X

Recent Posts

03. ビッグデータ

Oracle Spatial and Graph──人やモノのつながり、位置情報を可視化し、新たな価値を生み出すビッグデータ活用ツール

高度な地理情報やネットワーク・データ・モデル、RDFの活用を可能にする「Oracle Spatial and Graph」。オラクルが長年にわたって機能強化に努めてきた同製品は現在、多くの企業/組織において、従来は実現が難しかったサービスの提供や社内外情報の活用に利用されている。Oracle Spatial and Graphが企業/組織にもたらす価値について、同テクノロジーを担当する日本オラクルの犬塚智氏が詳細を語る。(編集部)Oracle Graph Database──ネットワーク・モデルを活用し、人やモノの複雑な関係性を視覚的に表現する 「Oracle Spatial and Graph」は、Oracle Database上で分析処理を実行するIn-Database Analytics製品の1つです。Oracle Database Enterprise Editionのオプション機能として提供され、ネットワーク・データ・モデルやRDF※1を活用し、さまざまなモノ、人、事象の関係性を俯瞰的に、なおかつ時間と空間の2軸から視覚的に捉えることを可能にします。 ※1  Resource Description Frameworkの略。Web上のリソースを記述するための統一的なフレームワークで、W3Cが仕様を策定する。仕様策定プロセスにはオラクルも参加している。日本オラクル データベース事業統括 戦略製品統括本部 プロダクト マーケティング本部 Cloud & Big Data推進部 スタッフセールスコンサルタントの犬塚智氏 Oracle Spatial and Graphは、大きく「Oracle Spatial(以下、Spatial)」と「Oracle Graph Database(以下、Graph)」という2つのコンポーネントから成ります。 このうち、Graphはグラフ理論に基づくデータベース・テクノロジーであり、物事の関係性を分析/可視化する手段を提供します。現実世界の人やモノに相当する「ノード」と、ノード間の関係を表す「エッジ」によって物事の関連性を表現するネットワーク・データ・モデルをサポートしており、リレーショナル・データ・モデルでは表現できなかった物事の複雑な関係性を直感的かつ視覚的に捉えることを可能にします。 Graphを使うと、ノードとエッジで表現されるネットワーク・モデルにより、例えば「SNS上で誰と誰が、どのようにつながっているのか」、「誰の発言が、どれだけの影響力を持っているのか」、「どのコミュニティとどのコミュニティが、どうつながっているのか」といったことを簡単に把握できるようになります。Oracle Graph DatabaseによるSNS上における関係性の可視化の例 しかも、Graphでは、Oracle Database上のリレーショナル・データをネットワーク・データ・モデルの標準的なフォーマットであるRDFなどの形式に容易に変換することができます。そのため、リレーショナル・データ形式で格納されているCRM情報や商品データなど、企業の既存データも容易に活用することが可能です。Oracle Spatial──位置情報を活用して新たなビジネス価値を創出する 一方、Spatialは空間情報を扱うためのテクノロジーであり、Oracle 7の時代から継続的に機能強化が進められてきました。オラクルは従来から、GIS(地図情報システム)の発展に向けた標準化活動に精力的に参加し、空間データ・モデルなどの開発に大きく貢献してきました。Spatialにはそれらの成果が取り込まれ、数多くの標準技術をサポートしています。すでに官公庁や金融、流通、製造など、さまざまな業種/業態の企業/組織で活用され、エンタープライズ向け空間情報データベース市場では約90%のシェアを獲得しています。Oracle Spatialによる地理情報と各種データを組み合わせた可視化の例Oracle Databaseならではの機能が、処理性能を劇的に向上させる このように、Oracle Spatial and Graphを使うことで、地理情報を高度に活用し、多様なデータのつながりを可視化することができます。前述したようにOracle Databaseのオプション機能として提供され、分析/可視化の処理はすべてOracle Database内で行われます。そのため、Oracle Databaseに用意されたクラスタ機能やデータ圧縮機能、アクセス制御機能などと組み合わせて活用することが可能です。これらの機能を併用することで、より大量のデータをセキュアに利用できます。さらに、オラクルのEngineered Systemsである「Oracle Exadata」を用いれば、その圧倒的なパフォーマンスを生かして大量かつ複雑なデータ処理を行うことも可能です。ヘルスケアや製造をはじめ、さまざまな業界/業種で威力を発揮 以上のような特徴を備えたOracle Spatial and Graphは、さまざまな領域で活用することができます。小売/流通/サービス業における「マーケティング/顧客購買行動分析の高度化」、製造業における「サプライチェーンの効率化」、交通網や下水道といった「社会インフラ/ライフライン設計の最適化」、ヘルスケア分野における「研究開発の生産性向上」、通信業における「通信設備の最適配置」、金融/保険業における「不正取引の早期検知や市場分析の効率化」など、Oracle Spatial and Graphが新たな価値をもたらす領域は多岐にわたります。 実際、Oracle Spatial and Graphによるイノベーションは、すでに広範な業種/業態の企業や組織で始まっています。 例えば、米国の大手製薬会社イーライ・リリーは、GraphとOracle Exadataを用いて、膨大な臨床試験記録や化学物質構成情報、遺伝子シーケンス、化学論文データを結び付け、可視化する統合ビューを構築しました。この統合ビューを活用することで、研究開発の過程で必要となる情報を膨大なデータソースから迅速かつ容易に引き出すことができます。これにより、製薬業界における最大の課題である「調査、研究、実験の効率化とスピード化」を実現しているのです。イーライ・リリーがOracle Graph Databaseを用いて構築した統合ビュー画面 また、米国のあるセキュリティ企業では、Spatial、Graphの両コンポーネントとOracle Exadataを利用して600TBにも及ぶ巨大なデータベースを構築。大量の通話記録やメール、SNSの情報に基づいて犯罪/テロ・グループのネットワークを可視化し、人と人、組織間の複雑なつながりを可視化して、容疑者の特定やテロの発生予測などに役立てています。 一方、自転車用のナビゲーション・システムで知られる米国ガーミンは、SpatialとOracle Exadataを使い、「Garmin Connect」と呼ばれるユニークなサービスを展開しています。 このサービスでは、ユーザーがあらかじめ定められたルートを走行すると、収集した走行データ(走行距離、時間、速度)と他ユーザーの走行履歴データを比較し、リアルタイムにランキングを作成するバーチャル・レース環境を提供します。また、ユーザーの心拍数や消費カロリーの情報を取得し、さまざまな角度から自身の走行データを分析することもできます。ガーミンは、このサービスを提供するために50億マイル(地球約20万周分)/40TBもの走行データをSpatialとOracle Exadataを使って処理しています。Oracle Databaseのクラスタ機能、パラレル・クエリ、パーティショニング、データ圧縮などの機能が大量データのリアルタイム処理を下支えしているのです。「Garmin Connect」のトラッキング・データ可視化画面の例 このように、海外の企業/組織は、Oracle Spatial and Graphをビジネス/社会に影響を及ぼす事象の可視化と分析、予知/予測、さらには新製品やサービスの開発に活用し始めています。多様なデータを活用した新たな価値の創出、そして競争力強化のために、ぜひ皆様もOracle Spatial and Graphを広くご活用ください。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Spatial and Graph製品情報

高度な地理情報やネットワーク・データ・モデル、RDFの活用を可能にする「Oracle Spatial and Graph」。オラクルが長年にわたって機能強化に努めてきた同製品は現在、多くの企業/組織において、従来は実現が難しかったサービスの提供や社内外情報の活用に利用されている。Oracle Spatial...

03. ビッグデータ

構造化データと非構造化データに1つのプラットフォームで対応!──R言語も超高速に処理する「Oracle Advanced Analytics」が、企業のビッグデータ活用に新たな道を開く

Oracle Databaseを使った大規模分析を可能にするデータ分析ソリューション「Oracle Advanced Analytics」。これにより、企業が保有する重要なデータ資産を、それが格納された場所、つまりデータベース上で分析することが可能になる。このIn-Database Analyticsのアプローチにより、大量データの分析スピードを劇的に高められるほか、ビッグデータ活用のあり方や方向性にも革新的な変化がもたされるという。日本オラクルの執行役員、山本恭典氏が、その全容を語った。(編集部)なぜ多くの企業はビッグデータ活用で成果を上げられないのか? オラクルが真に役立つ無二のソリューションを提供する日本オラクル 執行役員 データベース事業統括 製品戦略事業統括本部の山本恭典氏 ビッグデータを巡っては、その可能性やメリットについて、さまざまなことが論じられています。しかし、実際にビッグデータをビジネス価値や利益の向上に結び付けている日本企業は、まだ少数派でしょう。 多くの企業がビッグデータの利活用で目覚ましい成果を上げられずにいる背景には、これまで本当の意味で役立つツール/ソリューションが提供されてこなかったことが挙げられます。今日、特定の分析ツールを使ってさえいれば、それだけでビッグデータを活用できていると考えるような風潮も見受けられますが、それは誤りです。単にHadoopを使えばビッグデータが活用できるというほど単純なものではないのです。 しかし、オラクルのお客様の中には、これまで他社のソリューションでは不可能だった、本当の意味で役に立つビッグデータ活用を成し遂げた企業が数多くあります。なぜ、それが可能になったのでしょうか?重要なのは、用途に応じてさまざまなタイプのデータを組み合わせて分析すること ビッグデータの活用で重要なのは、用途に応じて、さまざまなタイプのデータを組み合わせて分析することにほかなりません。言いかえれば、社内のデータベースに格納されている構造化データだけを対象にしていては、企業の競争力向上のために得られる情報には限界があり、逆に整形化されていない非構造化データだけを対象にしたのでは、有益な情報を十分に得られないということです。 それにもかかわらず、これまでのビッグデータ・ソリューションは非構造化データの分析だけに軸足が置かれており、両者の特性を生かして適切に組み合わせ、効率的に分析のPDCAサイクルを回していくという考え方が希薄だったと言えます。今、多くの企業が求めているのは、従来のビッグデータ・ソリューションとは一線を画した、まったく新たな別次元の分析ソリューションです。それこそ、オラクルだけが提供できるものであり、これによってビッグデータから真に価値ある情報を引き出すことが可能になるのです。大量のデータを圧倒的に速く、しかも安全に。Oracle R Enterpriseがデータ分析を劇的に変える オラクルだからこそ提供可能な新たなビッグデータ・ソリューションの1つは、Oracle Database Enterprise Editionのオプションとして提供している「Oracle Advanced Analytics」です。これは、今日広く活用されている統計解析ソフト「R」のデータベース内処理(In-Database)を実現する「Oracle R Enterprise」と、同じくIn-Databaseでのデータ・マイニングを可能にする「Oracle Data Mining」という2つのツールから成ります。 従来のRソフトでは、分析対象のデータをデータベース・サーバからクライアントPCに移す必要があり、一度に処理できるデータ量はクライアントPCのメモリ容量に制限されていました。また、シングル・スレッドで処理するため、メモリ容量を増やしても処理能力の大幅な向上は見込めず、全量の大量データからサンプリングして少量に絞り込んだうえで分析する必要がありました。しかし、サンプリングという手法が常に適切だとは限りません。信頼性の高い分析結果を得るためには、全量データの分析が必要なことが少なくないのです。 その点、Oracle R Enterpriseはデータベース内で分析処理を行うため、データの移動作業は不要です。また、大量の全量データを対象にしつつも、分析処理のパフォーマンスを10倍から100倍に高めることができます。実際にOracle R Enterpriseを利用するお客様の中には、2日以上かかっていた分析処理時間を、わずか1時間に短縮したケースもあります。こうして分析処理の時間を大幅に短縮できれば、分析回数を増やしたり、さまざまなモデルや変数を使って試行錯誤しながら分析したりといったことが可能になります。全量データを分析できるので、さまざまな要因/事象の組み合わせを対象にすることもできます。その結果、より信頼性の高い分析結果を導けるのです。 セキュリティの観点でも大きなメリットがあります。PCへのデータ移動が不要なため、安全性を高く保つことができます。消費者動向分析など個人情報を含むデータを対象にしたセキュリティ要件の高い分析ニーズにも柔軟に対応できるでしょう。 データベース内部で分析処理を行うことには、分析ロジックの再利用を促し、データ分析の活用を促進する効果もあります。各業務アプリケーションのフロント部分で分析ロジックが使用可能となり、業務ユーザーが容易に分析機能を利用できるようになるからです。早さやコストだけでなく、企業におけるデータ分析の活用頻度を劇的に変える可能性もあるのです。 一方、Oracle Data Miningも、Oracle R Enterpriseと同様にOracle Database内でマイニング処理を実行します。R言語に馴染みのない業務ユーザー向けのGUI環境として「Oracle Data Miner GUI」を提供しており、分類、回帰、異常検出、属性重要度、相関ルール、クラスタリング、特徴重出など多岐わたる分析アルゴリズムを使い、モデルの構築や評価をビジュアルに行うことができます。オラクルのビッグデータ・ソリューションが、R言語を多様なデータを組み合わせたビッグデータ分析のインタフェースに進化させる Oracle Database上で分析処理を行えることだけがオラクルのビッグデータ・ソリューションの特徴ではありません。従来のビッグデータ・ソリューションに欠けていた「構造化データと非構造化データを組み合わせた分析」も可能にします。 具体的には、「Oracle Big Data Connectors」の1機能である「Oracle R Advanced Analytics for Hadoop」を使い、R言語でHadoop(HDFS)上のデータにアクセスし、MapReduceプログラミングを行わずにデータ・マイニング処理を実行することができます。新たにプログラミング言語を学ぶことなく、使い慣れたR言語でOracle DatabaseとHadoop上のデータを組み合わせて分析することが可能なわけです。 さらに、オラクルは大規模なHadoop環境のスピーディな導入を実現すべく、アプライアンス製品として「Oracle Big Data Appliance」を提供しています。これをOracle Databaseを搭載したOracle Exadataなどと連携させることで、HadoopとRDBMSの特性を生かしたデータ分析が行えるようになります。データ分析を攻めの手段としてだけでなく、守りの手段としても使う 加えて、今後さまざまな領域において、データ分析を企業の強力な武器に変えていく可能性も秘めています。例えば、マーケティングの分野では、ビッグデータ分析が企業の強力な武器になることがすでに実証されています。社内外の多様なデータを組み合わせて分析することで、「どのお客様が、どのような商品に関心を持っているのか」を明らかにすることが可能となりました。 意外なところでは、サイバー・セキュリティの分野でも、ビッグデータ分析は大きな威力を発揮します。今日、サイバー空間は「陸」、「海」、「空」、「宇宙」に次ぐ第5の戦場とも評され、重要な情報資源を巡って国家レベルでも民間レベルでも熾烈な攻防が繰り広げられています。この分野にビッグデータ分析を適用することで、例えば「誰が、いつ、自社の重要な情報資産に攻撃を仕掛けてくる可能性があるのか」といった予測を立てることも可能となるでしょう。 このように、データ分析は企業の攻めの手段としてだけでなく、重要な情報資産を守るうえでも有効な手段となります。それを実現するのが、オラクルのデータ分析ソリューションによる多様なデータを用いたビッグデータ活用です。私たちは今後、このオラクルならではのデータ分析の価値を、さまざまな業界の皆様に広くお届けしていきます。ぜひご期待ください。【もっと詳しく! オラクルのビッグデータ関連情報はこちら】ビッグデータ関連の製品とソリューション【統計分析をしっかりと学びたい方はこちら】Oracleではじめる統計入門《あなたへのお勧め記事》製品解説>>Oracle Advanced Analytics製品情報Oracle Advanced Analytics技術情報(OTN)

Oracle Databaseを使った大規模分析を可能にするデータ分析ソリューション「Oracle Advanced Analytics」。これにより、企業が保有する重要なデータ資産を、それが格納された場...

03. ビッグデータ

EndecaのパワーとNTTデータの豊富なコンサルティング・ノウハウが、企業のデータ活用/ビジネスを新たなステージに導く──オラクルBAソリューション特別対談 NTTデータ × 日本オラクル

「ITによって企業の競争力をさらに高める」──この使命に取り組む中で、NTTデータはデータ分析/活用の先進技術やソリューションを意欲的に取り込み、開発/提供してきた。そして今、オラクルのデータ・ディスカバリー・ツール「Oracle Endeca Information Discovery(以下、Endeca)」を用いて、企業におけるデータ活用のあり方を、さらに進化させようとしている。Endecaによって企業のデータ活用はどのように変わり、いかなる恩恵がもたらされるのか。NTTデータで活躍する2人のコンサルタント、森山裕氏と多田健一氏に、日本オラクルの大橋雅人氏が聞いた。(編集部)Endecaなら、情報活用のPDCAサイクルをスピーディに回せるNTTデータ 法人コンサルティング&マーケティング本部 コンサルティング部 課長 マネージングコンサルタントの森山裕氏大橋氏(以下、敬称略):NTTデータ様の法人コンサルティング&マーケティング本部では現在、ビジネス・インテリジェンス(BI)とビジネス・アナリティクス(BA)の領域に多くの力を注がれていますね。森山氏(以下、敬称略):私たちのコンサルティング・サービスでは、「ITを使ってシステムを作る」ことではなく、「ITやデータで、お客様のビジネスを成功に導く」ことをゴールにしています。その目的を果たすうえで、近年は特にBI/BA領域の重要性が極めて高くなってきており、注力して取り組んでいます。Endecaの採用も、そうした取り組みの一環にあるものです。大橋:Endecaを、お客様のどのような課題の解決に活用されるのでしょうか?森山:例えば、小売業のマーケティングへの適用です。今日の小売業では、消費者との関係性を強化するために、新たなサービスを次から次へと繰り出し、改善していく必要に迫られています。もはや長い期間をかけて大規模なシステムを作り、新たなサービスを立ち上げていては、事業に求められるスピード感に対応できません。サービスの企画、実施、成果検証をワンセットで捉え、PDCAのサイクルをスピーディに回していくことが重要です。こうした課題の解決に、Endecaは非常に有効だと考えています。大橋:お客様の反応はいかがでしょうか?森山:小売業や製造業をはじめ、さまざまな業種のお客様から引き合いをいただき、強い手応えを感じています。例えば、Twitterなどソーシャル・サービスのデータと社内の売上データなどを組み合わせることで、消費者自身の生の声を使って新商品の販促キャンペーンの成果を分析したり、店舗で新たなサービスを開始した際の来店者の利用状況や満足度を調査したりといった活用法をご提案しています。【Endecaの活用事例記事はこちら!】>>企業を取り巻くすべてのデータを分析対象にする『Oracle Endeca Information Discovery』さまざまなデータを重ね合わせ、業務担当者らが「チームで仮説検証を繰り返す」ための道具として使うNTTデータ 法人コンサルティング&マーケティング本部 コンサルティング部 課長代理 シニアコンサルタントの多田健一氏多田氏(以下、敬称略):ご存じのとおり、現在、企業と消費者の接点は、実店舗、Web、スマートフォンと多様化し、それぞれのポイントにおける両者の接触により、膨大な量のデータが日々発生しています。これらのデータを重ね合わせて分析していくことで、お客様が何を求めており、自社や他社の製品をどう評価し、どのような消費行動を行っているかといったお客様の生の姿がより鮮明になったり、それに対して次にとるべき施策が見えてきたりします。Endecaは、そうした取り組みを実践するうえで非常に使いやすいツールだと言えます。森山:Endecaを使うことにより、業務担当者が立てた仮説に対する裏付けをスピーディに取ることが可能になります。これにより、データを分析して何をすべきかの判断を下し、行動に移すまでの時間を大幅に短縮できます。実際、あるお客様の販促キャンペーン結果を分析した際、それまでは数名の担当者がExcelで1週間以上かけて行っていた分析を、私たちはEndecaによって半日程度で完了し、結果をお見せすることができました。このスピード感には、お客様も大変驚かれていました。 さらに、Endecaを使えば、十分な仮説がない状態でも、データを柔軟に掘り下げていくことで何らかの発見を得るといったことも可能になると考えています。決められた視点に基づくデータ分析にとどまらず、新たな発見を導き出せる点がEndecaの大きな特徴です。 高度な分析スキルを持っていない方でも使えるので、実際の業務を回している現場のメンバーがEndecaの画面を見ながらインタラクティブにデータを操作し、その場で何度も仮説検証を繰り返すといった使い方もできます。異なる部門の関係者が一同に介し、さまざまなデータを重ね合わせて分析して新たな発見を得るなど、組織の壁を超えてコミュニケーションし、新しい製品やサービスを生み出していくためのツールとしても機能すると考えています。Endecaは、業務担当者らがさまざまなデータを重ね合わせ、チームで仮説検証を繰り返したり、異なる部門の関係者が協業し、新たな製品やサービスを生み出したりするためのツールとしても機能する(Endeca活用シーン・イメージ)Endecaだから、非構造化データと構造化データの間を自在に行き来できる日本オラクル 製品戦略事業統括本部 戦略製品&ビジネスアナリティクス推進部 担当マネジャーの大橋雅人氏大橋:NTTデータ様は、Twitterのツイート・データの国内における再販パートナーでもあります。Twitterのようなソーシャル・サービスで生じる非構造化データを活用したいというニーズは強いのでしょうか?森山:ニーズは確実に高まっています。その点でも、Twitterデータの国内再販パートナーである当社がお役に立てる機会は広がっていると考えています。Twitterデータを用いたマーケティング分析サービスも展開しており、「ツイート・データをどう分析すれば、どういった結果が得られるか」といった知見も有しています。また、当社は20年以上かけて蓄積したテキスト分析や感情分析の技術/ノウハウを「なずき」という製品として提供しています。これらの技術やノウハウと、Endecaの能力を組み合わせることで、お客様の非構造化データ活用を強力にバックアップしていくことができるのです。多田:もう1つ重要なことは、Endecaでは、構造化データと非構造化データの間を自在に行き来しながら、物事を掘り下げていけるという点です。外部のソーシャル・データを分析するだけでは、「発言の主は自社の顧客なのか」、「ツイートが自社の売り上げにどう影響しているのか」といったことはわかりません。そのため、社内の売上データなどの構造化データと、ツイートなどの非構造化データを組み合わせて物事を捉えていくことが必要になり、その部分でもEndecaのパワーと当社のノウハウが大きく生きると考えています。データ・ディスカバリーを情報活用の標準スタイルに。Endecaはそれほどのポテンシャルを秘めたツール大橋:やはり、今後は非構造化データをどう活用するかが大きなポイントになりそうですね。Endecaによって非構造化データの活用が進むと、企業のビジネスにはどのような変化が起きるでしょうか?多田:非構造化データの活用というと、ソーシャル・サービスに蓄積された膨大なデータに目が向きがちですが、実はもっと身近なところにも、ビジネスの改革につながる非構造化データが蓄積されています。 企業の「営業日報」は、そうしたデータの一例です。例えば、この日報を売上データや市場データなどと組み合わせてEndecaで分析するといった活用法が考えられます。それにより、現場の動きと売り上げの相関関係を把握できるほか、営業日報に隠された顧客の生の声や競合の動きを把握して、定量的な情報だけでは見えない実情を浮かび上がらせるといったことができるかもしれません。大橋:なるほど、それもEndecaがピタリとはまる使い方ですね。森山:このような発想が生まれるのも、Endecaが業務の視点でデータを柔軟かつスピーディに掘り下げていける革新的なツールだからです。従来のツールは、人の自然な思考や探索の自由度、そしてスピードに追随することができませんでした。しかし、Endecaの登場により、「このようなかたちでデータを見たい」、「こんなデータが欲しい」といった人の発想にシステムが俊敏に対応できるようになりました。こうしたデータの柔軟な探索に対するニーズは、すでにBIを使われているお客様の中にもあるはずですから、そうしたニーズにもお応えしていきたいですね。多田:今後、Endecaによるデータ・ディスカバリーが情報活用の標準的なスタイルとして企業に浸透していく可能性は高いと考えています。今日、調べものでインターネット検索することを「ググる」と言いますが、同様にちょっとした情報探索やデータ分析を行うことにEndecaの名が冠されるようになるかもしれません。Endecaは、それほどのポテンシャルを秘めたツールだと思います。【もっと詳しく! Endecaの製品情報はこちら】Oracle Endeca Information Discovery製品情報「Youtube Oracle Endeca Information Discoveryデモ動画(英語)《あなたへのお勧め記事》製品解説>> オラクルのBusiness Analyticsソリューション関連ソリューション>> オラクルのビッグデータソリューション

「ITによって企業の競争力をさらに高める」──この使命に取り組む中で、NTTデータはデータ分析/活用の先進技術やソリューションを意欲的に取り込み、開発/提供してきた。そして今、オラクルのデータ・ディスカバリー・ツール「Oracle Endeca...

08. Upgrade

住友重機械工業、基幹DBの大規模アップグレードでオラクルの支援ツールを活用。検証コストの大幅削減と作業効率化を実現

住友重機械工業は先頃、生産管理システムなどで利用する約30のOracle Databaseを11g R2にアップグレード。オラクルの支援ツール群を活用した標準化アプローチにより、検証コストの大幅削減と作業効率化を実現した。(編集部)過去に経験のない大規模アップグレード。検証コストを最小化し、品質を担保しながら効率的に進める体制/手法の確立が大きな課題に住友重機械工業企画本部 情報戦略グループ 部長の土居砂登志氏 1888年の創業以来、日本を代表する総合機械メーカーとして産業の発展を支えてきた住友重機械工業は現在、生産関連およびインフラ関連から最先端技術分野まで幅広く事業を手掛け、変減速機、プラスチック加工機械などの精密機械、建設機械、医療機械などの産業機械のほか、船舶、プラントなど多岐にわたる製品を展開している。また、近年はメカトロ技術やシステム制御技術を中心に研究開発を強化しており、各種製品への横展開を進めて住友重機械工業グループ全体としてのシナジー効果向上を図っている。 このように事業拡大を図る同社は、社内の約8割のシステムでOracle Databaseを利用してきた。ただし、大半のバージョンは「Oracle9i Database Release 2」であり、近年はパッケージ製品などでサポート対象外となるケースが増えていた。そこで、業務を安定的に運営するためのシステム基盤を維持する目的から、「Oracle Database 11g Release 2」へのアップグレードを決める。対象となるのは、国内外の生産拠点が使う生産管理システムや本社の管理システムなど約60のシステムで共通に利用する約30の基幹データベースだ。プロジェクトの実施期間は2012年4月から2015年3月までの3年間と定めた。 過去に経験のない大規模アップグレードの実施にあたり、同社はコスト面と体制面で大きな課題に直面する。コスト面の課題とは、Oracle Databaseのアップグレードに伴うアプリケーション検証コストだ。住友重機械工業 企画本部情報戦略グループ部長の土居砂登志氏は次のように振り返る。 「各拠点で生産管理システムなどを管理するアプリケーション担当者にヒアリングしたところ、従来のようにアプリケーションのすべての機能を検証した場合、総額で約2.5億円かかることがわかったのです。このコストを大きく削減したいと考えました」 検討の末、同社は検証コストを3~5割削減することを目標の1つに掲げる。 一方、体制面の課題とは、大規模アップグレードプロジェクトを効率的に行うための体制や手法の確立だ。短期間で約30のデータベースをアップグレードするには、複数のアップグレード作業を並行して進める必要がある。そのための体制構築、作業を効率化するアプリケーション検証手法の標準化などを迫られたのである。手法を策定する基盤/技術チームと個別アプリケーション担当で役割を分担 これらの課題も考慮してプロジェクトの枠組みを検討した住友重機械工業は、コスト削減目標と併せて、品質面の目標も定める。その目標とは、「重要度の高い機能で障害を発生させない」ことと、「万が一、障害が発生した場合でも、1営業日中に修正できる手段を準備する」ことである。 この目標を達成すべく、同社はプロジェクトの実施計画を立案。先述した体制面の課題に関しては、「プロジェクト全体計画の推進と技術サポート」と「個別アプリケーションのアップグレード」で大きく役割を分担する方針を決める。前者をミドルウェアやサーバーを管理するチームと開発技術の標準化を推進するチーム(以下、基盤/技術チーム)が担い、同チームが立てた全体計画に従い、各拠点のアプリケーション担当者が後者の作業を行うのである。 この役割分担の下、基盤/技術チームは作業の効率化を図るために「テスト対象の絞り込み」と「ツールによる効率化」を検討する。「テスト対象の絞り込み」については、アプリケーションの全機能をテストするのではなく、「2:8の法則」(重要な2割の部分の品質を確保すれば、全体の8割の品質を担保できるとの考え)に基づき、利用頻度や複雑度、重要度の高い2割の部分を重点的にテストすることにした。住友重機械ビジネスアソシエイツ 情報システム部 ビジネスプロセス変革グループ 技師の大越崇之氏 住友重機械工業の共管部門を担う子会社の住友重機械ビジネスアソシエイツで、住友重機械工業グループのシステム企画から運用管理までを行う部門に所属し、今回のアップグレードプロジェクトで基盤/技術チームの一員として推進役を務めた情報システム部ビジネスプロセス変革グループ 技師の大越祟之氏は次のように語る。 「本来なら、すべての機能を検証したいところですが、それでは目標とするコスト削減を達成できません。そこで、思いきってテスト対象を絞り込むことにしました。実際、これまでのアップグレードプロジェクトでも、検証の際に見つかった不具合は全体の数%程度です。また、近年はアップグレードの影響を手軽に確認できるツールが登場しており、海外のオラクルユーザーはそれらのツールも活用し、手間とコストをかけず効率的にデータベースアップグレードを実施しているといいます。それならば、私たちもチャレンジすべきだと考えたのです」(大越氏)。 重点的にテストする2割の部分については、基盤/技術チームが定量的な情報(アクセスログなど)を基に洗い出し、それを参考にして各アプリケーション担当者が最終決定した。新環境における処理の性能と正確性の検証を、ツールを活用して大幅に効率化 一方、「ツールによる効率化」については、検証において新旧環境を比較する対象として「処理性能」と「処理の正確性」の2つを定めた。これらの検証は、前掲の目標「重要度の高い機能で障害を発生させない」を達成するうえで不可欠なものだ。 同社は検討の末、「処理性能」を検証するための手段として、データベーステストツールの「Oracle Real Application Testing」を採用する。同ツールで行うのは、新環境におけるオンライン処理性能の検証である。ライトウェル 技術推進部 技術管理グループ 主任技師の新田俊邦氏 通常、オンライン処理の検証では、負荷テストツールと再現シナリオを用いた手法が活用されるが、この手法はきわめて多くの手間がかかるうえ、処理再現の正確性に疑問が残る。そこで思案していたところ目に止まったのが、Oracle Real Application Testingであった。住友重機械工業のIT子会社としてグループ内外へITソリューションの提供を行い、今回のプロジェクトではアップグレード手法の立案/検証などで基盤/技術チームを支援した株式会社ライトウェルの技術推進部 技術管理グループ 主任技師の新田俊邦氏は次のように語る。 「Oracle Real Application Testingには、本番環境におけるデータベースアクセス処理を記録(キャプチャ)し、それを別の環境で完全に再現することのできるDatabase Replay機能が備わっています。この機能により、データベース層だけで正確な性能検証が行えるわけですから、これは画期的なツールだと思いました」 また、「処理の正確性」は新旧環境で同じ内容のテストを実施し、その結果を比較することによって行う。同社はこれまで、この比較作業を確認対象テーブルのデータを表計算ソフトに出力し、新旧環境の内容を突合するという方法で実施していた。 しかし、今回のように大規模なアップグレードでこの手法を用いた場合、多くの手間と時間がかかるうえ、作業担当者のオペレーションミスも危惧される。そこで効率的かつ正確なデータ検証を行うために「Oracle GoldenGate Veridata」の採用を決めた。 「Oracle GoldenGate Veridataにより、従来の表計算ソフトによる突合検証と比べて、作業効率が飛躍的に向上しました。新旧データベースの論理構造が同一であれば、自動マッピング機能によって簡単に設定が行える点も気に入っています。今回は約30ものデータベースを検証対象としたので、同ツールの費用対効果はとても大きいと考えています」(大越氏)問題発生時の迅速な修正もツールで担保。データレプリケーションツールの活用で業務停止時間も最短化 「障害が発生した場合でも、1営業日中に修正できる手段を準備する」という目標のために導入したのは、データベース管理ツールの「Oracle Enterprise Manager Diagnostics Pack(以下、Oracle Diagnostics Pack)」と「Oracle Enterprise Manager Tuning Pack(以下、Oracle Tuning Pack)」である。 「Oracle Diagnostics PackとOracle Tuning Packの問題判別やチューニングの機能はとても優れており、どのSQLに性能問題があるのかを自動検出し、どのような修正が行えるかの候補を提示してくれます。その候補には、アプリケーションに影響を及ぼすものと及ぼさないものとがあり、それらの内容をアプリケーション担当者らが確認し、どの修正を適用するかを決定します。このツールを各アプリケーション担当者へ展開し、性能調査/改善業務を担当者自身で実施できるようにしました。これにより、速やかにSQLの性能問題を解決することが可能となり、1営業日での修正対応を実現できると考えました」(住友重機械ビジネスアソシエイツ 情報システム部 情報技術グループの山口祐史氏) 当初、これらのツールはアップグレード後の新環境でSQLの性能検証を行う目的で導入したが、実際に利用したアプリケーション担当者らの評価は高く、彼らのアドバイスを受け、現在はOracle Real Application Testingで新旧環境の性能を比較する前にも使うなど、早い段階での新環境の性能改善にも役立てているという。 加えて、今回のアップグレードプロジェクトには、もう1つの関門があった。それは、アップグレード作業に伴うシステム停止時間を最短化することである。 アップグレード対象システムの中には、数百GBのデータを格納する生産管理システムがある。これは海外を含む複数工場の生産管理で使われており、長時間のシステム停止が難しく、わずか1日でシステム全体のアップグレード作業を完了させなければならない。そこで、アップグレード当日の作業時間を最短化する目的で導入したのが、データレプリケーションツールの「Oracle GoldenGate」である。 「数百GBのデータをExport/Importで移行した場合、データ移行だけで半日以上かかるため、アプリケーションの検証作業に十分な時間を確保できません。問題は、従来の手法ではデータ移行に多くの時間がかかるという点であり、これを極力短くするためにOracle GoldenGateの導入を決めたのです」(土居氏) Oracle GoldenGateの特徴は、リアルタイムレプリケーション機能により、稼動中の本番環境に高い負荷をかけることなく、待機または稼動中の別環境にデータをレプリケーションできる点だ。これにより、新旧環境を同期して事前にデータ移行を済ませ、移行当日は新環境のアプリケーション検証だけを行えば済むようになる。住友重機械工業は、レプリケーションの設定が簡単に行える点、レプリケーション時の本番環境への負荷が極めて小さい点を高く評価。実際に検証を行ったところ、「レプリケーションによるオーバーヘッドはまったく気づかないレベルだった」(山口氏)という。導入した手法とツールは、今後の運用改善やパッチ適用での活用も検討 こうしてオラクルのアップグレード支援ツール群も活用し、プロジェクトの大目標である効率的なアップグレード手法の確立とコスト削減に目処をつけた住友重機械工業は、次回以降のアップグレードプロジェクトでも、これらの手法とツールの適用を検討している。 また、Oracle Real Application TestingとOracle GoldenGate Veridataについては、パッチ適用時のマイナーアップグレードでも活用するほか、Oracle Diagnostics PackとOracle Tuning Packは日々の運用改善で活用することを考えている。 さらに、このプロジェクトで確立した手法やノウハウはライトウェルを通じてグループ外の企業に向けて広く提供し、住友重機械工業と同様の問題を抱えているオラクルユーザーの課題解決を支援していきたい考えだ。《あなたへのお勧め記事》製品解説>>活用事例>>アプリケーション・パフォーマンス管理Oracle Real Application Testingオラクルのデータ統合ソリューションOracle GoldenGateOracle GoldenGate VeridataOracle Real Application Testing国内事例Oracle Diagnostics Pack国内事例Oracle Tuning Pack国内事例Oracle GoldenGate国内事例関連ホワイトペーパー>> 【無料資料ダウンロード】「今、なぜデータ統合が必要とされているのか?」…(ダウンロードには、oracle.comへの会員登録が必要です)

住友重機械工業は先頃、生産管理システムなどで利用する約30のOracle Databaseを11g R2にアップグレード。オラクルの支援ツール群を活用した標準化アプローチにより、検証コストの大幅削減と作業効率化を実現した。(編集部)過去に経験のない大規模アップグレード。検証コストを最小化し、 品質を担保しながら効率的に進める体制/手法の確立が大きな課題に 住友重機械工業企画本部 情報戦略グループ...

03. ビッグデータ

Oracle Advanced Analyticsとデータ分析&基盤の豊富なノウハウで、さらに高度なデータ活用を実現──オラクル・ビッグデータ・ソリューション特別対談 新日鉄住金ソリューションズ × 日本オラクル

国内屈指の技術力を誇るシステム・インテグレーターとして知られる新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)。同社は2014年5月、大規模データ分析プロセスの確立に向け、統計解析言語であるRの企業向けソリューション「Oracle R Enterprise」を含む「Oracle Advanced Analytics」の検証を実施した。その狙いは何か、また検証により同社はどのような確証を得たのか? 検証作業を主導したNSSOLの毛野高彦氏(技術本部 システム研究開発センター データ分析・基盤研究部)に、日本オラクルの大橋雅人氏が聞いた。(編集部)データ分析/基盤の研究グループが一体となり、分析力をさらに向上新日鉄住金ソリューションズ 技術本部 システム研究開発センター データ分析・基盤研究部の毛野高彦氏大橋氏(以下、敬称略):NSSOL様は今回、Oracle Advanced Analyticsの検証に取り組まれたわけですが、まずはその背景からお聞かせください。毛野氏(以下、敬称略):当社は長年ビッグデータの活用に取り組んでおり、これまで小売業や製造業を中心に多くの実績を上げてきました。その流れをさらに加速させるべく、2013年7月に当社システム研究開発センター内に発足したのが、私が所属する「データ分析・基盤研究部」です。ここでは、データ・マイニングや機械学習などの技術を担当するデータ分析グループと、大規模BI/DWHやHadoopなどデータ活用基盤を担当するデータ基盤グループが一体となり、分析プロセスやシステム基盤の整備、社内教育、お客様へのサービス提供などを行っています。その活動の一環として、ビッグデータを高速にデータ・マイニングする仕組みをデータ分析作業に取り込み、当社のデータ分析プロセスをより高度化することが今回の検証の目的でした。大橋:データ分析のプロセスに関しては、具体的にどのようなことが課題となるのでしょうか? 毛野:例えば、プロセスを十分に検討しないまま分析を進めると、当たり前の結果しか得られなかったり、目的に合致しない方向に分析を進めてしまったりといった問題に直面することがあります。それを防ぐためには、データ分析者と業務担当者が密接に連携し、「分析ゴールの設定と見直し」、「データ分析作業」、「分析結果の確認」、「新たな仮説の設定」から成る分析サイクルを短い周期で繰り返していくことが重要になります。 また別の課題として、データ・プロファイリングやクレンジング、仮説に基づく変数作成といった"分析の前処理"を、いかに効率的に行うかということがあります。この前処理は、分析処理そのものよりも時間がかかることが多く、これをどう短縮するかがデータ分析作業の生産性を高めるうえで鍵となります。 私たちは、これらの問題に関して研究や実践を重ねてノウハウを蓄積し、お客様にソリューションとして提供しています。Oracle Advanced Analyticsで、大量データの分析処理時間を従来の40分の1に短縮大橋:今回実施された検証の話に入りましょう。そもそも、なぜ検証対象としてOracle Advanced Analyticsを選ばれたのでしょうか?毛野:大きな理由は、Oracle Advanced AnalyticsがR言語の実行基盤を拡張し、In-Database Analytics、つまりOracle Database上での高速なデータ・マイニング処理の実行を可能にしたからです。R言語は昨今、データ分析の現場で広く使われていますが、「メモリ・サイズの制約を受ける」、「並列処理の実現には外部パッケージの利用やスクリプトの修正が必要」といった大量データを扱ううえでの課題が存在します。データ分析処理をサーバ側のOracle Database上で実行可能であれば、R言語で大量データの高速な分析が可能になると期待したのです。大橋:R言語で大量データを分析したいというニーズは増えているのでしょうか?毛野:そのようなニーズは最近増えてきていると思います。 R言語を使う際には、大量の全量データをサンプリングして少量に絞り込んだ後に分析するといった手法がとられることがあります。しかし、サンプリングという手法が常に適切だとは限りません。例えば、お客様から「優良顧客にターゲットを絞ったマーケティング分析を行いたい」というご要望をいただくことがありますが、優良顧客は大抵、全顧客の数%程度にすぎず、その割合が1%を切ることも珍しくありません。そのような状態で、全顧客の"サンプル"を使って優良顧客の分析を行おうとすると、絶対数が少なくなり、優良顧客が持つ特徴を捉えるのが難しくなる場合があります。 また、複数の要因の組み合わせと優良顧客の相関関係を確認する場合は、組み合わせる要因の数が増えるにつれて該当する顧客数が少なくなることがあります。このようなケースでも、サンプリングは対象の絶対数を減らすことになるため好ましくありません。 もし、サンプリングではなく全量のデータ分析が可能になれば、こうした問題は回避できると考えられます。そのため、R言語による分析でも大量データへの対応が求められるのです。大橋:ご指摘の課題は、Oracle Advanced Analyticsで解決できるのでしょうか?毛野:結論から言えば、その答えは「イエス」です。今回の検証では、当社の社内SNSにおいてアクティブ・ユーザーを増やす目的で、操作ログからユーザーの利用傾向を分析しました。この作業はOracle Exadata上のOracle Advanced Analyticsで行ったのですが、驚いたことに、従来1時間半以上を要していたR言語処理が、わずか2分ほどで完了したのです。処理時間を40分の1以下に短縮できたことになります。Parallel Queryや Smart Scanなどの機能を最大限に活用した結果だと思います。 しかも、全量データを対象にしたことで、ユーザーがSNS上でとるさまざまな行動パターンの組み合わせと、ユーザーのSNS利用頻度との間に明確な相関関係があることも突き止めました。そこから、アクティブ・ユーザーを増やすためには、SNSの特定の機能をあるいは強化するといった取り組みが有効だとの判断に至りました。このような結果は、従来のサンプリング分析では得ることが難しかったと思います。データ分析の劇的なパフォーマンス向上が、データ分析プロセスのさらなる高度化につながる日本オラクル データベース事業統括 製品戦略統括本部 プロダクトマーケティング本部 Cloud & Big Data推進部 担当マネジャーの大橋雅人氏大橋:分析スピードの向上は、データ分析者と業務担当者の連携にも大きく貢献しそうですね。毛野:そのとおりです。今回の検証では、分析対象のデータを受領してから実質2週間という短い期間で分析を実施しました。その中でも、大量データを高速に分析できたことで、データ分析者と業務担当者は「分析ゴールや仮説の設定」→「分析実行/モデル評価」→「分析結果の業務視点での解釈」→「仮説の追加/再設定や分析手法の見直し」といったサイクルを協調して繰り返し実行できました。この「分析のPDCAサイクル」を何度も回し、反復的に分析作業を進めたことが、有用な分析結果の導出につながったと考えています。データ分析者と業務担当者がディスカッションしながら、その場で分析処理を実行して結果を確認するといった、よりインタラクティブな進め方も可能になってくると思います。大橋:今回の検証では、これまでR言語を使われてきた方が、初めてOracle Advanced AnalyticsのOracle R Enterpriseを使用されたそうですね。使い勝手はいかがでしたか?毛野:大きな問題はありませんでした。今回の検証では短い期間でOracle R Enterpriseの習得と分析作業を並行して進めましたが、普段の業務と比較しても特に遅れは生じていません。もちろん、Oracle R Enterpriseには独自の機能もありますし、R言語で書かれた既存コードの変換で注意が必要な部分もあります。しかし、今回はRスクリプトをOracle R Enterprise上で動作させるための修正はわずかで済みました。R言語のユーザーなら、Oracle R Enterpriseの習得は容易だと思います。データを持ち出さないIn-Database Analyticsは、セキュリティ強化にも有効大橋:オラクルが提唱するIn-Database Analyticsには、手元にデータを置かなくても分析が行えるという特徴があります。これはセキュリティ面でもメリットがあると思いますが、いかがでしょうか?毛野:それは非常に重要なポイントです。分析に使うデータは、取り扱いに注意を要するものが少なくありません。そのようなデータを個々のデータ分析者の手元に置くことには、セキュリティ上の懸念が生じます。その意味でも、In-Database Analyticsの意義は極めて大きいと考えています。NSSOLにおけるOracle Advanced Analytics、そしてデータ分析ソリューション強化に関する今後の取り組み大橋:今回の検証で有効性を実感されたわけですが、今後Oracle Advanced Analytics により、NSSOL様のサービスはどのように広がっていくのでしょうか?毛野:まず、R言語をお使いのお客様に対して、Oracle Advanced AnalyticsとOracle Database/Exadataを当社のデータ分析サービスとともに提供していくことを考えています。 さらに、大量のデータをOracle Database/Exadataに保管しているお客様に対して、Oracle Advanced Analytics を使ったデータ・マイニングのソリューションを提供していきたいですね。ノウハウがない、もしくはデータが大量にありすぎてデータ・マイニングに手を出せないというお客様は少なくないと思います。そのようなお客様が新たな分析に取り組めるよう、分析支援サービスや、データ基盤の性能を最大限に引き出す技術を提供できると信じています。大橋:ビッグデータのデータ・マイニングにおけるOracle Database/Exadataの活用は、データ分析とデータ基盤に関して豊富な経験とノウハウをお持ちのNSSOL様ならではの提案ですね。毛野:ビッグデータを扱うのは簡単なことではありません。分析技術に加えて、データ基盤全体を俯瞰し、その性能を最大限に引き出していかなければ、データ分析を効果的に進めることはできないのです。その点、当社はOracle Database/Exadataをはじめとするデータ基盤を的確に扱うためのノウハウや技術を豊富に蓄積しています。これこそが、Oracle Advanced AnalyticsとOracle Database/Exadataによるビッグデータ分析で要となる能力であり、当社がお客様に提供できる最大の価値でもあると考えています。 また、当社はインフォメーション・ディスカバリー・ツール「Oracle Endeca Information Discovery」やインメモリ・データベースといった先進的なデータベース技術、新たな分析手法についても継続的に検証を実施するとともに、業務課題分析への適用を通じて知見やノウハウの獲得、分析プロセスの見直しを行っています。それらの取り組みを通して、より高度で多様なデータ分析サービスを提供していきます。【もっと詳しく! Oracle Advanced Analyticsの製品情報はこちら】Oracle Advanced Analytics製品情報Oracle Advanced Analytics技術情報(OTN)《あなたへのお勧め記事》製品解説>> オラクルのBusiness Analyticsソリューション関連ソリューション>> オラクルのビッグデータソリューション

国内屈指の技術力を誇るシステム・インテグレーターとして知られる新日鉄住金ソリューションズ(以下、NSSOL)。同社は2014年5月、大規模データ分析プロセスの確立に向け、統計解析言語であるRの企業向けソリューション「Oracle R Enterprise」を含む「Oracle...

07. データ統合/MAA

「マンガでわかる!リアルタイムデータ統合の活用トレンド」TIS株式会社が提供する Oracle GoldenGate ソリューションの御紹介 第二弾!

マンガでわかる!Oracle GoldenGate のソリューション効果 第二回目コンテンツ配信開始 先日、「マンガでわかる!リアルタイムデータ統合の活用トレンド」TIS株式会社が提供する Oracle GoldenGate ソリューションの御紹介」として、TIS様で配信しているコンテンツを御紹介しましたが、昨日、第二回目コンテンツが配信されましたので、こちらも御紹介させて頂きます。 今回のテーマは「バラバラのデーターベースのデータをリアルタイムに統合・連携する解決策」と題して、複数拠点に分散しているデータベースを連携することで、情報活用を促進するソリューションを解説頂いています。是非御参考ください!TIS株式会社 特集ページより(抜粋)TIS株式会社ホームページ 特集/コラムマンガでわかる!リアルタイムデータ統合の活用トレンドCase1 止められないシステムのデータベース移行の成功術Case2 バラバラのデーターベースのデータをリアルタイムに統合・連携する解決策導入実績の御紹介 TIS株式会社様では、Oracle GoldenGate を用いた、データベースサーバーの移行プロジェクトに関する実績があります。ベリトランス株式会社様の導入事例では、ECサイトを支える決済サーバーをほぼ無停止で Oracle Exadata へ移行する際に Oracle GoldenGate を活用しています。ベリトランス株式会社様 導入事例また、2014年5月15日には新たな事例として、IBJL東芝リース株式会社様の事例に関するニュースリリース、「TISと日本オラクルが、IBJL東芝リースの決済ソリューション「T-CON PAYMENT」を支えるミッションクリティカルなサーバーをほぼ無停止で移設 ~リアルタイムデータ統合製品「Oracle GoldenGate」の活用により実現~」を配信しています。TIS株式会社配信のニュースリリース日本オラクル株式会社配信のニュースリリース 国内外で活用の進む Oracle GoldenGate、今後も是非ご注目下さい!《あなたへのお勧め記事》製品解説>>活用事例>>オラクルのデータ統合ソリューションリアルタイムのデータ統合と異種データベースのレプリケーションを実現するOracle GoldenGateOracle GoldenGate 技術情報Oracle GoldenGate活用事例紹介Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合1(Youtube)Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合2(Youtube)Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合3(Youtube)関連ホワイトペーパー>> 【無料資料ダウンロード】「今、なぜデータ統合が必要とされているのか? (ダウンロードには、oracle.comへの会員登録が必要です)

マンガでわかる!Oracle GoldenGate のソリューション効果 第二回目コンテンツ配信開始  先日、「マンガでわかる!リアルタイムデータ統合の活用トレンド」TIS株式会社が提供する Oracle GoldenGate ソリューションの御紹介」として、TIS様で配信しているコンテンツを御紹介しましたが、昨日、第二回目コンテンツが配信されましたので、こちらも御紹介させて頂きます。 今回のテーマ...

05. システム統合管理

「オラクル製品に最適化されたプラットフォームだから」──Oracle ExadataでOracle Linuxが採用される理由

圧倒的なパフォーマンスと可用性を兼ね備え、ミッション・クリティカル・システムの基盤として多くの企業で導入が進むOracle Exadata。その標準OSとして採用されているのが「Oracle Linux」だ。Oracle Exadataは、なぜOracle Linuxを採用しているのか? それには深いワケがあった。(編集部)Oracle Linuxは、オラクル製品の"マスタ・プラットフォーム"日本オラクル 製品戦略統括本部 Oracle Linux & Oracle VM営業部部長の松崎展晃氏 Oracle Linuxは、既存のLinux環境の保守運用コストの大幅削減を可能にするRedHat Enterprise Linux 100%互換のカーネルと、オラクル製品の実行パフォーマンスを最大限に高めることのできる「Unbreakable Enterprise Kernel(UEK)」という2つのカーネルを備えたオラクル独自のLinuxディストリビューションだ。 その特徴の1つとして、Oracle Linuxのサポート契約を結ぶと、既存のRedHat Enterprise Linux環境を変えることなく、そのままオラクルからのサポートを受けられることがある。オラクルはOracle Linuxのサポート・サービスを低価格で提供しているため、レッドハットからオラクルへとライセンスを切り替えるだけで、OSを入れ替えることなく保守運用コストを削減できるのだ。【関連記事】>>Oracle LinuxとOracle WebLogic ServerでITインフラのコストはまだ下がる! コスト面でRed Hat Enterprise Linux、Red Hat JBoss EAPよりもメリットが大きい。その理由は?>>RedHat+Oracleユーザーにぜひ知ってほしい! Oracle Linuxがオラクル製品の実行基盤に最適な理由 ただし、本当にRedHat Enterprise Linuxと100%互換なのか、いぶかる向きもあるかもしれない。これに対して、日本オラクルの松崎展晃氏(製品戦略統括本部 Oracle Linux & Oracle VM営業部 部長)は次のように説明する。 「RedHat Enterprise Linux との互換性には、100%の自信を持っています。事実、Oracle Linuxをリリースして以降、RedHat Enterprise Linuxとの非互換の問題は1つも報告されていません。Oracle Linuxの開発チームだけでなく、すべてのオラクル製品開発チームが互換性について完全な信頼を寄せており、その証拠にオラクル社内では現在、製品開発でRedHat Enterprise Linuxは一切使っていません。Oracle LinuxのRedHat互換カーネルで動作することが確認できれば、RedHat Enterprise Linuxでもまったく同様に動作すると見なしているのです」 このように、データベースや業務アプリケーションをはじめ業界有数のソフトウェア製品を擁するオラクルでは、Oracle LinuxとRedHat Enterprise Linuxの互換性は完全に保たれているという前提で製品開発が行われている。加えて、Oracle Linuxには「オラクル製品に最適化されたOS」という側面もある。 「Oracle Databaseをはじめとするオラクルの各製品は、Oracle Linux上で設計から開発、テスト、チューニングまでが行われたうえでリリースされます。それが他のLinuxディストリビューションやWindows、UNIXに移植されるという流れが基本であり、その意味で、Oracle Linuxはオラクル製品のマスタ・プラットフォームだと言えます。当然、さまざまな試験がOracle Linux上で実施されており、その内容は他のOS上で行われるものよりも過酷です。それらの試験により、オラクル製品にとって最も安定したプラットフォームであることが実証されているからこそ、Oracle ExadataをはじめとするEngineered Systemsの標準OSとしてOracle Linuxが採用されているのです」(松崎氏)さまざまなチューニングが施されたオラクル製品のパフォーマンスを最大限に引き出すOracle LinuxのUEK日本オラクル 製品戦略統括本部 Oracle Linux & Oracle VM営業部 プリンシパルセールスコンサルタントの面和毅氏 前述したように、Oracle Linuxでは2つのカーネルを切り替えて使用できるが、Oracle ExadataやOracle Exalogicなどで使われているのは、オラクル製品に最適化されたカーネルであるUEKだ。Oracle Exadataに関しては、ハードウェアのチームとOracle Databaseのチーム、そしてOracle Linuxのチームが密接に連携して開発を進めている。その具体的な例の1つとして、面和毅氏(日本オラクル 製品戦略統括本部 Oracle Linux & Oracle VM営業部 プリンシパルセールスコンサルタント)はIPC(InterProcess Communication:プロセス間通信)の開発を挙げる。 「IPCは汎用的なプロトコルであり、Oracle Databaseでも使われていますが、高ストレス環境下では安定しにくいという特性があります。もともとOracle Linuxでは、IPCを安定させるための拡張コードを入れていましたが、UEKでは低レイテンシかつ安定性の高いRDS(Reliable Datagram Sockets)というプロトコルに置き換えました。これによってスループットが大幅に向上したほか、通信の安定性も高まっています。Oracle Linuxとデータベースのチームがそれぞれの知識を集結させたことで、こうした改善が実現したのです。なお、オラクルはこのRDSの成果をオープンにしており、Linuxの標準カーネルにも取り込まれています」(面氏) InfiniBandのドライバの実装に関しても、Oracle LinuxとOracle Databaseのチーム、そしてカードベンダーが連携して研究/検証作業を重ね、その成果がUEKカーネルに組み込まれている。Engineered SystemsはInfiniBandを活用することで高いパフォーマンスを実現しているが、その裏側にはこうした共同作業があったのだ。 さらに、Oracle LinuxにはインテルCPUに含まれる拡張命令セット、あるいはインテルが提供しているライブラリを使ったカラムナー・コンプレッション高速化のための仕組みも盛り込まれている。これらの開発でも、ハードウェア開発チームとOracle Linux、Oracle Databaseの開発チームが緊密に協業し、さらにインテルからも協力を受けたとのことだ。そのほかにも、データベースを高速化するための、さまざまなチューニングをカーネル・レベルで施しているという。 「OSの基本機能であるファイルシステムやスケジューラ、システム・コールについても見直しを図り、データベースのクエリを高速に実行するためには何が必要かといった観点から検証を行ってカーネルに実装しています。Engineered Systemsを含むすべてのオラクル製品を高速かつ安定して動作させるために、Oracle Linuxではソフトウェアとハードウェアのチームが連携しながら、常に改善が続けられているのです」(面氏)UEKを使うだけでOracle Databaseの性能が劇的に向上する このように、徹底したチューニングが施されたOracle Linuxは、Engineered Systems以外の環境でも、オラクル製品を実行する最良のプラットフォームに仕上がっている。そのパフォーマンスの高さを端的に示すのが次のベンチマーク結果だ。【RedHat互換カーネルとUEKによるOracle Database 11g R2のベンチマーク結果】#mainContent .tbl01 {width:100%;border-collapse: collapse;display:table;}#mainContent .tbl01 td,#mainContent .tbl01 th {padding:3px 5px;}#mainContent .tbl01 th {background:#ededed;}Red Hat互換カーネルUEKUEKによる性能向上比8KBフラッシュキャッシュ読み込み性能(IOPS)19万7000 IOPS100万 IOPS400%SSDアクセス4GB/秒9.5GB/秒137%Infiniband RDSメッセージ、シングル・カード8万9000IOPS27万3000 IOPS200%8ソケット・データベースOLTP1800万トランザクション/秒3200万トランザクション/秒75%※Oracle Linux 5+UEK1とRed Hat 5で比較したデータ このベンチマークでは、汎用のIAサーバを利用し、Oracle LinuxのRedHat互換カーネルとUEKで、それぞれ同じテストを実行している。例えば、OLTP性能の比較では、互換カーネルが1800万トランザクション/秒であるのに対し、UEKは3200万トランザクション/秒と1.75倍もの差を付けている。こうした結果からも、Oracle Databaseをはじめとするオラクル製品にとって、Oracle Linuxが最適な実行環境であることがご理解いただけるだろう。 もちろん、オラクル製品は他のLinuxディストリビューションやWindows Server、あるいはHP-UX、AIX、Solarisなど、さまざまなプラットフォームで利用することができる。このオープン性の高さもオラクル製品が守り続ける特徴だが、「さらなる性能向上を図りたい」、「オラクル製品を安心して利用したい」と考えるのなら、ぜひOracle Linuxをご活用いただきたい。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> エンタープライズに最適なOracle Linux情報サイト活用事例>> NTTドコモが顧客情報管理システムのアプリケーション実行基盤として「Oracle WebLogic…関連ソリューション>> 最高のパフォーマンスを、最小限のコストで - Oracle Exadata Database Machine関連ホワイトペーパー>> 今すぐ使える「Oracle Linux」移行ガイドブックダウンロードキャンペーン実施中

圧倒的なパフォーマンスと可用性を兼ね備え、ミッション・クリティカル・システムの基盤として多くの企業で導入が進むOracle Exadata。その標準OSとして採用されているのが「Oracle Linux」だ。Oracle Exadataは、なぜOracle Linuxを採用しているのか? それには深いワケがあった。(編集部)Oracle Linuxは、オラクル製品の"マスタ・プラットフォーム" 日本...

