“Oracle Database 12cの魅力”を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【NEC編】

長年にわたりミッション・クリティカル領域へのOracle Databaseの適用を推進してきたNEC。同社のエキスパートらは、マルチテナント・アーキテクチャなどの新機能を多数盛り込んだ新バージョン「Oracle Database 12c」をどう見ているのだろうか。正式リリース前から同データベースの検証に取り組んできたNECの担当エンジニアらに、その魅力、使いどころを聞いた。(川添貴生)

データベース統合の解としてマルチテナント・アーキテクチャに期待

NEC システムソフトウェア事業部 シニアエキスパートの飯田健太郎氏

 1987年に国内ベンダーとして初のOEM契約を締結して以来、長年にわたって国内企業を中心にOracle Databaseを販売/導入してきたのがNECだ。近年は、NECの統合運用管理ソフトウェア「WebSAM」と「Oracle Enterprise Manager 12c」を連携させるコネクタ製品(ソフトウェア)の共同開発/提供や、国内パートナー・ベンダーでは初となる「Oracle Exadata」の一次保守サービスの提供、Oracle Exadata向けのSI支援サービスの提供、「Oracle Linux/Unbreakable Enterprise Kernel」の一時保守サービスと特定バージョンの長期保守サービスの提供など、NECとオラクルはさまざまな分野で協業関係を深めている。

 NECにおけるOracle Databaseへの取り組みにおいて、自身が特に力を入れているのはミッション・クリティカル領域への適用だと話すのは、システムソフトウェア事業部 シニアエキスパートの飯田健太郎氏だ。

 「NECでは、1990年代後半からミッション・クリティカル領域でOracle Databaseを積極的に活用してきました。その過程では、オラクルやその他のソフトウェア・ベンダーと協力しながら課題解決に取り組むこともありました。特に高可用性データベース・システムの実現に関して、オラクルとの間には長い協力関係があります。

 こうした背景から、今回のOracle Database 12cの検証では、ミッション・クリティカル領域における新機能の有用性などを中心にチェックを行いました」(飯田氏)

 Oracle Database 12cで追加されるさまざまな新機能の中で、飯田氏が特に注目しているのは「マルチテナント・アーキテクチャ」だという。

 「現在、多くのお客様のシステムにおいて『散在するサーバの統合』、『ITコストの最適化』が課題として浮上しています。一般には、ハードウェア仮想化によるサーバ・コンソリデーションが解として考えられますが、データベース・サーバが対象となる場合、性能要件や可用性要件が高い、I/O処理が多いなどの理由から、導入を躊躇するケースが比較的多いという印象を持っています。

 Oracle Database 12cで新たに導入されたマルチテナント・アーキテクチャは、データベース層で実現されている機能であることから、収容効率や監視性、運用性などの観点でメリットを期待できると思います。ただし一方で、処理オーバーヘッドやリソース競合の影響を見極める必要性もあると考えています」(飯田氏)

データベース集約時のリソース管理や可用性など、
さまざまな観点からマルチテナント・アーキテクチャを評価

 それでは、NECでは具体的にどのような評価を行ったのだろうか。これについて説明してくれたのは、同社システムソフトウェア事業部で高可用性ソリューションの開発に携わる伊藤高志氏(主任)だ。

NEC システムソフトウェア事業部 主任の伊藤高志氏

 「マルチテナント・アーキテクチャのメリットは集約率を高められる点にあると私たちは考えています。ただし、高可用性の実現という観点から見ると、集約率を高めることによって障害時の影響範囲が広がることから、逆にデメリットになる可能性もあります。

 そこで、Oracle Database 12cの検証では、集約した際に個々のデータベースのリソースを適切に管理できるか、さらにはマルチテナント・アーキテクチャをOracle Real Application Clusters(RAC)構成で運用した際の可用性がどうなるかを検証しました」(伊藤氏)

