「いつでもアクセス可能なデータ基盤」をいかに構築するか?──ビッグデータ時代もデータベースの高可用性を担保する「Oracle Maximum Availability Architecture」

「すでに数年前とは、ビジネスを取り巻くスピードも、データ量も、データへのアクセス手段も大きく変わっている。この時代にふさわしいリアルタイムなデータ基盤を作り込まなければ、ビジネスの流れに着いて行くのはますます難しくなる」──2012年10月に都内で開催された「Orale Days Tokyo 2012」のセッションにおいて、日本オラクルの谷川信朗氏(製品戦略統括本部 テクノロジー製品推進本部 シニアプロダクトラインマネジャー)はこう強調した。「だからこそ、いつでもデータ・アクセスを可能にするインフラ基盤を構築しなければならない」(谷川氏)。その基盤を実現するアーキテクチャ・モデルとして、オラクルは「Oracle Maximum Availability Architecture」を提唱している。谷川氏のセッション「データベース基盤を止めない、Oracle Maximum Availability Architecture」から、そのエッセンスを紹介しよう。(五味明子)

「いつでもアクセス可能なデータ基盤」の要件とは?

日本オラクル 製品戦略統括本部 テクノロジー製品推進本部 シニアプロダクトラインマネジャーの谷川信朗氏
 谷川氏によれば、「いつでもアクセス可能なデータ基盤」を構築するためには、リスクの軽減を図るためにも、次の3つのテーマに関する検討が不可欠になるという。

●データ:システムの停止によってデータの損失が起きやすいか
●時間:システム停止からどれくらい迅速に業務を再開できるか
●コスト:すべてのシステムが活用されているか、無駄なコンポーネントはないか

 もし、谷川氏が言う「いつでもアクセス可能なデータ基盤」が24時間365日止まらないシステムを指すのであれば、そもそもデータ基盤の“停止”を気にする必要などないはずだ。しかし、現実には「計画外停止により、1日以上にわたってデータにアクセスできなくなった」というトラブルは意外なほど多く発生している。昨今、高可用性の重要性が叫ばれている割に、システム・ダウンという現象は多くの企業で日常的に発生しているのだ。

 また、留意の必要があるポイントが、システムの各レイヤで発生する障害や、停止状態からリカバリする際などに、データの破損/破壊が起きるリスクである。

 「一見、正常な書き込みでも、ディスクに書き込まれるまでに複数のレイヤを経由しているような従来型のアーキテクチャでは、途中の分断されたレイヤで破損したデータがそのまま書き込まれてしまい、最悪の場合、それがデータベースの破壊につながり業務停止に追い込まれる。また、何らかの障害発生後にバックアップからデータを戻そうとしたときに、誤ってデータを削除するといったデータベースの破壊を引き起こすトラブルも多く見られ、これも同様に業務への影響は甚大となる」(谷川氏)


 つまり、「いつでもアクセス可能なデータ基盤」とは、システム・ダウンにつながるようなアクシデントが起きたときでも迅速にリカバリを実行し、速やかに業務を再開できるような可用性を、適正なコストで実現したインフラだと言うことができよう。

スタンバイ・データベースをアクティブに使う「Oracle Active Data Guard」

 重要なデータを保護するために、これまでもテープ・バックアップやディスクのRAID構成、サーバの二重化、ストレージのミラー化など、さまざまな方策がとられてきたが、谷川氏は、「これまではそうした方法でも十分だったかもしれないが、ビッグデータ時代を迎えた今日、それらハードウェア中心のソリューションだけでは、インフラを支え、データを守っていくことが難しくなっている」と指摘する。そこで、オラクルは今の時代にふさわしい「データ保護に関する基本的な三原則」として、次を推奨している。

●異なるモード(同期/非同期など)でデータのコピーを複数作成する
●コピーに変更を加える際には、厳密なチェックが行えるインタフェースを経由する
●万が一、データ破損が起きた際には迅速に復旧できる仕組みを用意する

 そして、これらを究極的に実現したものが、高可用システムのリファレンス・アーキテクチャ「Oracle Maximum Availability Architecture(MAA)」なのである。

 Oracle MAAは、オラクルが持つさまざまな技術/製品を組み合わせて実現されているが、それらのうち、谷川氏がセッションで重点的に取り上げたのは、ハイレベルなデータ保護と高可用性を掲げるデータ保護製品「Oracle Active Data Guard」だ。

 Oracle Active Data Guardの最大の特徴は、複数のアクティブなスタンバイ・データベースを作り、それらを休眠させることなく活用できるところにある。これにより、重要なデータ基盤の分散/多重化が図りやすくなるだけでなく、常時オンライン状態のスタンバイ・データベースがあることにより、負荷分散を図ってサービス品質の向上を見込めるようになる。

 「スタンバイ・データベースを遊ばせることなく活用できるので、ROI(Return Of Investment)上も無駄がなくなる」(谷川氏)

 もちろん、データの破損に対する高度な保護機構も備わっている。

 可用性要件の特性に応じてプライマリ・サイトとスタンバイ・サイトの同期/非同期を柔軟に選択できる点も、Oracle Active Data Guardが高い可用性を誇る理由の1つだ。「非同期にはシステムの性能とサイト間の距離の観点から優位性があり、同期にはデータの損失をゼロにするといった保護の観点から優位性がある。これらをケース・バイ・ケースでうまく組み合わせられることがOracle Active Data Guardの強みの1つだ」と谷川氏は強調する。

 また、データの保護と言うと、ディザスタ・リカバリや遠距離バックアップなどに目が行きがちだが、Oracle Active Data Guardはシステム単位の二重化にも適していると谷川氏は語る。

 「ハードウェアの性能が著しく向上している昨今、データベースの二重化をオンサイトで行うという対策も、パフォーマンスを維持しつつ可用性を高めるうえではかなり効果的だ」(谷川氏)

 もう1つ、谷川氏が紹介したのが、Oracle Active Data Guardに備わる破損データ・ブロックの自動修復機能である。これは、プライマリ・サイトでデータ・ブロックの破損が検知された場合、スタンバイ・サイトに正常なデータ・ブロックの転送を依頼し、データの自動修復を行うという仕組みだ。これも“アクティブなスタンバイ・サイト”を実現しているからこそ可能な事業継続のための機構だと言えよう。

 さらに、Oracle Active Data Guardは、「Oracle Database Appliance」や「Oracle Exadata」などのEngineered Systems製品と組み合わせることにより、中小規模のシステムから大規模システムまで、規模を問わず高可用性を容易に実現できるようになる。

 谷川氏はセッションの最後に、「ストレージ・ミラーリングだけに頼る現状に不安を感じている企業は確実に増えている」と指摘。ハードウェアの機能だけに頼る従来型のシステムでは、ビッグデータ時代において可用性を担保するのは、もはや難しい。データの破壊は必ず起きると考え、それを前提にして可用性の向上を図るべき──それがOracle MAAのアプローチであり、「いつでもアクセス可能なデータ基盤」を支えるガイドラインとなる。潜在するリスクと常に向き合う姿勢が、ビジネスへのマイナスの影響を最小限に抑えることにつながる。そして最新のテクノロジーは、従来とは異なる新たな機構により、高い可用性と省コストを両立しているのである。


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