03. ビッグデータ

製造ITの精鋭インテグレーターがEndecaで挑む、データ・ディスカバリーによるイノベーション──オラクルBA特別対談 東洋ビジネスエンジニアリング × 日本オラクル

RDBMS内の構造化データからソーシャル・サービス上の非構造化データまで、さまざまな形式のデータを組み合わせた柔軟なデータ・ディスカバリー(情報探索)を可能にする「Oracle Endeca Information Discovery(以下、Endeca)」。この新たなデータ活用ツールは、企業の情報活用スタイルをどのように変えていくのだろうか? 製造業の基幹業務システムの領域で長年にわたって経験と実績を積み重ねてきた東洋ビジネスエンジニアリングの深澤俊男氏(ソリューションプロジェクト統括本部 コンサルタント)に、日本オラクルの大橋雅人氏が聞いた。(編集部)「データを使えるレベルに持っていくスピードが圧倒的に早い」──それがEndecaの凄さ東洋ビジネスエンジニアリング ソリューションプロジェクト統括本部 ソリューション企画部 コンサルタントの深澤俊男氏大橋氏(以下、敬称略):東洋ビジネスエンジニアリング様は、これまで日本の製造業の基幹ITを支えてこられましたが、先頃ビッグデータ・ビジネスにも参入し、Endecaの取り扱いを開始されました。実際に提案活動を行ってみて、お客様はEndecaのどこに興味を持たれているのでしょうか?深澤氏(以下、敬称略):お客様が最初に驚かれるのは、やはり「見た目のわかりやすさ」ですね。Endecaは、データを使えるレベルに持っていくまでのスピードが圧倒的に早いのです。そのため、私たちがこれまでに扱ってきたどの基幹系データ処理技術よりも、はるかに早くEndecaへの理解は進むと感じています。大橋:とは言え、Endecaが掲げる「データ・ディスカバリー」は、従来にない新たな概念です。また、適応領域が非常に広いため、お客様が活用イメージをつかむまでに時間がかかることもあるかもしれません。深澤:確かに、私たちもお客様に対してどう説明しようかと悩むことはあります。ただし、データ・ディスカバリーに対するニーズは、潜在的なものも含めると相当数あります。今は、私たち自身も、またお客様の側でも、Endecaの活用イメージを醸成していく段階だと言えるでしょう。 適用範囲が広いということは、さまざまな領域で使えるということでもあります。実際、IT部門のお客様にEndecaをご紹介すると、「なるほど、こんな使い方ができるかもしれない」、「そう言えば、あの部門がこんなことをやりたいと言っていたな」といった具合に、次から次へと活用アイデアが出てくるのです。そうしたアイデアを具体的な提案へとかたちにしていきながら、Endecaの活用シーンや活用イメージを、より多くの方にお伝えしていきたいですね。データベースの設計は不要。従来の5分の1の手間で見たいデータにたどり着ける大橋:東洋ビジネスエンジニアリング様が得意とされている製造業の業務において、Endecaはどのような効果を発揮するでしょうか?深澤:まず挙げられるのは、販売/マーケティングの領域、SCMの領域です。SCMは当社が特に得意とする領域であり、Endecaを効果的に適用できる可能性は非常に高いと思います。次に品質管理や保守サービスの領域への適用が非常に効果的でしょう。すでに欧米でも活用事例があるようですが、この領域が製造業においてEndecaが普及する鍵になると思います。大橋:製造業の要である品質管理や保守サービスでは、Endecaを使えるシーンが多そうですね。深澤:例えば、保守サービスなら、保守部品や生産管理の情報、クレーム情報など、さまざまな情報をEndecaによって組織横断的に組み合わせて分析することで、故障率の低減や故障の事前予測が行えるでしょう。保守サービスでは、製品と顧客の2軸でさまざまなデータを分析する必要がありますが、Endecaならさまざまな種類/フォーマットの情報を取り込めるので、これまでにない柔軟な分析が行えると期待しています。また、実際の保守作業の内容を記述したテキスト情報を用いた分析も可能です。その意味でも、保守サービスの強化に最適な分析基盤と言えそうですね。大橋:Endecaの柔軟性の高さが生きるわけですね。もう1つの特徴であるデータ分析のスピードはいかがでしょうか。深澤:Endecaの場合、データベースを設計しなくても、イメージどおりのデータ、つまり見たい切り口のデータをすぐに見ることができます。このスピード感も、Endecaならではの強みだと思います。 また、私たちのようなSIerにとっては、データを取り込んで変換し、読み込むまでのETL(Extract/Transform/Load)処理をスムーズに行えることも非常に大きな魅力です。情報活用においては、データのクレンジング処理に手間がかかったり、苦労したりすることが多いのですが、Endecaであれば、その作業が格段に容易になるのです。【Endecaの活用事例記事はこちら!】>>企業を取り巻くすべてのデータを分析対象にする『Oracle Endeca Information Discovery』Endecaを中心に現場を巻き込みながら、企業のデータ活用基盤を成長させる日本オラクル 製品戦略事業統括本部 戦略製品&ビジネスアナリティクス推進部 担当マネジャーの大橋雅人氏大橋:Endecaを使うことで、データ分析のプロセスは従来と比較してどの程度まで短縮できそうでしょうか?深澤:Endecaがうまく適合する要件なら、これまでの5分の1程度の工数で見たいデータにたどり着けるようになるのではないでしょうか。従来のように「データを準備して、データベースを設計して」といったプロセスを踏んでいると、見たいデータにたどり着くまでに多くの時間がかかります。また、長い時間をかけて、ようやくデータを見る段階にたどり着いたと思ったら、実はまったく無意味なデータだったなどということもあるでしょう。 その点、Endecaは見たいデータにたどり着くまでの工数が非常に少なく、感覚的には従来かけていた工数の3分の1はバッサリなくなっているという印象です。そのため、Endecaによるデータ分析では、IT部門などが業務部門などの他部門を巻き込みやすいとも言えます。「自分たちがこんな仮説を立てて分析したら、こんなデータが得られた。そちらの部門でも試してみては」といった具合に、業務部門などに自発的なデータ活用を促す道具としても使えるのです。大橋:そうした意味で、Endecaを中心にした情報活用基盤は「育てていくシステム」だと言えるかもしれません。それも、IT部門主導で育てていくのではなく、ビジネスの現場にいるさまざまな人がデータ分析に加わり、それぞれの視点で分析した結果を、さらにシステムに反映していくといったサイクルをスピーディに回せるので、システムが成長するスピードも自ずと速まるわけです。深澤:もう1つ、Endecaにはテキスト分析の機能が備わっている点も大きな魅力です。この機能は、例えば製造業の保守業務などで威力を発揮するでしょう。この場合、保守点検時のメモ類や作業記録、日々のレポート類を対象にしたテキスト分析が対象になります。製造業では、そうしたさまざまな非構造化データを蓄積して活用したいというケースが非常に多いですから。大橋:製品の不具合情報などもテキスト・データが主となるケースが多いので、それらの情報を製品管理や個客管理の情報と併せて分析することで、品質管理やユーザー・サポートの品質を高めるといった使い方もできそうですね。見たいデータにすぐにたどり着けるEndecaなら、関係者が同じ画面を見ながらスピーディに仮説/検証を繰り返していくこともできる(Endeca活用シーン・イメージ)東洋ビジネスエンジニアリングとオラクルが密接に連携し、Endecaの価値をより多くの企業へ深澤:こうして改めて考えてみると、データベースの設計が不要だというEndecaの特徴は本当に素晴らしいと感じます。よく「ビッグデータは整理が8割」と言われますが、実際にデータ分析のための情報基盤を構築する際には、データ・クレンジングや名寄せなど、データ間の微妙な"揺れ"を取り除いたり、吸収したりする作業が大変なのです。その辺りの手間を大きく軽減してくれる仕組みが用意されている点は、本当に有り難いことですよ。 また、Endecaがオラクルの製品だということも、大きな強みだと思います。オラクルのさまざまなデータ活用製品と組み合わせて使うためのノウハウやサポートの提供が期待できますからね。それに、やはりオラクルのブランドには強い安心感があります。大橋:製造ITの世界で長い経験と豊富な実績をお持ちの東洋ビジネスエンジニアリング様とオラクルがタッグを組むことで、Endecaをお使いになる製造業のお客様にとって、非常に大きな価値を生み出していけると確信しています。深澤:今後も、Endecaに関する最新情報や活用ノウハウ、海外の先進事例などの情報も共有/活用しながら、両社の強みを生かしてEndecaの"尖った使い方"をともに提案していきましょう。【もっと詳しく! Endecaの製品情報はこちら】Oracle Endeca Information Discovery製品情報「Youtube Oracle Endeca Information Discoveryデモ動画(英語)《あなたへのお勧め記事》製品解説>> オラクルのBusiness Analyticsソリューション関連ソリューション>> オラクルのビッグデータソリューション

RDBMS内の構造化データからソーシャル・サービス上の非構造化データまで、さまざまな形式のデータを組み合わせた柔軟なデータ・ディスカバリー(情報探索)を可能にする「Oracle Endeca Information Discovery(以下、Endeca)」。この新たなデータ活用ツールは、企業の情報活用スタイルをどのように変えていくのだろうか? 製造業の基幹業務システムの領...

03. ビッグデータ

最適なデータ・ディスカバリー・ツールEndecaとTISの業務ノウハウが融合。企業の内外にあるデータから“新たな発見”を支援──オラクルBA特別対談 TIS × 日本オラクル

金融、製造、流通/サービス、通信、公共など、さまざまな業種の企業に対し、長年にわたってシステム・インテグレーション・サービスを提供してきたTIS。同社は近年、データ・マネジメントの専任組織を立ち上げ、ビジネス・インテリジェンス(BI)およびビジネス・アナリティクス(BA)ソリューションの強化に取り組んでいる。その戦略の一環として取り扱いを開始したのが、オラクルのデータ・ディスカバリー・ツール「Oracle Endeca Information Discovery(以下、Endeca)」だ。果たしてTISは、Endecaを活用して、企業にいかなる価値を提供しようとしているのか。同社エンタープライズソリューション営業部の濱田敬弘氏と山本明梨氏に、日本オラクルの大橋雅人氏が聞いた。(編集部)Endecaは最適なデータ・ディスカバリー・ツールTIS ITソリューションサービス本部 エンタープライズソリューション事業部 エンタープライズソリューション営業部 主査の濱田敬弘氏大橋氏(以下、敬称略):TIS様はこれまで、金融機関や製造業に向けたシステム・イングレーションやデータセンターなどのサービスを数多く手掛けてこられました。その中で、データ・マネジメント・ソリューション(DMS)の専任組織を立ち上げ、Endecaの取り扱いを開始されたわけですが、それにより、お客様にどのような価値を提供されようとしているのでしょうか?濱田氏(以下、敬称略):DMSの専任組織を立ち上げた理由は、近年、お客様からデータ・マネジメントに関する課題やご要望を伺う機会が増えてきたためです。 このソリューションを展開する中で、当社はオラクル以外のBI/BA製品も扱ってきましたが、今回、Endecaを採用したのは、近い将来「データ・ディスカバリー」がデータ分析/活用のメインストリームになると確信したからです。同様の目的で使える製品はほかにもありますが、Endecaは特に優れていますし、オラクルの他のBI/BAソリューションとの連携が容易だという利点もあります。これなら、データ活用に対するお客様の多様なニーズにお応えできると考えました。大橋:BIやBA、データ・ディスカバリーの領域におけるTIS様の強みを教えてください。濱田:1つは、お客様の業務を深く理解していることです。今、データの有効活用を最も強く求めているのは、業務の現場です。その方々と対話し、ご支援していくためには、業務に関する知識が欠かせません。この理解が浅ければ、お客様のデータ利活用を的確にご支援することなど不可能なのです。 また、データセンター・サービスを提供し、ミッション・クリティカルなシステムで大量のデータを扱うノウハウを豊富に蓄積してきたことも、当社ならではの強みです。このノウハウは、お客様にとって真に役立つデータ・ディスカバリー・ソリューションを提供するうえで極めて重要になります。大橋:Endecaを高くご評価いただいている理由、他の製品と比べて特に優れている点をお聞かせください。濱田:Endecaの優位性は、大きく3つあります。1つ目は、非構造化データを可視化する能力の高さです。また2つ目は、データベース設計をしなくても、多種多様な形式のデータを取り込み、それらを用いて探索が行える状態をすぐに実現できることです。そして3つ目は、データを発見するための使いやすいユーザー・インタフェース(UI)を、手間をかけずに作れるところだと言えます。その早さに驚いた! これまで活用できなかったデータも、スピーディに取り込んで分析対象に日本オラクル 製品戦略事業統括本部 戦略製品&ビジネスアナリティクス推進部 担当マネジャーの大橋雅人氏大橋:そのような優位性を備えるEndecaは、特にどのような課題の解決に役立つとお考えですか?濱田:データ・ディスカバリーとは、これまで分析対象にできなかったものも含め、あらゆるデータをさまざまな角度から分析することで、新たな発見や気づきを得るためのソリューションです。 この概念自体は新しいものですが、Endecaのお話をさせていただくと、非常に多くのお客様が強く興味を持たれます。これは、分析対象のデータを拡大し、新たな発見、気づきを得ることの必要性を痛感されているからでしょう。「自分たちの組織には、まだ活用できていないデータが多くある」という課題意識を持たれているお客様が少なくないということです。そうしたお客様にとって、Endecaは間違いなく魅力的な製品に映ります。大橋:その手応えは、私たちも強く感じています。データ・ディスカバリーという概念を言葉だけでご理解いただくのは難しいかもしれませんが、実際にEndecaをご覧いただけば、これがどのような価値をもたらすソリューションなのかがすぐにおわかりいただけるはずです。濱田:実際、EndecaのUIは非常に良くできていて、データの意味を直感的に理解できますし、既存のBIツールのように固定された軸ではなく、さまざまな軸でデータの見方をダイナミックに切り替えていけます。 しかも、軸や視点の切り替えがスピーディに行えるので、ユーザーの思考が分断されることもありません。さらに重要なのは、分析対象データを取り込むスピードの早さです。例えば、新たに浮かんだ仮説の検証のために、新規のデータ分析が必要になるとします。そのデータの取り込みに数週間から数カ月の期間がかかるとしたら、分析自体が無意味になってしまう恐れもあります。しかし、Endecaなら、その心配はありません。あたかも膨大なデータと対話するかのように、さまざまなデータをすぐに取り込み、ダイナミックに分析していくことができるのです。【Endecaの活用事例記事はこちら!】>>企業を取り巻くすべてのデータを分析対象にする『Oracle Endeca Information Discovery』チームで"気づき"を。Endecaなら組織/業務に潜在する問題も簡単に可視化できるTIS ITソリューションサービス本部 エンタープライズソリューション事業部 エンタープライズソリューション営業部の山本明梨氏大橋:Endecaの魅力として、「誰でも、手軽に、すぐに扱える」ことが挙げられると思いますが、実際に使われてみていかがでしょうか。山本さんは開発経験がほとんどない中でEndecaの研修を受けられたそうですが。山本氏:研修では、主にデータの取り込みについて学びましたが、開発経験がほとんどない私でも、セルフサービス機能を使えば非構造化データを簡単に取り込めることにとても驚きました。これなら、ITリテラシーがさほど高くない業務部門の方でもご活用いただけるのではないでしょうか。 私のチームでは、まずEndecaに慣れることを目的に、チーム・メンバーの業務実績データを使って分析を行ってみたのですが、Endecaの画面を見ながら皆で分析を進めたところ、これまで見えていなかった同僚の活躍や業務上の問題点などが可視化され、多くの発見や気づきが得られました。身近なデータを使ったことで、Endecaの凄さを肌で感じることができたのです。 とは言え、業務部門の誰もがEndecaを手軽に扱えるとは限りません。また、元となるデータをどこから入手し、どのような観点で分析すべきかといったノウハウも必要となります。そのような部分については、当社がバックアップさせていただきます。長年培ってきたノウハウや技術力を生かし、分析用の適切なデータを集め、Endecaに取り込んで的確に可視化していくことで、お客様のデータ資産を速やかにビジネス価値に変えるお手伝いをさせていただきます。Endecaなら、さまざまなデータを柔軟に組み合わせてチーム・メンバーで分析/検討し、発見や気づきを得ることができる(Endeca活用シーン・イメージ)大橋:Endecaという道具立てが揃った今、企業がこれまでにないデータ活用に踏み出すために必要なのは、ノウハウと技術力です。TIS様のサポートが得られれば心強いですね。最後に、Endecaに関する今後の計画を教えてください。 濱田:これまで、既存のお客様を中心にEndecaをご紹介してきました。今後は、その中で伺ったお客様のニーズも踏まえ、各業界/業種向けに、より具体的なソリューションを企画/提供していきます。 また、当社はオラクルのERP製品の導入実績が豊富なので、EndecaとオラクルERPを連携させたソリューションの企画/提供も進めたいと考えています。ご期待ください。【もっと詳しく! Endecaの製品情報はこちら】Oracle Endeca Information Discovery製品情報「Youtube Oracle Endeca Information Discoveryデモ動画(英語)《あなたへのお勧め記事》製品解説>> オラクルのBusiness Analyticsソリューション関連ソリューション>> オラクルのビッグデータソリューション

金融、製造、流通/サービス、通信、公共など、さまざまな業種の企業に対し、長年にわたってシステム...

03. ビッグデータ

ビジネス・インテリジェンスの専業インテグレーターが語る、オラクルのビジネス・アナリティクスが企業にもたらす価値──オラクルBA特別対談 ジール × 日本オラクル

エンタープライズで求められる多彩な機能を提供するソフトウェア製品群と、システム基盤として圧倒的な処理性能を誇るEngineered Systemsから成るオラクルのビジネス・アナリティクス(BA)ソリューション(以下、オラクルBA)。果たして、これは企業のビジネスやデータ活用スタイルにどのような変化/変革をもたらすのか。ビジネス・インテリジェンス(BI)ソリューションの導入支援で豊富な実績を誇るジールの土岐雅也氏(SIサービス本部BI第二事業部 事業部長)と日本オラクルの石家丈朗氏が、その本質について率直に語り合った。(編集部)セキュリティとBIの機能をオール・イン・ワンで提供し、企業のモバイルBI活用を加速するジール SIサービス本部 BI第二事業部 事業部長の土岐雅也氏石家氏(以下、敬称略):ジール様は1991年の創業以来、BIに特化したSIerとしてさまざまなベンダーのBIソリューション導入を支援されてきました。日本企業のBIを知り尽くした立場から、オラクルBAをどう評価されているのでしょうか?土岐氏(以下、敬称略):オラクルBAについてまず評価したいのはモバイル対応であり、これには大きく2つの魅力があると感じています。1つは、セキュリティとBIの機能がオール・イン・ワンで提供されていること。もう1つは、モバイルでの利用に堪えるパフォーマンスを確保する手段がトータルに用意されていることです。 BIで大切なのは、オフィスでもモバイルでも、常にユーザーの思考や作業を妨げないパフォーマンスを提供することです。また、モバイルでも安心してデータを活用できるようにするためには、高いセキュリティも重要です。これら2つの点をカバーしていることが、「モバイル」に関するオラクルBAの大きな強みだと言えるのではないでしょうか。石家:ご指摘いただいた点は、まさに私たちもオラクルBAの最大の強みの1つだと感じている部分です。土岐:オラクルBAは、各社のモバイル・デバイス管理ソリューションと連携させ、企業が求めるモバイル・セキュリティを速やかに実現することができます。高性能なBI環境と強固なセキュリティを表裏一体で提供していることが、BIのモバイル活用を促進するうえで非常に重要なのです。 また、モバイルBIの今後を考えると、「分析/加工された定型的なレポートをモバイルで確認したい」というニーズとともに、「会社のデータを、個々の業務担当者の視点/切り口ですぐに見たい」というニーズも高まってくるはずです。これら2つの要求を、既存のBIコンテンツのモバイル対応を実現する「Oracle BI Mobile HD」と、現場担当者が容易にBIアプリケーションを作ることのできる「Oracle BI Mobile Application Designer」という2つのツールで満たしている点も、オラクルBAの大きな優位性だと見ています。【もっと詳しく! オラクルBAの「モバイル」の詳細はこちら】>>データの価値を今すぐ現場に、経営層に! オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める"3つの理由"──第1回 モバイル編欲しいアプリはエンドユーザーが自分で簡単に作る!セルフサービス化で自由度の高いBIを提供土岐:これからのBIを語るうえでは、「ユーザー志向」という観点も外せません。 企業の経営層も、マーケティングや営業の担当者も、常に「自分の目的に応じて、データを集計/分析/加工したい」と考えています。これまでは、そうしたビジネス・サイドの細かな要求にIT部門やSIerが個別に対応してきましたが、その結果として、数百、数千という膨大な数の、しかも非常に似通った定型レポート(帳票)が作られるという事態が生じています。 また、そもそもBIシステムの構築では、一般的な業務システムのように「事前に決めた要件を実装したら完了」となることはほとんどありません。現場で活用される中で、次から次へと新たなニーズが生まれ、それに応じてアプリケーションの改修を行い続けるのが普通です。 とは言え、そうした改修要求のすべてにIT部門やSIerが対応していたのでは多くの時間とコストがかかり、データ活用の俊敏性を高められません。この問題を解決するためには、共通のデータ基盤上で担当者が必要なアプリケーションを自分で作る「BIのセルフサービス化」を推し進める必要があります。オラクルBAの「ユーザー志向」とは、まさにこれを促進しようというコンセプトだと理解しています。石家:オラクルBAは、BIのフロントエンドを構成する要素として、すべてのユーザー層が活用できるよう、さまざまな機能を提供しています。これらはすべて、BIのユーザー志向性を高める方向へと進化しています。その機能ラインアップについては、どういった印象をお持ちですか?土岐:魅力的な機能が多いですね。例えば、Microsoft Officeとの統合機能や、BI情報と地図情報をマッピングする機能は実用性が高く、エンドユーザーにとっての利便性も高いでしょう。また、最新のオラクルBAでは定型レポートの作成機能が大幅に強化され、帳票への要求が厳しい日本のお客様にも自信を持ってお勧めできるレベルに達しました。こうした点も高く評価すべきポイントだと思います。 さらに、オラクルBAでは、現場におけるデータ活用の高度化を支える仕組みとして、情報探索ツールの「Oracle Endeca Information Discovery」も提供しています。実を言えば、オラクルが買収する以前から、当社ではEndecaに注目していました。と言うのも、お客様の間で、さまざまなデータソースを柔軟に探索し、何らかの知見をタイムリーに得る仕組みが欲しいというニーズが高まってきたからです。近い将来、Endecaのようなツールが広く活用されるようになることは確実であり、その可能性には大いに期待しています。【もっと詳しく! オラクルBAの「ユーザー志向」の詳細はこちら】>>データの価値を今すぐ現場に、経営層に! オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める"3つの理由"──第2回 ユーザー志向編共通の情報モデル「CEIM」により、統合されたシステム基盤でBIの全社活用が可能に石家:多彩なBI機能とデータソースを、共通のメタ情報モデル(CEIM:Common Enterprise Information Model)の上で統合(インテグレーション)していることもオラクルBAの特徴の1つですが、これに関してはいかがでしょうか? 土岐:CEIMは「プレゼンテーション層」と「ビジネス・モデル(メタデータ層)」、「物理モデル」の3層から成りますが、構造がとてもシンプルで、お客様からも「すぐに理解できる」と好評です。CEIMにより、さまざまなデータソースとプレゼンテーション層をつなぐメタ情報を一元的に管理できるので、アプリケーションの開発がとても楽になり、エンドユーザーのニーズに応じたBI情報を提供するのも容易になるというメリットがあります。 また、インテグレーションの観点では、ソフトウェアとハードウェアを融合したEngineered Systemsも、オラクルBAの重要な構成要素ですね。日本オラクル 製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ担当ディレクターの石家丈朗氏石家:データ分析のためのEngineered SystemsとしてはOracle Exalyticsを提供していますが、これが目指していることの1つは、もちろんBIのパフォーマンスの向上です。土岐:そのためには、バックエンドのデータベースや分析エンジンの処理性能をトータルに高めていくことが肝心ですね。このデータ収集/蓄積/統合では、Oracle Big Data ApplianceやOracle Exadataも威力を発揮します。これらも活用してBIのパフォーマンスをトータルに高めることで、データをビジネス価値に変えるスピードを速め、ビジネス機会を逃すリスクも極小化できるでしょう。 オラクルBAは最新版でさらに使いやすくなり、分析のみならず定型帳票にも強くなったことで、幅広い業務に使えるソリューションとなりました。また、モバイル機能が拡充されたことで、今後は全社展開して活用されることを想定する必要があります。そうなると、当然ながら高い処理能力を備えたシステム基盤が必要になりますが、それを担保するのがEngineered Systemsです。 実際にBIではスピードが非常に大切ですし、直近のデータをリアルタイムに近いタイミングでBIシステムに取り込み、意思決定に役立てたいと考えるお客様が増えています。当社でも、BIシステムの性能を高めるために多くの努力を費やしてきました。今後はEngineered Systemsが、そうした労力を大きく軽減してくれると期待しています。【もっと詳しく! オラクルBAの「インテグレーション」の詳細はこちら】>>データの価値を今すぐ現場に、経営層に! オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める"3つの理由"──第3回 インテグレーション編《あなたへのお勧め記事》製品解説>> オラクルのBusiness Analyticsソリューション関連ソリューション>> オラクルのビッグデータソリューション

エンタープライズで求められる多彩な機能を提供するソフトウェア製品群と、システム...

07. データ統合/MAA

「マンガでわかる!リアルタイムデータ統合の活用トレンド」TIS株式会社が提供する Oracle GoldenGate ソリューションの御紹介

マンガでわかる!Oracle GoldenGate のソリューション効果 近年、企業での活用が進んでいる Oracle GoldenGate は、データベースサーバーの移行プロジェクトというシーンでも積極的に活用されています。 Oracleの Platinum Partner でもある「TIS株式会社」では、リアルタイムデータ統合の活用トレンドについて、課題や解決手法に関するプロモーションを展開されています。第一回目のテーマ「止められないシステムのデータベース移行の成功術」では、マンガ形式も取り入れた、わかりやすい内容となっていますので、この場を借りて御紹介させて頂きます。 ですが、「御紹介」というより早速アクセスして頂く方がいいと思います。下記がサイトのイメージ(抜粋)になりますので、画像をアクセスしてご参照ください。TIS株式会社 特集ページより(抜粋) 次回はCase 2 として、データベース移行とは違った活用方法に関する特集も計画されているとのことですので、是非、お楽しみ頂けると幸いです。TIS株式会社ホームページ 特集/コラムマンガでわかる!リアルタイムデータ統合の活用トレンドCase1 止められないシステムのデータベース移行の成功術導入実績の御紹介 TIS株式会社様では、Oracle GoldenGate を用いた、データベースサーバーの移行プロジェクトに関する実績があります。ベリトランス株式会社様の導入事例では、ECサイトを支える決済サーバーをほぼ無停止で Oracle Exadata へ移行する際に Oracle GoldenGate を活用しています。ベリトランス株式会社様 導入事例また、2014年5月15日には新たな事例として、IBJL東芝リース株式会社様の事例に関するニュースリリース、「TISと日本オラクルが、IBJL東芝リースの決済ソリューション「T-CON PAYMENT」を支えるミッションクリティカルなサーバーをほぼ無停止で移設 ~リアルタイムデータ統合製品「Oracle GoldenGate」の活用により実現~」を配信しています。TIS株式会社配信のニュースリリース日本オラクル株式会社配信のニュースリリース 国内外で活用の進む Oracle GoldenGate、今後も是非ご注目下さい!《あなたへのお勧め記事》製品解説>>活用事例>>オラクルのデータ統合ソリューションリアルタイムのデータ統合と異種データベースのレプリケーションを実現するOracle GoldenGateOracle GoldenGate 技術情報Oracle GoldenGate活用事例紹介Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合1(Youtube)Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合2(Youtube)Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合3(Youtube)関連ホワイトペーパー>> 【無料資料ダウンロード】「今、なぜデータ統合が必要とされているのか?���…(ダウンロードには、oracle.comへの会員登録が必要です)

マンガでわかる!Oracle GoldenGate のソリューション効果  近年、企業での活用が進んでいる Oracle GoldenGate は、データベースサーバーの移行プロジェクトというシーンでも積極的に活用されています。 Oracleの Platinum Partner でもある「TIS株式会社」では、リアルタイム...

11. Others

「バッチ処理が終わらない!」──そんな悪夢を解消するデータベース基盤としてOracle Exadataが支持される理由

日本企業のシステムで特徴的なのは、各種の業務処理でバッチが多用されている点だ。昨今、このバッチ処理が規定時間内に終わらず、業務に支障を来す企業が増加している。そうした企業の多くが、この問題の根本的な解決を図るために高速なデータベース基盤として導入を進めているのが「Oracle Exadata」である。その理由はなぜか、Oracle Exadataはバッチ処理をどう高速化するのか。日本オラクルの岩崎護氏に聞いた。(編集部)当初の想定を超えてデータ量が増加し、規定時間内にバッチ処理が終わらず"突き抜け"が発生。業務遅延を引き起こす場合も 日本企業のシステムで多用されてきたバッチ処理。前日の業務結果の集計や翌日の業務で使うデータの準備を日次の夜間バッチ処理で行うといった運用は、業種/業界を問わず現在も広く行われている。今日、このバッチ処理が規定時間内に終わらず、業務に支障を来す企業が増加している。読者の中にも、夜間バッチ処理が翌日の業務開始時間までに終わらないかもしれないと、冷や汗をかく経験をした方が少なくないだろう。 バッチ処理が時間内に終わらなくなった背景には、処理対象となるデータが増大したことがある。データ量がそれほど多くなかった当初は、要件として設定した時間内にバッチ処理が完了していたが、データ量の増大とともに処理時間も増え、最終的に規定時間内で処理が完了しなくなってしまったというわけである。 もちろん、システム構築時には、将来的なデータ量の増加を見越して処理能力に余裕を持たせておくのが一般的だ。しかし、データ量の増加ペースが想定の範囲内であれば問題はないが、業務量の増加やビジネスの拡大などに伴い、システムで扱うデータ量が増えるケースは珍しくない。最近では、消費税率の変更前の駆け込み需要で、注文量が普段の数倍に急増したというケースが記憶に新しい。また、企業合併や部門/グループ企業内のシステム統合などにより、データ量が一気に増加することもある。そのようにしてデータ量が想定を超えて増えると、割り当てた時間内にバッチ処理が完了せず、いわゆる"突き抜け"が発生することになる。 突き抜けが生じると、業務にはさまざまな影響が出る。今日の企業では、昼間にオンライン処理を行い、夜間にバッチ処理を行うといった具合にシステムの稼働時間を分けているケースが多い。このような利用形態で突き抜けが発生した場合、バッチ処理が完了するまでオンライン処理を開始できないといった事態に陥ってしまう。 また、バッチ処理で準備したデータを、後工程の財務会計や管理会計、生産管理、データ・ウェアハウスなどで利用している場合、突き抜けの発生で大規模な業務遅延が起きる可能性もある。製造業などで、日次の生産計画を夜間バッチ処理で作成している場合、翌日の生産業務が開始できないばかりか、サプライヤーなど取引先の業務にも影響が及ぶ恐れもあるのだ。ハードウェアが速いだけではない。Oracle Exadataがバッチ処理を高速化できる理由日本オラクル 製品戦略事業統括本部 データベースコア製品推進本部 シニアプロダクトラインマネジャーの岩崎護氏 データ量の増加によるバッチ処理の遅延において、ボトルネックとなっていることが多いのはデータベースである。その対策として、ヒント句を追加する、あるいは索引を張るといったチューニングを施してバッチ処理の高速化を図る企業は多いが、そうした対応だけでは、いずれ限界に達する。そこで、この課題を抜本的に解決するソリューションとして国内外の企業で導入が進んでいるのが「Oracle Exadata」だと語るのは、日本オラクルの岩崎護氏(製品戦略事業統括本部 データベースコア製品推進本部 シニアプロダクトラインマネジャー)である。 「特にバッチ処理では膨大なデータを読み書きするため、データベースや、その背後にあるストレージがボトルネックとなりやすいのです。この問題を解消するために、Oracle Exadataはストレージを効率的に使用する『Oracle Automatic Storage Management(ASM)』や、データ処理の一部をストレージにオフロードする『Smart Scan』、データベースとストレージを高速に接続する『InfiniBand』といった独自の機構を搭載しています」(岩崎氏) 岩崎氏が挙げるバッチ処理高速化技術のうち、Oracle ASMはストレージ管理を自動化し、高度なデータ・ストライピングによってストレージへのアクセスを高速化する技術である。 「従来、データベースの設計に際しては、良好なI/O性能を確保するために、複数のストレージ上でデータ・ファイルをどう配置するか、アクセスが集中するテーブルをどこに置くかといったことを十分に検討する必要がありました。しかし、Oracle Exadataであれば、Oracle ASMがデータを自動的に分散して書き込むため、データの配置に起因するボトルネックが発生しないようになっています」(岩崎氏) また、Smart Scanはデータベースからストレージへと処理をオフロードし、さらに複数のストレージで分散処理を行ってデータ処理の高速化を図る技術である。処理済みのデータは最大40Gb/秒(Oracle Exadata X4-2の場合は最大80Gb/秒)の通信能力を誇るInfiniBandを介してサーバ/ストレージ間で高速に内部転送される。このSmart ScanとInfiniBandにより、ストレージのディスクI/Oを最小限に抑えつつ、サーバ側のCPU負荷を軽減し、データベース・システム全体の性能を高めているのだ。 InfiniBandのほか、高速なフラッシュ・メモリを搭載するなど、ハードウェア面でもデータ処理の高速化を実現する技術を多数盛り込んでいる点もOracle Exadataの特徴である。高いスケーラビリティで将来のデータ増加にもシンプルに対応。Oracle Enterprise Managerにより、SQLレベルでバッチ処理の内容を確認 今後も企業が扱うデータ量の増大が続くと考えた場合、システムの拡張性が高いことも、Oracle Exadataの大きな魅力であろう。 「企業がメインフレームやオフコンによる既存システムの継続利用を断念する理由の1つに、拡張性の問題があります。データ量の増加に応じて拡張を続け、それが限界に達したという場合もありますし、ROI(投資対効果)で見た場合に拡張に要するコスト負担が大きすぎるという場合もあります。 Oracle Exadataに移行したとしても、いずれは同様の問題に直面すると考えるかもしれませんが、その心配はありません。Oracle Exadataは柔軟かつ高い拡張性を備えており、ハードウェアを追加することにより、同じアーキテクチャで手間をかけることなく処理性能を2倍、4倍と強化していくことができます。最小構成でも非常に高い性能を発揮するので、例えば最初は最小構成でスタートし、データ量の増加に合わせて徐々にスケールアップしていくといったことが可能なのです。実際、こうしたスケーラビリティの高さを評価し、Oracle Exadataを導入する企業は少なくありません」(岩崎氏) さらに、ハードウェア面の拡張性だけでなく、データ量の増加に対応するソフトウェア機能として「Hybrid Columnar Compression」も搭載している。これはデータ圧縮によってストレージの利用効率と処理性能の向上を図る技術であり、アーカイブ・データであれば15~50倍の圧縮率を発揮する。 「高いデータ圧縮率は、単に格納できるデータ量が増えるだけでなく、ビジネス上のメリットももたらします。例えば、季節やイベントに応じてどの商品が売れるのかといったトレンド分析を行う場合、長い期間のデータがあれば、それだけ分析の精度は高まります。これまではパフォーマンスや格納スペースの問題から過去のデータを削除したり、アーカイブしたりしていたために、長い期間を対象にした分析が行えないケースがありました。しかし、Oracle Exadataであれば、大量にデータを保持できるだけでなく、大量のデータを高速に処理することができます。データの有効活用まで考えた場合、こうした特徴も大きな効果をもたらすでしょう」(岩崎氏) 加えて、システム統合管理環境「Oracle Enterprise Manager」により、ハードウェアからソフトウェアまで、システム全体を一元的かつ効率的に運用管理できる点もOracle Exadataならではのポイントだ。Oracle Exadataの稼働状況を細かく確認できるのはもちろん、個々のSQL文のレベルにまで踏み込んでバッチ処理の実行状況を把握することが可能となっている。Oracle Exadataでバッチ処理遅延の問題を解決したカルソニックカンセイと富士電機 以上のようなOracle Exadataの特徴を生かし、実際にバッチ処理遅延の問題を解決した企業の例として、カルソニックカンセイや富士電機などが挙げられる。 例えば、本サイト記事「夜はぐっすり眠りたい! カルソニックカンセイが「15時間→30分」というMRP夜間バッチの大幅短縮と、メインフレームで稼働する基幹業務の短期移行を実現できた理由とは?」でも紹介しているように、生産管理システムで日常的にバッチ処理の突き抜け問題が発生していたカルソニックカンセイは、Oracle Exadataを導入して大幅に処理時間を短縮。万が一、エラーが発生した場合でも、リトライする余裕さえ生まれたという。 一方の富士電機は、ビジネス・プラットフォーム構築におけるデータベース・システムの統合基盤としてOracle Exadataを採用し、さらにOracle Enterprise Managerも導入している。同社の課題は夜間の日次バッチ処理の遅延であったが、これを50%も高速化したほか、従来システムをOracle Exadataに統合することで、全体最適化の促進と約20%のコスト削減を実現できたと評価している。【関連情報】>>ニュース・リリース「 オラクルのテクノロジー製品が富士電機の次期基幹システムのデータベース統合基盤として稼働開始」 なお、日本オラクルではOracle Exadataの導入前実機検証(PoC:Proof of Concept)サービスも提供している。このサービスを利用することにより、Oracle Exadataに移行することでバッチ処理時間をどの程度短縮できるのかを事前に確認することが可能だ。バッチ処理の突き抜け問題で頭を悩ませているご担当者は、ぜひこうしたサービスも活用して問題解決への一歩を踏み出していただきたい。処理の内容やデータ量によっては、発生したデータをOracle Exadataでリアルタイムに処理することで、バッチ処理が不要となる場合すらある。リアルタイムなデータ活用が行えるようになれば、それはビジネスにも大きな変革をもたらすだろう。Oracle Exadataは、それほどのポテンシャルを秘めたデータベース基盤なのである。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Exadata Database Machine X4-2活用事例>> Oracle Exadataユーザー事例関連ホワイトペーパー>> 関連資料

日本企業のシステムで特徴的なのは、各種の業務処理でバッチが多用されている点だ。昨今、このバッチ処理が規定時間内に終わらず、業務に支障を来す企業が増加している。そうした企業の多くが、この問題の根...

07. データ統合/MAA

「高可用性DBシステムを、スピーディに導入できて、しかもリーズナブル」──今、世界中の企業がOracle Database Applianceを選ぶ理由

Oracle Databaseと高性能なハードウェアを一体化して提供する「Oracle Database Appliance」は、高い可用性と信頼性が求められるデータベース・システムを迅速かつリーズナブルに構築したい欧米の企業にとって、現在、最有力の選択肢の1つとなっている。それでは、実際にOracle Database Appliance を導入した企業は、どのような課題を抱えていたのだろうか。また、どのような点を評価してOracle Database Appliance を選択したのか。米国オラクル Oracle Database Appliance担当シニアディレクターのボブ・トーメ氏に聞いた。(編集部)ヨドリーにとって、Oracle Database Applianceは海外への急ピッチな事業拡大に対応できる唯一のデータベース基盤だった米国オラクル Oracle Database Appliance担当シニアディレクターのボブ・トーメ氏 企業システムの構築に必要となるサーバ・マシンとソフトウェアを最適なかたちでパッケージングして提供するオラクルのEngineered Systemsシリーズ。その中で、中小規模から大規模まで、さまざまな規模のシステムで幅広く利用されているデータベース基盤が「Oracle Database Appliance」だ。 業界標準のRDBMSであるOracle Databaseと高性能なハードウェアを一体化したOracle Database Applianceは、高い可用性が求められるデータベース・システムを迅速かつリーズナブルに構築したい欧米企業にとって、最有力の選択肢の1つとなっている。では、実際に同データベース基盤を導入した企業は、どのような課題の解決に利用しているのだろうか。米国オラクルでOracle Database Applianceの担当シニアディレクターを務めるボブ・トーメ氏に、欧米企業における活用事例を聞いた。 トーメ氏が初めに紹介してくれた事例は、欧米で金融機関向けにアカウント・アグリゲーション・サービスを提供する米国ヨドリー(Yodlee)のケースである。 米国10大銀行のうち7行を顧客とするなど、米国で広く利用されていた同社が新たなデータベース基盤の導入を検討したきっかけは、海外への事業拡大であった。同社のサービスは顧客の資産情報を扱うものであることから、データを保管する場所は各国の法規で厳しく制限される。参入対象国によっては、顧客に関するデータを米国に置くことが許されない場合もあるという。そのため、ヨドリーがとれる唯一の選択肢は、「新たにサービスを展開する国ごとに、専用のデータベース・システムを構築する」ことであった。 ヨドリーにとって、この選択は1つの挑戦だった。サービスの性質上、システムには高い可用性が求められるが、データベース・システムを設置する国ごとに高いスキルを備えた人員と管理体制を敷くのは、コスト面でも人員調達の面でも難しい。よって、米国本社のIT部門がリモートで容易に各国のデータベース・システムを管理できる環境が必要となる。また、各国で事業をスタートする際には極力、低いコストでシステムを導入し、ビジネス規模の拡大に合わせてシステムを増強していけるソリューションが望ましかった。 「そこで、ヨドリーは自社構築やパブリック・クラウド・サービスの活用も含め15以上のソリューションを比較検討し、最終的にOracle Database Applianceの導入を決定しました。決め手となったのは、消費電力などのランニング・コストも考慮したTCO(総所有コスト)の低さに加えて、システム全体のパフォーマンスの高さ、ハードウェアからソフトウェアまでをオラクルがワンストップで提供/サポートすることの安心感でした」(トーメ氏) また、Oracle Database Applianceでは、必要なCPUパワーに応じてOracle Databaseのライセンスを適宜購入できる「Capacity-On-Demand」というライセンス体系が採用されている。これにより、導入当初は小規模な構成でスタートし、ビジネスの拡大に応じて、より高いパフォーマンスが必要になったら追加ライセンスを購入してシステムを拡張したいというニーズにも応えられた。 現在、ヨドリーは海外の新たな拠点において、Oracle Real Application Clusters(RAC) One Node構成のOracle Database Applianceを、「Oracle Data Guard」を用いて稼働させている。「実際の設置作業から導入展開までが半日程度で完了したといいます」とトーメ氏は語る。米国ヨドリーが導入したOracle Database Applianceのシステム構成 さらに、ヨドリーのITマネジャーは、「Oracle Database Applianceは、導入当初の状態で特別なチューニングを行わずに利用している。Oracle Database Applianceの初期設定には、利用シーンに応じたベスト・プラクティスが反映されており、そのままの状態で本番稼働に使えることも大きな利点だった」と手間要らずな点も高く評価しているという。メディスイッチは、ミッション・クリティカルな医療機関向けデータ・ハブをOracle Database ApplianceとOracle GoldenGateの組み合わせで実現 Oracle Database Applianceが実現するTCO削減、高可用性、容易な導入展開といったメリットは、さまざまな業態、規模の企業から高く評価されているようだ。南アフリカでヘルスケア業界向けにトランザクション・サービスを提供するメディスイッチ(MediSwitch)も、そうしたメリットからOracle Database Applianceを選択した1社である。 同社は、保険会社と医療機関との間に立ち、受診者の医療情報に関するデータのトランザクション・サービスを提供している。ミッション・クリティカルなサービスだけに、やはりシステムには高い可用性が要求され、その基準も各顧客企業との間で厳格に定められている。 その要件を満たすために、メディスイッチは2台のOracle Database Applianceを「Oracle GoldenGate」で接続し、アクティブ/アクティブの高可用構成をとった。Oracle GoldenGateのリアルタイム・レプリケーション機能により、万が一、どちらか一方のOracle Database Applianceが障害停止した場合でも、もう一方のOracle Database Applianceでサービスを停止せずに継続提供するためである。米国メディスイッチが導入したOracle Database Applianceのシステム構成ウォルグリーンのプロジェクト遅延を救ったOracle Database Appliance。圧倒的な導入展開スピードが評価され大量導入 米国ウォルグリーン(Walgreens)の場合、タイム・トゥ・マーケットの早さ、つまり導入展開スピードの早さを特に高く評価してOracle Database Applianceの導入を決めた。 同社は、米国全州に約8000店舗を展開する大手ドラッグ・ストアチェーンである。処方箋の取り扱いも行っており、そのための可用性の高いオンライン・システムを、あるベンダーのソリューションで構築するプロジェクトを進めていた。しかし、システムの導入や構築に予想外の時間がかかり、プロジェクトに大幅な遅れが生じていた。 そこで同社は、プロジェクトのスケジュールを立て直すために、当初選んだソリューションを破棄して、4台のOracle Database Applianceの導入を決める。そのうち2台は、本番環境とディザスタ・リカバリ対応のスタンバイ機として、Oracle RACとOracle Data Guardによりアクティブ/スタンバイの構成をとる。また、残る2台は開発環境、テスト環境として導入した。米国ウォルグリーンが導入したOracle Database Applianceのシステム構成 「Oracle Database Applianceを採用したことで、ウォルグリーンはスケジュールの遅れを取り戻し、目的としていた高可用システムを実現することができました。その後、同社はOracle Database Applianceの導入展開スピードの早さやコストの安さ、スモールスタートが可能な点、管理性の高さなどを高く評価し、他拠点にも導入することを決定。現在は60台以上のOracle Database Applianceが稼働しています。また、オラクルのEngineered Systems の価値を実感した同社は、より大規模なデータベース基盤としてOracle Exadataの導入も進めています」(トーメ氏)インタラクティブ・ワンは自社構築をやめ、高可用性メディア・サービスの基盤にチューニング要らずのOracle Database Applianceを採用 Oracle Database Applianceをソーシャル・メディアのシステム基盤として活用する企業もある。米国で多彩なソーシャル・メディアを提供するインタラクティブ・ワン(Interactive One)は、そうしたメディア企業の1社だ。 今日、ソーシャル・メディアをはじめとするネット上のB2Cサービスでも、システムの高可用性の確保は重要な課題となっている。トラブルやメンテナンスによるダウンタイムの増加は、アクティブ・ユーザーの減少、ひいてはビジネス損失に直結するからである。 インタラクティブ・ワンは、老朽化したシステムの刷新にあたり、さまざまなベンダーのハードウェアとソフトウェアをベスト・オブ・ブリードで組み合わせ、自前で新システムを構築することを計画していた。しかし、その試みは極めて難しく、思うようなパフォーマンスが得られなかったという。 「ベスト・オブ・ブリードでのシステム構築には、常にシステム構成が複雑になるというリスクがつきまといます。複雑なシステムを作り上げ、高いパフォーマンスを出すためのチューニングを行うには、非常に高いスキルを持ったエキスパートが必要になるのです」(トーメ氏) 同社は、最終的に自前での構築を諦め、Oracle Database Applianceの導入を決定する。それまで2つのフルラック・システム(84U構成)で稼働していたデータベース群を、2台のOracle Database Appliance(8U構成)に集約したという。その結果、システムの構成がシンプルになったのはもちろん、従来の環境よりも良好なI/Oパフォーマンスが得られるようになった。 また、サイト・ダウンタイム(計画、非計画含む)も、「年間30時間」から「年間20分」へと大幅に減少した。システムがコンパクトになったことにより、データセンターへの設置コストや電力コストなどのランニング・コストも大幅に削減できたとのことだ。 「インタラクティブ・ワンにとって最大の課題であったI/Oパフォーマンスの向上については、Oracle Database Applianceを導入したことにより、目標を達成しました。その実現にあたり、同社が非常に高く評価した点が、Oracle Database Applianceが"チューニング要らず"であることです。 Oracle Database Applianceは、ハードウェアとソフトウェアを最適なかたちで融合するだけでなく、豊富な経験から得たベスト・プラクティスを組み込んで設定を行っています。そのため、ほとんどの企業で、箱から取り出して、そのまますぐに使えるアウト・オブ・ボックスのソリューションとしてご活用いただけるのです」(トーメ氏)アプリケーションを含む"Solution-In-A-Box"のプラットフォームとしてOracle Database Applianceを利用するSIerも Oracle Database Applianceは、顧客企業に対してITソリューションを導入するシステム・インテグレーターにとっても魅力的な製品だ。英国のISV(独立系ソフトウェア会社)であるINPSのOracle Database Appliance採用事例は、その好例と言えるだろう。 INPSは、電子カルテ管理などで利用するソフトウェア・ソリューションを医療機関などに対して提供している。同社は顧客へのシステム導入にあたり、Oracle Database Applianceにデータベースに加えて、アプリケーションをインストールしてワンボックスで提供している。 このようなかたちでのソリューション提供は、「Oracle Database Appliance Virtualized Platform」と呼ばれる、Oracle Database Appliance上の仮想化機構を使って実現することができる。Virtualized Platform を使い、1台のOracle Database Appliance上でシステム全体を稼働させるわけである。 こうしたアプリケーションを含む「ソリューションのワンボックス化」は、顧客にシステムを納入するISVにとって、導入展開の容易さ、導入後のメンテナンスの簡単さ、シングル・ベンダー・サポートによる安心感などの面で極めてメリットが大きいという。ほかにも、Oracle Database Appliance上で「Oracle E-Business Suite」を稼働させている例もあり、中小規模のシステムであれば十分に実用的なソリューションになるとトーメ氏は語る。 「Oracle Database Applianceは、非常に完成度の高いアウト・オブ・ボックス・ソリューションですが、アプリケーションを事前に組み込むことで、そのメリットをさらに高めることができます。より高度な"Solution-In-A-Box"を実現できる仮想化機構に対してはISVからのニーズも高いため、今後はその部分を強化し、Oracle Database Applianceを、より多くの企業にとって魅力的な製品にしていきます」(トーメ氏)Oracle Databaseによる高可用性システムを、より低いコストで、迅速に導入し、手間をかけずに運用したい企業に最適なOracle Database Appliance トーメ氏は、Oracle Database Applianceの今後のロードマップについても話してくれた。2013年末にリリースされた最新版のOracle Database Appliance X4-2は、旧モデルと同価格ながら、CPUコア数などが大幅に増強されていることに触れ、「こらからも、Oracle Database Applianceはリーズナブルな価格を維持しつつ、集積度を高め、仮想化をはじめとする新技術を取り入れながら進化していきます」と説明する。また今後、RDBMSの最新版であるOracle Database 12cをサポートする予定だ。 「今日、高い可用性やパフォーマンスを備えたシステムを、より早く、より安く導入したいというニーズが、あらゆる業種/業界で高まっています。高可用性に対する要求が高いのにもかかわらず、その構築に多くの時間やコストを割けない、あるいは運用を極力、省力化したいという企業にとって、Oracle Database Applianceは最もふさわしいソリューションとなるはずです」(トーメ氏) 以上、今回は米国オラクルの担当ディレクターに聞いたOracle Database Applianceの活用事例を紹介した。さらなる活用事例、製品の詳細に関心を持たれた方は、下記の「あなたへのお勧め記事」の情報をご参照いただきたい。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Database Appliance活用事例>> 顧客事例関連ソリューション>> Oracle Database Appliance(ODA) X4-2:高可用性データベースをアプライアンス…関連ホワイトペーパー>> 「Oracle Database Appliance X4-2」ホワイト・ペーパー

Oracle Databaseと高性能なハードウェアを一体化して提供する「Oracle Database Appliance」は、高い可用性と信頼性が求められるデータベース・システムを迅速かつリーズナブルに構築したい欧米の企業にとって、現在、最有力の選択肢の1つとなっている。それでは、実際にOracle Database Appliance を導入した企業は、どのような課題を抱えていたのだ...