 その検証結果はどうだったのだろうか?「期待どおりの結果が得られた」と伊藤氏は答え、次のように説明する。

 「CPUリソースなど、Resource Managerの機能によって制御できるリソースに関しては、リソース使用量の制限が有効に働くことを確認しており、ほかのテナントに影響が及ぶのを防げると考えています。

 また、コンテナ・データベースをRAC構成にした場合の可用性については、いずれかのプラガブル・データベースを停止してもほかには影響が及ばないことや、コンテナ・データベース自身の障害の際には短時間で待機系に切り替えられるといったことがわかりました」(伊藤氏)

NECソフト長野支社ORACLEサポートグループ リーダーの寺村千秋氏

 一方、NECソフト長野支社でOracle RAC機能の技術検証などを担当している寺村千秋氏(ORACLEサポートグループ リーダー)は、「REDOログ・バッファやバッファ・キャッシュを格納するメモリ領域であるSystem Global Area(SGA)を複数のデータベースで共有できること」をマルチテナント・アーキテクチャのメリットとして挙げる。

 「複数のデータベースをそれぞれ個別のインスタンスで運用する場合と比べると、マルチテナント・アーキテクチャでは複数のデータベースでSGAを共有するかたちとなるため、データベースの集約率を高められると期待しています。今日、データベース統合を実現する方法はいくつかありますが、この集約率の高さが、Oracle Database 12cのマルチテナント・アーキテクチャのアドバンテージになるのではないでしょうか」(寺村氏)

Oracle Database 12cで、お客様に新たな価値を提供していきたい

 もう1つ、NECが注目する新機能として挙げられたのが「Application Continuity」である。これはデータベースがダウンした際、障害が発生したノードで実行していたトランザクションをリプレイするという機能だ。この機能を検証した伊藤氏は、「データベース・アプリケーションを開発する現場にメリットをもたらす機能」だと評価する。

 「今回の検証では、データの一貫性が保てる場合にはエラーを出力せずに処理を再実行/継続し、保てない場合はエラーを出力するという動作について、通常のアプリケーションと、Oracle Universal Connection Pool経由でのアクセスの両方で問題なく動作することを確認しました。特にOracle Universal Connection PoolやOracle WebLogic ServerのActive GridLink for RACを利用すれば、アプリケーションの変更を最小限にできる点がメリットだと考えています。

 また、データベースのダウンに伴うエラー発生率をある程度抑えられる可能性がありますから、現場での対応コストの低減にもつながるのではないでしょうか」(伊藤氏)

 NECはWebLogic Serverの販売/導入実績も多く、高可用性機能であるActive GridLink for RACについてオラクルと共同でホワイトペーパーを作成するなど、先進的な取り組みを行ってきた。そのWebLogic Serverなど他のオラクル製品との組み合わせでも、Oracle Database 12cは威力を発揮するというわけである。

 最後に飯田氏は、「今後も検証を重ねてOracle Database 12cの適用領域をしっかりと見極め、新機能を活用したご提案でお客様に新たな価値を提供していきたいですね。当社のソリューション型プラットフォーム製品群『NEC Solution Platforms』のOracle Database 12c対応も進めます。引き続きOracle Exadataと併せて、お客様に最適なシステム基盤を提供していきます」と抱負を語った。Oracle Database 12cにより、今後NECはミッション・クリティカル領域でどのような価値を生み出すのか、その取り組みに期待したい。

【Oracle Database 12cの製品カタログはこちらから!】

 Oracle Database 12cの製品カタログは、次のリンク先よりダウンロードいただけます。

>>クラウド"のために開発されたデータベース「Oracle Database 12c」
 (TechTargetホワイトペーパーダウンロードセンター)


 ◆目次:
  • クラウドのためのデータベース Oracle Database 12c
  • マルチテナント対応のデータベース
  • 情報ライフサイクル管理を自動化
  • データベース自身がセキュリティを管理
  • もしもの時にもゼロ・データロスでビジネスを続行
  • Oracle Database 12c 主要新機能一覧

"Oracle Database 12cの魅力"を国内主要ベンダーのエキスパートが語る
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