"SAP on Oracle Database"の価値「実は無償でこんな機能も利用できる!」――SAP基盤としてOracle Database Enterprise Editionを使う企業にぜひ知って欲しいコト

SAPの基盤としてOracle Databaseを利用している企業の中には、残念ながら同データベースの機能を十分に活用していないところが少なくない。Oracle Database Enterprise Editionに搭載される機能をうまく活用すれば、今日の企業が抱える課題の多くをスマートに解決できる。ここでは、そんな活用ポイントを紹介する(編集部)。

■「データ量の増加」でSAPを利用する企業が直面する課題

 SAPを採用している企業では、SAP導入後、業務内容の拡大に伴って適用領域を増やしていくケースが多い。そうした企業の多くでは、データ量の増大に合わせてモジュールの拡大を行った結果、次のような課題が発生しているという。

●処理能力拡大のためにデータベース・サーバを買い替えなければならない
●SMPボックスを本番/バックアップ機と用意したものの、処理能力が不足してくると全部を買い替えなければならなくなる
●データが増えてパフォーマンスが落ちてきたので、容量拡大に対応するため、高価なストレージを導入してパフォーマンス改善を試みる
●アウトソーシング・センターでSAPを運用しているが、セキュリティが担保されているのかどうかが心配
●データ量が増えるほど、SAPアプリケーションやBWのパフォーマンスがネックとなり、パフォーマンス・チューニングに多くのコストが必要になる
●障害対策でバックアップ機を用意しているが、基本的には動いていないリソースなので、コスト的には大きな無駄が生じている
●モジュールあるいはデータ量が増えれば増えるほど、運用負荷が高まっていく
img_others_110801_01.jpg
 ここでは、こうした課題に直面している企業を対象に、「拡張に対する課題」、「性能に対する課題」、「セキュリティに対する課題」、「運用管理に対する課題」のそれぞれについて、SAPの基盤として導入されているOracle Databaseを用いた最新の解決策を紹介する。
img_others_110801_02.png
■拡張に対する課題

 まずは拡張性に対する課題を取り上げよう。
img_others_110801_03.jpg
 従来は、業務拡大やユーザーの拡大に伴ってその都度、データベース・サーバをより大きなものに買い替えていく必要があった。これには当然、システムの規模が大きくなればなるほど多くのコストがかかる。さらに、データベース・サーバの入れ替えの度に発生する多額の費用と業務停止期間が大きな負担となったり、障害対策用サーバを増やしても大半が眠ったままで性能向上にはつながらなかったりといった課題もある。

グリッド・コンピューティング技術による解決
 オラクルでは現在、このような課題を解決するためのソリューションを提供している。それがグリッド・コンピューティング技術の「Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)」だ。このソリューションは現在、 SAPの基盤としてグローバルで一般的なテクノロジーとして実装されている。Oracle Databaseを使用している企業や、カスタム・アプリケーションをOracle Databaseで使用している企業なら、Oracle RACを使うことによって次のように課題を解決することができる。
img_others_110801_04.jpg
 業務内容が増え、既存のサーバの処理能力が足りなくなると、基本的にはより大きなサーバに買い替えるだろう。しかも、その場合は本番/バックアップ機の両方を買い替えなければならないが、Oracle RACは小型のサーバを並列稼働させるグリッド・コンピューティング技術により、このコスト負担を大幅に削減する。グリッド・コンピューティングとは、物理的には複数台あるサーバを論理的に1つの巨大なサーバに見立てて動作させる技術だ。処理能力が足りなくなったら、小型のサーバを追加するだけで拡張が可能となる。また、災害などによってどれか1台のサーバがダウンした場合でも、残りのサーバで稼働を継続する。SAP基盤として一般に用いられるHA構成よりも、はるかに短いダウンタイムで済むのだ。こうした特性により、無駄なバックアップ・サーバのコストを削減することが可能になるのである。