07. データ統合/MAA

遂に Amazon RDS も対応! クラウド環境から期待されるデータベース・レプリケーション「Oracle GoldenGate」

 リアルタイムのデータ統合と同種・異種データベースのレプリケーションを実現するOracle GoldenGate。近年、企業での活用が進んでいますが、AWS RDS Oracle データベースインスタンスが、GoldenGateによるレプリケーション操作のソースまたはターゲットとして利用できるという発表がありました。  ※ 詳細は、下記リンク先のAWSブログエントリーをご覧ください。Amazon Web Services / What's NewYou can now use Oracle GoldenGate with Amazon RDS for OracleAmazon Web Services BlogUse Oracle GoldenGate with Amazon RDS for Oracle DatabaseAmazon Web Services ブログ【AWS発表】Amazon RDS for Oracle DatabaseでOracle GoldenGateが利用可能にそもそも、Oracle GoldenGateって? そもそも、「Oracle GoldenGate」とはどんな製品なのか。「はじめて知った」という方向けに簡単に解説します。 Oracle GoldenGate は、データベース同士でほぼリアルタイムでデータ連携/同期を実現するための「レプリケーション・テクノロジー」のソフトウェアです。 データベースと同じマシン上で動作し、データベースへの変更(UpdateやInsertなど)をキャプチャ(検知/取得)し、連携先のデータベース側に秒レベル、最短数ミリ秒で伝播/反映させることが可能です。 (※ Oracle GoldenGate の詳細は 【こちら】)図 Oracle GoldenGate の動作イメージ では、この技術をクラウドに活用すると、どのような事ができるのか。 今回のAmazon RDS のようなクラウド環境のデータベースと、オンプレミスの現行社内システムが持つデータベースを、Oracle GoldenGateでリアルタイム連携させることが可能となります。データベース全体を同期させることも可能ですが、必要なデータだけ(たとえば、一部のテーブルのデータだけ等)連携対象とすることも可能です。これにより、新しい設備投資のコストを抑え、モバイル環境に最適なデータ利活用環境を実現することができるのです。図 Oracle GoldenGate をクラウド環境に適用すると・・・レプリケーションを習得すれば、幅広い活用ケースに応用可能 Oracle GoldenGate のレプリケーション・テクノロジーは、クラウドのみならず様々なケースに適用が可能です。「レプリケーション」というたった一つのシンプルなテクノロジーであるがゆえ、使い方次第で様々なビジネス効果につなげることが可能となります。 たとえば、データベースが稼働するサーバーのリプレースや、データベースのアップグレードを行う場合、必ずシステム全体を停止して移行作業を実施する必要があります。なかでも、データそのものを新しい環境へコピーする時間は、データ量に比例して長く長くなります。このような場合、事前に新しいデータベース環境を準備し、Oracle GoldenGate で新旧データベース間を同期させておくことで、システムの切替時間を極小化、事業への影響を最小限にした移行プロジェクトを実現することが可能となります。 ほかにも、既存データベースから一部のデータ(リアルタイムな受注データや、製造品質のデータなど)をOracle GoldenGateで別環境に複製/同期することで、既存システムに影響を与えず、モバイルデバイスからの新しい情報活用やビッグデータ分析などに、展開することが可能となります。 もちろん、単純にデータベースの保全目的に、事業継続のための遠隔地ディザスタリカバリ構成をとることも可能です。 少し技術的な話しになりますが、従来、MVIEW(マテリアライズドビュー)などを活用して、このようなデータベース間の同期を行ってきたシステムは少なくないと言われています。その場合は、システム構成の変更時に全システムを止める必要があったり、運用の手間となる作業が多く発生するなどのデメリットもありました。しかし、Oracle GoldenGateを活用することで、このような課題を解決し、安定したレプリケーション環境を構築することが可能です。 なお、Oracle GoldenGate は、Oracle Databaseのオプション製品ではないため、Standard Edition にも適用できるので、複数のStandard Edition を 一つのEnterprise Edition へ集約することも可能です。図 Oracle GoldenGate の様々な利用ケース(一部)リアルタイム・データ統合基盤への応用 Raymond James 社のケース Oracle GoldenGateは、高速なデータ変換ソフトウェア(ETL/E-LT)の Oracle Data Integrator と併用することで、より強固なデータ統合基盤を実現することが可能です。 資産管理と投資銀行業務に特化した米国の金融機関 レイモンド・ジェームス(Raymond James)様の取り組みを紹介します。 (※ Oracle Data Integrator の詳細は 【こちら】) レイモンド・ジェームス様では、サイロ化した既存システムを複数運用していましたが、新しいサービス開発や投資家向けの情報提供を行うために、各システムからデータを取得する必要があります。データの取得には手間も時間もかかりますし、互いのデータの不整合などが出るという問題も発生していました。 同社は、このような課題にOracle GoldenGateを活用することで、既存システムの運用はそのままに、常に最新のデータが供給される環境を準備し、Oracle Data Integratorによる高速変換のデータ統合基盤を構築しました。こうして業務ユーザーは、平均して「9秒」前の最新データを使って業務に活用することができるようになりました。 御客様自身が語るビデオがありますので、是非ご覧下さい。データベースを取り巻く必須のテクノロジー Oracle GoldenGate 今回の Amazon RDS でのOracle GoldenGate対応をきっかけに、今後の情報活用スタイルの幅を大きく広げて行くことが可能となります。 情報活用に関する取組みを成功させるためには、データへのアクセスという根幹を避けては通れません。企業のデータ統合基盤を強化することが、情報活用を大きく加速させ、ビジネスを成長させるための原動力となることが期待されます。 今後も、Oracle GoldenGate、ご注目下さい。《あなたへのお勧め記事》製品解説>>活用事例>>オラクルのデータ統合ソリューションリアルタイムのデータ統合と異種データベースのレプリケーションを実現するOracle GoldenGateOracle GoldenGate 技術情報Oracle GoldenGate活用事例紹介Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合1(Youtube)Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合2(Youtube)Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合3(Youtube)関連ホワイトペーパー>> 【無料資料ダウンロード】「今、なぜデータ統合が必要とされているのか?」…(ダウンロードには、oracle.comへの会員登録が必要です)

 リアルタイムのデータ統合と同種・異種データベースのレプリケーションを実現するOracle GoldenGate。近年、企業での活用が進んでいますが、AWS RDS Oracle データベースインスタンスが、GoldenGateによるレプリケーション操作のソースまたはターゲットとして利用できるという発表がありました。   ※ 詳細は、下記リンク先のAWSブログエントリーをご覧ください。 Amaz...

03. ビッグデータ

「使える、利益を生むデータ活用基盤」をいかに作るか? TISとオラクルが持つ、失敗しないためのノウハウとアプローチ──Oracle Business Analytics Forumレポート

「さらなる企業競争力の強化を図るうえでデータ活用基盤の整備が重要」だという認識に疑いの余地はないものの、一方でこれまで、少なからぬ企業が理想のデータ活用基盤の構築に挑み、挫折してきた。この取り組みを成功させるには、どのようなポイントに留意すべきか、またオラクルのビジネス・アナリティクス(BA)/ビジネス・インテリジェンス(BI)ソリューションを活用した企業は、どのような取り組みによって成功を勝ち取ったのか──日本オラクルが2014年2月に都内で開催したセミナー「Oracle Business Analytics Forum」では、TISとオラクルのBA/BIエキスパートらが、実際の経験に基づくノウハウや成功事例を披露した。(編集部)曖昧なまま進める企業が少なくない。「長く使われるDWH」を作るための最初の重要ステップは「利用目的の明確化」日本オラクル コンサルティングサービス統括 テクノロジーコンサルティング統括本部 コンサルティングディレクターの野宮智博氏 データ・ウェアハウス(DWH)などの情報系システムを、企業にとって真に役立つ仕組みとして機能させる──その成功原理を説くべくOracle Business Analytics Forumで壇上に立ったのは、日本オラクルの野宮智博氏(コンサルティングサービス統括 テクノロジーコンサルティング統括本部 コンサルティングディレクター)だ。氏は、これまで多くのBIシステム導入プロジェクトやDWH構築プロジェクトに携わり、情報系システムの成功のみならず、"失敗"も目の当たりにしてきた。そんな豊富な経験に基づく「成功に向けたノウハウ」を示すのが野宮氏の講演の目的である。その冒頭、氏は次のように切り出した。 「せっかく手間とコストをかけて構築したDWHが、いつの間にか使われなくなってしまう──皆さんは、そんな経験をされたことはないでしょうか。実は、大金を投じて作ったDWHが、企業の中で無用の長物と化してしまう失敗例は決して少なくないのです」 言うまでもなく、このような投資の無駄は是が非でも避けなければならない。言いかえれば、DWHを構築する際には、「長く使われるDWH」を目指し、実現しなければならないということだ。 それに向けた最初のステップとして野宮氏が"必須の事柄"と強調するのが、「利用目的の明確化」であり、「定義」である。つまり、DWHの「5W1H」(何を目的に、どのようなデータ/機能を、どのようなタイミングで、誰に、どう使わせるのか)をしっかりと定義しておくことが肝要というわけだ。 確かに、これらの定義が曖昧なまま進めれば、DWHは収集/格納すべきデータや実現すべき機能の方向感を失い、完成したシステムと現場ニーズとの間に大きなギャップが生まれる恐れが強まる。 また、DWHの利用目的が定まっていなければ、データ要件の変化にどう対応すべきかの方針も決められないだろう。それに、目的が不明瞭なままでは、成果も正しく評価できず、DWHの構築や拡張にどれだけ投資すべきかの判断も自信を持って下せなくなる。 「利用目的があるからこそ、DWHの要件定義が行え、収集するデータに優先順位を付けられるのです。また、データ要件が変化した際の対処法や、DWHへの投資額、あるいは投資の是非が決められるのも、利用目的があるからこそです。目的がないところでは、目的達成の仕組みであるDWHを正しく作りようがないと言っても過言ではありません」(野宮氏)変化適応力を高めるには、アーキテクチャを「オペレーショナル・データストア」、「DWH」、「目的別データマート」の3階層で作る 「長く使われるDWH」を目指すうえでは、システム・アーキテクチャの面でも変化への柔軟な適応力が求められる。具体的には、さまざまなソースからのデータを、ユーザーの要求に応じて柔軟かつ迅速に取り込んだり、ユーザーに提供したりできるアーキテクチャが求められるわけだ。そうしたアーキテクチャとして野宮氏が採用を勧めるのが、「オペレーショナル・データストア(ODS)」と「DWH」、および「目的別データマート(DM)」から成る3階層のアーキテクチャである。 こうしたアーキテクチャにすることで、データ要件の変更やデータソースの追加によるシステム全体への影響を最小限に抑えることが可能になる。また、「リポーティング」や「データ統合」、「データ分析」といった各機能のアドホックな導入も実現しやすくなるのだ。 「3層を疎結合につなぐアーキテクチャさえしっかりと設計していれば、ODSとDWH、DMをどの順番で導入するかは、あまり重要ではありません。それぞれの企業の事情に合わせて、導入が急がれるもの、早期に効果が出るもの、手を付けやすいものから順次導入していけばよいのです」(野宮氏) 併せて、DWHを構成する各層のデータ連携に、ETL(Extract/Transform/Load)ツールなど自動化の仕組みを導入することも重要だと野宮氏は説く。と言うのも、DWHの長期的な利用を促すには、変化への俊敏な対応と、システム開発/変更コストの圧縮の2つが同時に求められるからだ。そして、それには「ツールによるテスト工数/開発工数、あるいは高速なデータ処理を実現するOracle Exadataなどのシステム基盤を活用したパフォーマンス・チューニング工数の削減と、それによる人的コストの圧縮が不可欠」(野宮氏)なのである。 また「長く使われるDWH」を目指すうえでは、「DWHガバナンスの仕組み作りや運用の内製化も重要だが、各種標準化や運用ルールなど検討しなければならない項目も多いため、時間をかけて段階的に進めていく以外に方法はない」と野宮氏はアドバイス。さらに、オラクルのグローバル共通なコンサルティング・メソッド「Oracle Unified Method(OUM)」を紹介し、失敗しないガバナンス体制の構築や運用内製化には、このように十分な実績のあるメソッドをベースにしたコンサルティング・サービスの活用も検討すべきだと呼びかけた。「大量データ、高速レスポンスならオラクル製品が最適」──TISが手掛けた2つの導入事例で知る、オラクルBAが生み出すビジネス価値TIS ITソリューションサービス本部 エンタープライズソリューション事業部 エンタープライズソリューション営業部 主査の濱田敬弘氏 野宮氏に続いては、オラクルのBAソリューション導入で豊富な実績を誇るTISにより、情報基盤の構築を成功に導くためのポイントが、先進的な2つの事例とともに語られた。その講演タイトルは「データ分析・活用のための失敗しないアプローチ」。スピーカーを務めたのは、TISの濱田敬弘氏(ITソリューションサービス本部 エンタープライズソリューション事業部 エンタープライズソリューション営業部 主査)である。 濱田氏が紹介した2つの事例は、大手グローバル製造企業(以下、A社)の情報基盤と、大手通信事業会社(以下、B社)の管理会計基盤の構築事例であり、いずれもオラクルのBAソリューションが利用されている。 ご存じのとおり、TISは国内有数の独立系SIerであり、オラクル以外にもさまざまなベンダーのBI製品を扱っている。ただし、「膨大なデータの取り扱い、高速なレスポンスが求められる案件では、オラクルのBAソリューションが最適」との判断/評価から、上記2社の基盤構築でも採用したと濱田氏は説明する。 このうちA社のケースでは、グローバルな経営情報分析のスピードと品質を高め、なおかつデータ分析のコストを最適化したいという強い要求があった。具体的には、次のような6つの課題を抱えていたという。(1)大量データ検索時のスピードアップ(2)運用コストの削減(3)データ分析の知識/ノウハウの共有(4)経営層に対する経営情報提供タイミングの早期化(5)販売データの分析シミュレーション(6)社外(モバイル環境)でのBIデータ参照 TISでは、上記すべての課題を、オラクルのBIプラットフォーム「Oracle Business Intelligence Enterprise Edition(BIEE)」や、インメモリによる高速なデータ分析を実現するEngineered Systems「Oracle Exalytics」を用いることで解決した。例えば、「(1)大量データ検索時のスピードアップ」、「(2)運用コストの削減」という課題については、Oracle Exalyticsの導入で解決。他の課題についても、BIEEを構成する「Oracle BI Answers」や「Oracle BI Interactive Dashboard」、「Oracle Essbase」、「Oracle BI Mobile」といったソフトウェアによって効率的に解決できたという。 加えて、TISでは既存のBI環境に対するオラクルのBAソリューションのスムーズな適用を実現するために、適切な「データ・モデル定義」や「環境設定」のサービスを提供しているほか、顧客へのスキル・トランスファーも支援している。それぞれの企業に適した情報活用基盤の構築を支援するTISのEAラボが、オラクルBAの導入を全面支援 もう1つの事例、大手通信事業B社のケースでは、「グローバルな管理会計基盤を刷新し、その拡張性や柔軟性を高める」という要求を、短期間でクリアしなければならないという厳しい制約があった。そこでTISは、オラクルという単一ベンダーのソフトウェア製品でシステムのすべてを構成。それぞれのソフトウェアの特性を生かして要件を充足することにより、短期間でのシステム・カットオーバーを実現した。 このケースでは、BIEEやOracle Exalyticsに加えて、予算/計画/業績予測ツール「Hyperion Planning」やマスタ統合ツール「Hyperion Data Relationship Management(DRM)」、「Oracle Exadata」などのオラクル製品が活用されている。このうち、Hyperion DRMはコード情報の一元管理/配信手段として利用され、システムの拡張性や柔軟性の確保に役立てられている。 また、タイトな開発スケジュールを厳守するために、オラクル製品に関するTISの知見や経験、さらにはソフトウェア資産がフルに活用されたという。 そうしたTISのソリューション群の中で、特に注目すべき1つが、導入製品/アプリケーションのリスク検証を、ビジネスや業務、技術の側面から行う「TIS Enterprise Architecture Laboratory(以下、EAラボ)」のサービスだ。EAラボでは、プロジェクトの早期段階で、実機を用いたハードウェア/ソフトウェアのパフォーマンスや投資対効果(ROI)を測定。これにより、製品を購入する前に投資リスクを判断することが可能となる。 上記B社でもEAラボによる概念実証を投資前に活用したが、このほか海外に約20の生産拠点を構えるグローバルな自動車部品メーカーも、EAラボによる検証を利用している。 この新基盤は、グローバルで共通の情報/ビジネスの"見える化"を実現するためのものだ。経営情報のリアルタイムな可視化やモニタリング、ハンドリング、さらにはグローバル統一基準による品質管理を実現することが、その目的だという。EAラボでは、この新基盤を実現するうえでのOracle Exadata、Oracle Exalyticsの有効性やROIの高さを実機によって実証したというわけである。濱田氏は最後に次のように語り、講演を締めくくった。 「私たちはこれらの事例を通した経験からも、企業がグローバルに抱える膨大な情報の分析基盤としてOracle ExalyticsとBIEE、そしてOracle Exadataの組み合わせがベストだと考えています。また、TISは大規模な情報基盤/BIシステムの導入/運用に関して豊富な知識/経験を有しており、しかもEAラボをご活用いただければ、お客様それぞれのビジネス要件と照らし合わせながら、ソフトウェア製品やハードウェア製品の有効性とROIを事前にご確認いただくことが可能です。あらゆる意味で、私たちはオラクルのBAソリューションを最適なかたちでお客様にお届けすることのできるインテグレーターだと自負しています」 このように、今日、数々の企業を支援してきたTISとオラクルのエキスパートにより、BA/BIシステムの大規模導入を成功に導くための具体的なノウハウと手法はすでに確立されている。TISのEAラボのようなサービスを利用することで、その効果やROIを事前に知ることすら可能となっているのだ。全社的なデータ活用基盤の構築/刷新を検討されているご担当者は、ぜひ両社のエキスパートによるサービスをご活用いただきたい。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> オラクルのBusiness Analyticsソリューション関連ソリューション>> オラクルのビッグデータソリューション

「さらなる企業競争力の強化を図るうえでデータ活用基盤の整備が重要」だ...

03. ビッグデータ

統計家 西内啓氏は語る「統計学の活用は日本企業の“お家芸”。今こそ、現場中心のデータ分析を浸透させる時」──Oracle Business Analytics Forumレポート

「理想的な情報活用基盤を築き、データを企業競争力の源泉へと転換していく」──日本オラクルは2014年2月、この重要課題に焦点を当てたセミナー「Oracle Business Analytics Forum」を都内で開催。その特別講演には、書籍『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社)の著者としても知られる統計家の西内啓氏が登壇し、企業がデータ分析を現場に浸透させるうえでのコツを示した。ここでは、西内氏による講演の要旨と、氏が示唆したデータ活用力強化に向けたポイントもカバーするオラクルのビジネス・アナリティクス(BA)/ビジネス・インテリジェンス(BI)ソリューションが、世界中の企業にどう活用され、どのようなビジネス価値を生み出しているのかを紹介する。(編集部)統計学の活用で始まった日本製造業の戦後の隆盛統計家の西内啓氏 西内啓氏は、「東京大学医学部卒業」という、統計のスペシャリストとしては異色の経歴を持つ人物だ。もっとも氏の場合、医学から統計の道へと専門領域を切り替えたわけではない。東大医学部を選んだそもそもの理由も統計学を学ぶためであり、専攻は生物統計学。卒業後も統計学や情報を医療に生かす研究に従事し、現在は「データで社会にイノベーションを巻き起こす」ためのさまざまなプロジェクトに参画し、調査や分析、システム開発、および戦略立案のコンサルティングに携わっている。 そんな西内氏による特別講演のタイトルは「ビジネスの意思決定に活きるデータ分析のコツ」。その冒頭、西内氏は日本企業と統計学の関係について、次のように切り出した。 「統計家という私の職業は、海外では広く認知されていますが、日本ではまだなじみが薄いかもしれません。しかし、人類の歴史上、統計学で最も儲けた国は日本にほかならないのです」 戦後日本の高度経済成長を支えた国内製造業の「カイゼン(改善)」活動。今日では世界中のビジネス・スクールで教えられている、この品質管理/効率化のプロセスは、「もともと統計学を基礎に生まれ、発展したものです」と西内氏は説く。 氏によれば、第二次世界大戦直後、東京/大阪間の電話通信の品質はすこぶる悪く、その改善のために、米国の統計学者ウィリアム・エドワーズ・デミング博士が統計学をベースにした品質管理の手法を日本の製造業に指南したのだという。それが国内製造業における「カイゼン」の始まりであり、日本の工業製品の品質が他国のそれを圧倒するきっかけになったというわけだ。分析に必要なのはセンスよりも「型」。誰でも問題の原因を特定し、意思決定できるようになる もちろん、統計学を応用したカイゼンのプロセスが日本に根付き、急速に発展していったのは、デミング理論の優秀性だけが理由ではない。その背後には、「日本流のボトムアップ式のマネジメント・スタイルがカイゼン手法にフィットしていたこと」や、「日本人の平均的な数学力が伝統的に高く、世界のトップ・クラスであること」といった要因がある。また、もう1つ、「品質管理(QC)7つ道具」の存在も、カイゼンのPDCAサイクルを回し、成功へと導く原動力になったと西内氏は説明する。 デミング博士の手法は、「品質の平均値やバラツキを統計的に集計/分析し、バラツキの原因に対処する」というものだ。QC 7つ道具とは、この手法の実践を支援するツール群であり、「散布図」や「層別」、「ヒストグラム」、「グラフ」、「特性要因図」、「管理図」、パレート図」などから構成される。 これらは、「データを意味のあるかたちに視覚化する」ためのツールだと言えるが、それはまた、「データの分析手法を『型』(パターン)として身体で覚えたり、現場担当者が迅速に分析を行い、意思決定を下したりするための道具でもある」と西内氏は語り、次のように続けた。 「よく、データ分析に必要なのは仮説を考えるセンスだと言われますが、それは誤りです。分析に必要なのは、センスよりも『型』です。分析の型さえ覚えてしまえば、誰でも現場レベルで問題の原因を特定し、対応策の意思決定を下せるようになるのです」 そして最後に、西内氏は次のように語って講演を締めくくった。 「統計学とその応用は、もともと日本のお家芸であり、日本の国際競争力を高める源泉とも言えるものです。皆さんも、ぜひデータの分析と視覚化に『型』を使い、あらゆる意思決定の場面で迅速なデータ分析を行えるようになってください」あらゆる場所/場面におけるデータ活用の実践を支援するオラクルのBAソリューション日本オラクル 製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ 担当ディレクターの石家丈朗氏 西内氏に続いて壇上に上ったのは、日本オラクルの石家丈朗氏(製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ 担当ディレクター)だ。 石家氏によれば、今日のBI、あるいは情報の利活用を考えるうえでは、次の3つがキーポイントになるという。場所を選ばない視覚性データの鮮度 このうち「場所を選ばない」とは、すなわち「場所を選ばないデータ分析/BI」を意味する。西内氏も「意思決定を行う場面でのデータ分析」の重要性を説いているが、「場所を選ばない」とは、まさにそれを実現することだと言えるだろう。 また「視覚性」とは、ビジネス的に意味のある情報としてデータを可視化することを指す。これにより、「現場レベルの誰もが、的確な意思決定を下せる」というBIの世界が実現されることになる。 さらに「データの鮮度」とは、猛烈な勢いで生成/更新されるデータを、いかにスピーディに活用可能な状態に変え、ビジネス価値に転換するかというポイントだ。これも、データ分析/BIによる競争優位を確立するうえで大きなテーマだと言える。 石家氏の講演では、これら3つのポイントに基づき、オラクルのBAソリューションを採用した先進企業の事例が豊富に披露された。 まず「場所を選ばない」の事例として紹介された1つが、スウェーデンの靴販売チェーン、ニルソン・グループ(NILSON GROUP)の「リアルタイム在庫パフォーマンス管理」の仕組みだ。 このシステムは、インメモリによる高速なデータ分析を実現するオラクルのBI用Engineered Systems「Oracle Exalytics」と、モバイルBIソフトウェア「Oracle BI Mobile」を用いたものだ。各店舗のマネジャーが、モバイル端末を通じて全店舗(300店)の販売情報(件数は数百万件単位)に1秒以内にアクセスできる環境が実現されている。こうした「場所を選ばぬハイパフォーマンスBI」により、ニルソンにおける商品販売のプランニングや予算策定、フォーキャスティングの柔軟性は大幅に高まり、在庫パフォーマンスの改善や、それによる収益性の向上を果たしている。しかも、このシステムはOracle Exalyticsを採用したことで、システムの設置から稼働までがわずか3日間で完了したという。 また、米国のある宇宙/防衛企業も、オラクルのモバイルBIソリューションを経営幹部の意思決定支援に役立てている。同社の事例のポイントは、経営ダッシュボードのモバイル化とともに高度なセキュリティを担保することで、経営幹部がどこにいてもセキュアな環境で迅速な意思決定を下せるようにしたという点である。 モバイルBIの仕組みを作るうえでのポイントは、モバイル端末上でのデータ参照や分析のパフォーマンスを、セキュリティを担保しつついかに高めるかということだ。 「そもそも、モバイル端末で情報を活用しようとする経営層や現場担当者は多忙であり、パフォーマンスの悪いモバイル・ツールは何であれ、使おうとしなくなります。また、情報漏洩は絶対に防止しなければなりません。したがって、モバイルBIの環境にも高い性能が求められることになりますが、オラクルのモバイルBIのソリューションは、そのシステム基盤となるEngineered Systemsも含め、厳しい性能要件を満たすための道具立てを包括的に提供しています」(石家氏)【関連記事】>>企業が扱うあらゆるデータを自在に分析。ビジネス・アナリティクスを全方位で支えるオラクルのソリューション群──Oracle Days Tokyo 2013レポート>>データの価値を今すぐ現場に、経営層に! オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める"3つの理由"──第1回 モバイル編オラクルBAでデータの視覚性、鮮度を高める 一方、膨大なデータの「視覚性」を高めた事例として、石家氏はイタリアのある政府機関のケースを挙げた。 同機関では、毎年5TBのペースで増大する国内雇用/解雇に関するデータを統合的に管理し、異なる利用者/目的に応じて情報を出力する仕組みや、雇用ニーズと求職者情報をマッチングするパブリック・ポータルのシステムを2台のOracle Exalyticsで運用している。Oracle Exalytics上でBIソフトウェア・プラットフォーム「Oracle BI Foundation Suite(BIFS)」や情報探索ツール「Oracle Endeca」を使い、あらゆるデータを1つの分析プラットフォーム上に統合した。 これにより、労働市場のマッチング分析や、その視覚化に関するパフォーマンス/表現力が大幅に向上したという。また、Endecaの活用により、ソーシャル・データに基づく「労働市場に関する"つぶやき"や"噂"のセンチメント分析」なども行っているようだ。【関連記事】>>ベネッセは、オラクルのBIテクノロジーを活用してダイレクト・マーケティングのさらなる深化/進化を目指す──Oracle Data Intelligence Forum 2013レポート>>ソフトバンクはビッグデータを武器にサービスを向上し、ビジネスを拡大する──「Oracle Big Data Forum」レポート>>企業を取り巻くすべてのデータを分析対象にする「Oracle Endeca Information Discovery」 3つ目のキーポイント「データの鮮度」に関するケースとして挙げられたのは、通信社のトムソンロイター(Thomson Reuter)や航空機メーカーのエアバス(Airbus)の事例である。 このうち、エアバスでは、ビッグデータの収集/分析の大幅なスピードアップにオラクルのBAソリューションを生かそうとしている。同社の場合、最新機のテスト過程において、試験機に装着した大量のセンサーから150テスト・フライト分の膨大なデータを収集/分析する必要がある。このサイクル・タイムを大幅に短縮し、開発コストの削減につなげようというのがエアバスの狙いだという。【関連記事】>>現場の情報活用スタイルを変革し、データをビジネス価値に変えるスピードをさらに速める──Oracle Data Intelligence Forum 2013基調講演レポート>>データの価値を今すぐ現場に、経営層に! オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める"3つの理由"──第2回 ユーザー志向編>>データの価値を今すぐ現場に、経営層に! オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める"3つの理由"──第3回 インテグレーション編 「これらの事例からもわかるように、情報爆発の時代に身を置く今日の企業にとって、膨大/多様なデータをいかに迅速に、なおかつ的確にビジネス価値に転換するかは、極めて重要な経営課題です。海外のオラクル・ユーザーは、すでにその観点から情報基盤の刷新に着手し、データの鮮度や視覚性を高めたり、場所を選ばないBIを実現したりすることで、大きな利益を得ています。皆様がこうした取り組みを推進される際には、ぜひ私たちにお手伝いさせてください。先進的なお客様のご支援で得たノウハウも活用し、システム基盤からアプリケーションまで、全方位でサポートさせていただきます」(石家氏) かつて日本のお家芸だった統計学/データ分析のビジネス活用は、最新の情報を、どこにいても、わかりやすく視覚化することで迅速かつ的確な意思決定を支援するオラクルのBAソリューションにより、再び日本企業の強力な武器になろうとしているのだ。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> オラクルのBusiness Analyticsソリューション関連ソリューション>> オラクルのビッグデータソリューション

「理想的な情報活用基盤を築き、データを企業競争力の源泉へと転換していく」──日本オラクルは2014年2月、この重要課題に焦点を当てたセミナー「Oracle Business Analytics Forum」を都内で開催。その特別講演には、書籍『統計学が最強の学問である』(ダイヤモンド社)の著者としても知られる統計家の西内啓氏が登壇し、企業がデータ分析を現場...

03. ビッグデータ

夜はぐっすり眠りたい! カルソニックカンセイが「15時間→30分」というMRP夜間バッチの大幅短縮と、メインフレームで稼働する基幹業務の短期移行を実現できた理由とは?

「データベース・サーバのパフォーマンス不足により、生産管理システム(MRP)の夜間バッチ処理が業務開始時間までに終わらない」という課題を抱えていたカルソニックカンセイが、この問題を解消すべく導入したのが「Oracle Exadata」である。2014年2月に開催されたセミナー「Oracle Database Leaders Club」における同社業務改革本部 コーポレートITオペレーショングループの守田進氏による講演の内容を基に、カルソニックカンセイが取り組んだOracle Exadata導入プロジェクトの概要を紹介する。(編集部)夜間のバッチ処理が業務開始までに終わらず「突き抜け」が発生カルソニックカンセイ 業務改革本部 コーポレートITオペレーショングループの守田進氏 コックピット・モジュールや内装製品、電子/電装製品、ラジエーター、排気製品といった自動車用部品の生産と供給をグローバルに展開するカルソニックカンセイ。国内に構えるグローバル・ヘッドクォーター(本社)を中心に、北米や欧州、中国、タイなど16カ国に62拠点を構え、各国の自動車メーカーに対して製品を供給している。 2000年に旧カルソニックと旧カンセイが合併して誕生した同社は、業務で利用するITシステムについても、2001年にカルソニック側のシステムに統合。また2009年には、従来の生産管理システムではビジネス・ニーズに応えられないことから、新たな生産管理システムを構築し、運用を開始している。 しかし、数年の稼働を経て、この新生産管理システムに課題が生じる。今日の自動車部品メーカーに求められるさまざまな要件を詰め込んだこと、ユーザーの習熟度向上により処理量が増加したことなどからシステムの負荷が高まり、夜間にバッチで行うMRP(Material Requirements Planning)の処理が予定時間までに終わらないという、いわゆる「突き抜け」が発生するようになったのだ。 カルソニックカンセイ 業務改革本部 コーポレートITオペレーショングループの守田進氏は、当時の状況を次のように振り返る。 「私たちITオペレーショングループでは、生産管理システムで行う夜間のMRP処理を午前7時までに完了し、その後オンライン処理を開始することをSLAで規定していました。ところが、MRP処理の負荷が増大したことにより、オンライン処理を午前7時に開始できない日が増えてしまったのです。実際に調査を行ったところ、調査対象(7月~9月)にした62日間のうち、午前7時までにMRP処理が終わらない日が42日もあるという状況になっていました」(守田氏)MRP処理の遅延やオンライン処理の性能低下がビジネスに及ぼした影響 加えて、オンライン処理についてもレスポンスが悪化していたと守田氏は話す。 「カットオーバー当初と比較すると、平均して1秒程度レスポンスが低下しており、処理内容によっては5秒を超えることもありました。そこで、データベースにインデックスを張ったり、ヒント句を大量に記述したりといったチューニングを施しましたが、根本的な解決には至りませんでした」(守田氏) 日によっては、オンライン処理の開始が午前10時頃にまでずれ込むこともあったという。このようなオンライン処理のスタート時間の遅れは、社内の業務だけでなく、外部のサプライヤーにも影響を及ぼす。MRP処理が終わらなければ部品の発注ができないためだ。これにより、サプライヤー側での作業開始が遅れれば、所定時間外の作業コストが発生してしまう。また、オンライン処理のレスポンスの悪化は、工場の生産性低下にもつながっていた。 このパフォーマンス劣化の原因を調査したところ、ボトルネックとなっているのはメインフレームで稼働していたデータベース・サーバであることがわかった。特にディスクI/Oに問題のあることがログから確認できたという。 将来的には工場拠点を拡大していく予定もあり、データベース容量の増加を図る必要もあったことから、守田氏らはパフォーマンス不足の問題を抱えていたデータベース・サーバの刷新を決断する。そこで検討対象となったのが「Oracle Exadata」である。オラクルのPoCサービスを利用し、Oracle Exadataの導入効果を事前に確認 カルソニックカンセイは、Oracle Exadataの導入を検討するにあたり、日本オラクルが提供するPoC(Proof of Concept:導入前実機検証)サービスを利用する。実際の業務データをOracle Exadataに投入し、MRP処理やオンライン処理を実行することで、処理時間をどの程度短縮できるかを検証することが目的である。このPoCの結果、Oracle Exadataが極めて高いパフォーマンスを発揮することを確認できだと守田氏は話す。 「PoCにより、Oracle Exadataを使うことで、これまで15時間かかっていた処理を30分で完了できるなど、処理時間の大幅な短縮を図れることがわかりました。オンライン処理についても、従来はEnterキーを押してから結果が返るまでに20分かかっていた処理が、わずか2秒で結果が返るといった具合に劇的な改善が見られました。そこでOracle Exadataの導入を決めたわけですが、事前にPoCによってROIを把握でき、経営層も含め納得して導入を決められたことは大きかったですね」(守田氏)【日本オラクルのOracle Exadata導入支援サービス】>>ケタ違いな情報活用の実現から稼働後の安定運用まで、Oracle Exadataを安心して導入できる理由──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス【第1回】>>システム構築で失敗しない! 導入企画からシステム設計/構築、人材教育まで使い倒せる支援サービスとは?──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス 【第2回】>>"プロアクティブなサポート"が、Oracle Exadataの運用管理を劇的に効率化する──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス【第3回】 このように、カルソニックカンセイが抱える課題を劇的に改善することがわかったOracle Exadataだが、本番稼働前のテストでは意外な問題が発生した。同社はOracle Exadataの導入効果としてMRP処理時間の50%短縮を目標に掲げており、PoCによる検証結果から、その目標を十分に達成できると見込んでいた。ところが、実環境を用いたテストでは37%の短縮で頭打ちとなったのである。 実はその原因は、実環境で利用しているバッチ処理用サーバの処理能力不足にあった。従来の環境ではメインフレームによるデータベース・サーバがボトルネックとなっていたため、バッチ・サーバのパフォーマンスが問題になることはなかった。しかし、データベース・サーバをOracle Exadataに置き換えてボトルネックを解消した結果、バッチ・サーバが新たなボトルネックになってしまったのである。そこで、同社は急ぎバッチ・サーバのメモリを増設し、目標値である50%短縮を実現した。メインフレームで稼働していた生産管理システムを、短期間でOracle Exadataに移行 メインフレームからの移行プロジェクトであるのにもかかわらず、Oracle Exadataへの移行は短期間で完了した。移行に際し、カルソニックカンセイはオラクルのコンサルティング・サービスを利用してデータベース設計/構築やバックアップ方式、運用監視方式、移行方式の設計を実施。わずか7か月での移行を果たした。しかも、Oracle Exadataが搬入されてから約2カ月半で、本番システムの切り替え作業をスムーズに完了できたという。Oracle ExadataでMRP処理時間の大幅短縮を実現。インデックスやヒント句も不要となりメンテナンス性も向上 Oracle Exadataを導入した効果は、当初想定していたとおりのものだったようだ。 「Oracle Exadataを導入したことで、午前3時半にはオンライン処理を開始できる状態になりました。稼働初日はビクビクしながら夜を過ごしたのですが、出社してみると午前3時半に終わっていたと知り、拍子抜けしたことを覚えています。万一、バッチ処理中にエラーが発生したとしても、1回程度ならば午前7時までに処理を終えられるため、安心して夜を迎えられるようになりました」(守田氏) また、Oracle Exadataの導入によってオンライン処理のパフォーマンスも安定したほか、インデックスの再構築によるシステム停止時間の短縮やヒント句の排除による保守性の向上なども実現した。「SQLについては、ほぼメンテナンス・フリーとなり、保守性が大きく改善されたこともメリットの1つです」と守田氏は語る。 なお、カルソニックカンセイでは現在、グローバル経営強化のため、グローバル管理会計の高度化を図るためのプロジェクトを推進している。具体的には、マスタ・データの整理や業務プロセスの見直しを進めると同時に、「Oracle Hyperion Data Relationship Management」と「Oracle Data Integrator」を導入して製品コード管理/適用をグローバルに一元化する仕組みを構築。さらに今後は、「Oracle Hyperion Planning」を利用してグローバル経営を支える高度な管理会計システムを構築する予定である。 以上、Oracle Database Leaders Clubにおける講演の内容を基に、カルソニックカンセイが取り組んだOracle Exadataによる基幹データベース刷新プロジェクトの概要を紹介した。同社の経営の足かせともなっていた基幹データベースのバッチ処理性能の不足は、今日、多くの企業が直面している課題でもある。この問題を劇的に解消した同社の事例は、Oracle Exadataの典型的な活用例だと言えよう。【Oracle Exadata活用事例】>>ライオンがメインフレーム、SAP会計、TeradataのデータベースをOracle Exadataへ移行して大満足している理由とは?>>「Oracle Exadataは、単に導入するだけで相応の効果が得られる。しかし…」 東京海上日動システムズが実践するITシンプル化と、その先にあるイノベーション>>Oracle Exadata 導入事例: パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社>>ソフトバンクはビッグデータを武器にサービスを向上し、ビジネスを拡大する《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Exadata Database Machine X4-2活用事例>> Oracle Exadataユーザー事例関連ホワイトペーパー>> 関連資料

「データベース・サーバのパフォーマンス不足により、生産管理システム(MRP)の夜間バッチ処理が業務開始時間までに終わらない」という課題を抱えていたカルソニックカンセイが、この問題を解消すべく導入したのが「Oracle Exadata」である。2014年2月に開催されたセミナー「Oracle Database...

07. データ統合/MAA

Oracle Databaseにより、データベース・クラウドをいかに構築するか?──「データベース統合基盤の設計ガイド」セミナー・レポート

「社内に散在するデータベースを集約/統合し、コスト最適化や運用管理の効率化を図りたい」──年々高まり続けるこれらのニーズへの1つの解として、オラクルは昨年、データベースのマルチテナント化に対応したRDBMS「Oracle Database 12c」をリリース。併せて、同RDBMSも活用したデータベース・クラウドの構築を検討するアーキテクトらに対し、実践的なノウハウの提供を開始している。(編集部)データベース統合、スキーマ統合、マルチテナント──データベース・クラウドを実現する3つのアーキテクチャセミナーで講師を務めた日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジー製品技術本部の近藤暁太氏 日本オラクルは2014年1月、都内でテクニカル・セミナー「データベース統合基盤の設計ガイド」を開催した。 同セミナーは、オラクルがグローバルで提供しているデータベース・エンジニア向けのトレーニング・コースに基づくものだ。5時間にわたるカリキュラムは、通常は2日間にわたって実施されるオリジナル・カリキュラムを特別に凝集したもの。その内容は、データベース・クラウドのコンセプトやアーキテクチャに始まり、レイアウト・プランニング、データベース管理、ストレージ/セキュリティ管理、そしてデプロイ/運用に至るまで、データベースのライフサイクル全般をカバーしている。【「データベース統合基盤の設計ガイド」セミナーのアジェンダ】クラウドのコンセプトと概要Database Cloud アーキテクチャレイアウト・プランニングデータベース管理と考慮点デプロイと運用 セミナーには、Oracle Database 12cのマルチテナント機能を利用して、自社や顧客企業のデータベースのクラウド化を検討しているアーキテクトらが多数参加。日本オラクルの近藤暁太氏(製品戦略事業統括本部 テクノロジー製品技術本部)が講師を務めた。ここでは、セミナーで解説された内容の一部を紹介しよう。 一口に"データベースのクラウド化"と言っても、これにはいくつかのアプローチがある。近藤氏は、まずデータベース・クラウドのアーキテクチャについての説明から始めた。それによれば、データベース・クラウドを実現するアーキテクチャには、大きく次の3つのタイプがあるという。データベース統合型:データベースを物理サーバに対してネーティブにプロビジョニングすることでクラウド化するスキーマ統合型:共通のデータベースに対してスキーマのレベルでプロビジョニングすることでクラウド化するマルチテナント・アーキテクチャ:個々のアプリケーション用の仮想データベース(プラガブル・データベース:PDB)を、共通のコンテナ・データベース(CDB)上で動作させることによってクラウド化する このうち、「3.マルチテナント・アーキテクチャ」が、Oracle Database 12cで初めて実現されたアーキテクチャである。「マルチテナント・アーキテクチャは、メモリやセキュリティの独立性を特別な作り込みで担保する必要があるといったスキーマ統合型の弱点を解消しつつ、効率性の高さやプロビジョニングの高速性、高いROIおよびパフォーマンスといった利点を備えています」と近藤氏は説明する。特に統合の際にスキーマやアプリケーション・ロジックの修正が不要であるため移行コストが低く、また統合後は運用管理作業の多くを自動化できることから高いROIを期待できる点が、スキーマ統合と比較したマルチテナント・アーキテクチャの大きな利点となる。データベース・クラウドのレイアウト設計時の考慮点。最小の設計単位はCloud Pool データベース・クラウドの構築を考える際、初めに検討することは「クラウドのレイアウト」である。以降、近藤氏が説明したクラウドのレイアウト設計に関するポイントをいくつか紹介していこう。 オラクルは、データベース・クラウドのレイアウトを検討する際の基本単位として、次の3つの概念を採用している。Cloud Pool/Cluster:Oracle Grid Infrastructureによるクラスタで、共有ストレージを持ち、内部に複数のクラスタを含む。オラクル製品では、Cloud Poolがクラウドの基本設計単位となる。サービスとして提供される各データベースは、Cloud Pool内にプールされるCloud Farm:Oracle Exadataで採用されているコンセプトで、物理的に接続された共有のストレージを持ち、複数のCloud Poolから成る。Cloud Pool間でのリソース移動が可能Cloud Zone:Oracle Enterprise Manager 12cで採用されているコンセプトで、データベースやリージョンの単位で定義する。内部に複数のCloud Poolを含む また、クラウドのタイプには、同じような構成のアプリケーションやデータベースから成る「Uniform(以下、ユニフォーム型)」と、多様な構成のアプリケーションやデータベースから成る「Heterogeneous(以下、ヘテロ型)」の2つがあり、データベース・クラウドでは後者のヘテロ型が使われるケースが少なくないと近藤氏は語る。 次に考えることは、上述した基本設計単位であるCloud Poolをどう構成するかという点だ。その際に考慮すべきこととして、近藤氏は以下のようなポイントを挙げた。Cloud Poolのサイズを可変にするか、それとも固定にするか(推奨は固定)何によってCloud Poolが一杯になったと判断するか(使用メモリやCPUなど、シンプルな判断指標を採用することを推奨)Cloud Poolのデフォルト・サイズはいくつにするか(推奨は3ノード以上)Cloud Poolへの配置ポリシーは何かOracle Database 12cで追加された、各データベース・ノードの可用性を高める機能「Flex ASM」をどこで使うか(12c以前のOracle Databaseと混在させる場合は、Flex ASMを有効にして、カーディナリティをCloud Poolと同サイズに設定する)負荷が高まった際、データベース・ノードへの接続の振り分けを制御するポリシー管理データベースを使うか否か(ノード数が多い場合には使用することを推奨) このほかに、各データベースをどのCloud Pool/クラスタに置くかを検討するが、その際には、「どのデータベースが、どのアプリケーションでどのように使われ、どういったセキュリティが必要かを把握しておく必要があります」と近藤氏は指摘する。特に次のような点に留意すべきだという。SLAが類似しているアプリケーションは、同一の環境に配置することが望ましいミッション・クリティカルと非ミッション・クリティカルなアプリケーションは同じ環境に混在させない また、アプリケーションからの要求に応じたCloud Poolへのリソースの超過割り当てに関しては、「ミッション・クリティカルなアプリケーションがクラウド環境にある場合、超過割り当ては行わない」といった配慮も必要になる。キャパシティ・プランニングでは、4つの見積もりが鍵に 続いて検討することは、データベース・クラウドのキャパシティ設計だ。これに関しては、次の4つをどう見積もるかが重要になる。データベース統合後のワークロードヘッドルーム(キャパシティ上の余裕)サーバへの負荷OS/ASM/データベース まずワークロードだが、Cloud Poolに各データベースをデプロイした際、どのような負荷がかかるのかを見積もる。望ましいのは、ピーク時負荷と平均負荷の差が極力、小さくなることだ。 この見積もりを一から行うのは煩雑で難しい作業だが、システム統合管理環境「Oracle Enterprise Manager 12c」の機能である「Database Consolidation Planner(DCP)」と「Database Consolidated Replay(DCR)」を使えば、作業を効率化できる。DCPを使って複数のデータベースの統合(クラウド化)計画を作成し、DCRによってクラウド化後の負荷を確認すればよいのだ。 「事前に机上で綿密な計画を作成したとしても、実際に動作させてみると思わぬところでボトルネックが発生し、性能問題が発生するものです。それを避けるためにも、DCPやDCRのようなツールも活用して正確な設計/テストを行い、問題なく動作することを確認したうえでデプロイすることをお勧めします」(近藤氏)ヘッドルーム、サーバ負荷──クラウドの可用性を担保するための設計ポイント 一部のノードが停止するなどしてシステム全体の負荷が高まり、CPUやメモリなどのリソースが枯渇した場合への対処も考えておく必要がある。これらの事態に備え、すべてのワークロードを合計した値に、フェールオーバのための余剰分(ヘッドルーム)を加えた設計を行うのだ。 「一般に、Cloud Poolのサイズが大きくなればなるほど、ヘッドルームは小さくできます。ただし、データベースが増えれば、その分サーバ障害が起きる頻度が高まる可能性があります。一方、Cloud Poolのサイズが小さい場合、データベースの数が少ない分だけサーバ障害の発生頻度は減るでしょう。しかし、Cloud Pool全体に対して各データベースのサイズが占める割合が高くなるため、ヘッドルームの割合は大きくなります」(近藤氏) 3つ目のサーバ負荷に関するキャパシティ設計だが、最も安全なのは可用性が最大限に保てる構成に最適化することだ。これにより、サーバ障害が発生した場合にも、すべての処理を継続して行うことができる。具体的な値としては、操作用のヘッドルームを全体の5%分、フェールオーバ用のヘッドルームを15%分、そして他のリソース管理用に5%分確保するといった具合になる。 データベース・クラウドでは、メモリ管理についても慎重な対応が求められる。 「例えば、メモリのスワッピングやメモリ不足は回避するよう心掛けなければなりません。OSのサイジングについては、メモリ・サイズが大きい場合はHugePagesを使うことを推奨しています。メモリの最大使用量は、物理メモリの75%未満に設定するのが基本となります」(近藤氏) なお、Oracle Databaseには、11g R2から各データベース・インスタンスが使用するCPU数を制限(ケージング)する機能「インスタンス・ケージング」が備わっている。この機能を使うことにより、CPUの使用率を調整することができる。インスタンス・ケージングは、「CPU_COUNT」と「RESOURCE_MANAGER_PLAN」という2つの初期化パラメータを設定すれば有効になる。Oracle Enterprise Managerのリソース・マネジャーによって設定することも可能だ。このインスタンス・ケージングの設定に関しては、2つのアプローチがあると近藤氏は説明する。 「まずミッション・クリティカルなデータベースの場合は、合計値がCPUコア数の75%より小さくなるように設定します。これは、後からCPU使用率を増やす可能性があるためです。一方、通常のシステムや開発環境用のデータベースでは、CPUリソースを効率的に使うために最大でCPUコア数の2倍、Oracle Exadataの場合はCPUコア数の3倍までの間で設定することを推奨しています」(近藤氏) 以上、ここではテクニカル・セミナー「データベース統合基盤の設計ガイド」の内容から、データベース・クラウドのレイアウト設計に関する解説をダイジェストで紹介した。本セミナーで紹介されたOracle Database 12cの新機能マルチテナント・アーキテクチャについては、次の記事でも詳しく解説している。Oracle Databaseを用いたデータベース・クラウド構築に関心をお持ちの方は、ぜひこちらの記事もご覧いただきたい。【関連記事】>>ユージ&ギョータの実践データベース講座: Oracle Database 12c を使ってみよう《あなたへのお勧めリンク》製品解説>>Oracle Database 12c 製品カタログOracle Multitenant 製品ページOracle Database 12c新機能紹介オンラインセミナー

「社内に散在するデータベースを集約/統合し、コスト最適化や運用管理の効率化を図りたい」──年々高まり続けるこれらのニーズへの1つの解として、オラクルは昨年、データベースのマルチテナント化に対応したRDBMS「Oracle Database 12c」をリリース。併せて、同RDBMSも活用したデータベース・クラウドの構築を検討するアーキテクトらに対し、実践的なノウハウの提供を開始している。(編集部)デ...

07. データ統合/MAA

データ連携によるダウンタイムを限りなくゼロへ! さらに速くなったOracle GoldenGate 12cとOracle Data Integrator 12c

データ連携ツールとして、さまざまな用途で活用されている「Oracle GoldenGate」と「Oracle Data Integrator」が、「12c」へとバージョンアップされた。"リアルタイムなデータ活用"に対する企業のニーズが高まる中、ますます重要性が増す両ツール最新版の機能を、2014年1月に開催された製品発表会の内容を基に紹介する。(編集部)シンプルで高速、そして多様なデータ・レプリケーションを実現するOracle GoldenGate日本オラクル 製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ シニア・プロダクトラインマネジャーの谷川信朗氏 日本オラクルは、複数のデータベース間におけるデータ・レプリケーションを実現するツールの最新版「Oracle GoldenGate 12c」と、ETL(Extract/Transform/Load)ツールの最新版「Oracle Data Integrator 12c」の提供を2014年1月30日に開始した。いずれのツールも、高い柔軟性やパフォーマンス面での優位性が評価され、これまで多くの企業で活用されてきたが、今回のバージョンアップによってさらなる機能強化が図られ、より幅広いニーズに応えられる製品となった。 同日に開催された製品発表会に登壇した日本オラクルの谷川信朗氏は、まずOracle GoldenGateの特徴を説明。「データベース間のレプリケーションをシンプルなアーキテクチャで実現する製品であり、最短でミリ秒単位での同期も可能です」と同製品によるデータ連携の高速性をアピールした。 Oracle GoldenGateでは、データベース間のレプリケーションを行う際、まずソースとなるデータベースの差分ログを読み取り、それを「Trail」と呼ばれる汎用フォーマットのデータ形式に変換したうえでレプリケーション先にTrailデータを送信する。受信側のOracle GoldenGateは、送られてきたTrailデータの内容を読み取り、その内容をターゲットとなるデータベースに反映するという流れとなる。 このようにTrailという汎用フォーマットを使うことで、データベースの種類やバージョンの縛りをなくしていることがOracle GoldenGateの大きな特徴である。例えば、Oracle Database 11gから同12cへのアップグレードにおいて、Oracle GoldenGateをデータ移行のためのツールとして応用できるわけだ。あるいは、DB2とOracle Databaseなど、異なるデータベース製品間でレプリケーションを行うこともできる。 また、Oracle GoldenGateはシステムの稼働中でもレプリケーションの維持が可能なため、データ移行によるシステム切り替え時のダウンタイムを最小化できることも大きな利点である。さらに、単方向のレプリケーションだけでなく、双方向の同期や、複数のデータベースの内容を1つに集約するといった使い方にも対応している。このため、2つのデータベース間をOracle GoldenGateで同期させ、アクティブ/アクティブのスタンバイ構成を実現するといったことも可能となっている。【関連記事】>>ビッグデータ活用のために "今すぐ使える"データ統合基盤をOracle GoldenGate、Oracle Data Integratorで作る>>システム停止時間を最短化し、柔軟かつ安全にデータベースをアップグレードする方法とは?──国内企業でも進むOracle GoldenGateの活用>>データベースのアップグレードを成功させるための極意とは? Oracle GoldenGateを使えばダウンタイムも最短化内部処理のパラレル化によるさらなる高速化、Oracle Database 12c対応など、大幅に機能強化 以上のような特徴を備えるデータ・レプリケーション・ツールの新版、Oracle GoldenGate 12cの機能強化点として、谷川氏は「Oracle Database 12cへの対応」と「同期適用機能の大幅な機能強化」、そして「セキュリティや各種機能の強化」の3点を挙げる。 まずOracle Database 12cへの対応としては、マルチテナント・アーキテクチャをサポート。これにより、複数のプラガブル・データベース(PDB)から差分ログをキャプチャし、それを別のOracle Database 12cの各PDBに反映するといった使い方が可能となった。 また、2つ目の同期適用機能の強化は、さらなるパフォーマンスの向上につながるものだと谷川氏は話す。 「Oracle GoldenGateを使ったレプリケーションのチューニングを行う際、従来はプロセスをパラレルに立ち上げて処理を分散するといったことを手動で行う場合がありました。しかし12cでは、Oracle GoldenGateの内部にパラレル処理を可能にする機構を組み込んだことで、構築時の作業コストを削減しつつ、非常に高速にレプリケーション処理が行えるようになっています」(谷川氏) セキュリティをはじめとする機能強化については、資格証明ストアによるユーザー情報の管理やOracle Universal Installerの導入、対応プラットフォームの拡充などが図られている。データを抽出、ロードしてから変換──中間サーバを排した独自アーキテクチャでETL処理を高速化するOracle Data Integrator 一方のOracle Data Integratorは、多様なデータソースに対応したETLツールであり、ソースからデータを抽出(Extract)、変換(Transform)し、それをターゲットとなるデータベースにロード(Load)するといった機能を提供する。ただし、Oracle Data Integratorは他のETLツールとは基本的なアーキテクチャが大きく異なると谷川氏は説明する。 「Oracle Data Integratorが採用しているのは、『E-LT』というアーキテクチャです。一般的なETLツールでは、中間サーバを使ってデータを抽出して変換し、それをターゲットにロードするという流れで処理を行います。これに対して、Oracle Data Integratorではターゲットとなるデータベースの側でデータの抽出とロードを行い、そのうえでデータベースのエンジンを使って変換処理を高速に行います。このようなアーキテクチャにすることで、高いスペックが求められる中間サーバを不要にしていることが、他のETL製品との違いであり、大きな優位性でもあるのです」(谷川氏) Oracle Data Integratorは、Oracle GoldenGateと組み合わせて使うことで、より大きな効果が期待できる。例えば、データベースの内容をOracle GoldenGateを使ってリアルタイムに抽出し、その内容をOracle Data Integratorで高速に変換することで、鮮度の高いデータをデータ・ウェアハウスで活用するといった使い方も可能だ。新バージョンではGUIの使い勝手を大幅に強化し、パフォーマンスも向上 新版となるOracle Data Integrator 12cは、「GUIの使い勝手の大幅な向上」、「パフォーマンスの強化」、「オラクル製品とのインテグレーション強化」の3つが大きなポイントになる。 このうちGUIの強化について、谷川氏は「フロー・ベースのアーキテクチャを採用した」と説明する。 「従来のGUIはツールを使い慣れた方に向けたものでしたが、12cでは1つ1つの処理の流れを直感的に把握できるフロー・ベースの表示を取り入れました。すでに新版の提供を開始している海外では、これによりデータ変換処理の作成効率が大幅に向上したと高い評価をいただいています」(谷川氏) パフォーマンスの強化は、タスク実行の並列化やセッション実行時のオーバーヘッドの削減によって実現されている。 そして、他のオラクル製品とのインテグレーションの強化も、高い評価を得ているポイントだ。具体的には、Oracle GoldenGateやOracle Warehouse Builderとのインテグレーションが容易になったほか、Oracle Enterprise Managerとの連携による運用管理機能の強化などが図られている。ビッグデータ時代に求められるデータ統合の近代化 製品発表会には、日本オラクル専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏も登壇した。氏によれば、今日の企業はビッグデータやモバイル、ソーシャル、クラウドといった新たなテクノロジーが台頭したことに伴い、「データ統合の近代化」が求められているという。日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏 そして、「特にサービスを止めずに提供し続けることが非常に重要となるインターネットを使ったビジネスでは、データやシステムの移行、マイグレーションによるダウンタイムをいかに最小化するかが大きな課題となっています」と話し、次のように続けた。 「私たちは、今後の企業ITにおいて、データ・インテグレーションが極めて重要なテクノロジーになると考えています。この領域で、リアルタイムなデータ連携とハイパフォーマンス、ハイアベイラビリティ、クラウド対応、高い開発生産性、さらには多種多様なデータソースへの対応を実現していることが、Oracle GoldenGateやOracle Data Integratorをはじめとするオラクルのデータ・インテグレーション製品の優位性なのです」(三澤氏) 先述したように、Oracle GoldenGateとOracle Data Integratorは、すでにさまざまな企業で、多様な用途に活用されている。データの移行、連携、複製といった処理に課題を感じている企業は、ぜひ一度、両ツールをお試しいただきたい。《あなたへのお勧め記事》製品解説>>活用事例>>オラクルのデータ統合ソリューションリアルタイムのデータ統合と異種データベースのレプリケーションを実現するOracle GoldenGateOracle GoldenGate活用事例紹介Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合1(Youtube)Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合2(Youtube)Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合3(Youtube)関連ホワイトペーパー>> 【無料資料ダウンロード】「今、なぜデータ統合が必要とされているのか?」…(ダウンロードには、oracle.comへの会員登録が必要です)

データ連携ツールとして、さまざまな用途で活用されている「Oracle GoldenGate」と「Oracle Data Integrator」が、「12c」へとバージョンアップされた。"リアルタイムなデータ活用"に対する企業のニーズが高まる中、ますます重要性が増す両ツール最新版の機能を、2014年1月に開催された製品発表会の内容を基に紹介する。(編集部)シンプルで高速、そして多様なデータ・レプリケ...

