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RedHat+Oracleユーザーにぜひ知ってほしい! Oracle Linuxがオラクル製品の実行基盤に最適な理由

「オラクル製品をRed Hat Enterprise Linux 上でお使いの皆様には、ぜひ一度Oracle Linuxへの移行をご検討いただきたい」——こう語るのは、日本オラクルの松崎展晃氏だ。今日、Linuxディストリビューションは数多く存在するが、その中でOracle Linuxは着実にユーザー数を伸ばしてきた。「オラクルがオラクル製品のために開発したLinux OS」には、果たしてどのようなメリットがあるのだろうか。(川添貴生)

コストを下げつつ、オラクル製品の安定稼働を実現——Oracle Linuxの2つのメリット

 基幹系システムの稼働OSを、従来のUNIXからLinuxへと切り替える企業が増加している。それを象徴する事例として挙げられるのが、NTTドコモが実施した顧客情報管理システム「ALADIN」のLinuxへの移行である。同社ではそれまで、基幹業務システムの大半をUNIX上で稼働させてきたが、2013年にALADINのシステム基盤をIA化するとともに、OSとしてLinuxを採用した。

 ALADINは、全国のドコモショップとインフォメーション・センターなどを連携し、顧客の与信チェックや在庫引当、売上計上、そして代理店精算などをリアルタイムに行う、NTTドコモにとって極めて重要な位置を占めるシステムである。こうしたミッション・クリティカルな領域においても、Linuxは着実に浸透しつつあるのだ。

日本オラクル 製品戦略統括本部 Oracle Linux & Oracle VM営業部 部長の松崎展晃氏

 このように企業でLinuxを利用する際には、ベンダーが提供する有償サポートを使うケースが一般的である。そうしたディストリビューションの1つとしてオラクルが提供しているのが、NTTドコモがALADINで採用したOracle Linuxである。松崎氏(日本オラクル 製品戦略統括本部 Oracle Linux & Oracle VM営業部 部長)は、企業がOracle Linuxを使うメリットを次のように説明する。

 「Oracle Linuxには、大きく分けて2つのメリットがあります。

 1つ目は、ローリスク/ハイコストダウンであるということ。Oracle Linuxであれば、OSにかかわるコストを大幅に削減することができます。

 2つ目は、オラクル製品をお使いのシステムで最高レベルの性能と信頼性が得られるという点です。実際に、企業のミッション・クリティカルなシステム基盤として普及しているOracle ExadataをはじめとするEngineered Systemsで採用されるなど、Oracle Linux は私たちが自信を持ってお勧めできるOSに仕上がっています」(松崎氏)

Red Hat環境のままで、サポート・コストだけを削減できる

 それでは、Oracle Linuxとは、どのようなLinuxディストリビューションなのだろうか。

 まず大きな特徴となるのが、オラクル製品に最適化された「Unbreakable Enterprise Kernel(UEK)」と呼ばれるカーネルに加えて、Red Hat Enterprise Linuxとの完全互換なカーネルの2つを同梱していることだ。カーネル以外のコンポーネント(ユーザー空間[User Land])もRed Hat Enterprise Linuxと同等であるため、互換カーネルを選択した場合は、Red Hat Enterprise Linuxの互換ディストリビューションであるCentOSと同様に使うことができる。

 この点に関連して見逃せないのが、コスト・メリットの大きさである。Oracle Linuxと同様にベンダーの有償サポートが受けられるLinuxディストリビューションにRed Hat Enterprise Linuxがあるが、年間のサポート費用で比較すると、Oracle Linuxを使った場合はわずか3分の1程度のコストでサポートを受けることができる。

 これに加えてさらなるメリットとなるのが、仮想環境向けのライセンスだ。Oracle Linux Basic Limitedは、ゲストOSの数が無制限となる。一方、Red Hat Enterprise Linuxの場合はライセンスが異なり、サポート費用も大幅に高くなるため、Oracle LinuxとRed Hat Enterprise Linuxの費用差は約7.8倍にまで広がるのである。

