企業の基幹業務をグローバルに支えるNTTコミュニケーションズの次世代クラウド・サービスの魅力

企業が自社のIT環境最適化を検討するうえで、もはやクラウド・コンピューティングは不可欠の要素となっている。このクラウド環境のサービス・プロバイダーとして豊富な実績を誇るのがNTTコミュニケーションズだ。同社は世界中に展開するネットワーク網やデータセンターなどのインフラ基盤とオラクルの製品群を組み合わせて、企業の基幹業務をグローバルに支えるクラウド・サービスを提供している。2012年4月に開催されたOracle OpenWorld Tokyo 2012におけるNTTコミュニケーションズ クラウドサービス部 理事 クラウドサービス部長の田中基夫氏によるセッション「グローバル経営の基幹業務を支える次世代クラウドサービス」の内容を基に、同社の取り組みの最新状況を紹介しよう(編集部)。

■クラウドがグローバル企業のITガバナンス強化を支援する

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Oracle OpenWorld Tokyo 2012で講演を行ったNTTコミュニケーションズ クラウドサービス部 理事 クラウドサービス部長の田中基夫氏
多くの企業が海外進出を活発化させている昨今、国内企業による海外企業のM&Aも頻繁に行われている。このように企業を取り巻く事業環境が刻々と変わりつつある中、当然ながら各社の事業を支えるIT環境にも、そうした変化に柔軟に対応することが求められる。ただし、ここで問題となることが多いのが「ITガバナンス」だ。例えば、個々の現地法人が独自にシステムを構築した結果、グローバルでの全体最適化がなかなか進まないという課題を抱える日本企業は少なくない。

 このような課題を解決し、ITガバナンスを強化するための方策として現在、NTTコミュニケーションズが提唱しているのがクラウドの積極的な活用である。具体的には、クラウド上にシステムを構築し、ネットワークを介して各地の現地法人がそのシステムを共同で利用するのだ。

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田中氏によれば、すでにこうしたかたちで同社のクラウド・サービスをグローバルに活用している企業は数多いという。

 「NTTコミュニケーションズは世界各地でデータセンターを運営しており、その上にグローバルなクラウド基盤を構築しています。ある流通業大手のお客様では、このクラウド基盤を利用して基幹系システムや情報系システムを構築し、VPNやインターネットを介して各国から接続する仕組みを作り上げました。

 ただし、こうしてシステムをクラウド上に集約する場合、処理能力や信頼性が大きな課題となります。世界中の拠点からアクセスされるので、それに見合った処理能力が求められるほか、障害発生時の影響範囲が広いため、信頼性の高さも極めて重要になるからです。

 それらの要件を満たすべく、このお客様では稼働インフラとしてOracle Exadataを選択しました。業務システムをクラウド基盤上に構築し、さらに核となるOracle ExadataもNTTコミュニケーションズのデータセンター上で運用しているところが、この事例の非常にユニークな点でしょう」(田中氏)

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 また田中氏は、IT環境においてコモディティ化が進む領域については社外にアウトソースし、競争優位につながる業務に自社のリソースを集中すべきだと提言する。

 「競合他社との差別化や競争優位の確立につながるICTの活用は、それぞれの企業が自社の業務に応じて検討していく必要があります。その中で、どの企業でも同じようなシステムを使う、いわゆるコモディティ化した業務については積極的にアウトソースし、自社の競争優位につながる領域の業務にリソースを集中投下すべきでしょう」(田中氏)

■クラウド選定時には物理レイヤの品質にも注意すべし

 こうしたアウトソースを検討する際、現在最も利用価値が高いのがクラウド環境だろう。クラウドを利用すれば、企業はデータセンターやネットワーク、サーバの運用から解放されるほか、サーバなどインフラ資源の増減要求にも容易に対応できるといったメリットがある。このクラウドを活用する際には、物理的なレイヤの品質を気にかける企業が多いと田中氏は明かす。

 「基幹業務にクラウドを利用するお客様で、『雲(クラウド)の中のことは気にしない』というところなど皆無です。そこで、私たちがかかわるプライベート・クラウドの案件では、実際にデータセンターを視察し、電力供給体制やセキュリティ対策などを子細に確認したうえでサービスを選定しています。クラウドを利用する際には、こうした物理的なレイヤの品質が極めて重要なのです」(田中氏)