02. クラウドコンピューティング

データベース統合、データ・ウェアハウス、OLTPの基盤から、データベース・クラウド基盤へ、さらに進化した「Oracle Exadata X4-2」が登場!国内金融機関もいち早く採用

日本オラクルは2014年1月21日、超高速データベース・マシンの最新版「Oracle Exadata Database Machine X4-2」の提供を開始したと発表した。データ・ウェアハウス(DWH)基盤、OLTP基盤として多くの企業に支持されてきたOracle Exadataは、この最新版でプライベート・クラウドによるデータベースの統合/集約化を推し進める企業のためのDatabase as a Service(DBaaS)基盤へと進化した。同日に開催された記者発表会の内容を基に、Oracle Exadata X4-2の特徴、同製品の提供にかける日本オラクルの意気込みをお伝えする。(編集部)2014年2月13日に「Oracle Exadata 最新情報セミナー」を開催! 詳細は記事末尾をご覧ください。データ・ウェアハウスからOLTP、そしてDBaaS基盤へと進化したOracle Exadata日本オラクルの執行役社長 最高経営責任者のデレク・エイチ・ウイリアムズ氏 2008年に登場したV1から数えて5世代目となるOracle Exadata X4-2は、その中核ソフトウェアとして最新のRDBMSである「Oracle Database 12c」を前提として設計されており、前世代のX3からハードウェア性能やメモリ容量、ストレージ容量などが大幅に強化された。 1月21日に開催された記者発表会には、2013年8月に日本オラクル 執行役社長 最高経営責任者に就任したデレク・エイチ・ウイリアムズ氏が出席。現在、オラクルが推進している「トップ3の優先事項」として、「SaaSアプリケーション」、「Oracle ExadataをはじめとするEngineered Systems」、「Oracle Database 12c」を挙げ、「3つの優先事項のプライオリティは同等。これらすべてについて、日本を含めワールドワイドで全力を挙げて取り組んでいきます」と宣言した。米国オラクルデータベースサーバ技術担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのアンドリュー・メンデルソン氏 続いて登壇したのは、米国オラクルデータベースサーバ技術担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのアンドリュー・メンデルソン氏だ。氏は、今回発表されたOracle Exadata X4-2の詳細を説明した。 メンデルソン氏は初めに、2014年第2四半期におけるEngineered Systemsの事業について、「全世界で昨年対比35%増の受注をいただき、ハードウェア製品全体の売り上げの約30%を占める事業に成長しています」と報告。オラクル製品をはじめとする多様なソフトウェア/ミドルウェアの"最適化された実行環境"であるEngineered Systems製品群が、世界中の企業で広く受け入れられていることを強調した。 Oracle Exadataは、当初はDWHの構築/運用をターゲットに設計されたシステム基盤だが、その後、バージョンアップを重ねるごとにハードウェア・コンポーネントとソフトウェア・コンポーネントの強化および最適化が図られ、Oracle Exadata X4-2はDWH、OLTP、DBaaSなど、データベースのあらゆるワークロードに最適化されたシステム基盤へと進化した。具体的には、従来のアーキテクチャを踏襲しつつ、最新CPUの搭載、フラッシュ・メモリの増強、データ圧縮効率の向上、ストレージ容量の拡大、InfiniBandの高速化などが行われており、「X3よりも、さらに高いパフォーマンスとキャパシティを、同じハードウェア価格で提供する」とメンデルソン氏は語る。 このOracle Exadata X4-2のコア・テクノロジーの1つとしてメンデルソン氏が紹介したのが、圧縮技術「PCI Flash Cache圧縮」だ。これはPCI上のフラッシュ・メモリに保持するキャッシュ・データについて、読み込み/書き込み時に自動的にデータの伸長/圧縮を行うことで、キャッシュ・メモリの容量を論理的に拡張するというものである。オーバーヘッドが極めて少ないハードウェアのレベルで実装されているという。 「Oracle Exadata X4-2のPCI Flash Cache圧縮によりキャッシュのヒット率が上がるため、システム全体のパフォーマンス向上が見込めます。Oracle Exadata X4-2は、X3の2倍に当たる44TBのフラッシュ・メモリを搭載していますが、さらにPCI Flash Cache圧縮を使うことで、論理的には従来の約4倍に当たる88TBのキャッシュ領域を確保することが可能となるのです」(メンデルソン氏) また、Oracle Exadata X4-2の新たなネットワーク・リソース管理機能では、Oracle Exadata上で処理されるワークロードに対して処理の優先順位付けが自動で行われる。例えば、バッチやレポーティング、バックアップといった処理よりも、遅延が許されないREDOログ・ファイルへの書き込みなどのメッセージ通信を優先するよう設定し、ネットワークに大きな負荷がかかった場合にもネットワーク・リソースを適切に自動配分することが可能になるという。 さらに、Oracle Database 12cで導入されたマルチテナント・アーキテクチャにより、Oracle Exadata X4-2は企業の各部門が必要とするデータベース・サービスをオンデマンドで提供できるDBaaSプラットフォームとしての能力も備えた。 「マルチテナント・アーキテクチャを使うことで、1台のOracle Exadata上で1つの巨大なデータベースを実行するのではなく、ビジネス・インテリジェンスやDWH、その他のビジネス・アプリケーションを1つのデータベース基盤を共有して稼働させるといったことが、より容易に行えるようになります。Oracle Exadata X4-2であれば、それらのさまざまなワークロードを極めて高いパフォーマンスで安定して実行することができるのです」(メンデルソン氏)日本オラクルが総力を挙げて検討から活用までを支援。国内金融機関もOracle Exadata X4-2の導入を決定日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏 最後に登壇した日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏は、Oracle Exadata X4-2の日本市場における展開について説明した。 近年は国内でも、ITコストの合理化やシステムの可用性向上を目的にデータベース・コンソリデーションを進める動きが加速している。複数データベースの集約に関するベスト・プラクティスの蓄積/整備も進んでおり、「データベース・コンソリデーションへの取り組みは、今後さらに活発化していくでしょう」と三澤氏は語る。 「企業でデータベース・コンソリデーションが進むと、次はその仕組みそのものを『サービス』として組織内に広く提供できるようになります。これに伴い現在、お客様のシステムにおけるOracle Exadataの活用法は、さらに広がりを見せています。国内でも業界や業種、企業規模を問わず導入が進んでおり、販売台数と新規顧客数はいずれも右肩上がりで拡大。ハイエンド・サーバ/ストレージとしてのOracle Exadataは、今や国内に並ぶもののない勢いで導入が進んでいると自負しています」(三澤氏) 実際、Oracle Exadata X4-2の発表にあたっては、導入を決めたリクルートテクノロジーズから賛同のコメントが寄せられたほか、同日には三井住友海上あいおい生命保険とMS&ADシステムズが、Oracle Exadata X4-2の導入を国内金融業界で最初に決めたことが発表された。両社は生命保険の契約業務管理システムの稼働基盤の刷新にあたり、性能、拡張性、耐障害性、高可用性の面から高く評価し、Oracle Exadata X4-2の採用に踏み切ったという。【関連情報】>>ニュース・リリース 「三井住友海上あいおい生命保険、MS&ADシステムズが、「Oracle Exadata X4」と「Oracle ZFS Storage ZS3」で契約業務管理システムを刷新」 また、ISV(独立系ソフトウェア・ベンダー)が提供する運用管理/監視ツールや各種ミドルウェア、業務アプリケーションなどへの対応も進んでいる。国産の業務アプリケーション・パッケージとしては、新たにスーパーストリームの「SuperStream-NX」やSCSKの「ProActive E2」、ワークスアプリケーションズの「COMPANY」といった製品への対応が発表された。 こうした顧客やパートナー企業における機運の高まりに応え、日本オラクルとしても、全社を挙げてOracle Exadataの導入/活用を支援する体制を整えている。 「Oracle Exadataの導入をご検討いただく段階から、システムの設計/構築、運用、さらにはその後の適用領域拡大やシステム拡張に至るまでを、日本オラクルのテクノロジー・コンサルタントや教育部門、運用サポート部門が連携しながら、総力を挙げてご支援しています。多くのお客様の導入支援で培ったノウハウを生かし、Oracle Exadataを余すところなくご活用いただき、システム性能の向上やコスト最適化、業務改革や新規ビジネスの開発までお手伝いさせていただいています」(三澤氏)【関連記事】>>ケタ違いな情報活用の実現から稼働後の安定運用まで、Oracle Exadataを安心して導入できる理由──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス【第1回】>>システム構築で失敗しない! 導入企画からシステム設計/構築、人材教育まで使い倒せる支援サービスとは?──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス 【第2回】>>"プロアクティブなサポート"が、Oracle Exadataの運用管理を劇的に効率化する──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス【第3回】 さらに三澤氏は、「ケタ違いのパフォーマンスを備えていることから、Oracle Exadataに対して『高価で導入に手間がかかる』といった誤解を抱いている方が、まだいらっしゃるようです」と話し、次のように続けた。 「例えば、ハードウェアだけをとってみても、Oracle Exadataと同等の性能を他社製品の組み合わせで実現しようとすれば、10倍以上の価格になります。導入についても、これまでは3~5カ月の期間を要し、セットアップ費用として3000万~5000万円程度かかるのが相場でした。それに対して、Oracle Exadataはハードウェアが届けば、後はエンジニアが最短3~4日程度でセットアップを完了することができます。安くて、早く導入できて、しかも圧倒的に速い──このOracle Exadataのメリットを、今後も多くのお客様にお届けしていきたいと考えています」(三澤氏) 実際に先行企業がどのようなメリットを得ているのかが、Oracle Exadata X4-2の詳細と併せて、2014年2月13日に開催される「Oracle Exadata 最新情報セミナー」で披露される。DWH基盤、OLTP基盤、そしてDBaaSによるデータベース集約基盤をお探しのご担当者は、ぜひお足運びいただきたい。【2月13日に「Oracle Exadata 最新情報セミナー」を開催!】 超高速データベース基盤、Oracle Exadata Database Machineは規模/業界を問わず多くのお客様のシステムインフラを支え、その圧倒的なパフォーマンスによって業務を変革し続けています。本セミナーでは、Oracle Exadataに興味を持たれた方にとって有益な情報を満載しています。セミナー後にはご相談も可能です。お気軽にご参加ください。セミナー名:Oracle Exadata 最新情報セミナー開催日時:2014年2月13日(木)13:30 ~ 17:00(受付時間 13:00~)開催場所:日本オラクル青山センター 東京都港区北青山2-5-8参加費:無料セミナー詳細/申し込み:詳しくはこちら《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Exadata Database Machine X4-2活用事例>> Oracle Exadataユーザー事例関連ホワイトペーパー>> 関連資料

日本オラクルは2014年1月21日、超高速データベース・マシンの最新版「Oracle Exadata Database Machine X4-2」の提供を開始したと発表した。データ・ウェアハウス(DWH)基盤、OLTP基盤として多くの企業に支持されてきたOracle Exadataは、この最新版でプライベート・クラウドによるデータベースの統合/集約化を推し進める企業のためのDatabase as...

05. システム統合管理

凄いのは綺麗なGUIだけじゃない! コマンドラインでさらに便利に使えるシステム統合運用管理環境「Oracle Enterprise Manager」

企業のITマネジャーやシステム管理者にとって、複雑なシステム環境をいかに安定して運用し、なおかつ効率的に管理するかは、永遠の課題である。オラクルは、この課題の解決を支援するソリューションとしてシステム統合運用管理環境「Oracle Enterprise Manager」を提供している。オラクル製品で構成されたシステム環境の効率的な運用管理を実現する同環境は、さまざまなシステム情報の見える化と扱いやすいユーザー・インタフェースで知られるが、コマンドラインのインタフェースを使えば運用管理作業をさらに効率化できることをご存じの方は少ないようだ。この知られざるOracle Enterprise Managerの魅力を日本オラクルの榑松谷仁氏(テクノロジーコンサルティング統括本部 テクニカルアーキテクト本部 ミドルウェアアーキテクト部 シニアプリンシパルコンサルタント)に聞いた。(編集部)Oracle Enterprise Managerで運用管理業務の敷居は下がり、運用管理の品質は上がる日本オラクル テクノロジーコンサルティング統括本部 テクニカルアーキテクト本部 ミドルウェアアーキテクト部 シニアプリンシパルコンサルタントの榑松谷仁氏 OSやデータベース、アプリケーション・サーバなどのミドルウェア、その上で動作するアプリケーションに加えて、近年はOracle ExadataをはじめとするEngineered Systemsなどシステム基盤にも適用範囲を広げているOracle Enterprise Manager。オラクル製品のラインアップが年々拡充されるのに伴い、その有用性はさらに高まっている。 日頃コンサルタントとして多くの企業のシステム構築プロジェクトを支援している榑松氏は、「以前と比べて、お客様におけるOracle Enterprise Managerの利用率はかなり高まってきました。特にOracle Exadataのようなハードウェアとソフトウェアにまたがるシステム基盤を効率的に運用管理するには、Oracle Enterprise Managerが必須のツールだとご理解いただいているようです」と語る。 オラクル製品を活用する企業では、Oracle Enterprise Managerのグラフィカルな画面でシステムの状況を把握し、GUIベースの簡単な操作でさまざまな設定や障害対応が行える点にメリットを感じている方が多いだろう。 データベース・システムに精通していない担当者であっても、画面上に表示されるグラフを見ながら、システムの負荷状況を時系列で把握し、パフォーマンス上の問題となっているI/OやSQLなどを即座に特定するとともに、必要に応じて提示される改善アドバイスに従って性能改善のためのチューニング作業までを数クリックで完了することが可能だ。 「Oracle DatabaseのActive Session History(ASH)をOracle Enterprise Managerに読み込めば、自己診断/自動チューニング機能により、これまでは一部の熟達したデータベース管理者だけが行えていたデータベースの高度な運用管理を、経験の少ない管理者でも同じレベルで行えるようになります。また、こうした機能を使ってデータベースを運用管理することで、ビギナー管理者が作業を効率化しつつ、データベースやSQL、チューニングのノウハウを、実務を通じて深く学んでいくこともできるのです」(榑松氏)Oracle Enterprise Managerでは、グラフィカルな画面でシステムの稼働状況を詳細に把握することができる さらに、システムに問題が起きた際、その状況を忠実に再現することができるデータベース・テスト・ツール「Oracle Real Application Testing(RAT)」、本番環境で発生する負荷をテスト環境で正確に再現し、本番環境に即したテストが行える「Database Replay」、バッチジョブなどのSQLの性能問題への対応にあたって本番環境と同様の検証をテスト環境でも行えるようにする「SQL Performance Analyzer(SPA)」なども、Oracle Enterprise Managerならではの画期的な機能だ。 「これらの機能は、本番環境で発生したトランザクションをすべてキャプチャし、それをOracle Enterprise Managerから必要に応じて呼び出して再現することによって実現しています。人手による作業では再現が不可能な状況を、Oracle DatabaseとOracle Enterprise Managerが連携して作り出し、安定した稼働や、機能改善に役立てることができるのです」(榑松氏)Real Application Testing(RAT)のDatabase Replay機能 加えて、Oracle Enterprise Managerには、障害発生時にオラクルやSIerなどのサポート窓口に問い合わせを行う際の作業を効率化する仕組みも用意されている。「サポートワークベンチ」と呼ばれるこの機能は、障害の原因解析に必要となるシステム・ログやダンプ・ファイルなどの情報を自動的にパッケージングしてくれる。かつては担当者が手作業で探し出してまとめていた各種情報を、Oracle Enterprise Managerならば即座に集めることができるのだ。 システムの運用管理業務を効率化するうえで、こうした情報のビジュアライズや操作のGUI化、作業の自動化を実現するOracle Enterprise Managerは極めて魅力的なツールである。「しかし、これはあくまでもOracle Enterprise Managerの魅力の一部に過ぎません」と榑松氏は語る。コマンドライン・インタフェースの「EMCLI」が、Oracle Enterprise Managerの真価をさらに引き出す 「Oracle Enterprise Managerでは、実際の運用管理の現場で起きている問題を、より高度な知識や技術を持ったエキスパートが解決するにあたって便利な仕組みも用意されています。それが『EMCLI』と呼ばれるコマンドラインのインタフェースです。このEMCLIを使うことで、システムに詳しい担当者は、日常の運用管理業務をさらに効率化することができるのです」(榑松氏) 企業の運用管理の現場では、オラクル製品を含め、さまざまなベンダーのハードウェアやミドルウェア、管理製品が混在している。仮想化技術を駆使したシステム集約が進んではいるものの、まだ管理対象のシステムが多く残っているという現場も多いだろう。そうした「異機種混在で管理対象が多い」現場において、Oracle Enterprise ManagerのEMCLIは極めて有効に機能するという。 EMCLIは、簡単に言えばOracle Enterprise Managerが提供しているあらゆる機能を、コマンドラインから操作できるようにするものだ。設定内容の取得、設定の変更や削除、監視の閾値の変更といった操作を、あらかじめ用意されたコマンドで実行できる。【EMCLIで扱える対象や操作、機能】#mainContent .tbl01 {width:100%;border-collapse: collapse;display:table;}#mainContent .tbl01 td,#mainContent .tbl01 th {padding:3px 5px;}#mainContent .tbl01 th {background:#ededed;}分類カテゴリー行える操作運用管理対象対象(ターゲット)参照、設定、登録、変更監視項目メトリック参照、設定、登録、変更インシデント・イベント参照、設定、消去Oracle Enterprise Managerの機能BI Publisherレポートー構成管理参照、比較、検索、配布DiagCheckーSite Guardーコマンド/SQL実行対象での実行サービス・レベル監視参照、設定、変更、レポートジョブ管理ジョブ参照、作成、変更パッチ参照、適用、比較ブラックアウト(非監視時間帯)作成、変更監査ーOracle Enterprise Managerの管理Oracle Enterprise Managerの追加プラグインインストール、登録、変更OMS/OMA構成インストール、登録、変更管理ユーザー作成、変更接続資格証明作成、変更【EMCLIで使用できる主なコマンド】カテゴリーコマンド説明状態採取/閲覧系list_diagchecks特定のターゲット・タイプに定義された診断チェックをリストアップするget_threshold引数で渡されたターゲットのメトリックの監視閾値を取得するget_oms_config_propertyOracle Management Serverの構成プロパティを取得するget_siteguard_configurationSite Guard(Oracle Databaseの災害対策用切り替え機能)の設定/構成情報を取得するget_jobs既存のジョブのリストを取得するlist_swlib_entities構成管理機能により、ソフトウェア・ライブラリのエンティティをリストアップする 構成作成/設定更新系add_targetリポジトリにターゲット(運用管理対象)を追加するcreate_pluggable_databaseプラガブル・データベース(Oracle Database 12cの新機能)を作成するmodify_threshold渡されたターゲット/メトリックの閾値を変更するdeploy_plugin_on_agent管理エージェントにOracle Enterprise Managerのプラグインをデプロイするrefresh_wlsOracle Fusion Middleware/WebLogicドメインをリフレッシュするclear_problem通知インシデントおよびイベントと結び付いたIssue(問題)情報をクリアするcreate_patch_planパッチ計画を作成する※ このほかにも多数のコマンドが用意されており、コマンドラインで運用管理対象やOracle Enterprise Managerの操作を行うことができる。【EMCLIの管理コマンドの例】サーバ/クライアント間の同期# ./emcli syncSynchronized successfullyターゲット一覧の取得# ./emcli get_targetsステータスI ステータス ターゲット・タイプ ターゲット名D1 稼働中 aggregate_service emg0 停止中 generic_service monitoring myself1 稼働中 generic_service wls1 稼働中 host xxxxxx.oracle.com1 稼働中 host xxxxxx.oracle.com1 稼働中 j2ee_application /EMGC_GCDomain/GCDomain/EMGC_JVMDMANAGER1/jammanagerEMGC_JVMDMANAGER11 稼働中 j2ee_application /EMGC_GCDomain/GCDomain/EMGC_OMS1/O CMRepeater…略…WeblogicサーバのJVMの現在の閾値の取得[root@el02bl6 bin]# ./emcli get_threshold -target_name="/EMGC_GCDomain/GCDomain/BIP" -target_type="weblogic_j2eeserver" -metric="jvm"Metric Display Name | Metric Internal Name | Key | Comparison Operator | Warning Thr | Critical Thr | Collection ScheduesholdJVMメトリック : アクティブ・デーモン・スレッド | jvm : daemonThreads.active | | Greater Than | | | 15分ごとJVMメトリック : アクティブ・スレッド | jvm : threads.active | | Greater Than | | | 15分ごとJVMメトリック : CPU使用率(%) | jvm : cpuUsage.percentage | | Greater Than | | | 15分ごとJVMメトリック : 空きヒープ(MB) | jvm : heapFree.value | | Less Than | | | 15分ごと…略…上記のJVMメトリック:ヒープ使用率(%)の変更(現状のwarning値は75%)# ./emcli modify_threshold -target_name="/EMGC_GCDomain/GCDomain/BIP" -target_type="weblogic_j2eeserver" -metric="jvm" -column="heapUsedPercentage.value" -warning_threshold=80Threshold modified successfully このように、GUIではなくコマンドラインで操作を行える環境は、特にエキスパートの管理者にとってメリットが大きいと榑松氏は話す。 「さまざまなシステムが混在し、多数の管理対象を抱える管理者の方にとって、コマンドによる作業の自動化や一括処理は非常に便利な機能です。例えば、多数のシステムに毎月同じ設定を行いたいといったケースはよくあります。その場合、Oracle Enterprise ManagerのGUIを使わなくても、EMCLIのコマンドをシェルスクリプトとして作成しておけば、そうした煩雑な設定作業を効率的に行えるのです」(榑松氏)複雑なシステム環境の運用管理業務を、GUIとEMCLIの使い分けでさらに効率化 EMCLIのコマンドによる操作の自動化は、応用範囲が極めて広い。例えば、カレンダーや1日の時間帯に合わせて、管理システムがアラートを発する負荷の閾値を微妙に変化させるといった使い方も可能だ。日中の業務時間と夜間のバッチ処理を行う時間帯、さらに繁忙期と閑散期など、システムにかかる負荷の変動が予測されるタイミングに合わせて自動的に閾値を変更するスクリプトを実行しておく。これにより、その都度、管理者の手を煩わせることなく、アラートが適切に出るよう設定を変えることができるのだ。 また、EMCLIによる操作は、複数の管理対象システムが混在する環境で、それらを連動させたい場合にも有効である。一般に、そうした連携を実現する場合には、Webサービスなどを利用したデータのやり取りが検討されるケースが多いが、EMCLIを使えば、よりシンプルに連携を実現できるのである。 「複数のシステム間の連携にあたって問題となるのはインターオペラビリティですが、EMCLIはテキスト・ベースで情報を吐き出すので、連携が非常に簡単でシンプルになります。規模にもよりますが、現在の設定情報がどのようなものか、どのような構成かといった情報を他のシステムに渡す際には、可読性が高く、加工も容易なテキスト・ベースでデータを扱えると便利なことが多いのです。EMCLIを使えば、そうした環境を簡単に作ることができます」(榑松氏) このように、EMCLIは複雑なシステム環境を効率的に運用管理するうえで非常に便利なツールだが、実際にOracle Enterprise Managerを利用しているユーザーの中にも、このツールの存在を知らない方が多いようだ。 「Oracle Enterprise ManagerのGUIで使える機能は、すべてEMCLIでも使えます。実際に現場の方にこの機能をご紹介すると、とても喜んでいただけるケースが多いですね。日常の管理作業はGUIで行い、一括で行う作業や細かいチューニングなどをEMCLIによって自動化することで、業務効率をさらに高めるといった使い方をお勧めしています」(榑松氏) オラクル製品で構成されるシステムの高度な監視や運用管理を可能にし、また"ビギナー管理者"にとっての扱いやすさばかりが注目されがちなOracle Enterprise Managerだが、一方でビギナー管理者からベテラン管理者まで、担当者のアイデア次第で、よりきめの細かい管理業務を効率的に行えるEMCLIのような機能も備えているのだ。 榑松氏は、「Oracle Enterprise Managerは、お客様に運用管理の方法論をお仕着せするものではなく、さまざまな環境やお客様の状況に合った機能をご提供することを目指し、そのためのインタフェースを用意しています」と話す。もし、「Oracle Enterprise ManagerのGUIは使いやすそうだが、コマンド操作が中心となる我が社の運用管理スタイルには向かない」と考えている方がおられたら、ぜひ一度、今回紹介したEMCLIをお試しいただきたい。ビギナー管理者からベテラン管理者まで、すべての担当者の能力を最大限に生かし、運用管理業務をより効率化するためのアイデアが浮かぶに違いない。《あなたへのお勧め記事》製品解説>>活用事例>>単一システムからクラウドまで、統合運用管理を実現するOracle Enterprise ManagerOracle Enterprise Manager統合運用管理活用事例関連ソリューション>>関連ホワイトペーパー>>Oracle Database 12c登場: Plug into the CloudOracle Enterprise Managerの図解付きでわかりやすい小冊子「今すぐ使える!…

企業のITマネジャーやシステム管理者にとって、複雑なシステム環境をいかに安定して運用し、なおかつ効率的に管理するかは、永遠の課題である。オラクルは、この課題の解決を支援するソリューションとしてシステム統合運用管理環境「Oracle Enterprise Manager」を提供している。オラクル製品で構成されたシステム環境の効率的な運用管理を実現する同環境は、さまざまなシステム情報...

05. システム統合管理

Oracle Exadataの管理はOracle Enterprise Managerでここまで楽になる!――Oracle Days Tokyo 2013レポート

圧倒的な性能や可用性が評価され、さまざまな業種の企業で旧式化した基幹システムのリプレースや統合データベース基盤として導入が進む「Oracle Exadata」。そこに投入されている最新テクノロジーは、システムの運用管理も劇的に効率化する。それを可能にしているのが、システム統合運用管理環境「Oracle Enterprise Manager」だ、2013年10月に開催されたOracle Days Tokyo 2013では、日本オラクルの若林千寿子氏(テクノロジー製品事業統括本部 基盤技術本部 DB技術グループ シニアエンジニア)が、同環境を駆使したOracle Exadataの管理ノウハウを紹介した。(編集部)ハードウェアからOS/ミドルウェア、アプリケーションまで、Oracle Exadataのすべてのレイヤを包括的に管理日本オラクル テクノロジー製品事業統括本部 基盤技術本部 DB技術グループ シニアエンジニアの若林千寿子氏 高い性能や可用性が求められる用途に向けてハードウェアとソフトウェアを最適化して融合したOracle Exadataは、大別してデータベース・システムを構成する「Database Grid」、フラッシュ・ストレージとHDDを組み合わせて構成された「Storage Grid」、システム内部での通信を高速に行う「InfiniBand Network」という3つの要素から構成される。 Oracle Exadataの運用では、これらの要素を包括的に管理していくことになるが、Oracle Enterprise Managerには、それに最適化された機能が備わっている。Oracle Daysにおけるセッション「統合運用管理製品Oracle Enterprise Managerによる実践、Oracle Exadata管理術」で講師を務めた日本オラクルの若林千寿子氏は、Oracle Enterprise Managerの特徴を次のように説明する。 「Oracle Enterprise Managerは、インフラやミドルウェアといった低階層レイヤから、その上のアプリケーションの管理機能、さらにはビジネス視点のビューまでを提供する包括的なシステム統合運用管理環境です。開発から運用までのシステム・ライフサイクルに合わせて、テストや予防的監視、問題発生時の深い診断や解決に向けたアドバイス、パフォーマンス改善のためのチューニングといった幅広い機能を提供しており、それによってIT投資価値の最大化と総所有コスト(TCO)の削減を実現するのです」(若林氏) 現実点の最新版はOracle Enterprise Manager 12c Release 3だが、このバージョンでは最新のOracle Database 12cに対応したのをはじめ、Oracle ExadataやOracle Exalogic、Oracle ExalyticsといったEngineered Systemsの管理機能の強化、クラウド環境に対応したライフサイクル管理機能の強化などが行われている。こうした特徴を備えるOracle Enterprise Managerによるシステム管理構成は次の図のようになる。ハードウェア/ソフトウェアの状態をビジュアルに一元管理。インフラに詳しくない担当者でも使いこなせる Oracle Exadataの監視にあたっては、管理エージェントをすべてのデータベース・サーバ上に配置することで、プラグインを経由して各種稼働データの収集が行える。これにより、Oracle Exadataを構成するハードウェアとソフトウェアの双方を一元的に監視することが可能になる。 Oracle Exadataを管理するためのホーム画面は次のようになる。 ご覧のとおり、実際のラック・イメージを見ながら、その中に存在するリソース・グループとコンポーネントの稼働状況、およびそれらの詳細を確認できる。ハードウェアに関しては、機器の稼働状況、搭載機器の温度状態なども一目で把握可能だ。ハードウェアとソフトウェアの双方で発生しているインシデントについても一覧表示が可能であり、必要に応じてそれらをドリルダウンし、より詳細な情報を見ることもできる。 Oracle Enterprise Managerは、管理対象となるシステム構成要素から「メトリック」と呼ばれる稼働情報を収集し、それを使って監視/管理を行う。ハードウェアを含むさまざまなメトリックの項目は管理対象ごとに事前に定義されているため、インストール直後から自動的に情報の収集と監視が行える。 例えば、Storage Gridの中核となるOracle Exadata Storage Serverの管理画面では、このメトリックを基にして、ステータスや容量、データベースごとのワークロード、サーバ全体のパフォーマンス、発生しているインシデントなどが一覧表示される。 また、パフォーマンスのグラフでは、Oracle Exadata Storage Serverの全体性能と合わせて、現在のストレージ装置のスループットが表示される。「全体の最大値とともに現状を確認できるので、例えばデータベースで性能劣化が生じている場合に、それがリソースを使い切っているためなのか、ほかの原因によるものなのかといった原因特定が一目で行える点が大きなメリットです」と若林氏は語る。そのほか、Oracle Exadata Storage Serverについては、Oracle Enterprise Manager上で一部のコマンドを実行したり、I/Oリソース・マネジャの設定を行ったりといった管理作業もビジュアルに行える。 データベース・サーバやInfiniBandネットワークについても同様に、さまざまなターゲットに対する監視を、統一されたスキームで行うことができる。データベースについては、CPUやメモリ使用率、ファイルシステムやネットワークの使用率、稼働しているハードウェアの状態などが、InfiniBandネットワークについては、各スイッチ・ポートの詳細情報、スループット、トポロジ、インシデント情報などが確認可能だ。加えて、Oracle Exadataの最新版管理プラグインである「Oracle Exadata Plug-in 12.1.0.4」はマルチラック構成の管理に対応し、大規模構成時にも単一の画面から各ラックの構成を確認する機能が新たに追加された。 「Oracle Enterprise Managerを使うことで、ハードウェアにあまり詳しくない運用管理担当者の方でも、Oracle Exadataで問題が生じている個所の特定や、その問題にどう対処すべきかの判断が容易に行えるようになるのです」と若林氏。運用管理の敷居が大きく下がることで、障害などへの対応もスピーディかつ的確に行えるようになるのだ。Oracle Databaseのパフォーマンス管理や障害対応も容易に 続いて若林氏は、Oracle Enterprise Managerを使った具体的な管理作業を、いくつかの例を挙げて説明した。1つ目はOracle Databaseのパフォーマンス管理だ。 通常、データベースのパフォーマンスに問題を感じた場合には、「その問題の内容は何か」、「問題の発生時間はいつか」、「発生していた待機イベントは何か」、「原因となったセッションは何か」、「発行されていたSQLは何か」といった具合に、問題発生原因の特定と対応、対策を順に実施していく必要がある。 「こうした待機イベントの調査や問題の発端となったセッションの調査を人手で行う場合、その作業はどうしても煩雑になります。また、そもそも調査や原因究明に必要な情報が取得できていないというケースも少なくないでしょう。Oracle Enterprise Managerでは、Active Session Historyという機能を使い、データベースからセッション情報を低負荷で取得し、リアルタイムにグラフで表示することができます。また、特定期間に実行されたSQLやセッションをグラフ上からドリルダウンして確認できるので、調査や対策にかかる工数を大幅に削減することが可能なのです」(若林氏) なお、Oracle Exadataに関しては、ハードウェアを切り口にして状況を把握することも可能だ。データベースごとのCPU使用状況やI/O使用状況などを併せて確認することで、どの処理が原因となってCPUやI/Oの使用率が上がったのかを容易に把握できるのだ。 若林氏がもう1つの例として挙げたのは、「バッチ作業の遅延」のように、特定の処理に大幅に時間がかかっている場合の対応である。ほかの業務に影響が出ないよう、業務時間外などに実行することの多いバッチ処理が何らかの理由で遅延した場合には、特に迅速な原因特定と対応方法の決定(処理の継続や中断など)が求められる。 こうした場合に利用できるのが「リアルタイムSQL監視」機能である。この機能を使うと、現在実行されているSQLの統計情報、全体の進行状況などをビジュアルに確認することができる。 「リアルタイムSQL監視では、今発生している問題に対してすぐにボトルネックを確認できるので、再現環境は不要です。また、ここで得た情報を基にすれば、次回以降のバッチ処理でどのような対策をとるべきかの指針も迅速に立てられるでしょう」(若林氏) 次に若林氏は、Oracle Enterprise Managerを使用した管理作業のデモを披露した。そのシナリオは、顧客管理用と開発環境のデータベースが動作するOracle Exadataに関して、管理者が「顧客管理システムのパフォーマンスが劣化した」という報告を受けたことを想定したものだ。 こうした場合には、まずOracle Exadataの管理画面の各種グラフで、「スループットなどが限界値に達していないか」、「リソースを圧迫しているクエリがないか」といったことを確認する。そして、例えば開発環境のデータベースがボトルネックになっていることがわかったら、そのI/Oリソース使用率を抑制するよう設定し、顧客管理システムのスループットを改善するという流れになる。 「Oracle Databaseには、パフォーマンスやSQLに関する問題の解決を支援する機能が数多く用意されていますが、それらとOracle Enterprise ManagerのOracle Exadata管理画面を組み合わせて使うことで、システムで発生しているリソース枯渇などの問題にシームレスに対応できるようになります。これが可能であるという点も、Oracle Enterprise Managerを利用する大きなメリットの1つだと言えるでしょう」(若林氏)オラクル製品のことはOracle Enterprise Managerに。主要ベンダーのシステム管理製品との連携も深化 Oracle Enterprise Managerの運用管理機能を使えば、データベース・オブジェクトのライフサイクル管理も行える。 システムを運用していく中では、アプリケーションの変更などによるデータベース・オブジェクトの更新作業が必要になるが、その際、人手でスキーマ定義や変更履歴をチェックして管理しようとすれば、非常に煩雑な作業になる。Oracle Enterprise Managerを使うと、こうしたオブジェクトの構成変更管理をビジュアルかつ容易に行えるのだ。 「Oracle Enterprise Managerが、開発データベース上にある前バージョンと最新バージョンのオブジェクト定義の差分を抽出し、リリースに必要なDDLを作成して実行するところまでを行います。オブジェクト定義の同期を、手作業よりも安全かつ確実に行えるのです」(若林氏) また、OSやデータベース・ソフトウェア、ハードウェアの構成管理機能も備えており、「システムの構成情報の収集や保存、履歴管理などを簡素化でき、テスト環境と本番環境の差分チェックや、異なるデータベースの初期化パラメータに差分があるかどうかの比較、ストレージ追加時の既存環境と新規ストレージの構成比較などに活用できます」と若林は説明する。 以上のようにOracle Enterprise ManagerのOracle Exadata管理機能を一通り説明した後、若林氏はNECおよび富士通との協業によるOracle Exadataの管理ソリューションを紹介した。 NECでは、同社のシステム運用管理ツール「WebSAM Application Navigator」とOracle Enterprise Manager 12cとの連携により、Oracle Exadataの障害予兆検知と原因特定の機能を強化しているという。【関連情報】>>NEC「WebSAM」と「Oracle Enterprise Manager」の連携はここまで来た!オラクル環境の詳細監視とシステム全体の監視をシームレスに統合!!>>NECがOracle Exadata対応のサービスを本格始動。 一次保守を提供し、運用管理製品のWebSAMもOracle Exadataに対応 一方、富士通では、Oracle Exadataのファーストライン・サポートの提供に合わせて、同社のシステム統合運用管理環境「Systemwalker」とOracle Enterprise Managerの連携機能を強化しているとのことだ。【関連情報】>>富士通「Systemwalker」と「Oracle Enterprise Manager」の連携に見る、システム統合管理環境の未来 このように両者との協業内容を紹介した後、若林氏は次のように呼びかけて講演を締めくくった。 「Oracle Enterprise Managerは、Oracle Exadataを構成するハードウェアとソフトウェアを同じ管理スキームでシームレスに扱えるという点で、Oracle Exadataの運用管理には不可欠なツールです。また、システムのライフサイクル管理の中で、システム管理者や開発者の業務を自動化/簡素化する機能も豊富に備えています。Oracle Exadataによる大規模な統合データベース基盤を導入される際には、ぜひ積極的な活用をご検討ください」【関連情報】>>Oracle Database 12c対応の「Oracle Enterprise Manager 12c R3」が登場。クラウド化などで複雑化するシステムの運用管理をさらに効率化《あなたへのお勧め記事》製品解説>>単一システムからクラウドまで、統合運用管理を実現するOracle Enterprise ManagerOracle Enterprise Manager活用事例>> 統合運用管理活用事例関連ソリューション>> Oracle Database 12c登場: Plug into the Cloud関連ホワイトペーパー>> Oracle Enterprise Manager 12cを最大限に活用し、コスト削減と新たなビジネスの…

圧倒的な性能や可用性が評価され、さまざまな業種の企業で旧式化した基幹システムのリプレースや統合データベース基盤として導入が進む「Oracle Exadata」。そこに投入されている最新テクノロジーは、システムの運用管理も劇的に効率化する。それを可能にしているのが、システム統合運用管理環境「Oracle Enterprise Manager」だ、2013年10月に開催されたOracle Days...

11. Others

Oracle LinuxとOracle WebLogic ServerでITインフラのコストはまだ下がる! コスト面でRed Hat Enterprise Linux、Red Hat JBoss EAPよりもメリットが大きい。その理由は?

企業のIT予算の多くを占める運用保守コスト。その削減に努めてきた企業に朗報だ。ITインフラの保守コストはまだ下げられる。特にRed Hat Enterprise LinuxやRed Hat JBoss Enterprise Application Platformといったオープンソース・プロダクトを利用している企業には、ぜひここで紹介するオラクルのソリューションをご活用いただきたい。企業が長期間にわたり安心して使いたいと考えた場合、「オープンソースだから安い」は常識ではないのだ。(編集部)ITの進化、顧客ニーズの多様化が、より高度なIT活用を企業に求める。そのための余力はITインフラ・コストのさらなる削減で確保 今日、企業のIT予算は、テクノロジーの面でも、またビジネスの面でも、大きなプレッシャーにさらされている。その根底にあるのは「ITの進化」と「消費者ニーズの多様化」だ。 スマートフォンやタブレットといったパーソナルなデバイスの日常生活への浸透、あるいはMachine to Machine(M2M)やInternet of Things(IoT)などと称される各種高機能デバイスを活用したビジネス/サービスの普及により、企業が扱うデータの量や、その処理に要するスピードは、従来とは比較にならないレベルに増大している。 また、消費者ニーズの変化が、企業のビジネス環境をより厳しいものにしている。これまで企業は、自社顧客の9割程度のニーズを満たせば、十分な成果を収めることができた。ところが現在では、消費者ニーズの多様化や変化の激しさから、この9割のニーズを満たし続けることも難しくなってきている。今日獲得した勝者の立場が、明日も掌中にあるとは限らないのだ。 こうした状況に対応しつつ、さらなる成長を目指す企業が取り組むべきことは何か。進化/多様化するITの活用スタイルに追随し、また消費者のニーズを的確にとらえ、俊敏に対応していくために、企業はより高度なIT活用、新たなIT活用、すなわち「ITによるイノベーション」に、より多くの投資を振り向ける必要がある。日本オラクル 製品戦略統括本部 Oracle Linux & Oracle VM営業部 部長の松崎展晃氏 しかし今日、企業のIT予算の7~8割は、既存のIT資産、特にITインフラの運用保守に費やされていると言われる。こうした状況を放置したままで、イノベーションのためのIT投資を捻出するのは困難だ。それでは、どうすべきか? 答えは明白である。現在、ITインフラに費やしている多額のコストを削減するのだ。日本オラクル 製品戦略統括本部 Oracle Linux & Oracle VM営業部 部長の松崎展晃氏は次のように語る。 「今日の企業経営では、さらなる成長に向けて『より高度な情報活用』や『ITを活用したサービス』への投資にいかに力を注ぐかが、極めて重要なテーマとなっています。つまり、企業ITの主要テーマは『イノベーションへの投資』です。同時にその裏側では、これまで多くのコストを占めてきたITインフラを極力シンプル化/均一化し、低コストで安定したものを作ること、つまり『ITのシンプル化』が大きな課題となっています。オラクルは長年にわたり、この表裏一体とも言える2つのテーマを追求してきました」ITインフラのコストはまだ下げられる。ポイントは「OSやアプリケーション・サーバの保守料金」 もちろん、これまでも企業はITコスト構造の見直しに取り組み、その改善に努めてきた。その努力は極限に達したと思われるかもしれないが、実はまだ手を入れる余地が見られる。その1つが「OSやアプリケーション・サーバの保守料金」だ。 ITインフラのコスト削減策の一環として近年、多くの企業がメインフレームやオフコンから、より安価なIAサーバへの移行を進めてきた。その際に選択されるOSの1つがLinuxである。企業で広く利用されているLinuxディストリビューションとしてはRed Hat Enterprise Linuxが挙げられるが、これについて発生している保守料金を大きく削減する方法があるのだ。それは「Oracle Linuxへの移行」である。松崎氏はOracle Linuxの特徴を次のように説明する。 「オラクルが無償で提供するOracle Linuxには、2つの特徴があります。1つ目は『ローリスクで高いコスト削減効果が得られる』こと。2つ目は、『オラクル製品の実行環境として最適化された、最も信頼性の高いOS』であるということです」Oracle LinuxはRed Hat Enterprise Linuxと完全互換。既存のRed Hat環境を、そのままOracle Linuxとしてオラクルがサポート 「ローリスクで高いコスト削減効果が得られる」という特徴について具体的に説明しよう。これに関してポイントとなるのは、「Oracle Linuxは、Red Hat Enterprise Linuxと完全互換である」ということだ。Oracle LinuxはRed Hat Enterprise Linuxと完全互換のカーネルを提供しており、Red Hat Enterprise Linux上で稼働するシステムは、そのままOracle Linux上に移行することができる。 加えて言えば、Oracle Linuxのサポート契約を結ぶと、Red Hat Enterprise LinuxとしてインストールしたLinux環境のサポートを、引き続きオラクルから受けることができる。つまり、サポート契約の手続きを行うだけで、既存のRed Hat Enterprise Linux環境には手を入れることなく、Oracle Linuxへの移行が完了するわけだ。 また、オラクルは現在、自社ソフトウェア製品のほとんどすべてをOracle Linux上で開発およびテスト、チューニングしている。つまり、オラクル製品はOracle Linuxに最適化されている。これが2つ目の「オラクル製品の実行環境として最適化された、最も信頼性の高いOS」という特徴につながる部分であり、Oracle Linuxがオラクル製品を最も安心して使えるプラットフォームである理由ともなっている。 「Unbreakable Enterprise Kernel(UEK)」と呼ばれる独自の堅牢なLinuxカーネルを利用できる点も大きな特徴だ。Oracle Linuxでは、Red Hat Enterprise Linuxと完全互換の2.6系カーネルと、オラクルのソフトウェア製品に最適化されたUEKのいずれかをシステム起動時にユーザーが自由に選ぶことができる。オラクル製品の稼働環境としてUEKを選択すれば、より高い性能や信頼性が得られるというわけだ。Red Hat Enterprise LinuxからOracle Linuxにライセンスを切り替えるだけで大幅にコストダウン それでは、上記のような特徴を備えるOracle Linuxにより、具体的にどの程度のコスト削減が見込めるのだろうか。例えば、2CPUソケットまでのエディションで比較した場合、Oracle Linuxは24時間365日対応のサポート料金が5万4,240円(年額)となるが、Red Hat Enterprise Linuxの場合は同条件で16万3,000円(年額)となる。つまり、既存システムにはまったく手を入れることなく、単にOracle Linuxにライセンスを切り替えるだけでコストを約3分の1に圧縮できるのである。 また、近年はシステムの集約率を高めるために仮想環境でLinuxを使うケースが多く見られるが、その場合のコストも比較してみよう。実は仮想環境で使うと、コスト・メリットはさらに大きくなる。 Oracle Linuxは、仮想環境で稼働が許されるゲストOSの数に制限を設けていない。したがって、仮想環境で多くのゲストOSを使用しても、サポート費用は5万4,240円(年額)と変わらない。 これに対して、Red Hat Enterprise LinuxでゲストOS無制限のライセンスを利用した場合、24時間365日対応のサポート料金は42万2,400円(年額)となる。つまり、Oracle Linuxに移行すれば、仮想環境で使用する場合のサポート料金は約8分の1程度にまで削減できる計算となる。ITインフラのコストダウンを考えるうえで、これは無視できない金額だろう。 さらなるコスト削減に踏み込むのなら、オラクルが提供する「Oracle VM」を組み合わせるのも有効だ。Oracle VMはオープンソースのXenを独自拡張して開発された仮想化プラットフォームである。ライセンスは無償でサポート料金も安価なため、コスト負担を抑えつつ仮想環境を構築することが可能となる。Oracle Linuxや他のオラクル製品と併せて、オラクルからワンストップのサポートを受けられる点も大きなメリットだ。Linuxをアプリケーション実行基盤として使うのなら、Oracle WebLogic Serverでさらなるコストダウンを。実はJBoss EAPよりも安く済む Linuxの保守料金を見直すのなら、併せてLinux上で稼働するJavaアプリケーション実行環境(アプリケーション・サーバ)のサポート料金を見直すこともお勧めしたい。 これまでコストを重視してRed Hat Enterprise Linuxを使用してきた企業では、アプリケーション・サーバとしてRed Hat JBoss Enterprise Application Platform(EAP)を利用しているケースが多いだろう。ライセンスが無償(オープンソース)のJBossを、有償サポート契約を結んで使うというパターンである。企業が利用する場合、これが最も安い選択だと思われるかもしれないが、実はそうではない。オラクルが提供する高性能なアプリケーション・サーバ「Oracle WebLogic Server」と比較してみよう。 JBoss EAPのPremium EditionとOracle WebLogic ServerのStandard Editionでは、いずれも24時間365日対応のサポートが提供される。JBoss EAPの場合、ライセンス料金は無償。サポート料金はCPUのコア数に連動しており、最小単位は16コア、年間のサポート料金は125万円である。 これに対して、Oracle WebLogic Serverの場合、ライセンス料金とサポート料金はいずれも有償。料金は物理CPUの数に連動しており、CPUのコア数は問わない。最小単位は1CPUで、1CPU当たりのライセンス料金は109万円、サポート料金は1CPU当たり年額24万円となる。 ここで1つ、十分にご検討いただきたいことがある。一度導入したアプリケーション・サーバは、果たして何年くらい使い続けるだろうか。もちろん、これはシステムの特性によって異なるが、短期間で頻繁に入れ替えるケースは少なく、5年程度は使い続けるというケースが大半ではないだろうか。 それでは、アプリケーション・サーバを5年間使い続けると想定した場合、ライセンス料金とサポート料金の総額は、Oracle WebLogic ServerとJBoss EAPでそれぞれどの程度になるのか。それを比較したのが次の表だ。 この結果から、5年間の総額では、Oracle WebLogic Serverが3割近く割安であることがおわかりいただけるだろう。しかも、コア数に連動するJBoss EAPに対して、Oracle WebLogic ServerはCPU数で料金が決まるため、コア数の多い高性能なCPUを使えば、JBoss EAPに対するコスト優位性はさらに高くなる。Oracle WebLogic ServerならJava SEの長期保守ライセンスが付属。セキュリティ面でも長期間にわたり安心して使える JBoss EAPと比較したOracle WebLogic Serverのメリットはこれだけではない。オラクルが別途有償で提供している「Java SE Advanced」のJava SE長期保守が標準で付属していることも大きなポイントだ。Java SE Advancedとは、次のようなサービスから成る有償ライセンスである。Java SEの無償保守期間終了後も、セキュリティ脆弱性や不具合に対応するためのパッチを長期間にわたって提供システムの稼働情報記録ツール「Java Flight Recorder」やシステムの問題究明ツール「Java Mission Control」など、Java SEの利用価値を高めるツールの提供 JBoss EAPを利用する企業では、オラクルが提供する無償のJava SEを利用しているケースが多いだろう。Java SEには無償保守期間が定められており、例えば2012年7月にリリースされたJBoss EAP 6が準拠するJava SE 7の場合、無償保守期間は2015年3月が予定されている。つまり、JBoss EAP 6のリリースから2年後となる来年半ば以降、Java SE 7のアップデートは無償では受けられなくなる。OSやミドルウェアのセキュリティ脆弱性を突いたサイバー攻撃が頻発している昨今、セキュリティ脆弱性を修正したアップデートを受けられない環境を使い続けることには大きなリスクが伴う。 これに対し、Oracle WebLogic ServerはJava SEの長期保守を標準で同梱している。例えば、2011年12月にリリースしたOracle WebLogic Server 12cが準拠するJava SE 7の場合、2019年7月末までアップデートを受けられる。JBoss EAP 6の約2年に対して、Oracle WebLogic Server 12cの場合は約7年半もの間、オラクルが責任を持ってセキュリティ脆弱性を修正したアップデートを提供するわけだ。前述したように、通常5年程度は稼働し続ける企業システムのライフサイクルを考えた場合、システムを安心して使い続けられるという点で、この長期サポートは大きな魅力と映るはずだ。 もちろん、JBoss EAPでも、オラクルのJava SE Advancedを別途購入して、Java SEの長期保守サポートを受けることはできる。ただし、その場合はJava SE Advancedの料金が加算されることになり、長期間使い続けた場合のOracle WebLogic Serverとの費用差はさらに広がることになるので注意されたい。仮想環境とOS、アプリケーション・サーバを組み合わせて使うと、オラクル環境のコスト・メリットはさらに高まる 以上のように、Oracle LinuxとOracle WebLogic Serverは、オープンソースのRed Hat Enterprise LinuxとJBoss EAPに対してコスト面で大きなメリットを持つ。そして、この優位性は、Oracle LinuxとOracle VM、Oracle WebLogic Serverを組み合わせて利用した場合には一層拡大する。 ここで、仮想環境からOS、アプリケーション・サーバまでを組み合わせて利用した場合のコストを比較してみよう。仮想化プラットフォームとしてVMwareを使い、その上でRed Hat Enterprise LinuxとJBoss EAPを組み合わせて5年間利用した場合のコストと、Oracle VM上でOracle LinuxとOracle WebLogic Serverを組み合わせて5年間利用した場合のコストを比較した結果は次のようになる。 この結果からもわかるように、「Oracle Linux+Oracle VM+Oracle WebLogic Server」の環境に移行すれば、5年間で約400万円(約44%)ものコスト削減効果が生まれる。この比較は小規模なシステムを想定したものだが、システムの規模が大きくなれば、両者のコスト差はさらに広がる。 しかも、ご注意いただきたいのは、このコスト比較では「VMware+Red Hat Enterprise Linux+JBoss EAP」側にJava SE Advancedのライセンス料金を含めていないということだ。これを含めて比較した場合、「Oracle Linux+Oracle VM+Oracle WebLogic Server」のコスト優位性はさらに高まる。長期間にわたり安心して使える「Oracle Linux+Oracle VM+Oracle WebLogic Server」のほうが、実はコストも大幅に安い。これが厳然たる事実なのである。 これまで多くの企業はITインフラのコスト削減に多くの努力を傾けてきた。もはや手を入れられる場所はないと諦めておられるかもしれないが、少し視点を変えれば、まだコスト削減の余地は残されている。繰り返すが、ITインフラのコスト削減を図るうえでの鍵は、「OSやアプリケーション・サーバの保守料金」だ。利用するサービスやシステムの性能/品質を落とすことなく、これらのコストを削減する手段が今すぐに利用できる。これらをうまく活用してITコスト構造の見直しを図り、貴重な資源をさらなる成長のための投資に振り向けていただきたい。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> エンタープライズに最適なOracle Linux情報サイト活用事例>> NTTドコモが顧客情報管理システムのアプリケーション実行基盤として「Oracle WebLogic …関連ソリューション>> 最高のパフォーマンスを、最小限のコストで - Oracle Exadata Database Machine関連ホワイトペーパー>> 今すぐ使える「Oracle Linux」移行ガイドブックダウンロードキャンペーン実施中

企業のIT予算の多くを占める運用保守コスト。その削減に努めてきた企業に朗報だ。ITインフラの保守コストはまだ下げられる。特にRed Hat Enterprise LinuxやRed Hat JBoss Enterprise Application Platformといったオープンソース・プロダクトを利用している企業には、ぜひここで紹介するオラクルのソリューションをご活用いただ...