 もっとも、サポート費用がどれほど安くても、安定稼働している既存システムのLinuxを再インストールするのは避けたいと考える企業もあるだろう。そこで、オラクルは再インストールすることなく、企業の既存のRed Hat環境をそのままサポートするサービスを提供している。これは、Linuxがオープンソースであるからこそ提供できるサービスだと言える。このサービスを利用することにより、結果的に企業は既存の環境には手を入れることなく、サポート費用を3分の1から8分の1程度にまで削減できるのである。

 オラクルがこれほど安価にLinux サポートを提供する理由を、松崎氏は「OSなどのインフラにかかるコストを少しでも抑え、IT予算をより有効に使いたいと考える企業のニーズに応えるため」だと説明する。

 「オラクルは、ミドルウェアやアプリケーションといったより上位のソフトウェア・レイヤこそ、これからの企業のビジネスにとって重要な軸となる部分であり、そこでお客様に貢献したいと考えています。そのため、OSなどのインフラ部分については低コストで安定して使えるものをご用意し、それによって生じた余剰を上位レイヤへの投資に振り向けていただきたいという思いから、Linuxサポートを安価にご提供しているのです」(松崎氏)

同一バージョンの長期サポート、高い性能/信頼性
——Oracle Linuxならではの魅力も豊富

 もう1つ、Oracle Linuxに関して見逃せないのが、長期サポートの提供である。これは、固定したマイナー・バージョンで最長で8年間、問い合わせ対応やアップデータ提供などのサポートを提供するというものだ。

 そもそも、Linuxの世界ではバージョンアップを重ねて問題を解消していくという考え方が根強く、同一バージョンに対する長期間のサポートは基本的に受けられない。この点が、UNIXからの移行を考える企業にとって障壁となるケースが多かった。しかし、オラクルの長期サポートを利用すれば、8年間は同じバージョンでLinuxを使い続けられることになる。これは、Linuxのサポートにまつわる弱点を解消する、意欲的な取り組みだと言えよう。なお、このサービスはNECおよび富士通との協業によって実現しており、両社のいずれかと契約を結ぶことになる。

 もちろん、オラクルは低コストでサポートを提供するだけでなく、OSとしての性能/機能強化にも力を入れている。

 その成果を最大限に享受できるのが、オラクル製品に最適化されたカーネルであるUEKを使う場合だ。例えば、Oracle Databaseの実行性能をRed Hat互換カーネル版(Red Hat Enterprise Linux 5ベース)とUEK版(Oracle Linux 5+UEK1)で比較すると、約1.3倍~4倍の性能差が生じる。当然、UEK版のほうがパフォーマンスは高く、この結果を見れば「オラクル製品に最適なOS」だという松崎氏の言葉にも納得できるだろう。

 さらに、Oracle Linuxの最上位エディションである「Oracle Linux Premier」では、オンライン・アップデート機能「Ksplice」を利用できる点も見逃せない。これは、稼動中のシステムを停止することなく、オンラインでカーネル・パッチを適用できるというものだ。昨今では、セキュリティ面の脆弱性を解消する目的などから、1日に数個のパッチがリリースされることも珍しくない。だが、システムによっては、それらのパッチを適用するための時間を確保できないというケースもあるだろう。しかし、Kspliceを利用すれば、システムを止めることなくパッチを適用できるのである。

 なお、Oracle Linuxそのものは無償で提供されており、誰でも自由にダウンロードして使うことができる。このため、ダウンロードしたOracle Linuxを開発/テスト環境として無償で利用しつつ、本番環境に移行するタイミングで有償サポート契約を結ぶといった使い方をする企業もある。Red Hat Enterprise Linuxを利用する場合、開発とテストには互換ディストリビューションであるCentOSを使い、本番環境でRed Hat Enterprise Linuxに切り替えるケースが多いが、Oracle LinuxであればOSの切り替えは不要なのだ。

 このように、Oracle Linuxはコスト面だけでなく、性能や運用/保守の面でも企業にさまざまなメリットをもたらす。オラクル製品の最適な実行環境として、またLinuxで稼動するシステムの運用コストを削減する手段として、ぜひ多くの企業に活用していただきたい。

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