 このような企業の要求に応えるため、NTTコミュニケーションズでは高品位な国際ネットワークを敷設し、世界各地へのデータセンター設置に力を注いでいる。通信事業者ならではの高品質なクラウド環境をグローバル規模でシームレスに提供するためだ。

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 その具体的な施策としてまず紹介されたのが、2012年6月の提供開始を予定している、アジアの各拠点を低レイテンシで結ぶ海底ネットワーク「Asia Submarine-cable Express」である。金融業などネットワークの遅延に敏感な企業の要求に応えるため、日本と香港、シンガポール、マレーシアを最短遅延となるルートで結んでいるという。

 また、前述したようにデータセンターの建設にも力を入れている。2012年2月にシンガポールの「セラングーンデータセンター」を竣工したほか、2012年度第4四半期に「香港TKOデータセンター」、2013年度第1四半期には「東京第6データセンター」が完成する予定だ。

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 これらの物理的な基盤の上で提供するグローバルなサービスとして田中氏が紹介したのが、クラウド対応VPN「Arcstar Universal One」である。シンプルなサービス・メニューやバックアップ回線の標準装備、そしてNTTコミュニケーションズが提供するクラウド基盤に直結されていることなどが大きな特徴で、国内外の拠点間の接続、さらにはクラウドに接続するためのネットワークとして活用することが可能となっている

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■仮想化技術の積極的な活用で柔軟なシステム運用を実現

 加えて今後は、サーバ仮想化だけでなくネットワークの仮想化にまで踏み込み、フルレイヤで最新の仮想化技術を導入していくという。

 「仮想ネットワーク技術は、ネットワークをコントロールする仕組みと、実際に通信そのものを制御する仕組みを分離して、ネットワーク・コントローラと呼ばれるソフトウェアによってネットワークを集中的に管理するというもの。これにより、経路を変更するためだけに複数のネットワーク機器の設定を修正するといった必要がなくなります。WANサービスを利用している場合、従来はネットワーク設定を変えるためにいちいち通信事業者に依頼する必要がありましたが、この仮想ネットワーク技術を適用することで、お客様自身が自由にネットワークを制御できる仕組みを実現できるのです」(田中氏)

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 すでに広く利用されているサーバ仮想化とネットワーク仮想化を組み合わせることで、ユーザーが直接利用するカスタマー・ポータルにおけるクラウド・サービスとネットワーク・サービスの一元的な管理を可能にし、さらにデータセンターをまたいだネットワーク制御などを実現していきたいと田中氏は説明する。

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 なお、NTTコミュニケーションズはこれまで、「Bizホスティング エンタープライズ」や「Bizホスティング ベーシック」など、同社のVPNサービスを介して接続するプライベート・クラウド基盤を提供してきたが、新たにパブリック・クラウド・サービス「Cloudn 」もリリースした。こちらは開発用途などでの利用を想定したサービスだという。月額上限付きの従量課金制で、最小スペックの仮想サーバならば月額945円で利用できる。このコスト・パフォーマンスの高さは大きな魅力だろう。

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 最後に田中氏は、オンプレミスの世界と同様、クラウドの世界においてもオラクルの存在感は極めて大きいとしたうえで、次のように今後を展望した。

 「グローバルなエンタープライズ向けのクラウド環境では、今後オラクルが重要な役割を果たすでしょう。それに対して私たちは、物理的なデータセンターやネットワーク、それを支える仮想ネットワークや仮想サーバといった基盤を持っている点が強みとなります。この強みとオラクルのソリューション群を組み合わせて、お客さまにより魅力的なサービスを提供していきたいと考えています」

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 当然のことながら、IT環境はソフトウェアだけで完結するものではなく、ハードウェアやそれを接続するネットワーク、そして基盤となるデータセンターなどと併せて考える必要がある。それを踏まえると、ネットワークやデータセンターの運用で豊富な実績を持ち、クラウドに意欲的に取り組むNTTコミュニケーションズと、ミドルウェアやアプリケーション、そしてOracle Exadataなどのエンジニアド・システム(Engineered Systems)によって企業のIT環境を支えるオラクルの組み合わせは非常に強力だ。両社の協業が今後どのようにエンタープライズ・クラウドを進化させていくのか、これからの展開に要注目である。

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