03. ビッグデータ

データの価値を今すぐ現場に、経営層に! オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める“3つの理由”──第3回 インテグレーション編

オラクルのビジネス・アナリティクス(BA)ソリューションでは、豊富なラインアップを取り揃えるBAおよびビジネス・インテリジェンス(BI)製品間でスムーズな連携が実現されているだけでなく、その根底にあるデータや実行環境となるシステム基盤、さらには運用管理機能やセキュリティ機能までもが密接に統合されている。今回は、オラクルのBAソリューションの強化テーマの1つである「インテグレーション」について、主なポイントを紹介しよう。(編集部)【緊急告知! 2014年2月20日にオラクルBAセミナー開催!!】 2月20日に、本企画で取り上げているビジネス・アナリティクスをテーマにしたセミナーを都内で開催します。詳しくは、記事末尾のイベント開催情報をご覧ください。オラクルBAの「インテグレーション」が意味すること これまで度々述べてきたように、オラクルのBAソリューションは、圧倒的な処理能力を誇るEngineered Systemsと各種のBA/BIソフトウェア群から構成される。【オラクルのBAソリューションを構成する主な製品群】Oracle Big Data Appliance:ビッグデータに対応したHadoopベースの高速なデータ統合基盤Oracle Exadata:Oracle Databaseを搭載した高速なデータ統合基盤Oracle Exalytics:各種BI/BAソフトウェアを搭載可能な高速なデータデータ分析基盤Oracle Advanced Analytics:統計解析およびデータ・マイニング・ソリューションOracle BI Foundation Suite:高度な統合BIソフトウェア・スイートOracle Endeca Information Discovery:構造化データと非構造化データのデータ・ディスカバリー・ツール 今回取り上げる「インテグレーション」は、オラクルのBAソリューションならではとも言える特徴の1つであり、根底に流れる製品設計上のテーマでもある。そのポイントは、大きく次の2つに集約することができる。オラクルが開発した企業の共通情報基盤「Common Enterprise Information Model(CEIM)」によるデータ統合とBA/BIソフトウェアの連携に加えて、ハードウェアとソフトウェアを融合した高性能な情報基盤を実現BIシステム全体の統合的な運用管理と、モバイル・デバイスも含めた統合的なセキュリティを実現 以降、これら2つのポイントに沿い、オラクルのBAソリューションにおける「インテグレーション」の特色を見ていこう。すべてのBA/BI製品に共通の情報基盤が、常に"ただ1つの事実"に基づくスピーディな判断を可能にする日本オラクル 製品戦略統括本部 Business Analyticsビジネス推進本部 担当ディレクターの工藤啓介氏 CEIMとは、オラクルが独自に開発したBA/BI製品のための共通情報基盤だ。「『Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition(OBIEE)』では、このCEIMを通じて、RDBMSや『Oracle Essbase』のような多次元データベース、さらには非構造化データ、各種ファイルなどを仮想的に統合し、情報の一貫性/整合性を保ちながら、さまざまなBI機能のシームレスな連携/統合を実現しています」と日本オラクルの工藤啓介氏(製品戦略統括本部 Business Analyticsビジネス推進本部 担当ディレクター)は説明する。 CEIMは、「物理モデル層」と「ビジネス・モデル(論理モデル層)」、「プレゼンテーション層」という3つのレイヤで構成される。 このうち、CEIMにおけるビジネス・モデルとは、データの利用者(エンドユーザー)の分析上の視点に基づいて業務をモデル化したものだ。これはまた、プレゼンテーション層でエンドユーザーが用いる「サブジェクトエリア※」を構成するオブジェクトでもある。つまり、エンドユーザーは、このビジネス・モデルを用いて、各データソースの物理的な構造を意識することなく、エンドユーザーの業務の切り口/視点から情報を取得し、さらなる分析/レポートの作成などに役立てられるのである。 ※ 業務/職務単位で定義/用意された論理データ・モデル。BI環境のプレゼンテーション層に位置づけられる。 従来のBIシステムでは、部門や部署、あるいは経営幹部の個別ニーズに応じたデータ・ウェアハウス(DWH)やデータマートがいくつも構築され、その結果、それぞれの間でデータの不整合や矛盾が生じるといったことが起きてきた。また、より単純な問題として、異なるDWHやデータマートを使うことから、営業部門が報告する売り上げと経理上の売り上げとの間に相違が生じるといったケースがしばしば発生してきた。 これらの問題を引き起こす最大の要因は、営業や販売、財務、あるいは経営層など、それぞれの立場や職務により、「どの時点の、どのデータによってビジネス・パフォーマンスを評価するか」、「何をもって利益と見なすか」などの視点が異なっていたことにある。つまり、この視点の相違が、収集/分析の対象となるデータやその範囲の違いにつながり、結果的に、エンタープライズBIにおけるデータマートの乱立やデータの不整合といった問題を発生させてきたのだと言える。 「CIEMは、こうした従来のBIやデータ・ウェアハウスが抱えていた問題を抜本的に解決する仕組みです。これにより、多種多様なデータソースのデータを仮想的に統合し、データ利用者の視点に基づくビジネス・モデルとして組み立て、"ただ1つの真実(Single fact of the truth)"を、すべての業務/部門/部署で共有することが可能となるのです」と工藤氏はCEIMの効用を説く。CEIMをベースにしたBI製品間の連携により、企業のあらゆる情報分析ニーズに対応日本オラクル 製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ担当ディレクターの石家丈朗氏 CEIMはまた、OBIEEが提供する多様なBI機能を1つにまとめ上げる情報モデル基盤でもある。 「今日では、オラクル製品に限らず、多くのBIツールが多機能化しており、BIツールを企業全体の情報基盤として活用しようという動きも活発化しています。CEIMは、その流れの中で、オラクルのBIツールを1つに統合する役割も担っているのです」と日本オラクル製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ担当ディレクターの石家丈朗氏は話す。 実際、OBIEEでは、定型レポート・ツールの「Oracle BI Publisher」をはじめ、モバイルBIやスコアカード、ダッシュボード、コラボレーション、サーチ、Office統合といった多岐にわたる機能がCEIMという共通基盤上でシームレスに連携している。これにより、例えばPublisher定型レポート上でビジネス上の課題を発見して、その真の原因を分析ダッシュボードを活用して深く追及し、対応策をEssbaseのシミュレーション機能を使って検討するといったことが行える。 また、コラボレーション機能を提供する「Action Framework」を活用することで、BIダッシュボードと基幹ERPの連携なども実現できると石家氏は語る。 「例えば、BIダッシュボード上の情報を通じて、ある得意先に対する売掛金の回収が90日以上滞っていることがわかったとします。Action Frameworkを使えば、そのような場合にダッシュボードから直接ERPの画面を呼び出し、得意先との取り引きを一時的に停止するといったオペレーション・ロジックの記述、およびシステムへの組み込みが行えるのです」(石家氏) さらに、オラクルのBAソリューションでは、「業務レポーティング」や「非定型検索/分類」、「多次元分析」、「プランニング/予算」、「非構造化データ分析」、「予測分析(統計解析)」といった情報の活用/分析にかかわる各種ソリューションを一気通貫で連携させることも可能だ。 「オラクルは経営管理のためにEPM(Enterprise Performance Management)ソリューションを提供していますが、これをOBIEEと連携させれば、BIツールを使って経営課題の解決に役立つ情報を探索したり、経営上の問題点を見える化したりできるでしょう。Oracle EssbaseとOBIEEを統合し、ビジネスの過去と現在、そして将来予測を1つのBIダッシュボード上に可視化するといったことも可能です。Oracle Databaseには先進的な統計解析機能がビルトインされているため、Oracle Databaseのデータを統計解析した結果をOBIEE上で可視化したり、その結果得られる予測情報をEPMによる経営計画策定に役立てたりといった使い方も可能なのです」(工藤氏)優れたBI機能も、パフォーマンスが悪ければ使われない。BAの全ライフサイクルをカバーするEngineered Systemsで高速なデータ処理を実現 このように、「データ」と、それを利用する「ソフトウェア」の緊密なインテグレーションを実現するとともに、それらを利用するシステム基盤についてもEngineered Systemsとして高度なレベルでハードウェアとソフトウェアの融合を図っている点も、オラクルのBAソリューションの大きな特色だ。 オラクルは現在、BA/BIシステム基盤として活用できるEngineered Systemとして「Oracle Big Data Appliance」、「Oracle Exadata」、「Oracle Exalytics」の3製品をラインアップしている。それぞれ、データの「取得/蓄積」、「統合」、そして「分析」という、BA/BIに関する処理で性能上のボトルネックとなりうる各ポイントをターゲットに、最高のパフォーマンスを発揮するシステム基盤として提供されている。 「バックエンドのデータベースの性能をいくら高めても、フロント部分の分析処理の性能が低ければ、BIシステム全体を高速化することはできません。そこでオラクルがBA/BIシステムの基盤としてご提供しているのがEngineered Systemsです。実際にOracle ExadataとOracle Exalyticsの組み合わせを選択されたお客様は、システム全体の性能を飛躍的に向上させ、スピーディなデータ活用を実現されています」と石家氏は明かす。 なお、Oracle Exalyticsは現在、インテル/Linuxベースの製品とSPARC/Solarisベースの製品を取り揃えており、後者の最新版である「Oracle Exalytics T5-8」は、4TBのメモリと、128のプロセッサ・コア、3.2TBのフラッシュ・ストレージを搭載している。BIシステムの運用管理、セキュリティ対策もカバー さらに加えて、「BIシステムの運用管理」と「セキュリティ」についてもインテグレーションの対象としていることも、エンタープライズ・レベルでの柔軟な活用を想定したオラクルBAソリューションの大きな特徴である。 まず、BIシステムの運用管理について言えば、オラクル製品用のシステム統合運用管理環境「Oracle Enterprise Manager」の、OBIEE管理に特化したオプション「Oracle BI Management Pack」 を通じて、BIソフトウェアからハードウェアに至るまでを統合的に運用管理することが可能となっている。 一方、セキュリティに関しては、オラクルのFusion Middlewareをフルに活用した高度なセキュリティの仕組みをエンタープライズ・レベルで実装することができる。Oracle DatabaseやEssbaseのデータソース側のセキュリティ機能とも統合可能であり、バックエンドでは情報システム部門がセキュリティ・ガバナンスを担保しつつ、エンドユーザーに対しては、より自由なデータ活用を促す基盤を提供できる。ここでも特筆すべき点は「インテグレーション」であり、エンドユーザーがどのような場所/クライアント・デバイスからBI基盤にアクセスしてきても、まったく同一のセキュリティで対応する仕組みを提供している。 情報システム部門にとって大きな課題の1つであるモバイル・デバイスのセキュリティを統合している点も重要なポイントだ。 オラクルのBAソリューションにおけるモバイル対応については本企画の第1回「モバイル編」で詳しく触れているので割愛するが、モバイルに関して提供されるソリューションは大きく2つの製品から成る。1つは既存のBIアプリケーションをiOS向けにモバイル化する「Oracle BI Mobile HD(Mobile HD)」、もう1つはHTML5ベースのモバイル・コンテンツ開発環境「Oracle BI Mobile App Designer(MAD)」である。 これらのソリューションにおいても、OBIEEに共通のエンタープライズ・セキュリティ・モデルによる管理が実現され、CEIMで定義されたデータ閲覧の権限が、モバイル・デバイスでもそのまま反映される。 まずMobile HDでは、「Oracle BI Mobile Security Toolkit」を使い、専業ベンダーのモバイル・デバイス管理(MDM:Mobile Device Management)製品と連携させ、Mobile HDのアプリケーションをラッピングすることができる。これにより、高度なモバイル・セキュリティを実装可能である。なお、オラクル自身も先頃、MDM製品ベンダーのビッツァー・モバイル(Bitzer Mobile)を買収しており、今後はより高度なMDM連携が実現されていくことが予想される。 一方、MADはHTML5に対応しており、MDMベンダーが提供しているセキュア・ブラウザを利用可能だ。セキュア・ブラウザはデバイス側にキャッシュを一切残さないのに加えて、ゲートウェイによる暗号化機能も提供しており、これらによって高度なセキュリティを実装できる。デバイス・ベンダーが提供するリモートからのデータ消去の仕組みも活用することで、紛失/盗難時における情報漏洩を防ぐ何重もの"壁"を作れるわけだ。 このように、オラクルのBAソリューションでは、ソフトウェア間のスムーズな連携にとどまらず、その根底にあるデータやシステム基盤、運用管理、セキュリティのレベルでも高度なインテグレーションが図られ、エンドユーザーにとっての使いやすさや高速なデータ処理、高い運用管理性、そして高度なセキュリティを実現している。この「インテグレーション」こそ、"ITのシンプル化"を推進するオラクル製品ならではの特徴だと言えるかもしれない。 以上、本企画では3回にわたり、オラクルのBAソリューションが強化テーマとして掲げる「モバイル」、「ユーザー志向」、「インテグレーション」の主なポイントを紹介してきた。次に挙げるような特徴を備えるBAソリューションをお探しのご担当者は、ぜひ一度、オラクルのBAソリューションの実力をご評価いただきたい。経営層や現場がすぐに使いこなせる、積極的に使いたくなるBAソリューション全社規模などエンタープライズ・レベルで利用できる処理能力や機能を備えたBAソリューションセキュリティも含め、モバイル・デバイスでの利用が考慮されたBAソリューションシステム全体の管理性に優れたBAソリューション なお、2014年2月20日、日本オラクルはビジネス・アナリティクスをテーマにした下記セミナーを開催する予定だ。同セミナーでは、今メディアでも注目を集めている統計家 西内啓氏による特別講演を予定している。本記事を読まれた方は、ぜひこちらのセミナーにもご参加いただきたい。【いま話題の統計家 西内啓氏が講演! 2月20日にオラクルBAセミナー開催!!】 来る2月20日、日本オラクルはビジネス・アナリティクスをテーマにしたセミナー「Oracle Business Analytics Forum~グローバル経営・リアルタイム分析の理想に導く最強の情報基盤」を開催します。 本セミナーでは、ビジネス上の意思決定におけるデータに基づく検討の重要性と、今日の企業がこれを実践するうえで鍵となるポイント、さらには先進企業における実践例をご紹介します。特別講演には、書籍「統計学が最強の学問である」でも話題の統計家 西内啓氏をお招きしています。ビジネス・アナリティクスをはじめとするデータ活用にご関心をお持ちの皆様は、ぜひ奮ってご参加ください。イベント名:Oracle Business Analytics Forum~グローバル経営・リアルタイム分析の理想に導く最強の情報基盤開催日時:2014年2月20日(木) 13:30~17:00(13:00 受付開始)開催場所:八芳園(白金台)参加費:無料イベント・サイト/参加申し込み:詳しくはこちら《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Exalytics In-Memory Machine活用事例>> オラクル製品の顧客事例(英語)関連ソリューション>> Oracle Business Intelligenceのツールおよびテクノロジー関連ホワイトペーパー>> Oracle Business Intelligenceの関連資料連載「データの価値を今すぐ現場に、経営層に!オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める"3つの理由"」第1回 モバイル編 | 第2回 ユーザー志向編

オラクルのビジネス・アナリティクス(BA)ソリューションでは、豊富なラインアップを取り揃えるBAおよびビジネス・インテリジェンス(BI)製品間でスムーズな連携が実現されているだけでなく、その根底にあるデータや実行環境となるシステム...

03. ビッグデータ

企業が扱うあらゆるデータを自在に分析。ビジネス・アナリティクスを全方位で支えるオラクルのソリューション群──Oracle Days Tokyo 2013レポート

「データの活用力を高め、それを組織や企業、ビジネスの成長や発展、あるいは変革に生かしていく」──そのことの重要性について、異を唱える向きはまずおられないだろう。とは言え、「経営に資する情報活用」の実現は容易ではなく、そのための仕組みをどのようにして作るかが企業にとって大きな課題となっている。2013年10月に開催された日本オラクルのイベント「Oracle Days Tokyo 2013」では、オラクルのBusiness Analytics戦略に焦点を当てたセッションが実施され、米国オラクル ビジネス・アナリティクス製品担当バイス・プレジデントのジャック・ベルコウィッツ氏がスピーカーを務めた。その要旨を紹介する。(編集部)オラクルのBAソリューションを支える4つの柱米国オラクル ビジネス・アナリティクス製品担当バイス・プレジデントのジャック・ベルコウィッツ氏 「オラクル・ビジネス・アナリティクス戦略とロードマップ~ビッグデータの力、Business Analyticsの力が世界中のビジネスをどのように変革しているのか?」と題されたジャック・ベルコウィッツ氏の講演では、Business Analytics(BA)に対するオラクルの考え方と、それに基づく製品群と技術、および方向性が体系立てて示された。 今日、オラクルのBAソリューションは多彩な製品と技術から成り立っており、ソリューションが提供する機能も多岐にわたる。ただし、ベルコウィッツ氏によれば、それらの機能の柱は、次の4点に集約できるという。ビッグデータを含む、あらゆるソースの、あらゆるタイプのデータへの対応あらゆる種類のアナリティクスへの対応統合化されたパフォーマンス管理/アプリケーションの提供オンプレミスとクラウド双方への対応 これら4つの柱のうち、2つ目の「あらゆる種類のアナリティクスへの対応」と、3つ目の「統合化されたパフォーマンス管理/アプリケーションの提供」は、それぞれ下図に示す多岐にわたるソフトウェアによって実現されている。 これらのソフトウェアの中で、ベルコウィッツ氏が特に多くの時間を割いて説明したのが、オラクルのBIソフトウェア・スイート「Oracle Business Intelligence(BI) Foundation Suite」の概要、そして同スイートの中核を成すBIソフトウェアの最新版「Oracle BI 11.1.1.7」の強化ポイントである。 Oracle BI Foundation Suiteは、「共通エンタープライズ・インフォメーション・モデル(CEIM:Common Enterprise Information Model)」と呼ばれるセマンティック・モデルをベースに構成されている。このCEIMは、「多種多様なデータソースのすべてを共通のエンタープライズ・インフォメーション・モデル(セマンティック・モデル)に取り込み、各部門/部署間での円滑な活用を実現する」というコンセプトに基づいて設計されている。 そして、このセマンティック・モデルを取り巻くかたちで、「対話型ダッシュボード」や「定型レポーティング」、「非定型検索」、「バランスド・スコアカード」、「What-Ifシミュレーション」、「地図ベースのデータ可視化/分析」、「モバイル・ストリーミング」、「Office連携」など多彩な機能を提供するツール群を取り揃え、データの可視化/分析/活用を巡るあらゆる要求を満たしていくというのが、Oracle BI Foundation Suiteの全体像となる。 こうしたコンセプトの下に提供されるBIソフトウェアの最新版であるOracle BI 11.1.1.7では、多次元分析エンジン「Oracle Essbase」がコンポーネントとして組み込まれ、セキュリティや管理機能の密接な統合化が実現されたほか、レポーティング機能(BI Publisher)の強化、新ツール「Oracle SmartView」によるOfficeとの統合/連携強化など、ビジネスの現場におけるデータ活用/分析/共有のセルフサービス化や簡素化を後押しする機能拡張も行われている。 「例えば、SmartViewは、OfficeとOracle BI Foundationのセマンティック・モデルの緊密な連携を実現するものです。これにより、Excel上でセマンティック・モデル上の分析データを取り込み、加工したり、再分析をかけたりできるようになるのはもちろん、Excel上でユーザーが自ら作成した分析レポートをBIサーバ側にパブリッシュし、セマンティック・モデルを介して共有するといったことも実現できます」(ベルコウィッツ氏) またベルコウィッツ氏は、ビジネスの現場におけるデータ活用、BI活用の高度化を加速させるもう1つの原動力として、Oracle BI Foundation Suiteで提供されるモバイルBIソリューション「Oracle BI Mobile」を挙げた。 「Oracle BI Mobileは、ビジネスの現場におけるデータ活用スタイルの高度化を一挙に推し進める能力を秘めています。実際に、オラクル社内でOracle BI Mobileの活用を始めたところ、営業などの現場に急速に普及し、BAユーザーが爆発的な勢いで増加しているところです」(ベルコウィッツ氏)RDBMSからテキスト情報、ソーシャル、ERPまで、現実への洞察を素早く、簡単に得るための手立てを網羅 オラクルのBA戦略上、ビッグデータへの対応も重要な要素だ。すでに同社はHadoopベースのアプライアンス「Oracle Big Data Appliance」などさまざまなビッグデータ・ソリューションを展開している。また、Hadoopに関しては、コネクタを通じてOracle Big Data Appliance上のデータをOracle Databaseに取り込み、より高度な分析を行うための環境も整えている。さらに、Oracle BI 11.1.1.7では、Hadoopのデータを直接Oracle BI Foundation Suiteから取得し、ダッシュボートなどで扱うためのコネクタも提供している。 加えて、オラクルはOracle Databaseを活用した高度な分析のソリューション(Oracle Advanced Analytics)もBA戦略の柱の1つとして位置づけている。 「Hadoopを自在に扱えるエンジニアは、SQLのエンジニアと比べるとまだ少数派です。Hadoop上のデータを用いて、データ・マイニングや統計解析、予測分析など、より高度な分析を行おうとするならば、やはりHadoopのデータをOracle Databaseに取り込むほうが効率的で現実的なソリューションだと言えます」(ベルコウィッツ氏)。 とは言え、Oracle Databaseで高度な分析を行うには、やはりデータベース技術やデータ分析に関する相応の専門知識が求められる。それに対して、専門的な知識を持たないビジネスの現場の担当者が、「疑問への答え」や「ビジネス上の問題点」を、もっと手軽で簡単に、なおかつ迅速に発見/探索したいと考えるケースもあるだろう。そうした要求を満たすツールとして、オラクルは「Oracle Endeca Information Discovery」も提供している。 Oracle Endeca Information Discoveryは、検索(サーチ)の手軽さとデータ分析のアプローチを融合したソフトウェアであり、「活用に際して特別な知識は不要であり、あたかもGoogleやAmazon.comで検索や買い物をするのと同じような感覚で、ビジネス上の知見を得るための試行錯誤が行えます。つまり、システムに"質問を投じる"ようにして、現状に対する洞察(インサイト)を導き出していけるのです」(ベルコウィッツ氏)。 Oracle Endeca Information Discoveryは、すでにさまざまな組織/企業で利用されており、例えばある自動車メーカーでは、同ツールを品質管理に活用しているという。具体的には、修理担当のエンジニアなどが収集した顧客のコメントから、問題やクレームへのプロアクティブな対処につながるインサイトを得ているとのことだ。 また、Oracle Endeca Information Discoveryの最新版(バージョン3.1)では、「データ・ローダー」や「データ・マッシュアップ」、「ディスカバリー」といった機能のセルフサービス化がさらに推し進められ、日本語対応も実現し、日本語によるテキスト抽出やタグ付け、感情分析などが可能になっているという。 一方、BAシステムの早期導入と早期の投資回収を可能にするソリューションとしてベルコウィッツ氏が紹介したのが、BIアプリケーション群「Oracle BI Applications」だ。オラクルは、すでに金融サービスや人事管理、プロジェクト管理、サプライチェーン管理、さらには顧客管理など、さまざまな業種/職域に特化した80種のOracle BI Applicationsを用意している。最新リリースの「Oracle BI Applications 11g PS1」では、Oracle Business Intelligence 11.1.1.7の最新技術が取り込まれているほか、新しいアプリケーション/アダプタの追加、コンテンツの拡張、新たなデータ・インテグレーション機能/TCOツールのサポートといった拡張が行われている。 さらに、今後は非構造化データ分析や多次元分析、予測分析といった高度なアナリティクスの機能もOracle BI Applicationsに加えられる予定だ。オラクルのBIはクラウドでも、セルフサービスで簡単に使える もう1つ、オラクルのBA戦略における重要なテーマとして「クラウドへの対応」も挙げられる。 このポイントについて、ベルコウィッツ氏は、「BAのクラウド化に関して、オラクルは単に製品をクラウド上に移行させるのではなく、クラウドによって顧客の体験をいかに変えていくかに力点を置いています」と前置きしたうえで、次のように説明を続ける。 「BAのクラウド化で重要なのは、データの分析、ローディング、モデリング、さらにはプロビジョニングまで含め、すべてにおいてセルフサービス化を実現していくことです。また同様に、一般ユーザーのデータ活用スタイルにサービスを合わせることも大切であり、この観点の下、Oracle Endeca Information Discoveryの機能を、より高度な分析へと強化する努力も続けています」 このような戦略を具体化させたサービスとして、オラクルは来春を目処に「Oracle BI Platform Cloud Service」をロールアウトする予定だ。 Oracle BI Platform Cloud Serviceでは、Oracle BI Platformのマルチテナント版として同プラットフォームのすべての要素がクラウドでも使えるようになるが、主として中小/中堅企業や部門単位での活用を想定し、データ・マッシュアップを伴うセルフサービスBIアプリケーションに適した設計になるという。 以上のようにソフトウェアに関するオラクルのBA製品と戦略を説明したベルコウィッツ氏は、最後にインメモリでの超高速データ分析を実現する「Oracle Exalytics In-Memory Machine」も簡単に紹介。そのうえで次のように語って講演を締めくくった。 「"BA活用力の向上"は、今や各社のCIOにとって最優先の課題となっています(米国ガートナー 2012年調べ)。それでは、その最重要課題を解決するBAソリューションのリーディング・カンパニーはどこなのでしょうか? それは私たちオラクルにほかなりません(米国IDC 2011年9月調べ)。ぜひ今後も、オラクルのBAソリューションにご期待ください」《あなたへのお勧め記事》製品解説>> オラクルのBusiness Analyticsソリューション関連ソリューション>> オラクルのビッグデータソリューション

「データの活用力を高め、それを組織や企業、ビジネスの成長や発展、あるいは変革に生かしていく」──そのことの重要性について、異を唱える向きはまずおられないだろう。とは言え、「経営に資する情報活用」の実現は容易ではなく、そのための仕組みをどのようにして作るかが企業にとって大きな課題となっている。2013年10月に開催された日本オラクルのイベント「Oracle Days Tokyo...

11. Others

次世代のデータ・ウェアハウス基盤はOracle Exadataで! “データ活用のリアルタイム化”、“OLTPとの統合”も可能にする圧倒的な性能の秘密に迫る

現在、ビジネスの現状把握などの目的から、多くの企業がデータ・ウェアハウス(DWH)を活用しているが、性能やコストの面で現状のDWH基盤に課題を感じている企業が少なくないようだ。また、ビジネス・スピードの向上を目的に、より鮮度の高いデータの活用をDWH基盤に求める声も強まっている。これらの課題/ニーズに応えるDWH基盤として、世界中の企業で採用が進んでいるのが「Oracle Exadata」だ。ここでは、DWH基盤としてのOracle Exadataの魅力/実力を、主にテクノロジー面に焦点を当てて紹介する。(川添貴生)従来のDWHアプライアンスでは性能もコストも限界に。だから今、世界中の企業がOracle Exadataへの移行を進めている日本オラクル 製品戦略統括本部 戦略ビジネス推進グループシニアソリューションアーキテクトの岩崎将之氏 基幹システムに蓄積された各種のデータを基にビジネスの状況を可視化し、意思決定の迅速化や業務オペレーションの効率化などにつなげる目的から今日、DWHは多くの企業で活用されている。販売管理や生産/在庫管理、会計といった各事業部が管理するシステムのデータをDWHに集約し、ビジネス・プロセスやモノの流れ、顧客の動向などを事業横断的に分析したり、分析やレポーティングのためのツールを利用して経営や業務に活用できる情報を提供したりすることがDWH構築の主な目的だ。 通常、基幹システムでは一定期間を経た古いデータは削除されるが、DWH側ではそうしたデータを長期間蓄積し、過去にさかのぼった分析などで活用する。そのように蓄積されるデータが数十~数百TB規模となる企業では、DWH環境構築のために専用のアプライアンスを複数台導入しているところもある。DWHではテーブルのフルスキャンや大量のデータ・ロードといった"重たい"処理が頻繁に発生するため、DWHに特化したアプライアンスを複数台使って並列処理を行うことで、必要なパフォーマンスを確保しているのである。 しかし、高価な専用アプライアンスを複数台使用したDWH環境は、当然ながら導入時には膨大な費用がかかり、運用においても大きなコスト負担を強いられる。アプライアンス独自の技術を使わなければならないことが、このコスト負担をさらに大きくするだろう。また、多大な投資を行ったのにもかかわらず、導入前に想定した性能や効果が得られず四苦八苦している企業も見受けられる。 こうした状況の中で今、世界中の注目から集めているのが、DWH基盤として圧倒的な性能を誇るOracle Exadataだ。日本オラクルの岩崎将之氏(製品戦略統括本部 戦略ビジネス推進グループ シニアソリューションアーキテクト)は、DWH基盤としてのOracle Exadataの特徴を次のように説明する。 「一般的なDWHアプライアンスでは複数台構成が前提となる数百TB規模のDWH環境でも、Oracle Exadataであれば、わずか1台で実現することが可能であり、それだけで大幅なコスト削減が期待できます。DWH基盤として、すでに世界中で豊富な導入実績を持ち、導入企業の中にはDWHアプライアンスによる既存環境と比べて、実に10倍以上の性能向上を達成したケースもあります」【関連情報】>>ライオンがメインフレーム、SAP会計、TeradataのデータベースをOracle Exadataへ移行して大満足している理由とは?――Oracle Days Tokyo 2013 レポート独自の先進機構が超高速なデータ処理を実現。DWH基盤としてOracle Exadataが優れている理由 Oracle Exadataの大きな特徴の1つは、データ・ストアとしてRDBMS市場でトップシェアを誇るOracle Database Enterprise Editionを搭載している点だ。そのため、企業はOracle Databaseで培ったシステム構築/管理技術やノウハウ、人的資源をそのまま生かすことができる。そのことが、DWH構築/管理にかかわる作業の効率化やコスト削減で大きな効果を発揮する。 加えて、Oracle Exadataにはデータ処理を高速化する各種の先進技術が組み込まれている。なかでも、特にDWHの用途で大きな効果を発揮するのが「Smart Scan」だ。 今日のサーバ・マシンはCPUの高速化が進んでいるが、それに対してネットワークやサーバ/ストレージ間のI/O性能の低さがボトルネックとなっており、システム全体としてはCPUの性能に見合ったパフォーマンスが得られないという状況が生じている。そこで、Oracle Exadataでは、複数のストレージを使った分散処理や、40Gbpsの超広帯域を持つInfiniBandによるサーバ/ストレージ間接続など、このボトルネックを解消するさまざまな新技術を盛り込んでいる。Smart Scanも、そうしたオラクル独自技術の1つだ。 「Smart Scanとは、ストレージ側でもOracle Databaseを稼働させ、発行されたSQLの処理をストレージ側でも実行することにより、サーバ側のCPU負荷の軽減、サーバ/ストレージ間のディスクI/Oの最小化、ネットワーク帯域の効率的な利用を実現する技術です。Smart Scanでは、検索処理が要求されると、すべてのデータをストレージから読み込んでサーバに送信するのではなく、ストレージ側で検索処理を行い、その結果だけを高速なInfiniBandを介してサーバに送信します。このようにして不要なデータの読み出しや転送を避けることで、サーバ/ストレージ間のI/Oボトルネックの問題に対処しているのです」(岩崎氏) また、大容量のフラッシュ・メモリを搭載しているほか、それを効率的に利用するための技術として「Smart Flash Cache」が組み込まれていることも特筆すべき点である。 昨今、一般的なDWHアプライアンスでもSSDを搭載する製品が増えているが、SSDに直接ファイルを格納するというアプローチでは期待どおりのパフォーマンスを得られないことがあり、信頼性の面でも不安が残る。そこで、Oracle ExadataではSSDをデータの最終保存先として使うのではなく、メイン・メモリを補完するメモリ空間、つまり一種のキャッシュ領域として利用する。大容量のフラッシュ・メモリをこのように活用することで、キャッシュ・ヒット率の向上やディスクI/Oの軽減による性能向上へとつなげているのだ。 さらに、大規模なDWH環境では、データ量が問題になることも多い。現時点の処理に必要なデータがあればよい基幹システムのデータベースとは異なり、DWHでは一定期間のデータをまとめて処理するため、扱うデータの量が膨大になるからである。そこで有効なのが、Oracle Exadataに備わる「Hybrid Columnar Compression」だ。 「Hybrid Columnar CompressionはOracle Exadata独自のデータ圧縮機能であり、DWH用途のデータであれば、平均して10倍程度の圧縮効果が見込めます。圧縮効果により、読み込み時のデータ量も減らせるため、検索処理の高速化にも貢献します」(岩崎氏)Oracle ExadataがDWHを"リアルタイム化"。それが企業にもたらすメリットとは?日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 本部長の林 徹氏 このように、既存のDWHアプライアンに限界を感じている企業の要求に応えるさまざまな機能を備えるOracle Exadataだが、それに加えて、「近年、多くの企業がDWHに求め始めた"リアルタイムなデータ・アクセス"に対応できることも大きな強みです」と日本オラクルの林徹氏(製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 本部長)は語る。 「ビジネスのスピードがますます速くなるのに伴い、商品や部品の在庫、売り上げなどに関する情報をリアルタイムに確認したい、しかも場合によってはグローバルに見たいというお客様が増えています。ところが、これまでのDWHアプライアンスでは、週次や日次などのバッチ処理で基幹システムからデータを取り込むことが大前提であるため、このようなニーズに応えるのは困難です。 しかし、従来のDWHアプライアンスとはまったく異なる設計思想で作られたOracle Exadataであれば、Oracle Databaseによってデータの参照と更新を同時に行うことができ、また企業システムのさまざまなワークロードを同時に処理できるだけの性能を備えているため、例えば基幹システムのデータベースからデータを取り込みつつ、同時にそのデータをDWH処理に使うといったことが容易に実現できます。つまり今、生じたデータを、即座にDWH処理に使えるのです。この"DWHのリアルタイム化"こそ、Oracle Exadataが企業の情報活用に与えるインパクト/変革の1つにほかなりません」(林氏) 具体的なシステム構成としては、高速なデータ・レプリケーション・ツールである「Oracle GoldenGate」によって基幹システムのデータベースとOracle Exadataを連携させるといったことが考えられる。Oracle GoldenGateは、Oracle DatabaseのREDOログを読み取ってトランザクションをキャプチャし、その内容をリアルタイムに別のデータベースに反映する。そこにETLツールの「Oracle Data Integrator」を組み合わせれば、必要なデータ処理を行ったうえでDWH用データベースに格納するといったことも可能になる。 この"DWHのリアルタイム化"が企業のビジネスに与えるインパクトを、林氏は次のように説明する。 「例えば、流通業であれば、DWHによって在庫量を確認し、それに応じて発注を行うといった業務をどの企業でも行っているでしょう。このとき、1日1回のバッチ処理で基幹システムからデータを取り込むというサイクルでは、前日の在庫量でしか判断することができません。しかし、リアルタイムに在庫量を見ることができれば、午前中に売り切れた商品を把握して午後に発注するといった具合に、在庫確認/補充サイクルを早くして、欠品による機会損失を減らすことができます。 このように、DWHのリアルタイム化は企業に多くのメリットをもたらします。Oracle ExadataがDWHの用途で多くの企業に採用されているのも、高い性能によってリアルタイム性を高められることが大きな理由の1つとなっているのです」 また、2台のOracle Exadataを利用して、1台を本番環境、もう1台を災害対策とDWHに利用するといった活用も可能だ。 東日本大震災以降、ビジネス継続性の観点から、システムの冗長性向上は企業にとって大きな関心事の1つとなっている。しかし現実には、災害時に切り替えて使う目的のためだけにバックアップ環境を構築するのは、コスト面から厳しいという場合が少なくない。そこで、2台のOracle Databaseを同期するデータ・レプリケーション機能「Oracle Active Data Guard」などを組み合わせて、本番環境と同期したバックアップ環境をDWH用途でも利用するのだ。これならば、ディザスタ・リカバリのために構築したバックアップ環境を平時から利用できるので、費用対効果の面でも十分なメリットが得られる。複雑なDWH環境をOracle Exadataでシンプル化 加えて、今後のDWHを考えていくうえでは、部門別の個別最適ではなく、全体最適の視点も必要になると岩崎氏は指摘する。 「そもそもDWHは、事業部門が自分たちの業務のために、基幹システムからデータを取り出して構築するというデータマート的/部門最適な発想で作られてきました。しかし、各社が総力戦でしのぎを削っている今日のビジネス環境では、全社あるいはグループ全体で横串に情報(データ)を一元化し、それを利用して各部門が機敏に連携しながら事業を遂行することが求められています。このような情勢では、部門ごとに個別にデータを蓄積するのではなく、1つのDWHを各部門が利用するかたちがベストでしょう。それにより、リアルタイム性を高められるだけでなく、社内のDWH環境をシンプル化することによって運用や保守/管理の面でも大きなコスト・メリットが得られます。そうしたDWH基盤として最適なのがOracle Exadataなのです」(岩崎氏) そして、さらにその先に見えてくるのは「OLTPとDWHの統合」である。そもそもこれらで利用するデータベースを分けていたのは、1つのシステム環境で両者の要件を満たすのは難しいという技術的な制約からであった。しかし、圧倒的な性能でOLTPとDWHの同時処理をもこなすOracle Exadataが登場したことで、その制約も過去のものとなった。両者を統合することによる"真のリアルタイム・データ活用"も夢ではないのだ。性能面やコスト面から既存のDWH基盤の見直しを検討されている企業には、ぜひ一度、DWHの常識を根底から変えるOracle Exadataの能力をご自身の目でご評価いただきたい。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> オラクルのデータウェアハウス活用事例>> Oracle Exadataユーザー事例関連ソリューション>> Oracle Exadata Intelligent Warehouse Solutions関連ホワイトペーパー>> 関連資料

現在、ビジネスの現状把握などの目的から、多くの企業がデータ・ウェアハウス(DWH)を活用しているが、性能やコストの面で現状のDWH基盤に課題を感じている企業が少なくないようだ。また、ビジネス・スピードの向上を目的に、より鮮度の高いデータの活用をDWH基盤に求める声も強まっている。これらの課題/ニーズに応えるDWH基盤として、世界中の企業で採用が進んでいるのが「Oracle Exadata」だ...

03. ビッグデータ

データの価値を今すぐ現場に、経営層に! オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める“3つの理由”──第2回 ユーザー志向編

オラクルのBusiness Analytics(BA)ソリューションでは、「ユーザー志向」、すなわち「エンドユーザーにとっての使いやすさ」を徹底的に追及することをキーテーマの1つとして掲げている。今回は、このテーマに焦点を絞り、オラクルのBAソリューションの「ユーザー志向」がどのような技術、製品、そしてコンセプトの下に実現されているのか、また、それによっていかなるビジネス効果がもたらされるのかを説明する。(編集部)データの価値を経営層や現場担当者に──オラクルが「ユーザー志向」の強化で目指すこと 高性能なEngineered SystemsとBusiness Intelligence(BI)ソフトウェア群から成るオラクルのBAソリューション。【オラクルのBAソリューションを構成する主な製品群】Oracle Big Data Appliance:ビッグデータに対応したHadoopベースの高速なデータ統合基盤Oracle Exadata:Oracle Databaseを搭載した高速なデータ統合基盤Oracle Exalytics:各種BI/BAソフトウェアを搭載可能な高速なデータデータ分析基盤Oracle Advanced Analytics:統計解析およびデータ・マイニング・ソリューションOracle BI Foundation Suite:高度な統合BIソフトウェア・スイートOracle Endeca Information Discovery:構造化データと非構造化データのデータ・ディスカバリー・ツール日本オラクル 製品戦略統括本部 Business Analyticsビジネス推進本部 担当ディレクターの工藤啓介氏 同ソリューションが掲げる「ユーザー志向」の狙いは極めてシンプルだ。これについて、日本オラクルの工藤啓介氏(製品戦略統括本部 Business Analyticsビジネス推進本部 担当ディレクター)は次のように説明する。 「経営層やビジネスの現場を担うエンドユーザーの方々に、Business Intelligence(BI)ソリューションをさまざまかたちでご活用いただき、データの価値をそれぞれの業務へとつなげていただく。それが、オラクルのBAソリューションが全社的なエンタープライズBIにおいて『ユーザー志向』というテーマで目指していることです」 それでは、その目的を達成するために、オラクルはBAソリューションのユーザー志向性をどのようなかたちで強化しているのだろうか。 その観点からオラクルのBAソリューションを俯瞰すると、背後ではエンタープライズ規模での活用に堪える機能や性能、アーキテクチャを保ちつつ、一方で"誰でも使えるBI"というコンセプトの下、「表現力の向上」と「セルフサービス化(使いやすさ)の追求」に力を入れていることが見えてくる。また、工藤氏によれば、こうしたユーザー志向のコンセプトを色濃く反映しているソフトウェアが統合BIソフトウェア・スイートの「Oracle BI Foundation Suite」、構造化データと非構造化データの探索型分析ツール「Oracle Endeca Information Discovery」の2つだという。 そこで、以降ではこの2つのソフトウェアを中心に、オラクルのBAソリューションで強化が進む「ユーザー志向」の特徴を見ていくことにしたい。より直感的に、使いやすく──Oracle Business Intelligence Suit Enterprise Editionの洗練された「表現力」 Oracle BI Foundation Suiteは、中核となるBIツール「Oracle Business Intelligence Suit Enterprise Edition(OBIEE)」や、多次元分析ツール「Oracle Essbase」などから成るBIソフトウェア・スイートだ。モバイルBIツールの「Oracle BI Mobile」などもここに含まれる。 このOracle BI Foundation Suiteでは、先頃リリースされた最新版において、「表現力」と「セルフサービス化」の強化が随所で図られている。 まず「表現力」の強化について言えば、OBIEEの最新版(OBIEE 11.1.1.7)で「パフォーマンスタイル」や「ウォーターフォール・スタックバーチャート」、「ビューの推奨」、「トリレスグラフ」など、データ可視化のためのインタフェース/機能が追加/強化されている。 このうちパフォーマンススタイルは、「昨今、ダッシュボード・アプリケーションなどで非常に多用されているインタフェース」(工藤氏)であり、重要な経営/ビジネス指標(KPI)と、その達成度/進捗度を一目で確認できるようにする仕組みだ。信号機のように「青(順調に推移)」、「黄(注意を要する)」、「赤(緊急の対応が必要)」といった色彩表現を使い、業績/ビジネスの達成度/進捗度を誰もが直感的に表現できるようにする。 また、「ビューの推奨」も、OBIEEならではの特徴的な仕組みである。例えば、BIでデータ分析を進める中で、どのグラフを使って表現するのが適切か判断に迷う場面があるだろう。そうした際、適切なグラフ(ビュー)を推奨してくれるのが「ビューの推奨」機能だ。 さらに、OBIEE 11.1.1.7では、分析データ(業績指標/KPI指標等)を地図上にわかりやすくマッピングし、容易かつ直感的に視覚化する機能も強化されている。 「例えば、地方自治体や金融機関、あるいはグローバルにビジネスを展開しているお客様の中には、地域別/エリア別の情報を地図上に視覚的に表現したいというニーズが強くあります。OBIEE 11.1.1.7は、こうしたニーズに対応した視覚化の機能も備えているのです」と工藤氏は語る。SmartView によるOfficeとの統合が、日常業務の延長線上でのBI活用を可能にする 上述した機能に加えて、OBIEE 11.1.1.7ではBAソリューションの表現力と使いやすさを大きく高める、注目すべき2つの機能強化が行われている。  1つは、レポーティング・ツール「BI Publisher」の強化であり、これに関しては定型帳票機能のさらなる強化とダッシュボード/分析との密結合を実現した。また、もう1つは「SmartView」によるOBIEEと「Microsoft Office」の統合化だ。 SmartViewでは、OBIEE環境で作成したビュー/ダッシュボードについて、「Office上でのインポート」や「Officeのネイティブ機能を使った加工」(例えば、チャート・タイプの変更やレイアウト作成、デザイン変更といった加工)が行える。Web上で作成したフィルタリング・プロンプト※1などもOffice上でそのまま利用可能だ。 ※1 目的のデータをOBIEEのBI環境から対話的に抽出する機能。 また、Officeを用いたレポート生成に関しては、次のような機能を実現している。Officeコンポーネントからのビュー作成Office上での「サブジェクトエリア※2」接続とフィルタリング・プロンプトの設定OfficeによるOBIEE形式レポートのサポート「BIカタログ」に対するOfficeからのレポート発行/保存OfficeからOBIEEダッシュボードへのレポート展開/配信 ※2 業務/職務単位で定義/用意された論理データ・モデル。BI環境のプレゼンテーション層に位置づけられる。 これらの機能により、例えば「Office上でOBIEE形式のレポートを開き、変更を加えたうえでOBIEE側に戻す」といった使い方も可能になる。 こうした「OBIEE/Office連携(統合)」の意義について、工藤氏は次のように説明する。 「業務の現場では、多くのエンドユーザーがOfficeを使っています。そのOfficeとOBIEEが密接に統合されたことは、多くのエンドユーザーがBIを日常業務の一環として抵抗なく受け入れられるようになることを意味します」 一方、Officeとの連携強化と併せて、OBIEE 11.1.1.7では定型レポート(定型帳票)生成ツールであるBI Publisherの機能も強化され、その表現力と使い勝手が向上した。 具体的には、OBIEEのダッシュボードからレポートを生成する機能をはじめ、レポートに関する詳細な書式設定を行う機能などが強化/追加されている。また、レポート生成時にOBIEEのサブジェクトエリアを選択することが可能となり、分析と同一の情報基盤を活用してレポーティングが行えるようになった。多次元データソースに対する検索機能であるMDXの使い勝手も大幅に改善され、Essbaseなど多次元データベースのレポーティングが簡単に行えるようになっている。 このほか、オラクルのBAソリューションでは、高度で専門的な分析(Advanced Analytics)を支援するためのユーザー志向性の強化およびセルフサービス化も推進しており、その一環としてBIアプリケーションのサンプル・セット「Oracle BI SampleApp」を無償で提供している。これはOBIEE活用のベスト・プラクティスをサンプル化したものであり、これを使うことでOBIEEの各機能の使用法などを習得することができる。業務ユーザーがBIを活発に利用――Oracle BI Mobileがもたらす変革 ここまでに紹介したOBIEEに加えて、オラクルのBAソリューションにおける「ユーザー志向」を代表するソフトウェアが、さらに2つある。その1つが前回のモバイル編で取り上げた「Oracle Business Intelligence Mobile HD(以下、Mobile HD)」と「Oracle Business Intelligence Mobile Application Designer(以下、MAD)」から成るOracle BI Mobileであり、もう1つはさまざまなデータを対象にした情報探索(インフォメーション・ディスカバリー)を可能にするOracle Endeca Information Discoveryだ。 このうちOracle BI Mobileは、スマートフォンやタブレットといったモバイル・デバイスでのBIコンテンツの使い勝手や表現力を劇的に向上させる仕組みだ。とりわけ、モバイル・デバイス向けアプリケーション開発環境であるMADは、あたかもPowerPointを扱うような簡単な操作によるBIコンテンツの作成を実現しているほか、アプリケーションの公開やライブラリへの登録、そして活用までの手順を単純化している。MADはまさに、「BIのセルフサービス化」を体現したツールだと言える。 「日本オラクルの社員の中には、ITソリューションの活用に精通していない者もいます。そうした社員も、MADを使ってBIコンテンツを手軽に作成し、各種の業務で積極的に活用しています」と工藤氏は語り、エンドユーザーにとってのMADの使いやすさを強調する。なお、MADの詳細については、次のYoutube動画やモバイル編の記事を併せて参照されたい。「どのデータをどう分析すればよいかわからない」という段階からGoogle検索の感覚で自在に情報を探索 一方、Oracle Endeca Information Discoveryは、従来型のBIとは異なる、まったく新たなBI活用を切り開くツールだ。 従来のBIは、主に構造化データを対象にしており、選択したデータをさまざまな角度から分析するというプロセスに焦点が当てられていた。「これに対して、Oracle Endeca Information Discoveryは、BIに詳しくないエンドユーザーがしばしば直面する、『そもそも、どこに焦点を当てて分析を始めればよいかわからない』という段階から情報探索を行うための新たなツールです」と工藤氏は説明する。 つまり、Oracle Endeca Information Discoveryは、BIの前段階で一種の"気づき"を得るための情報探索ツールであり、その活用を通じて、どのデータソースをどう分析すれば目的の情報を得られるかが明確になるというわけだ。工藤氏は続ける。 「Oracle Endeca Information Discoveryの大きなポイントは、Google検索を使うのと同様の感覚で、曖昧なキーワードによって情報を探索し、絞り込んでいける点です。他社にも類似のツールがありますが、Oracle Endeca Information Discoveryのように非構造化データか構造化データかを問わず、企業内外のあらゆるデータを取り込み、組み合わせて広範な"情報探索"を可能にするツールはほかにはありません」 加えて、Oracle Endeca Information Discoveryの最新版では「セルフサービス型データ・ディスカバリー」という概念が導入され、複数のデータソースを横断的に探索して情報を引き出すことが、さらに容易になっているという。 こうした特徴を備えるOracle Endeca Information Discoveryはさまざまな領域で活用することができるが、その代表的なケースとして多くの企業が注目しているのが「品質管理/品質保証」の分野だ。 例えば、企業が提供する商品やサービスに関して、コールセンターや顧客サービス担当者に寄せられる「お客様の声」の大半は、テキスト・データなどの非構造化データである。当然、それらの件数が多くなれば、すべてに目を通して何らかの問題を発見するのは難しくなる。 「そこで、それらの非構造化データをすべてOracle Endeca Information Discoveryに取り込み、例えば、どの製品のどの部品に対する不満が多いのかを突き止めたり、さらにはリセラー別/部品別/サプライヤー別の不良品率を割り出す仕組みをBI環境上に構築したりといったことが行えます。これにより、常に問題をウォッチし続けることが可能となり、品質の確保に向けたプロアクティブ(予防的)な対策を講じられるようになるのです」と工藤氏は語る。実際にOracle Endeca Information Discoveryを使ってそうした仕組み導入し、製品の品質向上を実現した大手自動車会社もある。 また、組織内外のデータソースを組み合わせて柔軟な情報探索が行えるOracle Endeca Information Discoveryは、ソーシャル・サービスも活用したリスク・マネジメントでも威力を発揮する。実際、米国のある警察機関では、Twitter上で人々が発する"つぶやき"の中から、騒乱につながるような過激なコメントと、そのコメントが発せられた場所の情報を抽出。それを署内データベースで管理される警察官の配備情報と組み合わせて可視化し、警備人員配置の最適化を行ったという。 このように、ビジネスや業務の現場で手軽に情報探索/分析が行えれば、それを即座に有効なアクションへと結び付け、最大の成果を得る可能性を高められる。ビジネス・パーソンが自らの使い慣れた環境で、必要な情報を、必要なかたちで、必要なときに入手し、それぞれの判断や業務に役立てられる──これこそオラクルのBAソリューションがテーマとする「ユーザー志向」の先に見える、データ利活用の新たな世界である。 以上、今回はオラクルのBAソリューションがテーマとする「ユーザー志向」を実現する技術や製品を紹介した。次回は3つ目のテーマである「インテグレーション」について、主な特徴を解説する。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Business Intelligenceのツールおよびテクノロジー活用事例>> オラクル製品の顧客事例(英語)関連ソリューション>> Oracle Endeca Information Discovery関連ホワイトペーパー>> Oracle Business Intelligenceの関連資料連載「データの価値を今すぐ現場に、経営層に!オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める"3つの理由"」第1回 モバイル編 | 第3回 インテグレーション編

オラクルのBusiness Analytics(BA)ソリューションでは、「ユーザー志向」、すなわち「エンドユーザーにとっての使いやすさ」を徹底的に追及することをキーテーマの1つとして掲げている。今回は、このテーマに焦点を絞り、オラクルのBAソリューションの「ユーザー志向」がどのような技術、製品、そしてコンセプトの下に実現されているのか、また、それによっていかなるビジネス効果がもたらされるのかを説明...

