを行う機構です。ミドルウェア等をインストールする前の状態とインストールした後の状態を何度も切り換えて確認する必要がある場合などに使用可能です。
  • Q16: x86 で Windows/Linux/Solaris でのパフォーマンス比較
    • A16: パフォーマンス比較と言ってもいろいろなパターンがあるので、ぱっとお出しできるいい資料は今手元にありません、申し訳ございません。私の知っている範囲では、OSS は Linux 向けに効果的な設定をデフォルト設定としていることが多いので、Solaris でそのまま使うとちょっと性能が出ないことが多いようです。設定ファイルや実行時オプション、再コンパイルなどのチューニングを行い、さらに複数プロセッサをより有効に使うと Solaris はかなりの性能値を出すことが多いようです。
      このあたりの Solaris 向けチューニングを行った Cool Tools というパッケージも提供されておりますのでお試しください。

また、いただきましたアンケート結果は後日掲載とさせていただきたいと思います。 

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