■性能に対する課題

 続いては、性能に対する課題について説明する。
img_others_110801_05.jpg
 「データ量やディスクの増加に伴ってパフォーマンスが悪化し、それを解決するために高価なディスクを買い続ければならない」――実は今日、この課題はOracle Databaseの「データ分割技術」と「データ圧縮技術」によって解決することができる。これらの機能は、企業が保有するOracle Databaseのライセンスや、SAPアンダーのライセンスの範疇で無償にて使うことが可能だ。

(1)パーティション技術
 Oracle Database Enterprise Editionには、SAPの基盤としてOracle Databaseを使う企業が無償※1で使用できる「Oracle Partitioning(以下、パーティション)」というオプション機能がある。データベースのパフォーマンス劣化は、基本的にCPUでは起こらない。ディスクI/O、ストレージI/Oに問題が発生することで、データベースのパフォーマンスが劣化するのだ。このストレージI/Oの問題を抑えるために、パーティションという技術を利用できるのである。

※1 SAPからバンドル・ライセンスとして出荷されたOracle Databaseには通常、有償のオプション製品が無償で使える権利が付与されている。

 下図は、このパーティションによる解決策を示したものだ。
img_others_110801_06.jpg
 図に示すように、具体的には日付ごとに、あるデータの塊を作って分割する。実際にこのようなパーティションを切っていないと表全体への問い合わせが行われるが、パーティションを活用することで、1月のデータなら1月のデータだけにアクセスさせるようにできる。これにより、ディスクI/Oが少なくなり、必要なデータだけにアクセスすることでパフォーマンスが改善するわけである。

 また、下図はSAP基盤のOracle Databaseで利用できるパーティション機能についてまとめたものだ。
img_others_110801_07.jpg
 Oracle Databaseのパーティションには、レンジ(主に時系列データの分析)、リスト(クライアント番号や地域、商品別で分ける)、ハッシュ(顧客名等の分割)、インターバル、コンポジットなど、さまざまな種類がある。その理由は、ディスクI/Oのボトルネックを極小化し、アプリケーションのパフォーマンスを最大限に向上させるために、さまざまな用途に合わせて最適なものを適用可能にしているからである。Oracle Database以外のデータベースでは、SAP環境で利用できるパーティションの種類に制限があるが、SAP環境でOracle Databaseを使っている企業では、上記のさまざまなパーティションを活用することで、パフォーマンス上の問題への対処が非常に容易になる。

 SAP BWに対しては、データ・ロードのタイミングでSAPに最適なデータ分割を自動設定する機能を提供している。それによってメンテナンスの負荷が軽減され、検索性能が向上する。また、SAP ERPに対しては、「SAP Partitioning Engine」というテンプレートを用意している。豊富なパーティションの種類において、有効なパーティションをSAPの30の表に対して事前にテンプレートとして提供している。このような機能を、オラクルとSAP社は共同で開発しているのだ。実際に「BWはもうダメだ、遅くて仕方がない」という企業でBWのデータベースに対してオラクルのコンプレッションをかけたところ、ディスク・サイズが3分の1程度になり、ディスクI/Oも3分の1程度になったことで、アプリケーションのパフォーマンスが2~2.5倍向上したというケースもある。

(2)データ圧縮技術
 データ・タイプを問わずに、3分の1程度にまでディスク使用量を圧縮できる技術がOracle Database Enterprise Editionのオプション「Oracle Advanced Compression」機能だ。Oracle Advanced Compressionを使うことで、例えば15TBのデータなら5TB程度のディスクに収まるようになる。ストレージの容量が減れば、当然ながらディスクI/Oも減る。もし容量を3分の1程度に圧縮することができれば、ディスクI/Oも3分の1程度に減り、パフォーマンスが大幅に改善する。これも、SAPの基盤としてOracle Databaseを使う企業なら無償で使用できるオプション機能である。
 例えば、下図に示すように、ある企業ではSAP R/3で4.8TB、BWで1.4TB、CRMで1TBの計7.2TBのデータを抱えていた。
img_others_110801_08.jpg
 これに対してOracle Advanced Compressionを適用したところ、SAP R/3のデータ容量は約1.9TB、BWは約0.6TB、CRMは約0.4TBと、約7.2TBあった容量を2.9TB程度にまで圧縮できたという。この結果、「ストレージが空く」、「ストレージの追加投資が不要になる」といったメリットが得られた。また、3世代バックアップを実施している場合、バックアップ容量として、さらに28.8TBが必要となる、しかし、Oracle Databaseのバックアップ圧縮技術を活用することで、これも約6分の1の5TB程度にまで圧縮することができた。