07. データ統合/MAA

メインフレーム、オフコンのリプレース先はこのマシン!──レガシー・システムのオープン化で企業がOracle Exadataを選ぶ理由

旧式化したメインフレームやオフコンをこれ以上使い続けることをリスクと考え、「ベンダー・ロックインの回避」や、「割高な運用保守コストの大幅削減」、「ビジネスのスピードに追随できる俊敏性の獲得」を狙ってシステムのオープン化に取り組む企業が増えている。その移行先として選ばれることが多いのが「Oracle Exadata」だ。ここでは、国内企業における移行事例を基に、企業がオープン化において求める要件と、その要件を満たすシステム基盤としてOracle Exadataが選ばれている理由を紹介する。(川添貴生)旧式化したメインフレーム/オフコンを使い続けるリスク メインフレームやオフコンによって構築したシステムを、Linuxや商用UNIXをベースにした環境に移行する"オープン化"に取り組む企業が増えている。その理由は、それらのレガシー・システムを使い続けることによって生じるリスクが無視できないほど大きくなっているからである。 レガシー・システムを使い続けるリスクとして、多くの企業が認識しているのは高い運用コストだろう。そもそもメインフレームやオフコンを中心としたシステムでは、ハードウェアからソフトウェアまでを単一のベンダーが供給する形態が一般的なことから"ベンダー・ロックイン"状態に陥りやすい。その結果、競争原理が働かなくなり、「運用コストの高止まり」が起きてしまうわけである。 「ビジネスの変化に柔軟に追従できない」ことも大きな問題だ。レガシー・システムで広く使われているCOBOLを使えるエンジニアの数は年々減少しているうえ、ベンダー・ロックイン状態ではコンペを行うのも難しい。これらの理由からシステム改修のコストが膨らめば、業務プロセスなどの変化にシステムを機敏に対応させるのは難しくなってしまう。 一方、オープン系システムであれば、業界標準のオープンな技術を使うことによって特定ベンダーへのロックインを避けられるほか、Javaなどの広く普及した技術でシステムを構築することにより、改修コストも下げられる。加えて、レガシー・システムに比べて最新の技術を低コストで使える環境が整っていることも、オープン系システムの魅力である。コストと性能の問題をOracle Exadataで解決したカジュアル・ファッション・チェーンのポイント オープン系システムへの移行でOracle Exadataを活用した例として注目したいのが、LOWRYS FARMやGLOBAL WORKなどのファッション・ブランドを展開するカジュアル・ファッション・チェーン、ポイントの事例だ。 同社は汎用機上に基幹系システムを構築していたが、運用保守コストの負担が大きく、また繁忙期における性能劣化などの課題を抱えていた。そこで汎用機上のデータベースをOracle Exadataに移行したのに加えて、従来からオープン系システム上で運用していたデータベースも併せてOracle Exadata上に統合した。日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 本部長の林 徹氏 日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 本部長の林 徹氏は、Oracle Exadataが採用された背景として、データ・ウェアハウス(DWH)とOLTPアプリケーションにおいて優れたパフォーマンスを発揮する唯一のデータベース・マシンであること、そしてハードウェアとソフトウェアを最適化した「Engineered Systems」であることが高く評価されたと説明する。 「お客様は、今後の成長戦略を想定して、さまざまな角度から検証を重ねられました。例えば、汎用機をアップグレードした際のハードウェア費用やライセンス費用、5年間の運用管理費用と、Oracle Exadataでオープン化した際の費用とを試算して比較するといった具合です。そうした試算の結果、50%以上のコストダウンを図れることが判明したのです。また、ハードウェアやソフトウェアを個別に導入するベスト・オブ・ブリードのやり方では、どうしてもインテグレーション作業が発生してしまいますが、お客様はこれもリスク要因と認識されていました。実際に、次の繁忙期までの短い期間でシステムを稼働させる必要がありました。 そうした背景から最終的にお選びいただいたのが、多数のデータベースを統合することが可能な高い性能と可用性、スケーラビリティを備え、なおかつハードウェアとソフトウェアの融合により迅速な導入と運用保守コストの削減を実現するOracle Exadataだったのです」(林氏)【関連情報】>> ポイント社のOracle Exadata導入事例の詳細はこちらをご覧ください>> 札幌市役所によるOracle Exadata導入事例の詳細はこちらをご覧ください なお、オラクルが提唱するデータベース/システム統合のアプローチでは、データベース層とアプリケーション層を分けることを推奨している。その狙いについて、日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 副本部長の北嶋伸安氏は次のように語る。 「システム統合というと、今日では仮想化技術を使ってデータベースやアプリケーション・サーバのほか、さまざまな用途のサーバを仮想化環境に集約するというアプローチをイメージされるケースが多いのですが、オラクルが提唱するアプローチでは両者を分けて統合します。 仮想化技術には、WindowsやLinuxなどの異なるOSを集約できるというメリットがある一方で、集約や統合が進むとディスクI/Oやネットワークなどのオーバーヘッドが大きくなることから、パフォーマンス面では不利になります。そこで、システムによってOSや開発言語などの違いが生じやすいアプリケーション層は仮想化技術を使って集約しつつ、データベース層は専用の高性能かつ高可用なシステム基盤上に集約するわけです。2つのプラットフォーム基盤により、性能とコストの両面で最適なバランスを達成することができます」メインフレーム、オフコンからの移行先として最適なOracle Exadata ここではポイントのケースを紹介したが、この事例で強調したいのは「大きなコスト削減効果があった」ということだ。「ITコスト削減」は、多くの企業にとって長年の間、重要課題であり続けているが、その解決策としてシステムのオープン化が極めて有効であることがわかる。 ただし、メインフレームなどによって運用されてきたミッション・クリティカル・システムをオープン化する際には、大きな懸念となることがある。それは、メインフレームと同等の可用性や性能を担保できるかどうかということだ。「特にハードウェアやソフトウェアを個別に選定するベスト・オブ・ブリードの場合、可用性を担保するのは容易なことではありません」と林氏は指摘する。 「オープン化に際して、サーバやストレージ、ネットワーク、OS、そしてミドルウェアを個別に選定して組み合わせ、さらにメインフレームと同等の可用性を実現するのは並大抵のことではなく、また選定や検証の作業に多くの時間がかかるためスケジュールにも大きく影響します。障害が発生した際の対応も問題で、システムのどこに問題が発生しているのかをユーザー側で切り分け、その部分の担当ベンダーに対応を依頼しなければなりません」(林氏) しかし、Oracle Exadataであれば、ハードウェアとソフトウェアが事前に統合されているため、個別に選定したり、組み合わせの検証作業を行ったりする必要はない。また、Oracle Real Application Clusters(RAC)をはじめ、高可用性を実現するためのOracle Maximum Availability Architecture(MAA)と呼ばれる技術群が組み込まれている。万が一、サーバ障害、ストレージ障害、人的エラー(操作ミス)、サイト障害などの非計画停止につながるさまざまな障害が発生しても、サービスを継続する仕組みが実装されているのだ。さらに、問い合わせ窓口はオラクルに一本化できるので、原因の切り分け作業も不要である。 これらのメリットが高く評価され、レガシー・システムをオープン化する際のプラットフォームにOracle Exadataを選ぶケースが増えているのだと林氏は語る。【関連情報】>> ケタ違いな情報活用の実現から稼働後の安定運用まで、Oracle Exadataを安心して導入できる理由──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス【第1回】 >> システム構築で失敗しない! 導入企画からシステム設計/構築、人材教育まで使い倒せる支援サービスとは?──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス 【第2回】>> "プロアクティブなサポート"が、Oracle Exadataの運用管理を劇的に効率化する──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス【第3回】 レガシー・システムからの脱却は企業に大きなメリットをもたらすが、一方で移行先システム基盤の選定を間違えてサービス・レベルが低下してしまっては元も子もない。それを踏まえると、性能や可用性、スケーラビリティと各種コストを高い次元でバランスさせているOracle Exadataは、システムをオープン化する際の基盤として最適なソリューションだと言えるのである。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Exadata Database Machine活用事例>> Oracle Exadataユーザー事例関連ホワイトペーパー>> 関連資料

旧式化したメインフレームやオフコンをこれ以上使い続けることをリスクと考え、「ベンダー・ロックインの回避」や、「割高な運用保守コストの大幅削減」、「ビジネスのスピードに追随できる俊敏性の獲得」を狙ってシステムのオープン化に取り組む企業が増えている。その移行先として選ばれることが多いのが「Oracle Exadata」だ...

06. セキュリティ

「データ・マスキング」、「監査証跡記録」、「ユーザー権限監視」。Oracle Database 12cで追加/強化された3つのセキュリティ機能――Oracle Days Tokyo 2013 レポート

サイバー攻撃による顧客情報の窃取をはじめ、企業の情報流出事件が頻発している。こうした被害を未然に防ぐべく、さまざまなセキュリティ機能を追加および強化した最新のRDBMSが、2013年7月にリリースされた「Oracle Database 12c」だ。ここでは、10月に開催されたOracle Days Tokyo 2013における日本オラクル西村克也氏(テクノロジー製品事業統括本部 戦略製品ソリューション本部 プリンシパルエンジニア)の講演から、Oracle Database 12cの主要なセキュリティ機能を紹介する。(編集部)機密情報の8割はデータベースから盗まれている。そのセキュリティを強化するOracle Database 12cの3つの機能日本オラクル テクノロジー製品事業統括本部 戦略製品ソリューション本部 プリンシパルエンジニアの西村克也氏 「企業の機密情報の多くがデータベースから窃取されている一方、80%のITシステムではデータベースに対するセキュリティ対策が実施されていない」──これは米国の調査会社フォレスター・リサーチが公表しているレポートにおける指摘だ。もちろん、それらの企業がセキュリティ対策をまったく行っていないというわけではないだろう。ファイアウォールを利用したネットワーク・レベルでのアクセス制御やIDS/IPSを使った攻撃の検知と防御、そして各クライアントPCでのウイルス対策といった対応は多くの企業でなされている。しかし、実際に各社の機密情報が格納されているデータベースそのものに関するセキュリティ対策は進んでいないというのが、企業の情報セキュリティの実情なのである。 この「データベースにおけるセキュリティ強化」という課題に長年取り組んできたのがオラクルだ。全世界で1500名を超える体制でセキュリティ・ソリューションの開発/提供に取り組んでいるほか、最新のデータベース製品であるOracle Database 12cにもセキュリティ強化のためのさまざまな機構を盛り込んでいる。 Oracle Days Tokyo 2013におけるセッション「数々起こるセキュリティ事故! 見えない脅威から、『情報の金庫』を守る! 他社の追随を許さない次世代データベースセキュリティとは?」で日本オラクルの西村克也氏は、アクセス制御を行う「Data Redaction」、データベース監査を行う「Unified Auditing」、そして権限管理に活用できる「Privilege Analysis」の3つの機能を取り上げて解説した。ユーザーの権限に応じて表示する情報をコントロール。機密情報をリアルタイムにマスキングするData Redaction まずData Redactionだが、これはデータベースに格納されたデータをマスキングする機能だ。 例えば、クレジットカード番号などの機密情報が含まれるデータベースにアクセスするユーザーとして、すべてのデータにアクセスできる必要のあるデータ責任者と、データの閲覧までは不要な業務オペレーターがいるとしよう。Data Redactionは、このようにデータを見る必要のないユーザーがデータベースにアクセスした際、データをマスキングすることによってデータの参照を不可能にするという機能だ。 データの閲覧可否は事前に指定することが可能で、テーブル内の一部のデータだけをマスキングするといったこともできる。この機能の有用性について、西村氏は次のように説明する。 「今日、同じような機能をアプリケーション側で実装しているケースが多いでしょう。しかし、その方法では、アプリケーションを経由しないデータベースへのアクセスでは、すべてのデータを閲覧できてしまうという問題があります。それに対して、Data Redactionはデータベース側で実装されている機能であるため、アプリケーション側での制御が不可能な『開発ツールを使った直接アクセス』などのケースでも閲覧を制限することができるのです」 なお、ポリシーの条件として使える要素には、IPアドレスやデータベース・ユーザー、時間、アプリケーションIDなどがあり、さまざまな条件でデータの参照を制御できる。データにアクセスした際のマスキングについても、すべてをマスキングする、あるいは一部分だけをマスキングするといった具合に設定が行える。 これらの設定は、オラクル製品の統合管理環境である「Oracle Enterprise Manager 12c」によって行うことが可能だ。具体的には、ポリシー作成画面でリダクション対象(対象ユーザなど)やマスキングする表、ポリシー式を入力すればよい。例えば、「scott」ユーザーの「customer」表へのアクセスにおいて、「FIRSTNAME」や「LASTNAME」、「CARDNO」列の参照を制御(リダクション)するといった具合に設定を行う。そのうえで実際にscottユーザーでcustomer表にアクセスすると、指定した列の情報がマスキングしたうえで表示される。総合的な監査証跡を記録するUnified Auditing。非同期での書き込みにも対応し、パフォーマンスへの影響を最小化 データベースへのアクセスをログとして記録しておく監査も、セキュリティ対策では重要となる。Oracle Database 12cでは、この監査を実現するための機能であるUnified Auditingが大幅に強化されたと西村氏は話す。 「Oracle Database 12cでは、Unified Auditingがまったく新しいアーキテクチャに生まれ変わりました。まず、さまざまな場所に監査証跡が記録されていたこれまでのバージョンとは異なり、Oracle Database 12cではAUDSYSスキーマとしてSYSAUX表領域に一元的に格納されるため、各ログを1つのビューで参照できるようになりました。 また、書き込みの方式も変更され、従来の同期に加えて非同期での書き込みにも対応しています。同期方式ではパフォーマンスに影響が生じる場合がありましたが、Oracle Database 12cでは非同期書き込みが可能になったため、パフォーマンスへの影響を最小限に抑えてUnified Auditingを使えるという点は大きなメリットでしょう」(西村氏) Unified Auditingの設定もOracle Enterprise Manager 12cで行える。具体的には、「どの表に対する誰からのアクセスで、どういったアクションを記録するのか」といった設定を行っていく。監査ログに記録されるのは、OSユーザー名やデータベース・ユーザー名、IPアドレス、プログラム名、SQL文などで、これらの情報もOracle Enterprise Manager 12cで確認できる。監査ログをCSVで出力する機能も用意されているので、Excelなどを使ってレポートを作成するといった使い方もできる。不必要な権限は与えない。Privilege Analysisでユーザー権限の使用状況を把握/コントロール 内部不正からデータを保護することを考えた場合、ユーザーに割り当てる権限を適切に管理することも大きなポイントになる。権限には、データベースの作成や変更、表やユーザーの作成の可否を指定する「システム権限」や、SELECT、INSERT、UPDATEといった操作をコントロールする「オブジェクト権限」などがあり、ユーザーを作成する際にこれらの中から適切な権限を割り当てることになる。 ただし、この権限の割り当てにはリスクが伴うことを忘れてはならない。特に大きな権限を割り当てる際には注意が必要だ。この辺りの実情を西村氏は次のように説明する。 「例えば、開発作業で使うために大きな権限を割り当てたユーザーを作成し、そのユーザーをそのまま使い続ける、あるいは何らかのジョブを実行するために権限を追加し、それをそのまま使い続けるといったケースはよくあるでしょう。 しかし、セキュリティを考えれば、本来は必要最小限の権限を割り当てるのが原則です。ところが、これまではそうしたユーザー対して、どのような権限を付与しているのかは把握できても、それらの権限が実際に使われているのかどうかまで把握するのは技術的に困難でした。そのため、使われていない不必要な権限を見つけて剥奪するのも難しかったのです。この問題を解決するためにOracle Database 12cで追加された機能がPrivilege Analysisです」(西村氏) Privilege Analysisは、特定のユーザーやアプリケーション、IPアドレスからのデータベース・アクセスを捕捉し、アクセスしたユーザーがどの権限を使っているのかをレポートする機能だ。同機能を使うことで、そのユーザーに割り当てられているが、実際には使われていない権限を把握することが可能となり、それを基にして必要最小限の権限だけを割り当てるといったことを実現できる。 実際に利用する際には分析ポリシーを設定したうえでデータベースへのアクセスをキャプチャする。キャプチャが完了するとレポートが作成されるので、画面上で未使用のシステム権限やオブジェクト権限を確認するという流れになる。 以上、ここではOracle Database 12cで追加/強化された3つのセキュリティ関連機能を紹介したが、このほかにも、暗号化機能などデータベースのセキュリティを強化するさまざまな機能が追加されている。データベース管理者の負担を減らしながら効果的にセキュリティを高めたいと考える企業は、ぜひ一度、Oracle Database 12cの機能をお試しいただきたい。【試用版ダウンロード】>> Oracle Database 12c試用版のダウンロードはこちらから《あなたへのお勧め記事》製品解説>>Oracle Database SecurityOracle Database 12c のセキュリティとコンプライアンス ~オラクルエキスパート…(YouTube)関連ホワイトペーパー>> 情報を守る! オラクルのデータベース・セキュリティ※※ダウンロードにはOracleアカウントが必要となります

サイバー攻撃による顧客情報の窃取をはじめ、企業の情報流出事件が頻発している。こうした被害を未然に防ぐべく、さまざまなセキュリティ機能を追加および強化した最新のRDBMSが、2013年7月にリリースされた「Oracle Database 12c」だ。ここでは、10月に開催されたOracle Days Tokyo 2013における日本オラクル西村克也氏(テクノロジー製品事業統括本部...

11. Others

ライオンがメインフレーム、SAP会計、TeradataのデータベースをOracle Exadataへ移行して大満足している理由とは?――Oracle Days Tokyo 2013 レポート

SAPアプリケーションのバックエンドで利用するデータベース・システムの性能向上などを目的にOracle Exadataを導入する企業が世界中で増加している。そうした1社がライオンだ。同社はメインフレーム上で稼働していたDB2、SAP上のOracle Database、およびBusiness Intelligence(BI)システムで利用していたTeradataからの移行先としてOracle Exadataを選択した。それによってどのようなメリットが得られたのか? 2013年10月に開催されたOracle Days Tokyo 2013におけるライオンの講演「Oracle ExadataのSAPアプリケーション基盤としての利用とDB2およびTeradataからの移行」から、そのポイントを紹介する。(編集部)多くのSAPユーザーが今、Oracle Exadataの導入を進める理由日本オラクル 製品戦略事業統括本部 データベースコア製品推進本部 シニアプロダクトラインマネージャーの岩崎護氏 2013年10月22日~23日の2日間にわたって開催されたOracle Days Tokyo 2013では、さまざまなセッションにおいて、オラクル製品をビジネスで活用する企業の事例が紹介された。それらのセッションの中でも高い注目を集めたのが、SAPのバックエンド・データベースとしてOracle Exadataを導入したライオンのセッション「Oracle ExadataのSAPアプリケーション基盤としての利用とDB2およびTeradataからの移行」だ。 SAPのビジネス・アプリケーションと組み合わせて利用できるデータベースの選択肢はいくつかあるが、その中で最も高いシェアを誇るのがOracle Databaseである。SAP製品によるシステムの"土台"としてOracle Databaseが選ばれる理由としては、高いパフォーマンスや拡張性、プラットフォームを選ばない柔軟性、安定してシステムを稼働できる高可用性などが挙げられる。また、セキュリティや運用管理の面における安心感の大きさも、Oracle Databaseが選ばれる大きな理由だ。 オラクルは、SAPとの長年にわたるパートナーシップの下、SAP製品への対応に力を入れて取り組んできた。 Oracle Exadataについても、2011年6月にSAPの認定を取得している。セッションで初めに登壇した日本オラクルの岩崎護氏(製品戦略事業統括本部 データベースコア製品推進本部 シニアプロダクトラインマネージャー)によれば、「世界中のお客様がOracle Exadataのメリットに気付かれ、早くSAPのビジネス・アプリケーションでOracle Exadataを使いたいというご要望をいただいていました」とのこと。SAPがOracle Exadataを認定したことにより、現在は多くの企業がOracle Exadataの導入を急いでいる状況だという。さらに岩崎氏は次のように話を続けた。 「Oracle ExadataはOracle Databaseの実行に最適な環境であり、劇的な性能向上と高い拡張性および信頼性を実現するシステム基盤として私たちが最もお勧めする製品です。複数のアプリケーションで使用するデータベースを統合/集約できることも大きなメリットです」(岩崎氏)ライオンはOracle Exadataによりパフォーマンス向上とデータベースの集約を実現。検索処理性能は最大200倍にライオン 統合システム部 部長の宇都宮真利氏 こうした強みを生かし、これまでメインフレームで運用してきた基幹業務システムをオープン化する際にOracle Exadataを選んだのが、洗剤や石鹸などの日用品から医薬品、化学品までを幅広く手掛けるライオンだ。岩崎氏に続いて登壇したライオン 統合システム部 部長の宇都宮真利氏は、Oracle Exadataを選択した理由を次のように説明する。 「ライオンの基幹業務システムでは30年以上前からメインフレームを使ってきましたが、これをいよいよオープン系に移行しようというプロジェクトが立ち上がりました。その際、メインフレームで利用していたDB2の移行先として選定したのがOracle Databaseです。本番と検証、開発の環境ごとにOracle Databaseを個別に構築し、さらに本番環境はアクティブ/スタンバイ構成をとり、合計4台のOracle Databaseで運用する予定でした。 しかし、これだけの台数になると運用管理の負担が大きく、その問題を何とかできないかと考えていたところに当時登場してきたのがOracle Exadata V2です※1。実際に検討したところ、これならデータベースを集約できそうだという話になり、Oracle Exadataの実力を詳細に評価することにしました」(宇都宮氏)※1 後にOracle Exadata X2相当にソフトウェアをバージョンアップしている。 実際の評価は10億件/500GB程度のテスト・データを使って行い、検索系やオンライン系におけるトランザクションの更新処理をそれぞれ検証したという。その結果、極めて高い性能を持つことが確認できたと宇都宮氏は説明する。 「検索処理の性能はデータ件数が少ないもので約10倍、多いものでは約60倍、フラッシュ・メモリにデータを置けば約30~200倍に高速化できることがわかりました。更新系の処理についても、通常のOracle Databaseとの比較で10倍程度まで高速化を図れることが確認できたのです」(宇都宮氏) さらに宇都宮氏を驚かせたのは、パラレル処理におけるパフォーマンスの向上だ。通常のサーバで稼働するOracle Databaseの場合、ストレージのI/Oがボトルネックとなり、パラレル処理を行ってもそれほどパフォーマンスが上がらないことが多い。しかし、Oracle Exadataであれば、同時実行数を2以上にすることで大幅に処理性能を高められることが検証によってわかった。それを踏まえ、宇都宮氏は「Oracle Exadataはパラレル処理にすることで本来の価値を発揮する」とアドバイスする。Teradata上のBIシステムもOracle Exadataに移行し、パフォーマンスが大幅に向上 最終的にOracle Exadataへ移行することになったのは、当初から予定していたメインフレーム上のDB2のデータに加えて、2006年からオープン系サーバで稼働していたSAPの会計データベース、そしてBIのインフラとして利用していたTeradataである。 特にTeradataからOracle Exadataへの移行について、宇都宮氏は「当初想定していた以上の効果が上がった」と驚きを隠さない。Teradata上で稼働していた当時はBIシステムを使う業務ユーザーから「レスポンスが悪い」という声が寄せられていたが、Oracle Exadataに移行した後は、「なぜこれほど速くなったのか?」という感嘆の声が多く寄せられたという。 もう1つ、Oracle Exadataの高いパフォーマンスを示すエピソードとして宇都宮氏が披露したのが、データベースのインデックスが不要になったことだ。 「Oracle Exadataはデータベースのフルスキャンが圧倒的に速く、わざわざインデックスを張らなくても、十分なパフォーマンスで利用できます。そこで、従来はパフォーマンス・チューニングのために多数のインデックスを張っていたのを、Oracle Exadataへの移行に伴ってすべて削除しました。それにもかかわらず、バッチ処理によるレポート生成では約7倍、オンライン処理では約8倍も性能が向上したのです」(宇都宮氏) 高いパフォーマンスを実現したことに加えて、Oracle Exadataのデータ圧縮機能により、ストレージ容量を削減できたことも大きなメリットだったようだ。それまでメインフレーム環境のDB2に格納していた100GB程度のデータはほぼ半分に、Teradata上のインデックスを含めた約320GBのデータは約60GBに、SAPの会計データベースのデータも約1.4GBから半分にといった具合に大幅な削減を果たしている。8台のデータベースをOracle Exadataに集約してITコストを大幅に削減 続いて宇都宮氏は、コスト削減のメリットも強調した。メインフレームからOracle Exadataへのマイグレーションにより、大幅なコスト削減を実現したほか、Teradataの保守費用も不要になったという。 加えて、Oracle Exadataの導入は運用管理負担の軽減にもつながっているとしたうえで、宇都宮氏はその具体的な効果を次のように語った。 「これまで8台のデータベースを利用していましたが、それを1台のOracle Exadataに集約したことで運用管理の負担も大幅に軽減できました。また、従来はシステムごとの担当者がデータベースまで管理していましたが、Oracle Exadataを導入したことで、各システムの担当者はアプリケーションに専念できるようになりました。そしてOracle Exadataは運用管理チームが面倒を見るといった具合に、各担当者の効率的な役割分担も行えました」(宇都宮氏) 以上のようにOracle Exadataの導入効果を紹介してきた宇都宮氏は、続いてOracle Databaseの最新版である「Oracle Database 12c」への期待を語った。 Oracle Database 12cでは、複数のデータベースを容易に統合することができる「マルチテナント・アーキテクチャ」が導入されている。これを利用することで、生産購買や人事給与など、ライオンの他の基幹データベースもOracle Exadata上に容易に統合できると期待される。それもあり、「早期にOracle Exadata上のOracle Database 12cのマルチテナント利用に関してSAPの認証を取得してほしい」という宇都宮氏の要望に対して、日本オラクルの岩崎氏は「SAPとも協力しながら、2014年の取得を目指して準備を進めています」と回答。最後に、「これからもさらに機能強化が進むOracle Exadataにご期待ください」と話して講演を締めくくった。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Exadata Database Machine活用事例>> Oracle Exadataユーザー事例関連ソリューション>> SAPユーザーのためのOracle情報サイト関連ホワイトペーパー>> 関連資料

SAPアプリケーションのバックエンドで利用するデータベース・システムの性能向上などを目的にOracle Exadataを導入する企業が世界中で増加している。そうした1社がライオンだ。同社はメインフレーム上で稼働していたDB2、SAP上のOracle Database、およびBusiness Intelligence(BI)システム...

11. Others

ビッグデータ活用のために “今すぐ使える”データ統合基盤をOracle GoldenGate、Oracle Data Integratorで作る――Oracle Days Tokyo 2013 レポート

事業活動で生じるさまざまな情報(データ)を活用すれば、ビジネスの質や量をさらに高められる──「ビッグデータ」に高い関心が集まる今日、これが自明であることに疑いの余地はない。ただし、活用のタイミングが遅れれば、その分、データがもたらす価値は低くなる。逆に、発生したデータをすぐに活用することができれば、そこから新たな価値、新たなビジネスを生み出すことが可能になる。そのために今、どのような手立てが使えるのか? 2013年10月に開催されたOracle Days Tokyo 2013で実施されたセッションにおいて、日本オラクルの谷川信朗氏(製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ シニアプロダクトラインマネジャー)が、その即効薬を紹介した。(編集部)変化する情報活用スタイルに自社のデータ基盤は対応できるか?日本オラクル 製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ シニアプロダクトラインマネジャーの谷川信朗氏 Oracle Days Tokyo 2013における谷川氏のセッション「今すぐ始められる、ビッグデータ活用に向けて必要なこと。Oracle GoldenGateとOracle Data Integratorが実現する最新データ統合基盤とは何か?」のテーマは、「データ処理のパフォーマンスを高め、データ活用までに必要になる時間を短縮することが、どのようにビジネス上の価値に結び付くのか」というものだ。これに対して、オラクルが提供する「Oracle GoldenGate」や「Oracle Data Integrator」といった最新テクノロジーがどう寄与するのかが、具体的な事例も交えて解説された。 谷川氏は冒頭、過去20年間における情報活用スタイルの変化に触れた。1990年代は「ダウンサイジング」や「オープン化」といったムーブメントが隆盛を極めたが、当時のCPUパワーや扱えるメモリ資源などは現在と比べて極めて貧弱であった。また、ネットワーク環境(インターネット)も黎明期にあり、一般的なPCやデバイスはスタンドアロンで使われることがほとんどであった。だが、それから20年を経て、状況は大きく変わっている。 「現在では、あらゆるデバイスがインターネットに接続できることが当たり前になっています。2012年には全世界の人口よりも多い約90億のデバイスがインターネットにつながり、2020年にはその数が500億に達するという予測もあります。ネットの普及、接続されるデバイスの変化や増加に伴い、そこで生み出されるデータの量は爆発的に増え、情報活用スタイルそのものも大きな変化を遂げていくのです」(谷川氏) このように変化していく情報活用スタイルを象徴するキーワードとして、今日では「ビッグデータ」や「クラウド」、「モバイル」、「ソーシャル」といった言葉が注目を集めるが、一方で「情報活用の基盤となるITインフラが、それらの変化に追随できるかどうかが極めて重要な課題になる」と谷川氏は強調する。 「残念ながら、現代の企業が持つすべてのITインフラが、情報活用スタイルの変化に適応できているわけではありません。例えば、既存システム上のデータを抽出/変換して別のシステムで活用したり、他のシステムと連携を図ったりするデータ統合の仕組みにも課題があります」(谷川氏) ビジネスのスピードがますます速くなっている昨今、データから高いビジネス価値を生み出すためには、データが生み出された時点から変換や分析を行って必要なアクションを起こすまでの時間を極力短くすることが求められる。例えば、従来のオラクル製品では、主に「データベースの機能でデータを統合する」というアプローチをとっていたが、それだけでは日々高まり続けるパフォーマンスへのニーズに十分に対応できない状況も生まれてきている。 「そこで必要とされるのが、データベース層に近い場所でデータ統合や連携を行い、より適切な時間(ライトタイム)でデータから得た知見をアクションへと結び付けることのできる情報活用基盤なのです」(谷川氏) この「新たな情報活用基盤」におけるデータの扱い方がこれまでのデータ統合方法とどう異なるのかを、谷川氏はデータを"水"に例えて説明する。 従来のデータ統合では、ソースとなるデータベースから湧き出したデータを、ETLツールを用いて浄水器に例えられるETLサーバへ夜間に汲み出し、浄化されたデータをデータ・ウェアハウス(DWH)に溜めた後、ユーザーが分析用のデータとしてそれぞれの用途に利用するといった方式がとられていた。「水の汲み出し」や「浄化」に当たる作業とは、夜間や週次、月次で行われるバッチ処理だ。この方法によるデータ統合では、生み出されたデータが使える状態になるまでに、早くても1日、遅ければ数週間以上の期間が必要となる。 これに対して、最新の方式は次のようになる。データソースから活用先までの間に逐次データを流すことのできる配水管を作ると同時に、送られてくるデータに対する処理を従来よりも高速かつ効率的に行える浄水プラントを設置するのである。 上の例えで「配水管」に相当するのはリアルタイムな「データ複製/同期技術」であり、「浄水プラント」に当たるのは、より高速な「データ変換技術」だ。これらにより、データの生成から活用までのタイムラグの短縮を実現する。オラクルのテクノロジーでは、前者のデータ複製/同期技術をOracle GoldenGateが、後者のデータ変換技術をOracle Data Integratorが担うことになる。Oracle GoldenGateとOracle Data Integratorが可能にする新たなデータ統合基盤 データベース・レプリケーション技術であるOracle GoldenGateは、データベースのログから、変更前後のデータの差分を高速にキャプチャし、別のデータベースへと配信するものだ。 「非常にシンプルなアーキテクチャをとっており、対象データベースとしてOracle DatabaseのほかにMicrosoft SQL Serverや IBM DB2などをサポート。これにより、実現できるソリューションの幅は大きく広がっています。同期方向についても、単方向、双方向だけでなく、複数のデータベースの内容を同期するマルチマスタや、1つのデータベースの内容を複数のデータベースに複製するブロードキャストに対応するなど、レプリケーションというたった1つのテクノロジーでさまざまな構成を可能にしています」(谷川氏) 一方、多様なデータソースに対して柔軟なデータ変換が行えるOracle Data Integratorの特徴は、「E-LTアーキテクチャ」にあると谷川氏は説明する。従来、データソースからBusiness Intelligence(BI)ツールなどで利用するためのデータを生成する際には、データの抽出(Extract)、変換(Transform)、読み込み(Load)から成る「ETL」のプロセスをとるのが一般的であった。 それに対して、Oracle Data IntegratorのE-LTアーキテクチャでは、データを抽出した後、それを一気に読み込み、その後で変換処理を行う。「RDBMSのエンジンによって変換処理を行うことで、リソースの効率的な活用とパフォーマンスの向上を同時に実現しているのです。もちろん、中間サーバを必要としないため、大幅なコスト削減を実現することも可能です」と谷川氏は説明する。 Oracle GoldenGateとOracle Data Integratorの組み合わせによって実現できるソリューションは実にさまざまだ。谷川氏は、その例として「システム移行時の切り替え時間(ダウンタイム)の極小化」、「Query Offload(データの分散/配信)」、「リアルタイムDWH」、「ディザスタ・リカバリ・サイト/マルチマスタ」、「データの同期/連携」、「Oracle Exadata上でのデータ統合」などを挙げる。 例えば、金融業のRaymond James社やリゾート業のStarWood Hotels & Resorts社をはじめとする欧米の企業では、異なる種類のデータベースをリアルタイムに統合する統一データ基盤の構築に利用しているところもあれば、Oracle Exadata上でリアルタイム・レポーティング環境を実現するために利用しているところもある。 また、イギリスの金融機関Royal Bank of Scotland‘s社では、Oracle GoldenGateとOracle Data Integratorの組み合わせによってリアルタイムDWHを実現している。これは、金融取引のトランザクション・データをDWHにタイムリーな情報として供給することで、業務部門が分単位でリアルタイムな意思決定を行えるようにするシステムだ。その構築期間はわずか3カ月、システム投資の回収も6カ月で達成するなど、短期間で導入メリットを享受できているという。【谷川氏の講演で紹介された顧客事例】Raymond James社 ⇒ 異種データベースをリアルタイム統合し、一元化された情報統合基盤を構築Royal Bank of Scotland‘s社 ⇒ リアルタイムDWHを実現StarWood Hotels & Resorts社 ⇒ Oracle Exadata上でのリアルタイム・レポーティングThe JM Smucker社 ⇒ オペレーショナル分析/レポーティングの強化Wm Morrisons Supermarkets社 ⇒ Oracle ExadataとOracle Data Integrationを活用Ameristar Casinos社 ⇒ 異種混在環境からDWHへのリアルタイム・レプリケーションTurkcell社 ⇒ Oracle Exadata上にDWHを構築The Yalumba Wine社 ⇒ クラウドとのデータ連携LAND O‘LAKES社 ⇒ JDエドワーズのデータベース・アップグレード時の停止時間を極小化 国内でも、スカパーJSAT、サントリー、楽天証券、ベリトランスといった企業をはじめ、大手流通業やサービス業、金融機関、官公庁、製造業、通信業などで幅広く導入が進んでいる。なお、高いパフォーマンスが求められるシステムでは、Oracle GoldenGateとOracle Data Integratorによる仕組みをOracle ExadataなどのEngineered Systemsと組み合わせることで、さらに導入/運用コストを削減できる点もポイントだ。 以上のようにさまざまな活用例を紹介した後、谷川氏は次のように述べて講演を締めくくった。 「オラクルのデータ統合技術では、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアのアーキテクチャも工夫することで、データ統合のパフォーマンスを劇的に高めています。データ処理に要する時間を一気に短縮することで、データのビジネス価値をさらに高めることができるのです。 しかも、これは近未来の話ではありません。すでに存在し、実績のある技術と製品によって、今すぐに実現することができます。今後、皆様の事業でデータのさらなる有効利用を検討される際には、ぜひOracle GoldenGateやOracle Data Integratorの活用をご検討ください」《あなたへのお勧め記事》製品解説>>活用事例>>リアルタイムのデータ統合と異種データベースのレプリケーションを実現するOracle GoldenGateOracle GoldenGate活用事例紹介Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合1(Youtube)Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合2(Youtube)Raymond James がOracle GoldenGateで異種DBをリアルタイム統合3(Youtube)

事業活動で生じるさまざまな情報(データ)を活用すれば、ビジネスの質や量をさらに高められる──「ビッグデータ」に高い関心が集まる今日、これが自明であることに疑いの余地はない。ただ...

08. Upgrade

システム停止時間を最短化し、柔軟かつ安全にデータベースをアップグレードする方法とは?──国内企業でも進むOracle GoldenGateの活用

最新のデータベースに備わる先進機能の恩恵を受けたいが、アップグレードのためにシステムを長時間停止させるのは難しいし、アップグレードに伴うトラブルも心配だ──そんな企業の悩みを解消するためにオラクルが提供しているのが、データ・レプリケーション製品の「Oracle GoldenGate」だ。同製品をデータベース・アップグレードで活用する利点や、実際に活用を進める企業の事例などを製品担当者が紹介する。(川添貴生)企業がデータベース・アップグレードで直面する3つの問題日本オラクル 製品事業統括 製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ シニアプロダクトラインマネージャーの谷川信朗氏 データベースのアップグレードは、個々の企業システムのライフサイクルにおいて、いつかは訪れるイベントだ。多数のデータベースを抱える企業では、このイベントが頻繁に発生しているかもしれない。アップグレードをどのような方法で行うか、システムの停止時間を最短化するにはどうすればよいか、移行後のシステムでトラブルが生じた際、それをどう担保するか──データベースのアップグレードには、数多くの悩みがつきまとう。 アップグレードに失敗すれば当然、大きな影響が出るため、パフォーマンス改善や可用性の向上、それによるコスト削減などのメリットがあることは理解していても、やむをえない事情がない限りアップグレードは行わず、同じデータベースを使い続けるしかないと諦めている企業もあるだろう。そもそも、必ず発生するこのイベントを、効率的かつ安全に行う手法を確立したいと考えている担当者も少なくないはずだ。 2013年8月に都内で開催されたセミナー「達人に聞く! データベースアップグレードの成功の極意」におけるセッション「移行/アップグレードの先を見据えた『Oracle GoldenGate』活用事例」で講師を務めた日本オラクルの谷川信朗氏(製品事業統括 製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ シニアプロダクトラインマネージャー)は、データベースのアップグレード・プロジェクトが直面する問題には、大別して次の3つがあると指摘する。【データベース・アップグレードで直面する3つの問題】システム停止時間の問題システムの構成変更に伴う問題移行作業にまつわる問題 「データベースをアップグレードする際、システムを長時間停止してしまうと事業活動に支障が出るため、短時間でアップグレードを行う必要があります。また、旧システムでは使っていなかったOracle Real Application Clusters(RAC)を新システムで利用するなど、異なるシステム構成にアップグレードする際には、それに応じてテストなどのコストがかさみます。移行作業そのものについても、システムの切り替えに関するテストやリハーサルなど各種の作業が発生するため、リスクを最小限に抑えながら、それらをどう進めるのかも考慮しなければなりません」(谷川氏)停止時間、構成変更、移行作業の問題を解決するOracle GoldenGate こうした問題の解消に大きく役立つのが、オラクルが提供しているデータ・レプリケーション製品Oracle GoldenGateである。 「Oracle GoldenGateは、移行元のデータベースのREDOログを読み取ってトランザクションをキャプチャし、それをリアルタイムに移行先のデータベースに反映します。あるいは、2つのデータベース間で双方向の同期をとることも可能です。このOracle GoldenGateを使えば、データベース・アップグレードに伴うさまざまな問題を解消することが可能になります」(谷川氏) それでは、Oracle GoldenGateを使うことにより、上述した3つの問題をどのように解決できるのだろうか。システムの停止時間を最小化 まずOracle GoldenGateでは、移行元のシステムをオンラインで稼働させたまま移行先のデータベースにデータを複製し、さらにデータが更新された際には移行先のデータベースにリアルタイムに反映する。この仕組みを利用することで、システム切り替えの当日にデータの移行作業を行うことなく、データベースをアップグレードすることが可能になる。移行時間を最小に抑えられるわけだ。システム構成の違いも気にせずデータを同期 また、システム構成変更の問題に関しては、以降前後のシステム構成が異なる場合でも、Oracle GoldenGateであれば吸収できると谷川氏は説明を続ける。 「アップグレード方法によってはOSやデータベースのバージョンを合わせておく必要がありますが、Oracle GoldenGateには、そうした制約はありません。例えば、Oracle RACや暗号化、Oracle Automatic Storage Management(ASM)、圧縮など、これまで使っていなかった機能を新たなシステムで利用したいといったケースでも、Oracle GoldenGateであれば構成の違いを気にせずデータを同期できるため、余計な作業を減らすことができるのです」(谷川氏)切り替え前にテスト/リハーサル、旧システムへの切り戻しも迅速 データベースのアップグレードでは、新システムでのテストや事前のリハーサル、さらには新システムに問題が生じた際の旧システムへの切り戻しなど、特有の作業も生じる。これらの課題まで解消できる点が、Oracle GoldenGateの大きな特色でもある。 前述したように、Oracle GoldenGateを使えば、移行当日ではなく、事前にデータベース内のデータを新システムに移行しておくことができる。これにより、切り替え前に移行先のデータベースを使ってテストやリハーサルが行えるようになる。移行後も、新旧のデータベースをOracle GoldenGateによって同期しておけば、新システムで問題が生じた際には旧システムに素早く切り戻すことができる。 このように前倒しで作業を実施できるほか、移行プロジェクトに伴うリスクを解消できる点も、Oracle GoldenGateが多くの企業に支持される理由となっている。アップグレード時のシステム停止時間を数十時間から数十分に短縮した企業も 続いて谷川氏は、Oracle GoldenGateを利用することでアップグレードにまつわる問題を解消した企業の事例をいくつか紹介した。 例えば、ある企業では、事前の検証により当初は数十時間のシステム停止時間を覚悟していたが、Oracle GoldenGateを使うことで数十分以内に切り替え作業を完了することができたという。 「システムが数十時間も止まれば、事業活動そのものにも大きな影響が生じます。それを数十分以内に抑えられたというのは、非常に大きな効果でしょう。もし基幹システムが1時間停止したら、それによって自社がどれだけの損失を被るのかを試算していただけば、Oracle GoldenGateの投資対効果がいかに大きいかがおわかりいただけるはずです」(谷川氏) また谷川氏は、テスト環境が不要になることも、Oracle GoldenGateを使うメリットの1つだと話す。 「ある企業では、事前にアップグレードのテストを行って本番環境で切り替えを行った場合、10台以上ものテスト用サーバが必要になることがわかりました。しかし、Oracle GoldenGateを使えば、新システムのサーバをテスト環境として利用できるので、テスト用のサーバを用意する必要はありません。これにより、ハードウェア・コストや電力コストを削減することができました」(谷川氏)Oracle GoldenGateでデータベース・アップグレードの作業を標準化 興味深かったのは、谷川氏が紹介したある企業の事例だ。先にも述べたように、Oracle GoldenGateは2つのデータベース間で双方向の同期をとることができる。同社では、この仕組みを利用して、旧システムと新システムのデータベースをアクティブ/アクティブの状態で運用し、そのデータベースに接続している2つのアプリケーションを1つずつ、旧システムから新システムに移行したというのである。 2つのアプリケーションを同時に移行した場合、いずれかのアプリケーションで障害が発生した際には、問題のないアプリケーションも含めて切り戻しを行う必要がある。しかし、2つのデータベースを同期しておけば、まず1つ目のアプリケーションを新しいデータベースに移行し、そこで問題が生じなければ2つ目のアプリケーションも移行するといった具合に、段階を踏んで安全に移行作業を行うことが可能になる。いずれかのアプリケーションに問題が発生した場合は、そこだけを切り戻せばよく、影響範囲を最小限に抑えられるわけだ。 サントリーホールディングスとサントリーシステムテクノロジー(旧サンモアテック)の事例も要注目である。 両社はOracle GoldenGateを使ったデータベース・アップグレードの手法を標準化し、それを社内の別のアップグレード・プロジェクトに適用することで、移行プロジェクトの大幅な工数削減を実現した。購入したOracle GoldenGateのライセンスを、使用時期をずらして複数プロジェクトで使い回すことにより、コスト面でもメリットが生まれる。アップグレード・プロジェクトとOracle GoldenGate双方の特性を生かした活用例だと言えよう。 こうした事例のほか、谷川氏はOracle GoldenGateで標準化したレプリケーション技術の活用例として、次のようなケースを紹介した。Query Offload(データの分散/配信)リアルタイム・データ・ウェアハウスの構築ディザスタ・リカバリ・サイト/マルチマスタの構築データ同期/連携(Replication/Synchronization)Oracle Exadataによるデータ統合 Oracle GoldenGateのレプリケーション/同期テクノロジーは、アップグレード・プロジェクトが完了した後も、さまざまな用途で活用することができる。それにより、投資対効果をさらに高められるというわけである。 データベースのアップグレードにはいくつかの方法があるが、「システムの停止時間が長期化する」、「環境が異なるデータベース間では利用できない」など、それぞれに課題があった。しかし、Oracle GoldenGateを利用すれば、そうした課題を解消し、安全にデータベースをアップグレードすることができる。システム停止時間の最短化により事業活動への影響を最小限に抑え、作業コストも削減できるので、その投資対効果も大きく、わかりやすい。データベースのアップグレードを機に、ぜひ導入をお勧めしたいテクノロジーだ。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> リアルタイムのデータ統合と異種データベースのレプリケーションを実現するOracle GoldenGate活用事例>> Oracle GoldenGate活用事例紹介

最新のデータベースに備わる先進機能の恩恵を受けたいが、アップグレードのためにシステムを長時間停止させるのは難しいし、アップグレードに伴うトラブルも心配だ──そんな企業の悩みを解消するためにオラクルが提供しているのが、データ・レプリケーション製品の「Oracle GoldenGate」だ...

11. Others

「Oracle Exadataは、単に導入するだけで相応の効果が得られる。しかし…」 東京海上日動システムズが実践するITシンプル化と、その先にあるイノベーション――Oracle Days Tokyo 2013 レポート

「強力なパワーを秘めたOracle Exadataは、単に導入するだけで相応の効果が得られる。しかし、それだけで満足するのではなく、その機会を巧みに活用していくことが重要だ」──こう語るのは、Oracle Exadataを核に据えた社内データベース集約プロジェクトを推進する東京海上日動システムズの永易稔丈氏(ITサービス本部オープン基盤部 上級プロデューサー)である。業務処理能力の向上やコスト削減、IT業務効率化にとどまらず、社内IT標準化や内製力の強化、業務改善による企業変革/イノベーション力の向上まで視野に入れた同プロジェクトの取り組みを、2013年10月に開催されたOracle Days Tokyo 2013における永易氏の講演から紹介する。(編集部)そのシステムは本当に必要なのか?Oracle Exadataのパワーを生かしてITのシンプル化を断行東京海上日動システムズ ITサービス本部 オープン基盤部 上級プロデューサーの永易稔丈氏 その社名からもわかるように、東京海上日動システムズは総合保険大手の一角を占める東京海上日動グループの情報システム会社である。約1,400名の社員のうち、300名余りがインフラ系の部門に所属している。 Oracle Days Tokyo 2013の講演「Oracle Exadataから広がるイノベーション」でスピーカーを務めた永易稔丈氏も、インフラ系の部門に所属し、ITインフラの最適化やランニング・コストの適正化という役割を担っている。その永易氏が取り組んできたデータベース集約プロジェクトは、1995年に構築されたデータマート・システムの刷新と、それによる運用コスト/システム性能の最適化を目指したものだ。 このデータマート・システムでは構築当初、汎用タイプのアプリケーションが主に用いられていた。しかし、システムの利用が進むにつれて、個別の要求を満たすアプリケーションも多く開発されるようになり、最終的なアプリケーションの数はおよそ65種に及んだ。 当然のことながら、アプリケーションの数が増えれば、インフラの増設/増強も進む。実際、集約前のデータマート・システムは15台のデータベース・サーバと3台のストレージ装置で構成されるまでに肥大化し、その結果、運用コストは膨れ上がり、また「ハードウェアの保守/サポート終了」といった問題がシステムに及ぼす影響も大きくなった。その一方で、月間400万件規模の処理をこなす中、システムのキャパシティ不足も深刻化していた。「例えば、夜間のバッチ処理の終了時間が年々後ろ倒しになり、2012年には終了時間のリミットを超えてしまうという事態に陥っていました」と永易氏は打ち明ける。 運用コストの抑制とキャパシティ不足の解消──この2つの問題を一挙に解決するためのインフラとして、東京海上日動システムズが選択したのがOracle Exadataだ。15台のデータベース・サーバ、3台のストレージ装置、65のデータマート・アプリケーションから成る巨大なデータベース・システムを集約するインフラとしてOracle Exadataが選ばれたわけである。 ただし、こう書くと、同社は単にデータマート・システムのインフラ(データベース・サーバ)をOracle Exadataに切り替えただけのように聞こえるかもしれない。だが実際はそうではなく、東京海上日動システムズでは、システム全体の整理整頓/スリム化を行ったうえでOracle Exadataへの移行を図るという"ITシンプル化"のアプローチを実践している。 このアプローチの根幹を成すのは、同社におけるインフラ選定のルールだ。このルールは、「個別インフラの乱立」や「システムの複雑化」を阻止するための方針でもあり、3つの判断基準、具体的には「(1)そのシステムは必要か?」、「(1)統合可能なシステムはあるか?」、「(3)仮想サーバ基盤上に構築できるか?」といった問い掛けをベースにしている。 東京海上日動システムズでは、このルールに従ってデータマート・アプリケーションの仕分けを進めた。その結果、Oracle Exadataへの移行対象となるアプリケーションは40程度にまで絞り込まれた。 また、これと併せてOracle Exadataの能力を生かしたアプリケーション/データのスリム化も行ったという。 「従来、データの肥大化に伴う処理性能の低下を抑えるために、データベース・テーブルをいくつかのサブテーブルに分割するという方法をとってきました。しかし、高い性能を備えるOracle Exadataであれば、巨大なテーブルから迅速に目的のデータを引き出すことができます。そこで、新システムでは、サブテーブルとそれに紐付く更新バッチのプログラムをすべて排除し、アプリケーションとデータをスリムな構造にしたのです」(永易氏) こうした取り組みとOracle Exadataのパワーにより、データマート・システムの性能は大きく向上した。例えば、以前は28時間を要していたバッチ処理が8時間で完了するようになったほか、オンライン処理についても、全体の99%のレスポンス・タイムが従来の「30秒以内」から「5秒以内」へと短縮されたのである。乱立していたBIシステムの統合化も推進 今回のデータベース集約プロジェクトでは、統合データベースを利用するBusiness Intelligence(BI)系システムへの展開も推し進めている。 東京海上日動システムズのデータマート・システムは、これまでも外部のBIツールからの参照に対応してきた。 ただし、これらのBIツールは、すべてユーザー部門が個別に主導で選定/導入されたものであり、使用されるBIパッケージにしても、それらを通じたデータの扱い方にしても、統一性や一貫性は確保されていない。それが結果的に、データの分散化や重複、さらには肥大化という問題を引き起こし、システム・レスポンス性能の低下やユーザーの不満へとつながっていた。 こうした問題の解決に向けて、永易氏らはまず、BIパッケージのユーザーにヒアリングを行い、BIツールやデータの利用実態を調べ上げた。その結果、BIツールは重要な業務で用いられてはいるものの、大半が単なるデータ・ダウンローダーとして使われ、データの加工はもっぱらExcelで、しかも長時間かけて行われていることを突き止める。加えて、データへのアクセス・ログを解析したところ、BIツールを通じて作成されたレポートの実に70%が、過去1年間まったく利用されていないことも判明した。 「これらの結果に基づき、BIパッケージのデータについても統廃合を行うことを決めました。また、分析業務やリポーティングなどの用途別にシステム基盤を整理し、運用コストの削減を図るという方向性も打ち出したのです。さらに、再度システム/データが拡散しないよう、システム選定のフローも新たに定めました」と永易氏は語り、次のように続ける。 「BI系のシステムといえども、すべてをユーザー任せにするのは、やはり危険です。そこで必要になるのが、IT部門の側がビジネスの現場における業務プロセスを理解し、適切なBIシステムを提案していくことです。また、そのようにすることで、IT改革は単なるコスト削減を超えた価値を生み出すのです」データベース集約プロジェクトを通じて、ユーザー系IT会社が本来持つべき能力を取り戻す 今回のデータベース集約プロジェクトには、アプリケーション担当部門も関与している。ただし、データマート・アプリケーションの開発担当チームは複数の部門に分かれて存在しており、それぞれの部門が異なるSIerにアプリケーション開発を委託していた。しかも、各担当者とSIerとの間では、それぞれ長年の付き合いに基づく"阿吽(あ・うん)"の関係が成り立ち、属人的な個別最適の仕組みが出来上がっていた。 とは言え、Oracle Exadataへのアプリケーションの移行作業には共通する部分が少なくない。よって、外注先は少数に絞ったほうがコスト・メリットを得やすいことは明白である。 そこで、永易氏らインフラ・サイドは、個々のアプリケーション担当者と外注業者(SIer)の関係をあえて断ち切り、1社のベンダーにアプリケーション移行/開発作業を集中的に請け負わせるという方針を打ち出す。その背景には、コスト・メリットの創出のみならず、ユーザー系のIT会社である東京海上日動システムズが本来カバーすべき業務領域を社内に取り戻す狙いがあったと永易氏は振り返る。 「外注業者との"あ・うん"の関係に慣れ切っていると、自社の要件/要求を相手に正しく伝え、要求どおりのシステムをスケジュールどおりに作らせる能力/スキルが失われていきます。その悪しき流れを阻止するには、外注業者と社員の属人的な関係は極力排除しなければなりません。そこで、社員とSIerの"あ・うん"の関係を思い切って断ち切り、社内の内製力を高める方向へとプロジェクトを持っていくようにしたのです」(永易氏) この方針は結果的に、生産性の向上や一定のコスト・メリットを生むことになった。具体的には、プロジェクトの進捗が計画よりも1カ月前倒しのペースで進み、外部委託単価も30%削減できたのである。永易氏は次のように力説する。 「IT予算のおよそ70%を占める運用コストの削減は、私たちにとって恒久的な課題です。とは言え、単純にコスト削減だけを追い求めていると、やがてはコスト構造に歪みが生じ、会社にとって最も重要なリソースであり、競争力の源泉でもある社員のモチベーションが低下してしまいます。結局のところ、コスト効果を最大化するのは"人"の力です。そこで、コスト削減や性能向上の実現だけでプロジェクトを終わらせるのではなく、プロジェクトを通じて人材の視野を広げたり、スキルアップを図ったり、あるいは業務環境を改善したりするプロセスを構築していくことが何よりも大切なのです」 そして最後に、永易氏は次のように今後の展望を語り、講演を締めくくった。 「Oracle Exadataは、単に導入するだけで、相応の効果が得られます。しかし、それだけで満足していては真のメリットは得られません。Oracle Exadataの導入をイノベーションのチャンスととらえ、その機会を巧みに活用していくことが重要です。とりわけ、今回のようなデータベース集約プロジェクトでは、データ、人、業務などさまざまな要素が集まり、絡み合いながら回っていきます。その点で、このプロジェクトは大きな広がりを持っており、わが社を変革する絶好の機会になりうると捉えています」【間もなく「Oracle Exadata最新情報セミナー」を開催!─11/21 東京、11/28 大阪】 圧倒的な性能を誇るOracle Exadataの最新版に関する情報や、導入企業における活用例などを紹介するセミナーを11月に東京、大阪で開催いたします。本記事でOracle Exadataに関心を持たれた方にお勧めのセミナーです。ぜひご参加ください。>>11月21日 東京会場の開催情報はこちら(参加費無料)>>11月28日 大阪会場の開催情報はこちら(参加費無料)《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Exadata Database Machine活用事例>> Oracle Exadataユーザー事例関連ホワイトペーパー>> 関連資料

「強力なパワーを秘めたOracle Exadataは、単に導入するだけで相応の効果が得られる。しかし、それだけで満足するのではなく、その機会を巧みに活用していくことが重要だ」──こう語るのは、Oracle Exadataを核に据えた社内データベース集約プロジェクトを推進する東京海上日動システム...

