最新のOracle Databaseでストレージと賢く付き合う 第4回 ストレージ・コストを大幅に削減できるのもOracle Database 11g Release 2 Enterprise Editionの魅力

調達の見直しや仮想化技術を利用したサーバの集約、あるいはオンプレミスからクラウドへの移行など、今日、さまざまな観点からITコストの削減が進められていますが、一方でなかなか下がらないのがストレージ・インフラにまつわるコストです。最終回となる今回は、このストレージ・インフラのコストを、最新のOracle Database 11g Release 2 Enterprise Editionを使って大幅に減らす方法を紹介します。

語り手:
日本オラクル
テクノロジー製品事業統括本部
データベースソリューション本部
データベースソリューション部
池田孝洋

■どうして? 高くつくのにハイエンド・ストレージが選ばれる理由

 昨今の情報システム部門にとってITコストの削減は重要課題の1つであり、さまざまな領域でハードウェアやソフトウェア・ライセンスの見直し、あるいは運用体制の再検討が進められています。こうしたコスト削減対象の1つとして、近ごろ多くの企業が目を光らせているのがストレージ・インフラのコストです。

 ストレージ・インフラはこれまで、なかなかコスト削減の進まない領域でした。例えば皆さんは、次のような調子でストレージを選択し、コストの無駄を発生させてはいないでしょうか。

上司:「今度導入するシステムで使うストレージは、もう決まったんだっけ?」

エンジニア:「いいえ、まだ選定中です。信頼性を落とさないためにも、これまで使ってきたハイエンドのストレージ製品を使うのがいいのかなと思っているのですが」

上司:「そうだよな。データが飛んだなんてことになったら目も当てられないからな。あと、容量にも余裕を持たせておいてよ。何でも今回のシステムで扱うデータは、法令で3年間は保管残しておかないといけないらしいんだ」

エンジニア:「そうなんですか。今のところは1年間で2TB程度増えることを想定しているので、余裕を見て8TBくらいのストレージにしておきましょう。ただ、予算は大丈夫ですか?」

上司:「うーん、ちょっと厳しいけど何とかするよ。性能や信頼性を落とさないためには必要だって言えば理解も得やすいだろう」

■IT投資コストの適正化を支援する「Oracleアセスメント・プログラム」

 確かに、企業にとって最も重要なデータが保管されるストレージでは、信頼性が何よりも重視されるべきでしょう。しかし、高信頼性を実現するための方法は、本当にハイエンド・ストレージを導入することしかないのでしょうか?

 また、コスト面で無駄になりやすいのが、ストレージ容量を見積る際にとる「余裕」です。もちろん、容量不足に陥れば、ディスクの追加やデータの再配置などさまざまな作業が発生し、稼働中のシステムを停止させなければならないなど、大きな影響が生じるのは事実でしょう。ただし、もし運用中でも柔軟にストレージを追加することができるのなら、最初から大容量のストレージを導入する理由はなくなります。

 実は、こうしたストレージ・インフラにまつわる課題を解決する目的から、日本オラクルでは「Oracleアセスメント・プログラム」の提供を開始しました。このサービスは、現在、国内企業の多くが抱えている次のような悩みを解決することを目的としています。

●現状と課題の可視化が行えていない
●ソリューションの適用イメージが見えない
●ソリューションの具体的な効果がわからない
●ソリューションの導入方法がわからない
img_storage_110606_01.png
 主に各社が情報システムの中期計画を立案する際にご活用いただいており、現状分析から将来像の策定、導入方法、そして導入効果の提示までを行います。実際にこのアセスメントを活用した企業からは、次のような反響を得ています。
 「サーバ/ストレージ統合を行ってコスト削減できるまでの具体的なイメージがつかめた!」
 このケースでは、システム環境のあるべき姿を検討し、現状のシステム環境とのギャップを具体的にどう埋めていくのか検討。さらに、その具体的なイメージを年度ごとのロードマップとして提示した。この企業では、5年間で管理対象システムを約3分の1に削減し、固定費も約半分に削減することを計画している。