 このように、データ圧縮によって電気使用量、スペース・コスト、ストレージ導入コストを減らすだけでなく、さらに目に見えるところ以外でもストレージ容量の軽減によってディスクI/Oが減り、アプリケーションのパフォーマンスが改善するというメリットが生まれるのである。

■セキュリティに対する課題

 セキュリティに対する課題についてはどうだろうか?
img_others_110801_09.jpg
(1)暗号化技術
 セキュリティの高度化は、今後ますます重要になる。従来のアプリケーション・レベルでの職務分掌だけでは、データベースからの重要なデータの流出を防ぐことはできない。よって今日、データベースを暗号化する必要性が高まっているのだ。

 これまでは、データベース全体を暗号化するとパフォーマンスが悪くなるというのが一般的な認識であった。だがオラクルは現在、CPU負荷を最小化し、負荷を10%~20%程度にまで抑える暗号化技術を提供している。最新のCPUを搭載したサーバであれば、SAP基盤のデータベースをすべて暗号化することが可能だ。この機能も、SAPの基盤としてOracle Databaseを使う企業は無償で使用できる。さらに、この暗号機能は、データベースだけでなく、アプリケーション・サーバ/データベース・サーバ間のネットワークやバックアップの暗号化にも対応している。

(2)データベースの職務分掌
 暗号化とともに重要なのが、データベース管理者やデータを活用するユーザーの職務分掌である。例えば、人事部門の者なら人事データは見えるが顧客データにはアクセスできないようにし、またデータベース管理者はデータベースの管理は行えるが実データそのものは見られなくするといった具合だ。特にこれからのクラウド時代には、データベース管理のアウトソースなどに伴い、データベース内のデータに対する職務分掌がますます重要性を増すだろう。これを可能にするのが「Oracle Database Vault」機能である。同機能によってデータベース管理者の職務分掌を可能にしているデータベースは、世界で唯一、Oracle Databaseのみである。
img_others_110801_10.jpg
■運用管理に対する課題

 最後に、運用管理に対する課題について見てみよう。
img_others_110801_11.jpg
統合運用管理技術
 複数のモジュールを使用しており、互いに別のデータベースが稼動している場合、それぞれのデータベースに対してメンテナンスを行うためには通常、SAPのツールを利用する。だが実際には、ツールをそれぞれのモジュールごとに個別に管理する必要があり、非常に負荷が高くなる場合が多い。オラクルは、この運用管理を効率化するために「Oracle Enterprise Manager」を提供している。Oracle Enterprise Managerを活用することで、データベースのメンテナンス業務や監視、チューニングの業務を1つのコンソールですべて統合的に行うことができる。SAP基盤にOracle Databaseを使用している場合、この機能も無償で利用可能だ。

 また、ライセンスを追加することにより、アドオンを開発している場合や、SAP以外のシステムでOracle Databaseを使っている場合でも、Oracle Enterprise Manager 上ですべての基盤を一括して管理することができる。下図に示すように、例えば6つのデータベース・インスタンスに1つのツールですべて対応(メンテナンス、管理、チューニング)可能なのである。これにより、運用コストを大幅に削減することができるだろう。
img_others_110801_12.jpg
SAPアプリケーションにOracle Databaseがなぜ選ばれるのか、その理由と事例を詳しく解説!Oracle Database for SAPにもぜひアクセスしてください!!

Comments:

Post a Comment:
Comments are closed for this entry.
About

Twitter
Facebook

Search

Recent Posts
Archives
« 4月 2014
  
1
2
3
4
5
6
7
9
10
11
12
13
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
   
       
Today