03. ビッグデータ

データの価値を今すぐ現場に、経営層に! オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める“3つの理由”──第1回 モバイル編

"情報活用力"は企業の競争力の優劣を決める要素の1つだが、それを強化するうえで、今日では"ITの活用"が大きな鍵を握っている。情報活用のフロント端末として各種モバイル・デバイスが企業の現場に浸透するのに伴い、情報活用力のさらなる向上を目指す企業は、これに対応した新たなITソリューションを必要としている。これを受け、オラクルは先頃、システム基盤製品(Engineered Systems)やBusiness Intelligence(BI)製品などから成るBusiness Analytics(BA)ソリューション群の大幅な拡充を図った。そのキーテーマは、「モバイル」、「ユーザー志向」、「インテグレーション」だ。(編集部)「モバイル」、「ユーザー志向」、「インテグレーション」──オラクルの最新BAソリューションの強化ポイント 企業がさらなる事業拡大や業務改革を推し進めるうえで、顧客や市場、商品に関するさまざまな情報を有効かつスピーディに活用することが、ますます重要な課題となっている。これを受け、オラクルは先頃、次に挙げるシステム基盤製品やソフトウェアから成るBAソリューション群の大幅な拡充を行った。Oracle Big Data Appliance:非構造化データに対応した高速なデータ統合基盤Oracle Exadata:Oracle Databaseを搭載した高速なデータ統合基盤Oracle Exalytics:各種BAI/BAソフトウェアを搭載した高速なデータ分析基盤Oracle Advanced Analytics:統計解析およびデータ・マイニング・ソリューションOracle BI Foundation Suite:高度な統合BIソフトウェア・スイートOracle Endeca Information Discovery:構造化データと非構造化データの探索型分析ツール これら最新のBAソリューション群では、特に次の3点を戦略的な強化ポイントとして掲げている。モバイル:企業で急速に普及するスマート・フォンやタブレットなどのモバイル・デバイスにおける情報活用を促進するモバイル対応機能の強化ユーザー志向:企業の現場担当者や経営者など、ITリテラシーの高くないエンドユーザーが自ら情報を活用することのできる"使いやすさ"の実現インテグレーション:企業が扱う多様な情報を、さまざまなツールによって分析/活用することのできるシステム基盤を、シンプルで扱いやすく、統合されたかたちで提供する【関連記事】>>現場の情報活用スタイルを変革し、データをビジネス価値に変えるスピードをさらに速める──Oracle Data Intelligence Forum 2013基調講演レポート>>モバイル、ユーザビリティ、インテグレーションを強化。新しくなったOracle Business Intelligenceの全容──Oracle Data Intelligence Forum 2013レポート日本オラクル 製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ担当ディレクターの石家丈朗氏 これらの強化ポイントについて、日本オラクル 製品戦略事業統括本部 戦略製品&BA推進グループ担当ディレクターの石家丈朗氏は次のように説明する。 「各種のモバイル・デバイスが『いつでも、どこからでも、必要な情報にアクセスするための情報端末』として企業に普及しつつある現在、それらのデバイスにいかに対応するかが、現場へのBAの浸透を図るうえで極めて重要な鍵となっています。単にエンドユーザーにとって使いやすいだけでなく、企業利用で必須となる高度なセキュリティ機能、大規模導入に不可欠なハイパフォーマンス、そしてIT部門にとって重要な要件である導入や管理の容易性などを高いレベルで満たしているのがオラクルのBAソリューションの最大のポイントなのです」 本企画では、オラクルの最新のBAソリューションが特色とする上記3つのテーマ「モバイル」、「ユーザー志向」、「インテグレーション」に焦点を当て、それぞれのテーマに関する具体的な特徴を紹介していく。初回となる今回は「モバイル」を取り上げる。「各種モバイル・デバイスへの容易な対応」、「企業レベルのセキュリティ」、「ハイパフォーマンス」──オラクルのモバイルBIの強み 前述のように、企業の現場担当者が利用する新たな情報端末としてモバイル・デバイスが浸透する中、それを企業の情報活用スキームにどう組み込むかが企業IT関係者の重大な関心事となっている。石家氏によれば、BIのフロント端末としてモバイル・デバイスを取り込むうえで大きな鍵となるのは、次のような点だ。BIアプリケーションやBIコンテンツ(チャートやレポートなど)を、各種のモバイル・デバイスで速やかに利用できるようにすること社内外のさまざまな場所/状況で利用されるモバイル・デバイスの利便性を損なわずに、多様なアクセス経路や端末紛失時などに対応できる高いレベルのセキュリティ機能を備えていること複雑なデータ処理要求や大量ユーザーからのアクセスに対しても迅速なレスポンスを返すことのできる高いパフォーマンスを備えていること 「BIをモバイル環境でも自在に利用できるようにするうえで大きな課題となるのは、まず各種のスマート・デバイスでも、そしてPCでも同じように利用できるようにすることです。単にアプリケーションが動くということだけでなく、アプリケーションの提供が容易かつ迅速に行えることが重要です。 また、モバイル・デバイスをエンドユーザーが客先など外出先でも社内と同様に利用できるようにするために、モバイル・デバイスの利便性を損なわずにエンタープライズ・レベルのセキュリティを適用できることも大切なポイントになります。 そして、忘れられがちなのが、バックエンドのシステムのパフォーマンスです。バックエンドのサーバが貧弱なままでは、ユーザーが求める情報を迅速に処理して速やかにレスポンスを返すことはできません。複雑な計算処理、大量ユーザーによるアクセスを円滑に処理してレスポンスを返すことのできる高いパフォーマンスも必須となるのです」(石家氏) それでは、上記の課題に対して、オラクルのBAソリューションはどのような解を提供しているのか。以下に具体的な特徴を見ていこう。ノンプログラミングでモバイル向けコンテンツを実現。エンドユーザー自身がセルフサービスでコンテンツを作ることも可能 オラクルのBAソリューションの最大の特徴とも言えるのが、各種モバイル・デバイスへの対応が容易な点だ。ソリューションの中核を成すのは、下図に示すように多彩な情報活用を実現するBIソフトウェア・プラットフォーム「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition(以下、Oracle BIEE)」である。 Oracle BI EEでは、モバイル・デバイス向けのツールとして「Oracle BI Mobile HD(以下、Mobile HD)」と「Oracle BI Mobile Application Designer(以下、MAD)」の2つを提供している。いずれもモバイル向けアプリケーションの開発/提供を支援するツールであり、それぞれ次のような特徴を備える。Mobile HD:Oracle BI EEが従来から提供しているツール。企業がPCなどで利用している既存のBIアプリケーションやコンテンツを、新たに手を加えることなくiOSデバイス向けにモバイル化し、専用アプリケーションで操作/閲覧できるようにするMAD:先頃、新たに提供が開始されたツール。モバイル・デバイス用のコンテンツをエンドユーザーが自ら新たに簡単に作ることを可能にする これらのうち、オラクルのBAソリューションの目玉の1つとも言えるMADの特徴を、石家氏は次のように説明する。 「Mobile HDのようなツールは他社からも提供されていますが、MADは、これまでにない、まさにオラクルならではの無二のソリューションだと言えます。MADを使えば、IT部門などがBIコンテンツをモバイル向けに作成/変換するといった作業を行う必要はありません。エンドユーザーが自ら、必要なデータソースをビジュアルに組み合わせてコンテンツを作り、即座に利用できるようになるのです。MADは、企業におけるBI活用の開口を一挙に広げる、"モバイル時代のBIソリューション"なのです」 Oracle BI EEのクライアント側アプリやコンテンツをMADで作成する場合、IT部門はMAD上に社内の各種データソースの情報をメタデータとして登録しておけばよい。後はエンドユーザーがPC上のWebブラウザで自分専用のダッシュボードにアクセスして、利用するデバイスとデータソースを選んでデータの処理や表示の方法を選択すると、HTML5ベースのリッチなコンテンツが完成する。 作成したコンテンツのアクセス先はWebブラウザ上に2次元バーコード(QRコード)で表示され、モバイル・デバイスのカメラでバーコードをスキャンすれば、即座にコンテンツを利用できる。作成したコンテンツを、自分が所属する部門などのグループに公開し、手軽に共有することも可能だ。モバイルでも情報漏洩は起こさない。デバイスのセキュリティはサーバ側で一括管理し、サードパーティのMDMソリューションとも連携 企業がモバイル・デバイスの業務利用を推進するうえで、社外からのアクセスや端末の紛失などに対応するためのセキュリティの確保は必須である。オラクルのBAソリューションでは、これに関しても万全の手立てを講じている。 機密情報の漏洩を防ぐべく、企業各社がセキュリティ対策の強化に力を入れている今日、モバイル・デバイスをBIのフロント端末として使う際にも、情報漏洩や不正アクセスなどを防ぐ仕組みが要求される。オラクルのBAソリューションでは、例えばMobile HD向けにセキュリティ・ツール・キット「Oracle BI Mobile Security Toolkit」を無償で提供しており、企業は自社の要件に合致したセキュリティを実現することができる。 オラクルのBAソリューションを使うえば、モバイル活用において企業が必要とする次のようなセキュリティ環境を実現することが可能だ。デバイス側のセキュリティ設定をサーバ側で一括管理する「コンテンツをデバイスに保存しない」、「サーバから一定以上、離れた場合にデバイスのコンテンツを削除する」、「一定時間以上、サーバ側との接続がない場合に、デバイスのデータをすべて削除する」といった制御を行う必要な際には、オンラインで遠隔から、システム管理者が管理コマンドを発行してデバイス側のアプリケーションやデータを削除するシステム稼働基盤としてOracle Exalyticsを利用することで、大規模ユーザー環境においても高速な暗号化通信を実現するサードパーティ製のモバイル・デバイス管理(MDM:Mobile Device Management)ソリューションと組み合わせて利用するモバイルだからこそ"クイック・レスポンス"が命。ハイパフォーマンスを実現する専用のシステム基盤を提供 モバイルへの対応で、もう1つ重要な鍵となるのが、クライアントへの素早いレスポンスを実現するサーバ側システムのパフォーマンスだ。モバイル・デバイスはエンドユーザーにとって最も身近な端末である。だからこそ、BIコンテンツを利用する際にもユーザーは迅速なレスポンスを求め、逆にレスポンスの遅いシステムである場合、現場での活用が進まなくなる恐れもある。 「BIによって企業の現場における情報活用スタイルを変革していくためには、彼らの思考や作業を阻害することのないレスポンス性能を実現しなければなりません。フロント側のデバイスやアプリケーションばかりに目をとられてしまい、バックエンドに貧弱なサーバを置いたままでは、フロントも含めたシステム全体が十分に機能しなくなる恐れがあります。それを避けるためにも、データベース・サーバとBIサーバ双方のパフォーマンス向上、すなわち情報活用プラットフォーム全体のパフォーマンス向上が不可欠となります。その目的から、オラクルはデータベース専用のシステム基盤としてOracle Exadataを、またBI処理専用のシステム基盤としてOracle Exalyticsを提供しているのです」 両システム基盤のうち、BIマシンであるOracle Exalyticsについては、Intelプロセッサを搭載した「Oracle Exalytics In-Memory Machine X3-4」とSolaris/SPARCを搭載した「Oracle Exalytics In-Memory Machine T5-8」をラインアップしている。 このうちOracle Exalytics X3-4は、前バージョンからハードウェア性能の大幅な向上が図られ、2TBのメモリ、5.4TBのHDD、2.4TBのフラッシュ・メモリを搭載する。プロセッサにはIntel Xeon E7-4870を40コア搭載し、サーバ内部のコンポーネント間はInfini Bandによって40Gbpsのスピードで接続される。 一方、Oracle Exalytics T5-8は4TBのメモリ、7.2TBのHDD、3.2TBのフラッシュ・メモリを搭載し、プロセッサとしてSPARC T5を128コア搭載。BIマシンとして圧倒的なパフォーマンスを発揮する。 これらハイパフォーマンスな専用マシン上にOracle BI Foundation Suiteをはじめとする各種ソリューション群を統合したかたちで提供している点もオラクルのBAソリューションの大きな特色であり、これによって多数のクライアントが利用する大規模なBI環境においても迅速なレスポンスを実現しているのである。 以上、今回はオラクルのBAソリューションの3つの強化点のうち「モバイル」のポイントを説明した。次回は、企業の現場におけるBA活用を促進する「使いやすさ(ユーザー志向)」に焦点を当て、具体的な特徴を紹介する。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Business Intelligence Mobile活用事例>> オラクル製品の顧客事例(英語)関連ソリューション>> Oracle Business Intelligenceのツールおよびテクノロジー関連ホワイトペーパー>> Oracle Business Intelligenceの関連資料連載「データの価値を今すぐ現場に、経営層に!オラクルのBAソリューションが企業の情報活用力をスピーディに高める"3つの理由"」第2回 ユーザー志向編 | 第3回 インテグレーション編

"情報活用力"は企業の競争力の優劣を決める要素の1つだが、それを強化するうえで、今日では"ITの活用"が大きな鍵を握っている。情報活用のフロント端末として各種モバイル・デバイスが企業の現場に浸透するのに伴い、情報活用力のさらなる向上を目指す企業は、これに対応した新たなITソリューションを必要としている。これを受け、オラクルは先頃、システム...

03. ビッグデータ

ベネッセは、オラクルのBIテクノロジーを活用してダイレクト・マーケティングのさらなる深化/進化を目指す──Oracle Data Intelligence Forum 2013レポート

ベネッセコーポレーションは現在、オラクルのテクノロジーを用いながら、ダイレクト・マーケティングの先鋭化を推し進めている。2013年8月28日に日本オラクルが開催したフォーラム「Oracle Data Intelligence Forum 2013」では、その取り組みの全容が披露された。同社は、なぜオラクルのテクノロジーが選んだのか?その背後にあるベネッセコーポレーションのダイレクト・マーケティング戦略とはいかなるものなのか? 同社IT担当者らによる講演の内容を紹介する。(編集部)"個のニーズ"をとらえた「個別シナリオ化」で顧客に応じたアプローチを ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)による講演のテーマは「ベネッセのマーケティングを支える情報基盤とその活用事例」。壇上に立ったのは、同社IT戦略部 成績・マーケティング基盤担当部長の保本尚宏氏と、ベネッセホールディングス傘下の情報システム会社であるシンフォームの山野朝仁氏(ITソリューション部所属)である。ベネッセコーポレーション IT戦略部 成績・マーケティング基盤 担当部長の保本尚宏氏 初めに登壇した保本氏は、ベネッセのマーケティング戦略の方向性から話を切り出した。 「私たちは今、当社の中核ビジネスである教育事業を支えるダイレクト・マーケティングの"深化と進化"に取り組んでいます。それによって目指しているのは、顧客獲得チャネルの"複線化"です」(保本氏) ベネッセでは従来、子供の学習を支援する各種商品を、子供の「年齢(学年)」というセグメンテーションだけを用いて「全国一律で訴求する」というダイレクト・メール(DM)マーケティングを展開していた。しかし、地域ごとに入試制度や学校の変化/多様化が進んだことから、このような一律的なマーケティングでは"個のニーズ"に対応し切れなくなってきたという。 「そこで私たちは、ダイレクト・マーケティングの方向性として、『個別シナリオ化』という深化の方向性を定めました。これは、年齢(学年)別という従来のセグメンテーションに加えて、お子様の学校別や地域別、学習スタイル、あるいは行動別といった細かなセグメンテーションを用いて、お客様へのアプローチをよりパーソナライズしていくということです。加えて、DMやメール、Webといったさまざまなチャネルを通じてお客様にタッチしていく──私たちはそのようなマーケティングを目指しています」(保本氏)実データを用いた検証でオラクルのBIソリューションの実効性を確信 個人の多様な情報に基づいて個別のシナリオを描き、それをベースにして、よりパーソナライズされたマーケティングを展開していく──こうした戦略に基づく施策をタイムリーに実行し、その的確性や効果を高めていくためには、スピーディなデータ分析によって施策のPDCAサイクルを迅速に回すことが重要になる。 ところが、ベネッセの従来のIT基盤では、システムから分析に必要な情報を収集/抽出するだけでも多くの手間がかかり、「タイムリーなマーケティング活動が行えない」、「膨大な情報資産の活用が困難」、「個別アプローチのためのコストが膨れ上がる」といった問題を抱えていた。 これらの問題を一挙に解決すべく、同社は新たな情報基盤(マーケティング基盤)の構築を決め、それによる改革の方向性として、次の3つを段階的に進めるというシナリオを描く。自動化:社内システムと分析基盤におけるデータ連携の自動化統合化:多種多様な社内データを集めた統合データベースの構築自律化:分析のセルフサービス化 このシナリオには、もちろんマーケティングのPCDAサイクルをスピーディに回すという大目標がある。その大目標を具体化するためのソリューションとして、ベネッセが選択したのが「Oracle Exadata」と「Oracle Business Intelligence Enterprise Edition(以下、Oracle BI EE)」のコンビネーションである。 「私たちの分析対象は、数千万人/数十億件にもおよぶ、お客様のデータです。そうした大量データの分析を高速に行うには、超高速なデータベースと、それとの高い親和性を持ったBusiness Intelligence(BI)ツールが必要でした」と保本氏は語る。 実際に、ベネッセが実データを使って実施した検証(概念検証:Proof of Concept)によれば、Oracle ExadataとOracle BI EEのコンビネーションにより、バッチ処理時間は従来の約3時間から約8分に、SQL処理時間は約1時間から20分程度に短縮化できたという。 また、データの圧縮率も従来の4~9倍に高められ、データ分析の操作性/レスポンスについても大幅な改善が確認できた。 なお、保本氏によれば、実データを用いた概念検証は、構想したシステムの実現可能性や有効性を導入前に確認できるという点で大きな効果があったという。単に集めるだけでは、データは価値を生まない。明確な戦略と、それに基づくデータ整備が鍵 もっとも、いかに優れたツールを使おうとも、そのことが即座に実効性の高いデータ分析やマーケティング施策につながるわけではない。その観点から、保本氏はデータ統合/BIソリューションの導入を成功に導くためのポイントを次のように説く。 「何よりも重要なのは、『どのデータを、どのように活用して価値を生んでいくか』という戦略を明確に立てることです。膨大なデータを1個所に集めさえすれば、そこから自然に何らかの価値が生まれるといったことは絶対にありません。 明確な戦略を立てたら、次はそれに基づいてデータを選別します。また、データをどう活用していくかという利用シーンを想定し、それに沿ってデータを整えていくことも重要です。 そして、開発のフェーズでも、戦略や利用シーンに基づきながら、当初の目的を見失うことなく開発を進めていくことが、その後の成功の鍵となります」(保本氏) こうした考え方に基づき、ベネッセは3年近くの歳月をかけてデータ・ウェアハウス(DHW)とBI環境の整備を進めてきた。DHWの構築は2011年度に完了させ、現在はBI環境の整備、つまりは分析のセルフサービス化に向けた整備の最終段階にある。 この整備を終えた段階で、前述した「自動化」、「統合」、「自律化」のシステムは一応の完成を見る。加えて今後は、「より広範な情報ソース、例えば、お客様の行動履歴、ソーシャル、モバイル、位置情報などを組み合わせて、またあらゆるチャネルを連携させながら、お客様との緊密な関係性を保ち続けられるような新しいアプローチを実現していきたい」と保本氏は展望する。システムのレスポンス、操作性、そして開発効率のすべてが向上シンフォーム ITソリューション部の山野朝仁氏 保本氏がマーケティング面の話を終えると、続いては山野氏が壇上に立った。シンフォームの顧客分析課に所属し、ベネッセにおける情報基盤刷新/強化をBIシステム開発という実務の面からサポートしている山野氏は、今回のマーケティング基盤構築における課題と工夫について説明した。 山野氏によれば、ベネッセが従来マーケティングの分析に用いてきた基盤は、分析案件ごとにデータソース側(外部の基幹システム側)で加工したデータを直接取り込んで使用するという汎用性の低い、言いかえれば手間もコストもかかる構造であった。 「そこで、新たなマーケティング基盤は、内部にインポート層、データ・ウェアハウス層、データマート層という3層から成る仕組みを持ち、基幹システムの生データをそのまま取り込んで活用することのできる汎用性が高い構造にしました」(山野氏) また、旧基盤は、「どの情報が、どこにあるのかわからない」、「どのツールを使うと、どういった集計が行えるのかわからない」といったユーザビリティに関する問題や、データベース構造の複雑化によるレスポンスの悪化といった問題も抱えていた。そのため、新基盤では、データベースの構造を「スタースキーマ構造を順守したシンプルな構造」にしたという。 さらに、ユーザー・インタフェースについても、「目的別集計グループ」を提供するなど、ユーザーが選択を迷わないような工夫を凝らしている。 これらの工夫の結果として、従来は5~10分かかっていた集計処理が1分以内で完了するまでに性能が向上したほか、ユーザビリティや開発効率の面でも実質的な改善が見られたという。 なお、こうしたデータベースの構造化では、「ユーザーが間違わずに集計を行えるような構造にすることが重要」だと山野氏はアドバイスする。 「構造化でミスを犯すと、テーブル結合で間違った集計結果が出力されることがあるため、この辺りの設計については細心の注意を払う必要があります」(山野氏) これらの経験や教訓、そしてオラクルのBIテクノロジーを生かしながら、今後ベネッセは、「ライトユーザー向けの分析機能の充実」や「業務プロセス別ダッシュボードの提供」、「指標とワーニング機能などの搭載」といったシステムの機能強化を図り、「個々のユーザーが、自らマーケティングのPDCAサイクルを回せるような基盤」の実現を目指す。 以上、ここではオラクルのBIソリューションも活用しながらダイレクト・マーケティングのさらなる深化、そして進化を目指すベネッセの取り組みを紹介した。中核事業のさらなる発展を目指したこの試みが、今後どのような教育サービスの拡充につながるのか。国内教育産業を牽引するベネッセの取り組みに注目したい。

ベネッセコーポレーションは現在、オラクルのテクノロジーを用いながら、ダイレクト・マーケティングの先鋭化を推し進めている。2013年8月28日に日本オラクルが開催したフォーラム「Oracle Data Intelligence Forum 2013」では、その取り組みの全容が披露された。同社は、なぜオラクルのテクノロジーが選んだ...

03. ビッグデータ

モバイル、ユーザビリティ、インテグレーションを強化。新しくなったOracle Business Intelligenceの全容──Oracle Data Intelligence Forum 2013レポート

オラクルは現在、Business Intelligence(BI)などによる高度な情報活用に取り組む企業を支援すべく、多岐にわたるハードウェア/ソフトウェア製品を提供している。2013年8月に開催された「Oracle Data Intelligence Forum 2013」では、「Oracle Business Intelligenceの全貌と製品戦略」と題したセッションにおいて、オラクルのBIソリューションの全体像と方向性、そして主な製品が紹介された。その要旨をレポートする。(編集部)「モバイル」、「ユーザビリティ」、「インテグレーション」を軸に強化が進むオラクルのBIソリューション日本オラクル 製品戦略統括本部 戦略製品&BA推進グループ 担当ディレクターの工藤啓介氏 企業の情報活用を主導するビジネス部門やIT部門の担当者を多数集めて開催されたOracle Data Intelligence Forum 2013の最後を飾るセッションでは、日本オラクル 製品戦略統括本部 戦略製品&BA推進グループ 担当ディレクターの工藤啓介氏が講師を務め、オラクルのBIソリューションの全体像を語った。 壇上に立った工藤氏は開口一番、次のように切り出した。 「日本国内では、オラクルが"BIベンダー"だという認識をお持ちの方は、まだ少数派かもしれません。しかし実は、オラクルのBIソリューション群であるOracle Business Intelligenceは、すでに世界を代表するさまざまな企業で活用されているのです」 それらの企業は、なぜOracle Business Intelligenceを支持するのか。工藤氏は、その理由を次の3点に集約する。 【Oracle Business Intelligenceが世界中の企業に支持されている理由】全社基盤として、あらゆる部門で活用できるオープンで統合され、なおかつ完全なBIソリューションである。この特徴から、経営層は「事業活動にかかわる各種の情報を、組織間の壁を超えて可視化できる」というメリットを感じている業界最先端の分析能力とビジュアライゼーション、モバイル対応、レポーティングの機能を備えている。これにより、エンドユーザーは「業務にかかわる各種の情報を、いつでも、どこからでも、簡単に分析/レポーティングできる」という利便性を享受しているBIに特化したシステム基盤「Oracle Exalytics」を利用した"超高速BI"の実現など、オラクルが持つさまざまなテクノロジーの優位性をフルに生かすことができる。これにより、IT部門は「大規模展開が可能なスケーラビリティを備えたBIシステムをシンプルかつスピーディに構築でき、なおかつ運用管理の手間は最小限に抑えられる」という恩恵を実感している こうした特徴を持つOracle Business Intelligenceの一部を成すBusiness Analytics(BA)製品では現在、次の3つを戦略的な強化ポイントとして掲げている。モバイル:企業で急速に普及するスマート・デバイスなどを使った情報活用を加速するモバイル機能の徹底的な強化ユーザー志向:企業の現場担当者から経営者まで、誰もが簡単に情報を活用できる"使いやすさ"の実現インテグレーション:企業が扱うさまざまなデータを全社的なBI活動で横断的に利用できるようにするための情報基盤の標準化 さらに、オラクルは現在、「クラウド上へのOracle Business Intelligenceのデプロイメント(配備)」にも力を注いでいる。つまり、クラウドが持つ「ユーザーは、いつでも、どこからでも、必要なときにすぐに使える」、「IT部門は、導入や運用に要する手間を最小限に抑えられる」といった利点を、Oracle Business Intelligenceでも具現化しようというわけだ。その具体的な施策として、「エンドユーザーによるセルフサービスでのデータ分析/活用や、IT部門による確実なセキュリティ・コントロール、そして、あらゆるモバイル・デバイスに対応したBIソリューションを推進していく」と工藤氏は説明する。Oracle Business Intelligenceによるイングレーションが広範かつ多彩なデータ活用を可能にする 上述したOracle Business Intelligenceに関する注力ポイントのうち、工藤氏が詳しく取り上げた1つが「インテグレーション」である。 工藤氏によれば、Oracle Business Intelligenceの最新版(バージョン11.1.1.7)では、次に挙げるようなレポート/分析業務を網羅的にカバーする機能/製品を提供している。業務リポーティング(オペレーショナル・リポーティング):業務レポートのリアルタイムな生成リレーショナル分析(ROLAP)、非定型検索と分析:業務情報/履歴情報の検索と分析多次元分析(MOLAP):複数の切り口による情報の分析プランニング/予算/フォーキャスティング:情報と経営計画/予算との比較非構造化データ分析:非構造化データ/ビッグデータの分析予測分析:予測モデルによる将来分析 このように多彩なレポート/分析機能を提供するOracle Business Intelligenceで特筆すべきことは、さまざまなリポーティング/分析のシステム全体をインテグレート(統合)できる点だ。 「今日、企業が扱うデータには、RDBMS内の構造化されたデータから、CRMやソーシャル・サービスに蓄積されたテキスト・データ(非構造化データ)まで多岐にわたり、それらがさまざまなアプリケーションで利用されています。 Oracle Business Intelligenceは、例えば構造化データと非構造化データを結合して利用したり、目標値/KPIスコアカードから業務レポートへとデータをマイグレーションしたり、さらには業績予測の結果を基にして事業プランニングの前提を設定したりといった具合に、BI業務/システムの連携と統合を統一的なプラットフォーム上で行える点が大きな特色です。これは、お客様に自社の情報資産をフルに活用していただくうえで不可欠なポイントでもあります」(工藤氏) こうしたインテグレーションを支えるOracle Business Intelligence 11.1.1.7の中核的な製品が「Oracle Business Intelligence Foundation Suite(BI Foundation Suite)」である。このスイート製品には、次に挙げるような可視化と分析のための機能(ツール)が網羅的に統合されている。予測分析(Oracle Essbaseによるwhat ifシミュレーション)財務諸表(Financial Reporting)定型帳票(BI Publisher)アドホック分析(Answers)マイクロソフトOffice統合(SmartView)タブレット(BI Mobile HD)モバイル(Mobile App Designer)統合ダッシュボード(Interactive Dashboard)シナリオ分析(Essbase)スコアカード&戦略マップ(Scorecard Strategy Management)マップによる可視化(Map Intelligence) また、Oracle Business Intelligenceにおけるインテグレートのソリューションを裏側で支えている技術が「Common Enterprise Information Model(CEIM)」だ。これは業務別/部門別に構築されたデータベースを"仮想的"に統合するための情報モデルである。このCEIMにより、エンドユーザーはデータソースがどこにあるのかを意識せずに情報を活用することができる。最新版ではビジュアライゼーションの機能も大幅に強化 続いて工藤氏は、Oracle Business Intelligence 11.1.1.7のインテグレート機能から、可視化機能へと話題を転じた。 Oracle Business Intelligence 11.1.1.7では、可視化の機能が大幅に強化されており、「パフォーマンス・スタイル」によって「重要指標」をわかりやすく表示したり、対象データの可視化に最適なビューを推奨したり、初期値の推移をわかりやすく表示したりする機能が追加された。 加えて、「SmartView」を通じたMicrosoft Officeとの統合も強化されている。SmartViewは、もともとオラクルが買収したハイペリオンが開発した技術だ。「Oracle Business Intelligenceを古くからお使いのお客様の多くは、データ分析のフロントエンドにExcelを使われています。SmartViewにより、Excelとの連携が非常にスムーズに行えるからです」と工藤氏は説明する。 Oracle Business Intelligence 11.1.1.7では、Excel側でOracle Business Intelligenceのプレゼンテーション・カタログを利用してレポートを作成したり、データをビジュアライズしたり(BIビューの作成)、ExcelやPowerPointの形式でレポートを出力したりすることが可能になった。 このほか、可視化機能の強化という面では、地図上でデータを表現するのがより簡単に行えるようになったことも大きなポイントだ。また、帳票機能モジュールであるBI PublisherもOracle Business Intelligence 11.1.1.7で大幅に機能が向上し、Excelテンプレートを使ってダッシュボードの印刷を行ったり、ダッシュボードをBI Publisherに直接エクスポートしたりといったことが可能になっている。高度な分析/シミュレーション能力、モバイル対応で情報活用を促進 Oracle Business Intelligence 11.1.1.7では、モバイルの機能も大幅に強化されている。具体的には、BIモバイル・ツールである「Oracle Business Intelligence Mobile(BI Mobile)」が刷新され、スマートフォンやタブレット上での情報の表現力/操作性が大幅に向上したほか、従来のBIコンテンツをスマート・デバイス上でそのまま表示するiOS向けのネーティブ・アプリケーション「Oracle BI Mobile HD」や、コーディング・レスの開発環境「Oracle BI Mobile App Designer」が用意された。 また、MOLAPソフトウェア「Oracle Essbase」と、「Oracle BI Enterprise Edition」のの連携が強化されたことも、Oracle Business Intelligence 11.1.1.7で注目すべきポイントだろう。Oracle Essbaseは、オラクルが2007年に買収した多次元分析(MOLAP)/シミュレーション・ソフトである。現在はOracle BI Foundation Suiteを構成する戦略コンポーネントとして位置づけられ、その機能強化が進められている。 「Oracle Essbaseを使えば、多次元/多面的なビジネスの構造を直観的なデータ・モデルとして構築することが可能であり、現実の勘定科目体系、KPI、組織、商品などの複雑な分析軸/階層構造も、そのままモデル化することができます。しかも、多次元分析のエンジンでありながら、排他制御やトランザクションのコミット処理も行うため、複数ユーザーが同時に利用することも可能となっています」(工藤氏) このほかオラクルでは、非構造化データ分析用の「Oracle Endeca Information Discovery」や、統計解析/マイニング・エンジンの「Oracle Mining/R」といった製品も提供しており、「オラクルが提供する分析ソリューションのカバー範囲は極めて広く、お客様のあらゆる分析ニーズにお応えすることができます」と工藤氏は胸を張る。 次に工藤氏は、前出のOracle BI Foundation Suiteが組み込まれた超高速なBIマシンであるOracle Exalyticsに触れ、同製品とOracle BI Mobileを用いた先進事例として、欧州のアパレル系製造小売業であるニルソングループの活用例を紹介した。 同社では、300店舗の店員にiPadを携帯させ、この端末から数百万件単位の販売情報/売上情報にアクセスさせている。Oracle BI MobileとOracle Exalyticsのコンビネーションにより、情報への高速なアクセス(1秒以内でのデータ・アクセス)、情報活用力の向上、柔軟なプランニング/フォーキャスティングなどを実現したという。しかも、サーバ側システムの稼働までに要した期間はわずか3日間である。 ハードウェアからソフトウェアまでを緊密に融合することで高い性能と迅速な導入を実現するOracle Exalyticsの魅力を紹介した工藤氏は、統合管理環境である「Enterprise Manager BI Management Pack」に関する説明で講演を締めくくった。 「Enterprise Manager BI Management Packにより、企業のBI環境全体を効率的に管理することが可能になります。BI層(Oracle BI EE、Oracle Essbase)からミドルウェア、データベース、仮想環境、OS、さらにはハードウェアに至るすべてのレイヤについて、アプリケーション品質管理、ライフサイクル管理、構成/変更管理、パフォーマンス管理を一気通貫で行うことができるのです。 Oracle Business Intelligenceをお使いのお客様、これから導入を検討されるお客様は、オラクルのBIソリューションの能力をフルに生かしていただくために、ぜひEnterprise Manager BI Management Packの導入も併せてご検討ください」(工藤氏) 以上、ここではOracle Data Intelligence Forum 2013における工藤氏のセッションの内容を基に、オラクルのBIソリューションの全体像と、これを利用するメリットを紹介した。モバイル対応の強化、エンドユーザーにとっての使いやすさの向上、そして製品/システム間連携の強化が図られたオラクルのBIソリューションは、企業の情報活用力のさらなる向上を強力に後押しする。ぜひ一度、その実力をご自身の目でお確かめいただきたい。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Business Analytics - Overview活用事例>> お客様とパートナーの成功事例関連ソリューション>> 分析、データウェアハウス、ビッグデータ用のEngineered Systems

オラクルは現在、Business Intelligence(BI)などによる高度な情報活用に取り組む企業を支援すべく、多岐にわたるハードウェア/ソフトウェア製品を提供している。2013年8月に開催された「Oracle Data Intelligence Forum 2013」では、「Oracle...

03. ビッグデータ

現場の情報活用スタイルを変革し、データをビジネス価値に変えるスピードをさらに速める──Oracle Data Intelligence Forum 2013基調講演レポート

2013年8月28日、日本オラクルは都内で「Oracle Data Intelligence Forum 2013」を開催した。その名のとおり、同フォーラムは「ビジネスの変革、あるいは成長へとつながるデータの分析力/活用力をどう獲得するか」というテーマに焦点を当てたものだ。半日のフォーラムながら8セッションが実施され、国内外企業の先進事例をはじめ、データ分析/情報活用の近代化を支えるオラクルの最新技術/ソリューションが披露された。ここでは同フォーラムの基調講演の要旨を紹介する。(編集部)データをビジネス価値に変える鍵は、さまざまなデータの「体系化」と「探索」米国オラクル ビッグデータ・ストラテジスト ビジネス・アナリティクス担当シニア・ディレクターのポール・サンドレッガー氏 Oracle Data Intelligence Forum 2013の基調講演は、大きく2つのセッションで構成された。その1つ、「ビッグデータとアナリティクスによるビジネスの変革」に登壇したのはポール・サンドレッガー氏である。米国オラクルでビッグデータ・ストラテジストを務めるサンドレッガー氏の講演では、「ビッグデータをどうビジネスの変革や企業の実利につなげるか」に関してオラクルが提唱するアプローチが、具体的な活用事例も交えて提示された。 講演の冒頭、サンドレッガー氏はビッグデータの活用を巡る企業/組織の現状について次のように指摘した。 「今日、情報機器のみならず、多種多様な"モノ"がネットワークに接続され、それらが発するデータから、モノの動き、人の動きを精緻にとらえ、ビジネスに活用できるようになってきています。それにもかかわらず、『自社にとってデータが重要』だと認識している経営層は、全体の12%程度でしかありません※。これでは、データの生成量と(企業/組織の)データ活用力との間のギャップは広がるばかりです」 ※ エコノミスト・インテリジェンス・ユニット調べ。詳細についてはこちらの資料を参照(資料の参照には、Oracleアカウントへの登録が必要になります)。 サンドレッガー氏によれば、データ分析には、大別して「ビジネスをより効率的に回す」、「ビジネスを変革する」という2つの側面があり、前者の場合は「明確な何かを行うために、データを体系化すること」が求められ、後者に関しては「データそのものを基に、何ができるのかを見出す」ことが必要になるという。そして、この2つのアプローチを組み合わせることが、「ビジネスを継続的に変革していくうえでの鍵であり、ビッグデータをビジネスの中で機能させるためのポイント」だと説く。 当然のことながら、これら2つのアプローチを融合させ、ビッグデータの活用を推進していくには、さまざまな技術が不可欠となる。 「ビッグデータを企業の情報分析環境に取り込むには、統合化された情報アーキテクチャへの移行が必要になります。つまり、リレーショナル型データと非リレーショナル型データ、および両者のストリーミング・データに関して、取得/管理/分析のための手立てを用意しておかなければならないのです。その取り組みをあらゆる側面から支援できるのが、オラクルの豊富で卓越した技術/製品にほかなりません」とサンドレッガー氏は強調する。 サンドレッガー氏が言うように、オラクルは現在、ビッグデータの分析やBusiness Intelligence(BI)、Business Analytics(BA)の領域において、多彩な製品/ソリューションを展開している。 例えば、この領域に向けたEngineered Systemsとしては、データベース・マシンの「Oracle Exadata」をはじめ、HadoopやNoSQL Databaseによる非構造化データの処理を高速にこなす「Oracle Big Data Appliance」、さらには高速なBIマシンである「Oracle Exalytics」といったシステム基盤製品をラインアップしている。 このうち、Oracle Exalyticsについては、今年8月に新版(Oracle Exalytics In-Memory Machine X3-4)の国内提供が開始され、同マシンを構成するBIソフトウェア・プラットフォーム「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition」やMOLAP分析ソフトウェア「Oracle Essbase」の機能強化も行われた。 また、オラクルはBIモバイルツールの「Oracle Business Intelligence Mobile(以下、Oracle BI Mobile)」や、非リレーショナル・データ(非構造化データ)の探索エンジンである「Oracle Endeca Information Discovery」など、多岐にわたるデータ分析/活用ソフトウェアを提供している。オラクルの最新ソリューションでビッグデータの活用に成功している企業たち もちろん、優れたITを導入したからといって、どのデータをどう分析し、いかなる変革に結び付けるかに関して明確な指針/戦略がなければ、ビッグデータを企業/組織の利益につなげるのは困難である。 しかし逆に、明確な指針/戦略の下にビッグデータの活用を推し進めることができれば、「(1)新たな疑問に対して、迅速に解を得る」、「(2)より多く、正確に予測する」、「(3)データ貯蔵庫を作る」、「(4)データに基づいた行動を推進する」といったことが可能になり、ビジネスの変革が加速されるとサンドレッガー氏は説く。 実際、米国のある自動車電気機器メーカーは、Oracle Endeca Information Discoveryを用いて、異なるデータソースに分散した膨大な製品パーツの情報(数百万台の自動車から収集した情報や34万個の稼働パーツに関するパフォーマンス・データが含まれる)から、品質上の問題の原因を迅速に突き止めるための仕組みを構築した。 これにより、品質分析を担当する同社のアナリストらは、非生産的なデータ操作の業務から解放され、本来の業務である問題原因の調査/究明により多くの時間を割けるようになった。加えて、同社が製造し、毎月出荷している約2万種/700万個のパーツについて、それぞれ個別の品質戦略を立てることも可能になったという。 また、あるメガバンクでは、Oracle Exadataによってデータマートを統合することで、重要な社内データの活用率を従来の15%から85%へと高めることに成功したという。 さらに、欧州のある銀行では、同行の会員に向けて位置情報を活用したマーケティング施策を展開している。この銀行では、従来もATMを通じて顧客の位置情報を補足することが可能だったが、それを用いた実効性の高いマーケティング施策を展開するためには、個々の顧客の特性をより深く精緻にとらえる必要があった。 そこで、各種ソーシャル・サービスの情報や購買履歴、位置情報などをかけ合わせて、顧客の潜在的な興味対象を割り出す予測モデルを開発。それを基に適切なターゲットに適切なメッセージ/広告を自動配信する施策に取り組んでいる。加えて、その効果を測り、施策の成功率を高めていくための取り組みも進めているという。 これらの事例の紹介を終えたサンドレッガー氏は、最後に次のようなメッセージを参加者に投げかけて講演を締めくくった。 「ビッグデータは、すべての企業/組織を明るく照らすことのできる新たな光源です。しかし、世界中の企業の大半が、いまだそのパワーを生かせておらず、依然として暗闇の中にいます。ぜひ、私たちとともにビッグデータによる新しい世界を切り開いていきましょう」BIモバイルが、情報活用スタイルの変革を加速する日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏 サンドレッガー氏に続いては登壇したのは、日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏である。氏は、「『今』、求められる情報活用プラットフォームのあるべき姿」と題した講演で次のように切り出した。 「今日の企業に必要なのは、データを迅速にビジネス価値に転換できるスピードにほかなりません。このスピードこそが、現代における競争優位の源泉だと言っても過言ではないのです」 ならば、データをビジネス価値に転換するスピードは、どうすれば速めることができるのか。それは、企業の現場で働くビジネス・パーソンの「情報活用のスタイル」を変革することにほかならないと三澤氏は説く。 「現場の情報活用スタイルを変えることは、企業の競争力を高める有効な手段です。また、これはデータをビジネス価値へと転換する一手でもあります」(三澤氏) もちろん、ビジネスの現場における情報活用スタイルを変えるには、今日のビジネス・パーソンの間に広く浸透し、活用されているモバイル端末、具体的にはスマートフォンやタブレット、モバイルPCでの情報活用のあり方を根本的に変えていかなければならない。 そうした考え方に基づきオラクルが提供しているのがOracle Business Intelligence Suite Enterprise Editionである。同製品の最新版では、画面の操作部や情報の表現力が強化され、「ビジネスの現場における情報活用のあり方を大きく改善するパワーを手に入れた」と三澤氏は胸を張る。 モバイル機能を提供するOracle BI Mobileは、PCやタブレット、スマートフォンといった各種端末の操作画面/用途の違いに応じて、情報の見せ方やデータ操作のやり方を最適化する機能を備える。そのため、スマートフォンの小さな画面でもデータやグラフが見やすく表示され、ストレスなく分析情報を活用することができる。 また、HTML5に対応した「Oracle BI Mobile App Designer(MAD)」を使えば、通常は多くの手間と工数がかかるモバイル・アプリケーションの開発が手軽に行える。 Oracle BI Mobile App Designerは"コーディング・レス"によるアプリケーション開発を実現しており、ターゲットとする端末タイプを選び、データソース一覧から利用するデータを選択して画面設計エリアにドラッグ&ドロップするだけで、アプリケーションを作ることができる。 この作業プロセスは、PowerPointでプレゼンテーション資料を作るのと同程度のものであり、三澤氏の講演の中で行われたデモでも、データソースをドラッグ&ドロップしていくだけでクロス集計グラフを表示するモバイル・アプリが出来上がっていく様子が紹介された。BIモバイルを支えるセキュリティ、高速な処理基盤も提供 企業の重要な情報をモバイル端末上で扱うBIモバイルの仕組みでは、セキュリティをどう確保するかも極めて重要な課題となる。そのため、Oracle BI Mobileは、バックエンド・サーバの「Oracle BI EE Server」による集中管理と暗号化、さらにはキャッシュ制御により、高いレベルの情報セキュリティを確保するよう設計されている。 また、「Oracle BI Mobile Security Toolkit」を使い、他社のセキュリティ製品と連携させることも可能だ。 一方、Oracle Mobile BIなどの技術によってモバイル端末での情報活用が進めば当然、サーバ側への負荷は高まる。それによってBIシステムのパフォーマンスが低下することにでもなれば、結果的には現場での情報活用を阻害することになりかねない。そのため、「そこれからの情報活用プラットフォームには、卓越したデータ処理能力も強く求められるようになります」と三澤氏は指摘し、次のように続ける。 「BIソリューションによる情報活用スタイルの変革を推進するには、人々の思考を阻害しないデータ処理/分析のスピードを確保しなければなりません。そのためにも、データベース・サーバとBIサーバ双方のパフォーマンス向上、すなわち情報活用プラットフォーム全体のパフォーマンス向上が不可欠だと言えます。それを可能にするのが、オラクルのデータベース・マシンであるOracle Exadata、そしてBIマシンのOracle Exalyticsなのです」 実際、こうした全体最適化のアプローチに基づいてOracle Exalyticsを導入した企業は、BIシステムのパフォーマンスを劇的に改善することに成功しているという。NTTデータはTwitterデータと企業内データの統合分析にOracle Endeca Information Discoveryを活用 「加えて三澤氏は、Oracle Exalyticsと組み合わせて利用することのできるソリューションとしてOracle Endeca Information Discoveryに再度触れ、ソーシャル・サービスなどから収集した非構造化データとRDBMS内の構造化データをマッシュアップしてさまざまな情報探索が行える同製品の魅力を紹介。そのうえで、パートナー企業であるNTTデータの山口重樹氏(執行役員 エンタープライズITサービスカンパニー 法人コンサルティング&マーケティング本部長)を紹介した。 NTTデータは昨年、米国Twitterとの協業に基づき、日本語および日本国内で投稿されたすべての"つぶやきデータ(Twitterデータ)"を、日本で唯一、公式に提供するサービスを始動させた。NTTデータは、Twitterデータと企業内データを組み合わせた分析にOracle Endeca Information Discoveryを活用していくのだという。 「Twitterデータと企業内のデータを統合的に分析することこそが重要で、これにより、広い範囲の顧客動向や製品の問題点をより早く握握することができ、真の原因把握に基づいた、より適切な対処ができるようになります。ビッグデータを企業活動に生かすためには、業務を知った現場が、構造/非構造データを統合的に探索型で分析できることが不可欠です。そのような観点から、オラクルのOracle Endeca Information Discoveryは最適なソリューションだと考えています」と山口氏は述べた。 山口氏の言葉を受けて再登壇した三澤氏は、講演の最後を次のように締めくくった。 「ビッグデータ時代には、従来の情報活用モデルに加えて、Oracle Endeca Information Discoveryが実現するような探索的な情報活用モデルが重要になりますし、Oracle ExadataやOracle Exalyticsが備える卓越した情報処理性能の必要性もますます高まります。オラクルは、企業ITの近代化を促進するこれらの技術/製品の提供を通じて、今後も企業/組織の情報活用スタイルの変革をご支援していきます」 絶え間のない技術革新を通して情報をスピーディにビジネス価値に変える効果的な仕組みを提供し、それによって企業の競争力、社会の利便性の向上に貢献する——それがオラクルの願いであり、目標でもあるということだ。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Business Analytics - Overview活用事例>> お客様とパートナーの成功事例関連ソリューション>> 分析、データウェアハウス、ビッグデータ用のEngineered Systems

2013年8月28日、日本オラクルは都内で「Oracle Data Intelligence Forum 2013」を開催した。その名のとおり、同フォーラムは「ビジネスの変革、あるいは成長へとつながるデータの分析力/活用力をどう獲得するか」というテーマに焦点を当てたものだ。半日のフォーラムながら8セッションが実施され、国内外企業の先進事例をはじめ、データ分析/情報...

08. Upgrade

DBアップグレード時の性能問題をインフラ部門で大幅に解消!──Oracle Real Application Testingが実現する“簡単アップグレード”の世界

Oracle Databaseをアップグレードする際に注意したいことの1つが、オプティマイザの処理方式の変更などに伴うSQLの実行性能の変化だ。これに関するテストを手作業で行った場合には多くの手間がかかり、また問題箇所を見落としてしまう危険性がある。そこで、この課題の解決に向けてオラクルが提供しているSQLテスト・ツールが「Oracle Real Application Testing」だ。2013年8月に都内で開催されたセミナー「達人に聞く! データベースアップグレードの成功の極意」におけるセッション「Oracle Real Application Testing を利用した Oracle Database 簡単アップグレード」の内容を基に、同製品の特徴と利点、使いこなしのポイントを紹介する。(川添貴生)DBアップグレード時の性能検証の作業負担を大幅に軽減するOracle Real Application Testing日本オラクル テクノロジー製品事業統括本部 製造ソリューション部の大橋洸輔氏 Oracle Databaseをアップグレードした際、それまで問題なく動作していたSQLがエラーになった、あるいはレスポンスが低下したといった経験をしたことはおありだろうか。これは、SQLを処理するオプティマイザの方式がバージョンアップによって改良され、それに伴って実行計画が変更されたことによって生じる現象だ。エラーやレスポンスが低下したSQLを放置すればシステムの安定稼働に悪影響が及ぶため、アップグレードの際には、そうしたSQLを見つけ出してチューニングを行う必要がある。 この作業は、工数のかかる面倒な作業の1つであることは間違いない。そこでオラクルがOracle Database 11gから提供しているのがOracle Real Application Testing(RAT)である。このツールの特徴と利点を、セッションで講師を務めた日本オラクルの大橋洸輔氏(テクノロジー製品事業統括本部 製造ソリューション部)は次のように説明する。 「Oracle RATは、実際に稼働している業務のワークロードをテストするためのツールです。具体的には、本番環境のデータベースで実行されているSQLをそのままキャプチャし、テスト対象となる環境でリプレイします。Oracle9i Database やOracle Database 10gで取得した情報をOracle Database 11gで再現するといったことも可能であり、アップグレードやパッチの適用など、データベースの変更に伴うパフォーマンスの影響を素早く正確に調べられることがOracle RATを利用する最大のメリットになります」(大橋氏)アップグレード前後のSQLのパフォーマンスはSQL Performance Analyzerで検証 Oracle RATは、個々のSQLのパフォーマンスへの影響を調査する「SQL Performance Analyzer(SPA)」と、アプリケーションのワークロードを調査する「Database Replay(DB Replay)」という2つのツールから成る。大橋氏は、「これらのツールを活用することにより、アプリケーション担当のエンジニアの手を煩わせることなく、データベースのアップグレード工数を削減できる」と話す。 SPAとDB Replayはそれぞれ役割が異なり、前者は「システムの変更によるパフォーマンス上の影響の有無を確認するSQLの単体テスト」を、後者は「本番環境での負荷による、サブシステムを含めた包括的なテスト」を実施するためのものとなる。つまり、SPAでSQLの応答時間に対する影響度を評価し、DB Replayによりシステムのスループットにおける影響度を評価するといった具合に使い分けるわけだ。 それでは、具体的なテストの流れを見ていこう。 SPAによるテストでは、初めに対象とするSQLのワークロードをSQL Tuning Set(STS)と呼ばれる形式で取得する。このSTSは、SQLテキストとバインド変数、実行計画、統計情報が含まれたものだ。このSTSを利用して、変更前の環境で各SQLを1回ずつ実行し、その結果を保存する。 次に、データベースのアップグレードなどを行った変更後の環境でも、同様にSTS内のSQLを実行し、実行計画と統計情報を収集して記録する。そして最後に、これらの作業によって得た異なる環境の結果をレポーティング機能によって比較/検証するというのが、SPAによるテスト作業の流れとなる。これにより、性能が改善したSQLと性能が劣化したSQL、そして性能が変わらないSQLを素早く確認することができるわけである。システム全体の性能の変化Database Replayで確認する 一方、DB Replayによるテストでは、まずデータベースに対するクライアントからの全リクエストをバイナリ・ファイル(Capture File)にキャプチャする。それをテスト環境にコピーし、さらにリプレイ可能なフォーマット(リプレイ・ファイル)に変換するといった前処理を行った後、ワークロードの実行時間や並列度、コミット順を再現しながらテスト環境でリプレイして、キャプチャ時とリプレイ時の変化を記録するという流れになる。 このように旧環境でキャプチャしたワークロードを新環境でリプレイすることにより、データベース全体の性能検証を簡単に行える点がDB Replayの利点となる。SPAと同様に分析レポートを出力する仕組みを備えており、キャプチャ時とリプレイ時のそれぞれにおけるパフォーマンスやエラー、データの違いなどを素早く把握できる。 大橋氏は、これら2つのツールを使ったテストのベスト・プラクティスを次のように説明する。 「通常はSPAによるテストから先に実施することをお勧めしています。DB Replayによるテストを先に行った場合、極端に遅くなったSQLがあるときに、DB Replayでのテストに多くの時間がかかってしまう可能性があるためです。具体的な作業の流れとしては、本番環境でSTSとCapture Fileを取得し、まずSPAを実行します。ここで遅くなったSQLがなければ、Capture Fileを使ってDB Replayを実施するといった具合になります」(大橋氏)Oracle Real Application Testingをアップグレード作業の平準化に活用する企業も 続いて大橋氏は、実際にOracle RATを活用した事例として、ある国内大手製造業のケースを紹介した。この企業では、アップグレード作業が属人化してしまい、平準化できないという問題意識を抱えていたと大橋氏は話す。 「データベースが数多くあり、それぞれのSQLを異なる担当者がチェックしていると、担当者のスキルによって差が生じてしまいます。また、改善すべきSQLの特定が困難になり、結局はすべてのSQLをチェックしなければならないことも問題でした。そこで、最終的な確認作業を自動化/省力化したいということで、Oracle RATを採用されたのです」(大橋氏) さらに、この企業では「Oracle GoldenGate Veridata」も活用している。これは2つのデータベース間でデータが正しく同期されているかどうかの検証を自動化するツールであり、これを使ってキャプチャ時とリプレイ時のデータの整合性検証を迅速かつ正確に実施しているわけだ。検証対象の構成はアップグレード前後の本番環境だが、加えて疑似本番環境も利用している。同社は、この疑似本番環境でOLTPの性能検証や整合性検証を事前に行い、さらに本番環境でもDB Replayを使って性能検証を実施しているという。 以上のような具合に、Oracle RATを活用した成果として、インフラ担当部門だけで実施できるテストの範囲が拡大し、さらにシステムの品質も向上したことが挙げられた。特に多数のデータベースを持つ企業では、広範囲なテストをインフラ担当部門だけで実施できるメリットは大きな意味を持つだろう。 最後に大橋氏は、「特別なスキルを必要とせず、チューニングすべきSQLを特定できることがOracle RATの最大のメリット。ぜひSPAとDB Replayをともに活用し、安全で簡単なアップグレードを実現してください」と呼びかけて講演を締めくくった。【Oracle Real Application Testingの最新情報は「Oracle Days Tokyo 2013」で!】2013年10月22日~23日に開催されるOracle Days Tokyo 2013では、本記事で紹介したOracle Real Application Testingに関するセッションをご用意しています。具体的な活用事例や手法、機能などを、実際に本製品を活用して効果を出されたお客様の事例を交えてご紹介します。ぜひご聴講ください。>>「D1-D-2 Oracle Real Application Testingを利用したOracle Database簡単アップグレード~導入ユーザーが実感した、安心・簡単、時間、リスクとコストを大幅削減~」(10月22日 14:00~14:45)>>「D1-D-1 成功事例に学ぶ! クラウド時代に備えたデータベース管理、その強化すべきポ イント」(10月22日 13:00~13:45)>>「D1-B-2 統合運用管理製品Oracle Enterprise Managerによる実践、Oracle Exadata管理術」(10月22日 14:00~14:45)>>「D1-D-3 【事例講演】ソフトウェア開発における品質問題と課題解決への取組み」(10月22日 15:00-15:45)セッションへの参加を希望される方は、下記サイトより受講セッションのご登録をお願いします。>>Oracle Days Tokyo 2013 Database & Business Analytics Summit セッション登録ページ《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Real Application Testing

Oracle Databaseをアップグレードする際に注意したいことの1つが、オプティマイザの処理方式の変更などに伴うSQLの実行性能の変化だ。これに関するテストを手作業で行った場合には多くの手間がかかり、また問題箇所を見落としてしまう危険性がある。そこで、この課題の解決に向けてオラクルが提供しているSQLテスト・ツールが「Oracle Real Application Testing」だ...