 「システム全体のコスト削減目標が具体的に可視化できた!」
 このケースでは、システム環境でどの部分にどの程度のコストが生じているのかをワークショップの中で洗い出し、目指すべき次世代のシステム環境に移行した場合にどの程度のコスト削減が可能になるのか、またどれくらいの移行費用が想定されるのかを整理し、可視化した。

 「ここまでストレージ容量を削減できるとは思わなかった!」
 このケースでは、実データを一部借り受けてOracle Databaseの圧縮技術でどの程度の効果が得られるのかを事前に検証。その結果、約80%の容量削減効果があり、年間で約3.6TBのディスク容量抑制効果が出ることが判明した。
 今回は、このアセスメント・サービスの中でも、特にストレージ・レイヤにフォーカスした「Roadmap to Storage Grid(ストレージ統合)」で用いている手法の一部を紹介しながら、ストレージの賢い使い方を解説しましょう。

■本当にハイエンド・ストレージが必要なのか?

 アセスメントを行った多くの企業の環境で、ハイエンド・ストレージが使われていました。分散した中/小規模のストレージをハイエンド・ストレージに統合することでストレージ管理コストの削減を狙ったケースも多くありましたが、そうした企業からは「実際にどれだけの効果があったのかわからない」、「かえってコストが高くついた」といった声が聞かれました。

 それも無理はありません。実は、ストレージ・インフラのコスト削減では、「ハイエンド・ストレージからのダウングレード」が最も大きな効果をもたらすのです。ハイエンド・ストレージは導入コストの負担が大きいだけでなく、運用コストやディスク単価も高価です。そのため、まずは「ハイエンド・ストレージを使わない」という選択をすることがコスト削減を進めるうえで重要になるのです。

 具体的には、今使っているハイエンド・ストレージをミドルレンジやローエンドのストレージに置き換え、その一方で最新のソフトウェア技術を駆使して性能や信頼性を担保するというアプローチをとります。このソフトウェア技術としてオラクルが提供しているのが「Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)」です。
img_storage_110606_02.png
 Oracle ASMでは、ストレージをまたいでストライピングやミラーリングを行うことが可能です。つまり、Oracle ASMを使えば、高機能かつ大容量の高価なハイエンド・ストレージを用意する必要はなく、ミドルレンジやローエンドの低価格なストレージで同等のシステムを構成することができるのです。ミドルレンジ/ローエンドのストレージを複数利用し、Oracle ASMのストライピングやミラーリングの機能で可用性や耐障害性を高めることにより、低価格なストレージでも高い信頼性を実現できるというわけです。

 またOracle ASMは、あらかじめ大容量のストレージを用意したのに、結局は使い切らずにコストの無駄になってしまうという問題も解決します。この課題に対して、ストレージ・インフラ側からのアプローチとしては、よくシンプロビジョニングと呼ばれる方法が使われます。これは、仮想的に大きなディスク容量があるように見せかけ、実際は小容量のディスクで使い始めるという仕組みです。ただし、現実には利用できるハードウェアに制限があったり、ストレージを追加する際の手間が大きかったりといった課題があります。それに、データベースで利用する場合は、あらかじめ一定の領域を確保して運用を開始するのが一般的なので、実際にはスモール・スタートが難しいケースは少なくありません。

 しかし、Oracle ASMであれば、システムを止めることなく運用を継続しながらストレージを追加することができます。その際、ハードウェアや物理的なディスクの制限を受けることはありません。さらに、ディスクを追加した際、データの再配置(リバランス)が自動的に行われるため、改めて設定を行わなくても各ストレージを効率良く使える点も大きなメリットとなるでしょう。
img_storage_110606_03.png
 運用の手間が減らせることも、Oracle ASMの大きなアドバンテージです。例えば、データベースを作成する場合に、通常なら必須となるデータベースの配置位置の検討や論理ボリュームの作成、ファイルシステムの作成といった作業を行う必要はありません。ディスクの追加に関しても、大幅に運用手順を簡素化できます。
img_storage_110606_04.png
■サーバ/ストレージを集約すれば運用コストも減らせる

 ストレージ・インフラのコストを減らすためには、当然、運用コストも鍵となります。この観点で見たときにも、やはりハイエンド・ストレージのミドルレンジ/ローエンドへの置き換えが有効です。なぜなら、ハイエンド・ストレージの場合、必然的にランニング・コストも高くつくからです。

 もう1つ、大きなポイントとして、ストレージの集約が挙げられます。特にシステムごとに個別のストレージを用意しているケースでは、それらを全体として見ると空き容量が多く効率的ではない、一元管理が難しく管理工数が増大するといった問題が発生しがちです。また、監視対象のストレージが増えることにより、障害監視に漏れが発生する可能性が高まるほか、障害対応の工数も増加してしまいます。

 なお、ストレージを統合する際には、同時にサーバ統合も考えるべきでしょう。サーバ統合まで実現できれば、運用管理工数のさらなる削減につながります。そして、その先にあるのは、やはりクラウド的なアプローチになります。システムごとにハードウェアを用意するのではなく、標準化されたサーバ・リソースを活用することにより、運用管理の負担を軽減することが可能になるのです。

 ストレージ・コストの削減に効くもう1つのポイントは、「データベースの圧縮」です。これによってディスク消費を抑制し、ストレージ・コストを抑えられるからです。

 今日、ストレージ製品にも圧縮機能を備えたものがありますが、データベースやアプリケーションでデータを利用する際には展開処理が必要になり、それがパフォーマンスの低下につながります。しかし、Oracle Databaseに備わる圧縮機能を使えば、データを圧縮して格納するだけでなく、圧縮したデータをそのままデータベースで読み取ることが可能なため、展開処理が不要となり、ディスクI/Oも削減できます。加えて、メモリ上に多くのデータをキャッシュすることが可能となるため、パフォーマンスの改善につながる点も見逃せないメリットです。

■データベース運用のベスト・プラクティスが凝縮されたOracle Exadata

 さて、システム要件によっては、どうしても高価なストレージを使わなければならないこともあるでしょうが、その場合にはInformation Lifecycle Management(ILM)の考え方を取り入れることで、用途に応じて適切にストレージを使い分けることができます。具体的には、表中の参照する機会が多い領域をOracle Databaseのパーティショニング機能を使って分割し、アクセス頻度が高い領域は高速なストレージに、その他の領域は低コストのストレージに置くといった具合に使い分けることで、ストレージ・コストを適正化しつつ効果的に利用できるというわけです。

 例えば、更新頻度の高いデータであっても、よく調べてみると直近の数カ月分が頻繁に更新されるだけで、それ以前のデータはたまに参照されるだけというケースは少なくないはずです。パーティショニング機能を使えば、そうしたデータをそれぞれ最適なストレージに配置することが可能となるのです。

 実は、ここまでに紹介した仕組みを実現した製品が「Oracle Exadata」なのです。つまり、Oracle Exadataを導入するだけで、サーバとストレージの集約が可能になり、性能や信頼性を高めつつコスト削減のメリットを享受できるわけです。ただし、Oracle Exadataを導入しない場合でも、Oracle Database Enterprise Editionなら、Oracle ASMの機能が組み込まれているほか、圧縮やパーティショニングの仕組みが提供されています。ぜひこれらの機能を活用し、コストを抑えつつ高い性能/可用性を確保する賢いストレージの使い方を実践してください。

Comments:

Post a Comment:
Comments are closed for this entry.
About

Twitter
Facebook

Search

Recent Posts
Archives
« 3月 2015
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
    
       
Today