11. Others

RedHat+Oracleユーザーにぜひ知ってほしい! Oracle Linuxがオラクル製品の実行基盤に最適な理由

「オラクル製品をRed Hat Enterprise Linux 上でお使いの皆様には、ぜひ一度Oracle Linuxへの移行をご検討いただきたい」——こう語るのは、日本オラクルの松崎展晃氏だ。今日、Linuxディストリビューションは数多く存在するが、その中でOracle Linuxは着実にユーザー数を伸ばしてきた。「オラクルがオラクル製品のために開発したLinux OS」には、果たしてどのようなメリットがあるのだろうか。(川添貴生)コストを下げつつ、オラクル製品の安定稼働を実現——Oracle Linuxの2つのメリット 基幹系システムの稼働OSを、従来のUNIXからLinuxへと切り替える企業が増加している。それを象徴する事例として挙げられるのが、NTTドコモが実施した顧客情報管理システム「ALADIN」のLinuxへの移行である。同社ではそれまで、基幹業務システムの大半をUNIX上で稼働させてきたが、2013年にALADINのシステム基盤をIA化するとともに、OSとしてLinuxを採用した。 ALADINは、全国のドコモショップとインフォメーション・センターなどを連携し、顧客の与信チェックや在庫引当、売上計上、そして代理店精算などをリアルタイムに行う、NTTドコモにとって極めて重要な位置を占めるシステムである。こうしたミッション・クリティカルな領域においても、Linuxは着実に浸透しつつあるのだ。日本オラクル 製品戦略統括本部 Oracle Linux & Oracle VM営業部 部長の松崎展晃氏 このように企業でLinuxを利用する際には、ベンダーが提供する有償サポートを使うケースが一般的である。そうしたディストリビューションの1つとしてオラクルが提供しているのが、NTTドコモがALADINで採用したOracle Linuxである。松崎氏(日本オラクル 製品戦略統括本部 Oracle Linux & Oracle VM営業部 部長)は、企業がOracle Linuxを使うメリットを次のように説明する。 「Oracle Linuxには、大きく分けて2つのメリットがあります。 1つ目は、ローリスク/ハイコストダウンであるということ。Oracle Linuxであれば、OSにかかわるコストを大幅に削減することができます。 2つ目は、オラクル製品をお使いのシステムで最高レベルの性能と信頼性が得られるという点です。実際に、企業のミッション・クリティカルなシステム基盤として普及しているOracle ExadataをはじめとするEngineered Systemsで採用されるなど、Oracle Linux は私たちが自信を持ってお勧めできるOSに仕上がっています」(松崎氏)Red Hat環境のままで、サポート・コストだけを削減できる それでは、Oracle Linuxとは、どのようなLinuxディストリビューションなのだろうか。 まず大きな特徴となるのが、オラクル製品に最適化された「Unbreakable Enterprise Kernel(UEK)」と呼ばれるカーネルに加えて、Red Hat Enterprise Linuxとの完全互換なカーネルの2つを同梱していることだ。カーネル以外のコンポーネント(ユーザー空間[User Land])もRed Hat Enterprise Linuxと同等であるため、互換カーネルを選択した場合は、Red Hat Enterprise Linuxの互換ディストリビューションであるCentOSと同様に使うことができる。 この点に関連して見逃せないのが、コスト・メリットの大きさである。Oracle Linuxと同様にベンダーの有償サポートが受けられるLinuxディストリビューションにRed Hat Enterprise Linuxがあるが、年間のサポート費用で比較すると、Oracle Linuxを使った場合はわずか3分の1程度のコストでサポートを受けることができる。 これに加えてさらなるメリットとなるのが、仮想環境向けのライセンスだ。Oracle Linux Basic Limitedは、ゲストOSの数が無制限となる。一方、Red Hat Enterprise Linuxの場合はライセンスが異なり、サポート費用も大幅に高くなるため、Oracle LinuxとRed Hat Enterprise Linuxの費用差は約7.8倍にまで広がるのである。 もっとも、サポート費用がどれほど安くても、安定稼働している既存システムのLinuxを再インストールするのは避けたいと考える企業もあるだろう。そこで、オラクルは再インストールすることなく、企業の既存のRed Hat環境をそのままサポートするサービスを提供している。これは、Linuxがオープンソースであるからこそ提供できるサービスだと言える。このサービスを利用することにより、結果的に企業は既存の環境には手を入れることなく、サポート費用を3分の1から8分の1程度にまで削減できるのである。 オラクルがこれほど安価にLinux サポートを提供する理由を、松崎氏は「OSなどのインフラにかかるコストを少しでも抑え、IT予算をより有効に使いたいと考える企業のニーズに応えるため」だと説明する。 「オラクルは、ミドルウェアやアプリケーションといったより上位のソフトウェア・レイヤこそ、これからの企業のビジネスにとって重要な軸となる部分であり、そこでお客様に貢献したいと考えています。そのため、OSなどのインフラ部分については低コストで安定して使えるものをご用意し、それによって生じた余剰を上位レイヤへの投資に振り向けていただきたいという思いから、Linuxサポートを安価にご提供しているのです」(松崎氏)同一バージョンの長期サポート、高い性能/信頼性——Oracle Linuxならではの魅力も豊富 もう1つ、Oracle Linuxに関して見逃せないのが、長期サポートの提供である。これは、固定したマイナー・バージョンで最長で8年間、問い合わせ対応やアップデータ提供などのサポートを提供するというものだ。 そもそも、Linuxの世界ではバージョンアップを重ねて問題を解消していくという考え方が根強く、同一バージョンに対する長期間のサポートは基本的に受けられない。この点が、UNIXからの移行を考える企業にとって障壁となるケースが多かった。しかし、オラクルの長期サポートを利用すれば、8年間は同じバージョンでLinuxを使い続けられることになる。これは、Linuxのサポートにまつわる弱点を解消する、意欲的な取り組みだと言えよう。なお、このサービスはNECおよび富士通との協業によって実現しており、両社のいずれかと契約を結ぶことになる。 もちろん、オラクルは低コストでサポートを提供するだけでなく、OSとしての性能/機能強化にも力を入れている。 その成果を最大限に享受できるのが、オラクル製品に最適化されたカーネルであるUEKを使う場合だ。例えば、Oracle Databaseの実行性能をRed Hat互換カーネル版(Red Hat Enterprise Linux 5ベース)とUEK版(Oracle Linux 5+UEK1)で比較すると、約1.3倍~4倍の性能差が生じる。当然、UEK版のほうがパフォーマンスは高く、この結果を見れば「オラクル製品に最適なOS」だという松崎氏の言葉にも納得できるだろう。 さらに、Oracle Linuxの最上位エディションである「Oracle Linux Premier」では、オンライン・アップデート機能「Ksplice」を利用できる点も見逃せない。これは、稼動中のシステムを停止することなく、オンラインでカーネル・パッチを適用できるというものだ。昨今では、セキュリティ面の脆弱性を解消する目的などから、1日に数個のパッチがリリースされることも珍しくない。だが、システムによっては、それらのパッチを適用するための時間を確保できないというケースもあるだろう。しかし、Kspliceを利用すれば、システムを止めることなくパッチを適用できるのである。 なお、Oracle Linuxそのものは無償で提供されており、誰でも自由にダウンロードして使うことができる。このため、ダウンロードしたOracle Linuxを開発/テスト環境として無償で利用しつつ、本番環境に移行するタイミングで有償サポート契約を結ぶといった使い方をする企業もある。Red Hat Enterprise Linuxを利用する場合、開発とテストには互換ディストリビューションであるCentOSを使い、本番環境でRed Hat Enterprise Linuxに切り替えるケースが多いが、Oracle LinuxであればOSの切り替えは不要なのだ。 このように、Oracle Linuxはコスト面だけでなく、性能や運用/保守の面でも企業にさまざまなメリットをもたらす。オラクル製品の最適な実行環境として、またLinuxで稼動するシステムの運用コストを削減する手段として、ぜひ多くの企業に活用していただきたい。《あなたへのお勧め記事》製品解説>> エンタープライズに最適なOracle Linux情報サイト活用事例>> NTTドコモが顧客情報管理システムのアプリケーション実行基盤として「Oracle WebLogic …関連ソリューション>> 最高のパフォーマンスを、最小限のコストで - Oracle Exadata Database Machine関連ホワイトペーパー>> Oracle Linux関連情報

「オラクル製品をRed Hat Enterprise Linux 上でお使いの皆様には、ぜひ一度Oracle Linuxへの移行をご検討いただきたい」——こう語るのは、日本オラクルの松崎展晃氏だ...

05. システム統合管理

Oracle Database 12c対応の「Oracle Enterprise Manager 12c R3」が登場。クラウド化などで複雑化するシステムの運用管理をさらに効率化

2013年8月、オラクル製品で構成されたシステム環境に特化した統合運用管理ツールの新版として「Oracle Enterprise Manager 12c Release 3(以下、Oracle EM 12c R3)」が発表された。同製品の記者説明会では、日本オラクルの三澤智光氏と平井克人氏が登壇し、今日の企業が抱えるシステム運用管理の課題や、それを解決するOracle EM 12c R3の新機能などについて説明した。(川添貴生)最新版でOracle Database 12cに対応 2013年8月26日、日本オラクルは統合運用管理環境の新版としてOracle EM 12c R3を発表した。新版の機能強化ポイントは、「Oracle Database 12cへの対応」と「Engineered Systemsの管理機能の強化」、そして「クラウド環境におけるシステム・ライフサイクル管理機能の強化」の3点である。 まず先頃リリースされたOracle Database 12cへの対応では、同RDBMSから導入されたマルチテナント・アーキテクチャに対応し、データベースの統合や移行、クローニングといった作業の負荷を軽減する。新たにコマンドラインを覚えなくても、Oracle EM 12c R3を利用すれば、GUIによるシンプルな操作で作業が行える。複数のプラガブル・データベースの稼働状況や構成情報を一元的に監視/管理することが可能になった点も大きな特徴だ。 Engineered Systemsの管理機能の強化に関しては、Oracle Exadata Database Machine'以下、Oracle Exadata)の外部ストレージ機能である「Oracle Exadata Storage Expansion」も含めたマルチ・ラック管理を実現したほか、Oracle Exalogic Elastic Cloud(以下、Oracle Exalogic)およびOracle Exalytics In-Memory Machineについては、ソフトウェアに加えてハードウェアも包括的に管理することが可能になった。Oracle SuperClusterも管理対象に追加されている。 クラウド環境において、システム・ライフサイクルの各工程で発生する作業の自動化と効率化を実現する機能も多数追加された。具合的には、システム統合などの際、CPUやメモリなどのハードウェア・リソースにかかる負荷をシミュレートする「Consolidation Planner」がOracle Exadataに加えてOracle Exalogicにも対応。また、チャージバック(課金計算)機能のメトリックが拡張され、より柔軟な課金量算出が可能となった。Oracle Enterprise Managerがシステムと運用管理のギャップを埋める日本オラクル 専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長の三澤智光氏 今日、多種多様なシステム運用管理環境が各社から提供されているが、「それら従来型の運用管理ツールだけでは、現状のシステムで必要となる運用管理業務には十分に対応できない」と、説明会で壇上に立った三澤氏(日本オラクル専務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長)は指摘する。「現在、多くのシステム運用管理環境はインフラの管理を主な目的としており、それによって対応できない領域については人手でトラブル対応やシステム監視が行われているのが実情です。ところが、以前と比べて、今日のシステムはデータベースの数やデータ量、トランザクション量が大幅に増加しています。果たして、これまでの古い運用管理のアプローチで、そうしたシステム環境に十分に対応できるのでしょうか? これが今、企業のシステム運用管理に関して私たちが提起したい大きな問題です」(三澤氏) 具体的な課題として三澤氏が挙げたのは、データベースの最適化にまつわる問題だ。 「データ量とトランザクション量が指数関数的に増え続ける中、手作業で最適化計画を実行していくのは限界に達しつつあります。そのため、オラクルはOracle Database 10gの時代からオプティマイザの自動化機能を組み込んできました。しかし、そうした機能が備わっているのにもかかわらず、運用の現場では依然としてOracle7 やOracle8i Databaseの時代と変わらない運用管理が行われているがゆえに、無用なパフォーマンス・ダウンが生じているケースが散見されます」(三澤氏) システムやデータの規模が拡大し続ける一方で、運用管理の手法は従来と変わっていない。三澤氏は、「この"ギャップ"をOracle EM 12cで埋めていきたい」と意気込みを語る。 「私たちはOracle EM 10gの頃から、システムと、その運用管理手法の間のギャップを埋めましょうと訴え続けてきました。しかし、現状はまだ、その声が多くのお客様に届いていないと感じています。 そこで、Oracle EM 12c R3の発表をきっかけに、今後はシステムと運用管理手法の間のギャップを埋めることについて、より真剣にお客様と向き合い、高度なシステム管理を実現して、運用管理コストの削減をお手伝いしていきたいと考えています」(三澤氏)性能管理や構成管理の効率をさらに高め、現場の負担を大幅に軽減  SAPシステムのバックエンドでOracle Exadataを利用するメリットとして、まず挙げられるのが、高いパフォーマンスを生かした「処理の高速化」だ。データベース・サーバ/ストレージ・サーバ間を高速に接続する「InfiniBand」をはじめ、Oracle Exadataにはデータベース・システムの処理を高速化する技術が多数盛り込まれている。この高いパフォーマンスを利用して、ERPシステムの処理を高速化するわけだ。日本オラクル 製品戦略事業統括本部 データベースコア製品推進本部 シニアプロダクトラインマネジャーの平井克人氏 続いて登壇した平井氏(日本オラクル 製品戦略事業統括本部 データベースコア製品推進本部 シニアプロダクトラインマネジャー)は、Oracle EM 12c R3の新機能を説明した後、多くの企業が運用管理の現場で苦労している性能管理と構成管理に活用できる機能を紹介した。 性能管理については、データベースをプライベート・クラウド環境などに集約する際、必要なパフォーマンスを維持できるかどうかが課題になることが多い。そこで重要となるのが事前のテストだが、実際の業務システムで使っている数百ものSQL文をすべて再現し、さらに実際のワークロードでテストを行うのは容易ではない。そうした場面で威力を発揮する機能として平井氏が挙げたのが「Oracle Real Application Testing(RAT)」だ。 「Oracle RATのDatabase Replayは、データベースのワークロードをビデオカメラのようにキャプチャし、それを別の環境で再生する機能です。これを使うことにより、移行先の環境に対して現行の本番環境と同じ負荷をかけて、安全にリアルなテストが行えるようになります。 さらに、Database Replayが進化した新機能『Consolidated Database Replay』では、複数のデータベースのワークロードを統合してリプレイできるようになりました。これにより、データベース・クラウド環境におけるテスト・シナリオの検討およびテスト実施の工数を確実に削減することができます」(平井氏) また、パフォーマンス劣化時の対応をサポートする機能も提供しているという。 「Oracle EM 12c R3では性能管理のツールも用意しており、データベースの稼働状況を定期的にチェックして、パフォーマンス劣化などの問題が生じると、それを検知して原因を分析し、解決方法をアドバイスするという機能が組み込まれています。データベースのチューニング・スキルがなくても、担当者はこのアドバイスに基づいて対応すれば、性能劣化の問題を迅速に解決できるのです。加えて、Oracle Database 12cのコンテナ・データベース(CDB)や、その上で稼働するプラガブル・データベース(PDB)ごとの稼働状況を可視化する機能も追加されています」(平井氏) 構成管理も、多くのデータベース管理者を悩ませている課題の1つだろう。企業が扱うデータベースの急増に伴い、テーブルやインデックス、プロシージャなどといった管理対象のオブジェクトも増え続けている。これを従来のように表計算ソフトを使って管理するのは容易ではなく、実際のシステムと管理用スプレッドシートの内容が乖離しているという現場も少なくないはずだ。これに対しても、Oracle EM 12c R3は有用な機能を提供している。 「表計算ソフトによるオブジェクト管理では、例えば『トラブルが発生した本番環境のオブジェクトのバージョンを3世代前に戻す』といった要求に即座に対応するのは難しいでしょう。特に、システムのリリース直前や直後は、このようなやり取りが頻繁に発生します。しかし、Oracle EM 12c R3であれば、リポジトリで一元的にオブジェクトを管理するので、オブジェクトを前の世代に戻すといった作業もグラフィカルな管理画面で簡単に行い迅速に対応できるだけでなく、作業の人的ミスも軽減できます」(平井氏) 今日、多くの企業でシステムの規模が拡大し続ける一方、システム運用管理者の人数は一定、あるいは漸減という状況にある。担当者1人1人の負担は大きくなるばかりで、これがシステム運用管理の品質維持/向上を難しくし、システム障害による損失のリスクを高めている。 こうした状況において、今後もシステムを安定稼働させていくには、ITのアシストによって人手による作業を極力減らしながら、運用管理の品質を維持/向上させる手立てが不可欠だ。Oracle EM 12c R3は、まさにその狙いから機能強化が図られた先進の統合運用管理環境であり、Oracle Databaseをはじめとするオラクル製品を利用する企業にとっては、今後ますます重要性が高まるツールである。ぜひ一度、その効果を体験してみていただきたい。【Oracle Enterprise Managerの最新情報は「Oracle Days Tokyo 2013」で!】2013年10月22日~23日に開催されるOracle Days Tokyo 2013のセッションにおいて、本記事で紹介しているOracle EM 12c R3の新機能が詳しく紹介されます。ぜひご聴講ください。>>「D1-D-1 成功事例に学ぶ! クラウド時代に備えたデータベース管理、その強化すべきポ イント」(10月22日 13:00~13:45)>>「D1-B-2 統合運用管理製品Oracle Enterprise Managerによる実践、Oracle Exadata管理術」(10月22日 14:00~14:45)>>「D1-D-2 Oracle Real Application Testingを利用したOracle Database簡単アップグレード~導入ユーザーが実感した、安心・簡単、時間、リスクとコストを大幅削減~」(10月22日 14:00~14:45)>>「D1-D-3 【事例講演】ソフトウェア開発における品質問題と課題解決への取組」(10月22日 15:00-15:45)セッションへのご参加をご希望の方は下記から、受講セッションのご登録をお願いします。>>10月22日 Oracle Days Tokyo 2013 Database & Business Analytics Summit セッション登録ページ《あなたへのお勧め記事》製品解説>>活用事例>>単一システムからクラウドまで、統合運用管理を実現するOracle Enterprise ManagerOracle Enterprise Manager統合運用管理活用事例関連ソリューション>>関連ホワイトペーパー>>Oracle Database 12c登場: Plug into the CloudOracle Enterprise Manager 12cを最大限に活用し、コスト削減と新たなビジネスの…

2013年8月、オラクル製品で構成されたシステム環境に特化した統合運用管理ツールの新版として「Oracle Enterprise Manager 12c Release 3(以下、Oracle EM 12c R3)」が発表された。同製品の記者説明会では、日本オラクルの三澤智光氏と平井克人氏が登壇し、今日の企業が抱えるシステム運用管理の課題や、それを解決するOracle EM 12c...

11. Others

“プロアクティブなサポート”が、Oracle Exadataの運用管理を劇的に効率化する──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス【第3回】

企業のIT活用/ビジネスに大きな変革をもたらす次世代のデータベース・システム基盤「Oracle Exadata」は、企業のIT運用管理にも単なる効率化を超えたさまざまなメリットをもたらす。そのメリットを最大限に引き出すのが、日本オラクルのサポート部門だ。障害などの予兆を察知して問題発生を未然に防ぐ"プロアクティブなサポート"を特色とするサポート・サービスの提供コンセプトとサービスの概要、ユーザー企業にとってのメリットを紹介する。(編集部)Oracle Exadataの導入から運用までをカバーするサポート・サービス 前回はOracle Exadataの活用を検討する企業に対し、検討から導入、運用までを通してさまざまな支援を提供する日本オラクルのコンサルティング・サービスと、Oracle Exadataの運用管理者に必要な知識を効率的にレクチャーする研修サービス(Oracle University)を紹介した。これらのサービスとも連携しながら、Oracle Exadataを利用する企業を導入から運用までのフェーズで支援すべく提供されているのがサポート・サービスだ。 Oracle Exadataを導入した企業に対するサポート・サービスとして、日本オラクルは「Oracle Premier Support」、「Oracle Platinum Services」、「Advanced Customer Support(ACS) Services」という3種類のサービスを提供している。 以下、各サービスの概要を紹介していこう。オラクル製品の全ユーザーが利用できる標準サポート「Oracle Premier Support」日本オラクル カスタマーサポートサービス統括の吉村信吾氏 まずOracle Premier Supportだが、これはオラクル製品のユーザーなら誰でも利用することのできる標準サポートである。Oracle Exadataをはじめ、すべてのオラクル製品に通底するサポート・サービスの提供コンセプトを、カスタマーサポートサービス統括の吉村信吾氏は次のように話す。 「私たちは現在、ハードウェアからソフトウェアに至るすべてのオラクル製品に対して、『リアクティブ(Reactive)』、『プロアクティブ(Proactive)』、『ライフタイム(Lifetime)』という3つのコンセプトに基づいてサポート・サービスをご提供しています。それにより、オラクル製品の活用効率と導入効果を最大限に高めながら、末永く安心してご利用いただけることが最大の特徴だと言えるでしょう。 特にOracle Exadataのようなハードウェアとソフトウェアが緊密かつ高度に融合されたシステム基盤をお使いのお客様は、私たちのサポート・サービスをご利用いただくことで、『システムの円滑運用』、『迅速な障害対応』、『運用管理の労力削減』など多くのメリットが得られるため、積極的にご活用いただくことをお勧めしています」 これら3つのコンセプトのうち、「リアクティブ」に関するOracle Exadataのサポート内容としては、Oracle Exadataのエキスパートによる24時間×365日の相談窓口の開設を核とするサポート体制がある。Oracle Premier Supportでは下図に示すような体制がとられ、何か問題が生じた際には迅速な支援を行うための準備を整えている。 また、「ライフタイム」とは、ユーザーがOracle Exadataの価値を最大化して利用するのを継続的に支援することを意味する。これに関して、オラクルは製品に共通のサポート方針である「ライフタイム・サポート・ポリシー」を表明しており、企業のニーズに応じてシステムのライフサイクルを設定することができる。"プロアクティブなサポート"でトラブルを未然に防止する そして3つ目の「プロアクティブ」とは、問題の発生を未然に防ぐというアプローチであり、これこそがオラクルのサポート・サービスを大きく際立たせる特徴でもある。 「一般的なベンダー・サポートでは、何かトラブルが起きるとお客様ご自身で、ある程度まで問題切り分けを行った後、最適と思われるベンダーを見つけてサポート窓口に電話をかけ、サポート担当からアドバイスをもらいながら問題の解決に当たります。このとき、お客様には大きな負担がかかるわけですが、この負担を軽減するのに一番良いのは、ワンストップ・サポートの実現はもちろんのこと、何よりもトラブルを未然に防ぐことです。 また、万一トラブルが起きてしまった場合でも、お客様が最適な手順で、できればセルフサービスで解決に当たれるような仕組みがあることが望ましいでしょう。そのための手段を提供するのが、オラクルのプロアクティブなサポートなのです」(吉村氏) "プロアクティブなサポート"のキーワードとして、Oracle Premier Supportでは次の3つを掲げている。予防(Prevent):既知の問題の発生を予防する迅速な解決(Resolve):問題が発生した際の効率的な解決方法とツール、支援を提供するアップグレード(Upgrade):オラクル製品を適宜アップグレードして最善の状態を保つためのプロセスおよびツールを提供する ここでは各キーワードの下に提供されるサービスの詳細は割愛するが、特筆しておきたいのは、"プロアクティブなサポート"の要となるサポート・ポータル「My Oracle Support」の存在だ。 「My Oracle Supportは、サポート契約をいただいたお客様に対して24時間365日、最新のサポート情報をお届けするためのポータル・サイトです。このサイトでは、すべてのお客様に共通な情報だけを提供しているのではありません。 お客様側システムに監視エージェントを組み込み、それを介してお客様システムの情報を取得して、システムの状態、インストールされているソフトウェア、ソフトウェアのバージョン、起動中のソフトウェアを常時把握。好ましくない予兆を検知した場合はMy Oracle Supportのポータル画面を通してお客様に個別にお知らせするヘルス・チェックの機能や、必要に応じてアップグレードに関するアドバイスを受けられる機能などもご提供しています。これらを利用することにより、お客様はいつでも、自社のシステムが健全かどうかを把握し、適宜対応できるのです」(吉村氏) こうした先進的なサービスを標準サポートの範囲内で利用できる点が、他社のサポート・サービスにはないOracle Premier Supportの大きな利点である。Oracle Exadataユーザーは、システムの障害検知、推奨パッチのアドバイスを受けられる「Oracle Platinum Services」も利用可能 オラクル製品の全ユーザーが利用可能なOracle Premier Supportに加えて、Oracle Exadataユーザーのためのサービスとして2012年から提供が開始されたのがOracle Platinum Servicesだ。こちらも、Oracle Exadataユーザーは標準サポートの範囲内で追加コストの負担なく利用することができる。 Oracle Platinum Servicesを利用する大きなメリットとして、吉村氏は次の3点を強調する。障害検知:システム(ハードウェア)の障害を検知すると、そのことをメールでユーザーに通知するとともに、サービス・リクエストに自動登録する迅速なサポート対応:自動的にサービス・リクエストに登録された障害については、休日などでユーザーがオフィスに不在の場合でも、オラクル側のOracle Exadata専門チームが原因究明などリモートで行える対応に着手するパッチ適用:1年間に最大4回まで、ユーザー側のOracle Exadataにオラクルがリモートでパッチ(ハードウェアおよびソフトウェアのパッチ)を適用する定期的なパッチ適用でシステムの状態を健全に保ち、安定運用を実現する このように、Oracle Premier Supportの内容からさらに踏み込み、オラクルがより能動的にサポートする点が大きな特色となる。これも、他社にはないオラクルならではのサポート内容だが、3つ目のパッチ適用については少し説明が必要だろう。 「すべてのオラクル製品を対象とするOracle Premier Supportでもパッチをご提供していますが、適用するのはあくまでもお客様ご自身です。それに対して、Oracle Platinum Servicesでは、オラクルがリモートでお客様のシステムにパッチを適用します。その狙いは、私たちがOracle Exadataをご提供するうえでの理想像として、『その時点で最高の状態のOracle Exadataをすべてのお客様にご利用いただきたい』ということがあるからです」(吉村氏) その理由は次に説明するとおりだ。 例えば、各企業が利用するOracle Exadataのパッチ適用などがユーザー個別の判断だけに基づいて行われているような場合、企業ごとにOracle Exadataの状態が異なることになり、その違いに応じて運用管理のさまざまなフェーズでの判断が複雑化してしまう。 だが、オラクルが目指すように、すべてのOracle Exadataが限りなく最新かつ共通の状態を維持できるのなら、Oracle Exadataが本来持っている耐障害性と統合性をメンテナンスの面でも最大限に発揮することができ、ユーザー側はコストをかけずに安定した状態でOracle Exadataを利用し続けられるようになる。 Oracle Exadataを利用するということは、常により安定した、管理コストの低いシステム環境を使い続けられることを意味する。オラクルが近年提唱している"Simplify IT"を体現したシステム基盤がOracle ExadataをはじめとするEngineered Systemsであり、オラクルのサポート・サービスも、この理念の下でハードウェア/ソフトウェアが一体となって提供されているのだ。企業のニーズに応じてエキスパートが個別対応するカスタマイズ・サポート「Oracle Advanced Customer Support(ACS) Services)」 企業のシステム環境をシンプルで安定した、運用管理コストの低い状態に保ち続けることがOracle Exadataに関して提供されるサポート・サービスの第一目標となるが、一方で導入から運用までのフェーズでは、それぞれの企業で個別の課題が生じ、対応が必要になるのも事実だ。そうした課題にきめ細かく対応すべく用意された拡張サポート・サービスがACS Servicesである。このサービスでは、Oracle Exadataの導入フェーズから運用フェーズを通して、個別のサポート内容で導入/運用を支援する。 ACS Servicesは「Fixed Scope Services」、「Time & Materials Services」、「Annual Services」という3つの体系(下図参照)から成り、Oracle Exadataについても、この体系に沿ったサービスが提供される。 Oracle ExadataなどのEngineered Systemsに関しては、ハードウェアとソフトウェア双方のスキル/経験を有したデリバリー・チーム編成が必要となる。そのため、ACS Servicesでは旧サン・マイクロシステムズのハードウェア技術者および従来のオラクルのソフトウェア技術者によるハイブリッドな体制が組まれており、多くの導入/運用実績を基に安心/安全なサービスの提供を実現している。 Oracle Exadata向けに提供され、特にニーズの高い代表的なサービスは次に示すとおりだ。Fixed Scope Services:購入したハードウェア/ソフトウェアによる標準的な初期システム構築と、ZFSバックアップ・ストレージやOracle Enterprise Managerなど周辺ハードウェア/ソフトウェアの導入など、案件ごとに異なる要望に対応したカスタム・セットアップ作業を事前に定義したサービスとして提供するTime & Materials Services:システム構築フェーズにおけるサポート技術情報の提供や不具合が見つかった際の調査支援、運用開始後のオンサイトでの技術支援など、エンジニアによる工数ベースの支援を提供するAnnual Services:開発/運用フェーズにおいて、遠隔監視の仕組みを使ったシステム運用の代行、ユーザー担当チームによるプロアクティブ情報の提供、障害対応支援やパッチ適用作業の実施を行う 以上の柱から成るACS Servicesについて、同サービスの導入を推進する小嶋俊臣氏(日本オラクル カスタマーサポートサービス統括 アドバンストカスタマーサポートサービス統括本部 担当ディレクター)は次のように説明する。日本オラクル カスタマーサポートサービス統括 アドバンストカスタマーサポートサービス統括本部 担当ディレクターの小嶋俊臣氏 「Oracle Exadataに代表されるEngineered Systemsは、ハードウェアからストレージ、ソフトウェア、OS、ネットワーク機器に至るすべてのコンポーネントをオラクルが提供する統合システム製品であることから、お客様のオラクルに対する期待値、ご要望の範囲が多岐にわたる傾向が従来と比べて強くなってきています。そこでACS Servicesでは、こうしたお客様のご要望にワンストップで対応可能なデリバリー体制を編成しました。 お客様のシステム環境、運用特性を理解/把握したデリバリー・チームが、Oracle Premier SupportおよびACS Servicesのグローバル・チームと連携することで、万一システムに障害などが発生した際のお客様の対応負担を軽減するとともに、迅速かつ適切な対処を行います」(小嶋氏)運用代行、計画的なパッチ適用作業など、システムの安定運用を密着サポート メインフレームの代替えとしてのニーズも高いOracle Exadataには、それと同等の信頼性やミッション・クリティカル性が求められる。これらに関する要求が特に厳しいのは運用フェーズであるため、ACS Servicesでは同フェーズを対象にしたAnnual Servicesの中で、「システム運用向けご支援サービス」、「システムの遠隔監視を活用した運用代行サービス」、「Exadata向けのパッチ・セットを計画的に適用するサービス」の3領域において、次のようなサービスを提供している。【システム運用向け支援サービス(24時間365日対応)】Advanced Support Assistance(ASA):ユーザー担当窓口(TAM:Technical Account Manager)をアサインし、障害対応や問い合わせ内容の整理、重要障害への対応レベル向上(エスカレーション)などを支援するBusiness Critical Assistance(BCA):ASAの上位サービス。ASAのサービスに加えて、予防保守を目的としたパッチ情報や技術情報、ナレッジといったプロアクティブ情報の個別提供を行う。また、Service Delivery Engineer(SDE)による技術支援も提供するSolution Support Center(SSC):BCAの上位サービス。専任エンジニア・チームとユーザーを結ぶホットラインを提供する。障害時対応においてユーザーと最も緊密な連携が可能なサービス【システムの遠隔監視を活用した運用代行サービス(24時間365日対応)】Advanced Monitoring and Resolution(AM&R):Oracle Exadataのすべてのコンポーネントの稼働状況を常に遠隔監視し、何か問題(インシデント)を見つけた際にはグローバルのエンジニア・チームがネットワークを介して分析/判断/対応を実施する。オラクルのハードウェアだけでなく、他社製のシステムまでカバーすることも可能※。AM&Rにより、Oracle Exadataを中心とするシステム環境において、「プロフェッショナルな常時監視/迅速対応の体制」と「システム運用の負荷軽減」を同時に実現できる ※具体的な条件などについては、日本オラクルのACS Services担当者にご相談いただきたい。【Exadata向けのパッチ・セットを計画的に適用するサービス】Quarterly Patch Deployment(QPD):4半期ごとにリリースされるパッチの最適な適用計画を策定し、適用後は報告会を実施する。また、定期的に(原則として毎月)パッチ・リリース情報やサポート対応中のサービス・リクエスト(SR)の状況について報告を行い、ユーザーのパッチ適用計画の策定/実行を支援する 最後のQPDに関して補足しておこう。国内企業の中には、パッチ適用に対して慎重な企業が多い。これは、複数ベンダーの製品を組み合わせて構築した従来型のシステム基盤では、構成要素間の整合性をベンダー各社に個別に確認しながらシステム全体にパッチを当てるのにかかる膨大な工数、およびシステム変更の複雑性によるリスクを考慮すると、現実的ではなかったためだ。 しかし、Oracle Exadataに関しては、ハードウェアからソフトウェアまでをすべてオラクルが提供し、しかもそれらの間の整合性をとりながらシステム全体を改善していくためのパッチ・セットもオラクルが提供している。つまり、パッチを当てることに対するリスクは従来のシステム基盤に比べて格段に低いのだが、「お客様の中には、従来のシステム基盤に対するイメージから、パッチ適用をネガティブにとらえている方が少なくありません」と小嶋氏は話す。 「Engineered Systemsの場合、『計画的なパッチ適用』によって解決済みの不具合(バグ)に起因する障害の発生を未然に防げるだけでなく、万一の障害発生時の対応をスムーズに進められるなど、お客様にとって運用上のメリットが極めて大きいため、全世界で推奨/推進しています。お客様に代わって私たちがパッチ適用の計画策定とご報告を行うかたちでご支援し、定期的なパッチ適用に徐々に慣れていただきたいということもあり、このサービスをご提供しています」(小嶋氏) こうしたサービスを利用することで、企業は運用計画の策定や業務運用と連動した運用管理作業といった本来やるべき業務に集中しつつ、運用管理の効率化や運用負担の軽減を図れるようになる。これこそ、Oracle Exadataの提供によってオラクルが提供したいと望む重要な価値の1つにほかならないのだ。 以上、3回にわたり、Oracle Exadataを活用する企業に対し、日本オラクルが全社を挙げて提供するサービス群を紹介してきた。ハードウェアとソフトウェアを高度に融合させた次世代のシステム基盤は、圧倒的な処理性能を生かしたビジネスの改革を可能にするとともに、企業システムの運用管理やコスト構造にも���きな変���をもたらす。この一挙両得なシステム基盤を自社にどう取り込むか──まずは日本オラクルにお気軽にご相談いただきたい。【保守期限が迫るサーバーやストレージはありませんか? リプレースで考えるべきポイント、教えます】迫るサーバーやストレージの保守期限。これを機に、解決したい課題はありませんか? Oracle Exadataを利用して賢く、効果的にリプレースするためのポイントをマンガでわかりやすく解説しています。>>Oracle Exadata特設サイト「迫るサーバーやストレージの保守期限。賢くリプレースしませんか?」《あなたへのお勧め記事》製品解説>> Oracle Engineered SystemsおよびOracle Optimized Solutionsの完全なサポート 活用事例>> RICOH:My Oracle Supportの活用で"プロアクティブ"なシステム保守を実現~Oracle…関連ソリューション>> Oracle Platinum Services関連ホワイトペーパー>> Oracle Platinum Services紹介資料(PDF)

企業のIT活用/ビジネスに大きな変革をもたらす次世代のデータベース・システム基盤「Oracle Exadata」は、企業のIT運用管理にも単なる効率化を超えたさまざまなメリットをもたらす。そのメリットを最大限に引き出すのが、日本オラクルのサポート部門だ...

11. Others

システム構築で失敗しない! 導入企画からシステム設計/構築、人材教育まで使い倒せる支援サービスとは?──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス 【第2回】

情報処理スピード、コスト最適化、そしてビジネス価値の創出に至るまで、従来のシステム基盤にない特徴を備えた次世代のデータベース・システム基盤「Oracle Exadata」。8分の1ラック・モデルの登場により、部門レベルでのスモールスタート導入も可能になったこのシステム基盤の活用を支援すべく、日本オラクルは全社を挙げた活用支援体制を敷いている。今回は、導入検討からシステムの設計/構築までのフェーズを通して日本オラクルのコンサルティング部門、教育部門が提供するサービスの概要を紹介する。(編集部)豊富な導入実績を基に、日本オラクルのコンサルタントが活用を支援 「Oracle Exadataの価値をすべての企業に」という思いの下、日本オラクルは導入検討から運用開始後まで、全ライフサイクルにわたって支援すべくさまざまなサービスを提供している。 これらの活用支援サービスの中で、多くの企業が最初に利用するのはコンサルティングサービスであろう。日本オラクル コンサルティングサービス統括 テクノロジーコンサルティング統括本部 テクニカルアーキテクト本部 基盤ソリューション部 部長の加藤祥平氏 「私たちは、国内企業への豊富な導入実績に基づき、Oracle Exadataの利用を検討されているお客様に対して、導入検討段階から運用開始後まで、さまざまなコンサルティングサービスをご提供しています」と語るのは、日本オラクル コンサルティングサービス統括 テクノロジーコンサルティング統括本部 テクニカルアーキテクト本部 基盤ソリューション部 部長の加藤祥平氏である。 加藤氏が所属するテクノロジーコンサルティング統括本部では、「Oracle Exadataをどのように導入するか」、「導入後はどう運用していくか」、「他のシステムとの連携をどう実現するか」、「社内のデータベース基盤をどのようにしてOracle Exadataに統合するか」、「導入後、どのようにして社内での活用範囲を広げていくか」など、企業がOracle Exadataを最大限に活用できるよう支援すべく、下図のように広範なサービス・メニューを用意している。 これらのサービス群は、大別して2つのサービス群「Exadata基盤構築サービス」と「Exadata基盤ソリューション・サービス」から成る。以下、両サービス群に用意された各サービスの概要を紹介する。Oracle Exadataによるインフラ構築を支援する「Exadata基盤構築サービス」 まずExadata基盤構築サービスだが、これは文字どおり、Oracle Exadataによるインフラ構築を支援するサービスだ。同サービスには、具体的なサービス・メニューとして次のようなものが用意されている。【Exadata基盤構築サービス】Exadata基盤設計/構築/試験サービスOracle Exadataによるシステム基盤の設計、構築、稼働テストなどを行う。Oracle Exadata内の構成変更や運用監視、バックアップ関連の実装支援がメインExadataアプリケーション/データ移行支援サービス既存のシステム基盤から、アプリケーションやデータをOracle Exadataによる新システム基盤に移行するExadata基盤運用サービスOracle Exadataによるシステム基盤の運用を行うExadata基盤フィージビリティ・サービス既存のシステム環境や業務を踏まえて、Oracle Exadataによる新システム基盤をどのように実現できるかを具体的に検討する※ 企業のニーズに応じて、ここに明記した以外のサービスの提供にも柔軟に対応している 「国内で多くのお客様への導入をご支援する中でさまざまな経験/ノウハウを蓄積してきたことにより、Oracle Exadataの導入プロジェクトに関しては、大部分で標準化が進んでいます。 従来のオープン・システム・プロジェクトでは、お客様が自ら調査を行うなど労力のかかるタスクが多く、導入までに期間とコストがかかっていたという実情があります。 それに対して、Oracle Exadataでは、Engineered Systems およびオラクルのコンサルタントのベスト・プラクティスを実地で体験しながらシステム構築することができます。これにより、導入までの期間を削減しつつ、より深く広範なノウハウを吸収することができ、それが結果としてプロジェクトのコスト削減、品質向上につながると考えています。 このように、ベスト・プラクティスやブループリントをベースにして、数カ月という短い期間で高い品質のシステム基盤を構築して運用に入れることが、Exadata基盤構築サービスの最大のセールスポイントになります」(加藤氏) 顧客のニーズに応じて、加藤氏らが基盤設計から試験(テスト)までを行う場合もあれば、設計など一部の作業だけを日本オラクルが行う場合もある。いずれはユーザー企業が自立してOracle Exadataを活用できるよう、スキル・トランスファーも精力的に行っている。 ちなみに、Oracle Exadataの搬入やセットアップなどについては、次回の記事で触れるOracle Exadata専門のサポート・チームが実作業を行い、セットアップ後のインテグレーションや動作検証などをコンサルタント・チームが担当。システム導入後も、Oracle Exadataそのものに関するサポートには専門のサポート・チームが引き続き対応する。 なお、先に加藤氏も述べたように、数多くの国内企業への導入を支援してきたことで、Oracle Exadataを核にしたシステム構築の手法については標準化やノウハウの蓄積が進んでいる。 「現在、それらの手法やノウハウを私たちのパートナー様と積極的に共有し、スキル・トランスファーを行っています。それにより、Oracle Exadataによるシステム構築に対応できるパートナー様をさらに増やし、より多くのお客様にOracle Exadataを迅速に導入いただける体制を整えているところです」(加藤氏)企業の情報活用全般をサポートする「Exadata基盤ソリューション・サービス」 Exadata基盤構築サービスの提供パートナーを増やす一方で、「オラクルのコンサルタントとして、今後より一層力を入れていきたい」と加藤氏が話すのが、2つ目のExadata基盤ソリューション・サービスだ。 「Oracle Exadataの導入企業が増えるのに伴い、私たちコンサルタントに対しては、導入したOracle Exadataの周辺環境の構築や活用領域の拡大、新たな活用方法の検討、複数システムの統合、コンソリデーション、さらにはアプリケーションまで含めたシステム全体の企画/展開に対して包括的な支援を求められるケースが増えてきました。それをご提供するのがExadata基盤ソリューション・サービスです。 例えば、複数システム/環境の統合やコンソリデーションは、最近の案件では当然のように導入と併せて当初から検討されます。統合プロジェクトの計画検討から、リソース管理機構のOracle Exadata上への実装、順次移行におけるキャパシティ・プランニングまで、オラクルであれば一貫したご支援が可能です。こうしたご支援こそ、私たちが得意とするところでもありますし、今後はこのサービスの提供に力を入れながら、お客様とのより深く、長期にわたるお付き合いを築いていきたいと考えています」 システム構成があらかじめ決まっており、短期間で導入して、すぐに使い始められる点がOracle Exadataの大きな特徴だが、実際に現場で利用する際には、個々の企業の事情に応じて、さらなる道具立てを揃える必要がある。 「例えば、最もシンプルなシステム構成はOracle Exadata上で1つのデータベースを稼働させる形態ですが、その場合でも、実際に現場で稼働させる際には『複数システム/データベースを統合していきたい』、『他システムとの連携をどうするか』といった要件/課題が生じます。Exadata基盤ソリューション・サービスでは、そうした部分の検討/設計/構築をお手伝いしています」(加藤氏) 併せて、Oracle Exadataを活用した災害対策、事業継続性向上のためのシステム基盤など、付加価値的な機能の設計/構築も支援している。 また、加藤氏が話すように、Oracle Exadataの一定期間の運用を経て、その可用性や信頼性に確証を得た企業では、次に挙げるように、より高度/広範な用途でOracle Exadataを利用したいというニーズが生まれている。データベース統合やシステム・コンソリデーション、プライベート・クラウドの基盤など、より広範な用途での活用従来メインフレームがカバーしていた、よりミッション・クリティカルな領域への適用(メインフレーム・コンソリデーション) Oracle Exadataと組み合わせて使うことで高い相乗効果を生むOracle ExalogicやOracle Exalytics、Oracle Big Data Applianceなど、複数のEngineered Systemsの導入を検討する企業もある。下図に示すように、今日のオラクルはOracle Exadataを中心に、企業システムで求められるさまざまなハードウェア/ソフトウェアを網羅的に取り揃えている。 これらのソリューションと、圧倒的なデータ処理性能/スケールを備えるOracle Exadataを活用すれば、それぞれの企業の事情に応じ、中長期にわたってシステム全体を段階的に最適化していけるというわけだ。 こうした狙いの下に提供されるExadata基盤ソリューション・サービスでは、下表に示すようなサービスを提供している。【Exadata基盤ソリューション・サービス】データベース基盤統合支援サービス複数のデータベースをOracle Exadataによる新システム基盤に統合する。統合に向けたロードマップの策定や各システムの要件調整、統合システムにおけるリソース制御などの実装までを支援データ連携基盤設計/構築支援サービスOracle Exadataによるシステム基盤と周辺システムの連携基盤の設計/構築を行うシステム基盤移行支援サービス既存システムからOracle Exadataによる新システムへのインフラ移行を支援するデータ・モデル設計支援サービス企業が取り扱う各種データのモデル(概念、論理、物理モデル)の策定や、個々のシステムへの実装など、データ・アーキテクチャの策定/運用を支援する※ 企業のニーズに応じて、ここに明記した以外のサービスの提供にも柔軟に対応している【関連記事】「いざビッグデータ活用!」への備えとして、企業はデータ・アーキテクチャの管理強化を これらのサービスを通じて、Oracle Exadataを利用した企業システムの最適化や情報活用戦略の策定/遂行を支援するとともに、日本オラクルの教育部門(Oracle University)とも連携しながら、Oracle Exadataに搭載された各種先進技術の使い方や設計方法のレクチャー、さらには先進技術を活用したIT業務効率化の支援まで行っている。 このように、企業システムに求められる広範な領域を自社のソリューションでカバーし、それらに対して同社コンサルタントから包括的な支援が受けられる点も、オラクルならではのメリットだと言えよう。まさに、Oracle Exadataを核にした企業の情報活用の相談役/パートナーとして活動しているのが、加藤氏らコンサルタント・チームなのである。Oracle Exadataの自社運用管理に必要な最新技術を効率的に学べる教育サービス日本オラクル オラクルユニバーシティビジネス推進部 シニアマネジャーの阿部憲三郎氏 そのコンサルタント・チームとも連携して、Oracle Exadataを導入する企業に最新のデータベース技術やシステム管理運用技術の活用法をレクチャーしているのが、日本オラクルの教育サービス(Oracle University)だ。同サービスの企画/提供に当たるオラクルユニバーシティビジネス推進部 シニアマネジャーの阿部憲三郎氏は、Oracle Universityで提供するOracle Exadata関連の教育サービスの概要を次のように説明する。 「Oracle Exadataに関してご提供している教育サービスには、大きく分けて2つあります。1つは、Oracle Exadataの導入を行うパートナー様向けの研修サービスで、これに関してはOracle Exadataによるシステム構築/運用管理全般について学んでいただくコースや、Oracle Exadataに搭載された最新のデータベース技術やセキュリティ技術、システム運用管理技術を学んでいただくコースなどがあります。これらのコースの多くは、「Oracleトレーニング・オンデマンド」というオンデマンド型のトレーニング配信サービスでも受講いただけます。クラスルーム・トレーニングと同じ内容を演習環境も含めて自分のペースで好きなときに何度でも受講できるため、多忙で現場を離れるのが難しいエンジニアの皆様にご好評いただいています。 また、もう1つはOracle Exadataを導入されるユーザー企業様向けに提供しているもので、こちらについては現在、特別にカスタマイズしたコースをご用意しています」 先に加藤氏も語ったように、Oracle Exadataは先進のデータベース技術やシステム運用管理技術を凝集したシステム基盤であり、Oracle Exadataを導入する企業の中には、それらの技術に初めて接するところが少なくない。そうした企業の場合、コンサルティングサービスを活用してシステムを導入した後、自社で運用管理を行い始めたものの、知識や経験の不足から不必要に工数をかけてしまう可能性がある。それを防ぐために、Oracle Exadata導入前に必要な知識を効率良く学び、スムーズに運用を開始してもらおうというのが、後者のユーザー企業向け研修サービスの狙いである。 同研修サービスでは、次のようなコースを提供している。【Oracle Exadata研修サービス】コース名受講日数説明Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cによる管理(短縮版)2日Enterprise Manager Cloud Control 12cの主要機能の使い方、システム運用管理の手順を学ぶExadata運用のためのGrid InfrastructureおよびRAC入門(短縮版)2日Oracle Exadataの保守(システム構成の変更や追加、障害対応)で必須となるOracle RAC、Clusterware、Automatic Storage Management(ASM)のアーキテクチャやステータス確認方法といった基本的な運用操作ついて学ぶ運用担当者のためのExadata入門(短縮版)1日Oracle Exadataのアーキテクチャについて学ぶ 「短縮版」とあるとおり、いずれも通常版をOracle Exadataを利用するユーザー企業向けにコンパクト化したコースとなる。 「これらのコースの通常版をすべて受講いただくと13日かかるのですが、そのエッセンス部分を5日間で効率良く学んでいただけるコースをご用意しました。3つのコースをすべて受講していただくのがベストですが、必要なコースだけを受講していただくこともできます。より多くの方にご利用いただけるよう、受講料もお安く設定しました」(阿部氏) 日本オラクルでは、次回に紹介するOracle Exadataのサポート・サービスも提供しているが、障害時などにサポート窓口への問い合わせを行い、サポート担当者から対応方法の指示を受ける際には、Oracle ExadataやOracle Enterprise Manager、ASM、Oracle RACの操作方法に関する知識が必須となる。そうした知識を、上述した各コースで効率的に学べるわけである。 なお、これらの研修コースの受講は、Oracle Exadataの導入プロジェクト計画に明示的に組み込んで予算取りを行い、システムのカットオーバー前に受講を済ませておくことが肝要だ。システム導入作業で想定外に手間取った場合、予算やスケジュールの都合から、こうした研修コースの受講が見送られるケースも見られるが、その場合は、ユーザー企業自身が運用管理を行う中で、結果的に不必要な手間やコストが発生する可能性があるので注意されたい。 次回は、日本オラクルが提供するOracle Exadataのサポート・サービスのメニューと、それぞれの特徴、メリットを紹介する。【関連記事】Oracle Exadataに関連する教育/研修サービスについては、下記のリンク先もご覧ください。>>Exadata運用のためのGrid InfrastructureおよびRAC入門>>運用担当者のためのExadata入門>>Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c による管理(短縮版)<<Oracleトレーニング・オンデマンド>>>>Exadata and Database Machine 管理ワークショップ>>Oracle Grid Infrastructure 11g R2: クラスタ&ASM管理>>Oracle Database 11g R2: RAC管理【保守期限が迫るサーバーやストレージはありませんか? リプレースで考えるべきポイント、教えます】迫るサーバーやストレージの保守期限。これを機に、解決したい課題はありませんか? Oracle Exadataを利用して賢く、効果的にリプレースするためのポイントをマンガでわかりやすく解説しています。>>Oracle Exadata特設サイト「迫るサーバーやストレージの保守期限。賢くリプレースしませんか?」《あなたへのお勧め記事》製品解説>>Oracle Consulting for Oracle Engineered System | Oracle ConsultingOracle Database研修

情報処理スピード、コスト最適化、そしてビジネス価値の創出に至るまで、従来のシステム基盤にない特徴を備えた次世代のデータベース・システム基盤「Oracle Exadata」。8分の1ラック・モデルの登場により、部門レベルでのスモールスタート導入も可能になったこのシステム基盤の活用を支援すべく、日本オラクルは全社を挙げた活用支援体制を敷いている。今回は、導入検討からシステム...

11. Others

加速する“SAP on Exadata”──世界中の企業がSAPのバックエンドにOracle Exadataを選ぶ理由

SAPのERPを中心にしたシステムにおいて、バックエンドのデータベース基盤としてOracle Exadataが導入されるケースが国内外で増えている。SAP環境でOracle Exadataを利用することには、どのようなメリットがあるのだろうか? 日本オラクルの岩崎護氏に聞いた。(川添貴生)製品開発から密接な協力関係を築くSAPとオラクル ERPシステムとその土台を支えるデータベースとして、今日、多くの企業でSAPのSAP ECCとOracle Databaseの組み合わせが利用されている。各業種における業務プロセスのベスト・プラクティスを活用できるSAP ECCに、高いパフォーマンスと信頼性を兼ね備えたOracle Databaseを組み合わせることで、基幹システムの堅牢性をより高めているわけだ。 SAPとオラクルは、SAP ECCの前身であるSAP R/3が発売された1992年以来、密接な協力関係を継続している。現在はドイツのウォルドルフ市にあるSAP本社にOracle Databaseの開発チームが常駐し、SAP ECCの開発チームとともに、相互技術検証やSAP製品におけるオラクル製品の実装/テストなどを行っている。 こうした関係から、SAPはオラクルが提供する最新のテクノロジーに常に迅速に対応してきた。例えば、データベースの可用性を高める「Oracle Real Application Clusters(RAC)」やデータベース内のデータを暗号化する「Transparent Data Encryption」、オラクルのLinuxディストリビューションである「Oracle Linux」などへの対応が挙げられる。当然、オラクルのEngineered SystemsもSAPの認証を受けており、SAP製品とOracle ExadataやOracle Exalogic、そしてSPARC SuperClusterといったソリューションを組み合わせて利用することができる。 このような緊密な協業関係も踏まえ、日本オラクルの岩崎氏(製品戦略統括本部 テクノロジー製品推進本部)は、「SAPユーザーに対して、オラクルは6つの価値を提供できる」と話す。 「Oracle DatabaseだけがSAPをお使いのお客様に提供できる価値として、まず『高いパフォーマンス』と『拡張性の高さ』があります。また、『柔軟なプラットフォーム選択が可能』であることも大きなメリットであり、UNIXやLinux、Windowsなど、お客様の要件に合わせてOSをお選びいただくことができます。 さらに、Oracle RACなどのテクノロジーを提供することで、『高い可用性』と『信頼性の高さ』を実現していることも高くご評価いただいている点でしょう。加えて、『大規模データベースやセキュリティ、データベース管理』などの面でも、オラクルはさまざまなソリューションを提供しており、すでに豊富な実績があります。 これら6つの要素を、非常に高いレベルで1つのパッケージにまとめたものがOracle Exadataなのです」(岩崎氏)ERPをもっと速く! ハイパフォーマンスなOracle ExadataでSAP環境を一気に改善する  SAPシステムのバックエンドでOracle Exadataを利用するメリットとして、まず挙げられるのが、高いパフォーマンスを生かした「処理の高速化」だ。データベース・サーバ/ストレージ・サーバ間を高速に接続する「InfiniBand」をはじめ、Oracle Exadataにはデータベース・システムの処理を高速化する技術が多数盛り込まれている。この高いパフォーマンスを利用して、ERPシステムの処理を高速化するわけだ。 また岩崎氏は、データベース統合を実現できることもOracle Exadataのメリットだと話す。 「SAPのERP製品やデータ・ウェアハウス(DWH)製品であるSAP Business Information Warehouseを利用する際、本番環境と開発環境、さらには検証環境のそれぞれでデータベースが必要になります。つまり、システムごとに最低3台のデータベースを構築する必要があり、このことがSAP製品を使うお客様にとって大きな負担となっています。 しかし、高いパフォーマンスと処理スケールを備えたOracle Exadataを利用すれば、個別にデータベース・サーバを構築するのではなく、1台のOracle Exadata上に本番環境と開発環境、検証環境をすべて集約することが可能になります」(岩崎氏) 実際、国内のある大手ヘルスケア会社では、Oracle Exadataを利用して本番環境、開発環境、検証環境のデータベースを統合することに成功している。また、同社はOracle Exadataに備わるデータベース圧縮技術「Oracle Advanced Compression」を活用し、データベースのサイズを1400GBから700GBにまで圧縮したほか、レポーティング処理を最大で約20倍、バッチ処理を最大で約8倍にまで高速化した。これは、Oracle Exadataの高い処理能力をうまく活用した例の1つだ。改修は不要。膨大なアドオン追加によるパフォーマンス不足もOracle Exadataで解決 このように現在、世界中の企業がOracle Exadataを利用することでSAP環境の改善を進めている。 例えば、スイスの非鉄金属開発/貿易会社は、Oracle Exadataを利用して社内に散在するSAPシステムを統合したのに加えて、Oracle Databaseのレプリケーションを実現する「Oracle Active Data Guard」を利用してディザスタ・リカバリ環境を構築し、高い可用性を実現した。これにより、アプリケーションのレスポンスタイムを劇的に改善したほか、データベース統合によって積年の課題であったシステムの複雑性も解消している。 Oracle Exadataの高いパフォーマンスをSAP環境の改善に生かした事例としては、中国のある製造業も挙げられる。同社では、SAPのERPパッケージに追加したアドオンのパフォーマンス不足に悩まされていた。追加したアドオンの数が多く、それらをすべて見直して改修するとなれば膨大やコストと改修期間が必要になる。そこで採用されたのがOracle Exadataだ。同社はアドオンを改修することなく処理速度を従来の約15倍に高速化したほか、それまで10時間以上かかっていた主要なジョブの処理時間を80分程度にまで大幅に短縮したという。Oracle Exadataだからできる、SAP環境のコスト削減とパフォーマンス/信頼性向上の両立 ドイツの自動車半導体製造企業も、Oracle Exadataを導入することで、SAPのDWH製品「SAP NetWeaver Business Warehouse(BW)」と顧客管理システム「SAP CRM」、SAP ECCの各システムにおいて、大幅なパフォーマンス改善を成し遂げた。具体的には、BWのクエリを従来から約15倍も高速化したほか、ERPクエリを約9倍、ERPバッチ・ジョブも約8倍高速化したという。こうした結果を見ると、他のシステムと同様、SAP環境のパフォーマンス改善でもOracle Exadataが大きなメリットをもたらすことは疑いようがない。 もちろん、Oracle Exadataには複数のシステムの統合基盤として利用できるだけの懐の深さがあり、SAP環境にとどまらず、全社的なIT環境の共通基盤として活用することが可能だ。SAP環境と併せて、社内のすべての基幹データベースをOracle Exadata上に集約すれば、システム運用コストや運用負担も大きく減らせるだろう。 さらに、Oracle Exadataであれば、コストダウンを実現しつつ、パフォーマンスと信頼性の向上も果たせると岩崎氏は説明する。 「ダウンサイジングやコスト削減を目的に、メインフレームからオープン系システムに移行するお客様は多くいらっしゃいますが、実際に導入してみると、信頼性や性能の面で不安を感じるといったケースが少なくありません。 しかし、Oracle Exadataであれば、コストを下げつつ、システムの信頼性や性能を高めることができます。しかも、高い性能や処理スケールを生かして、SAP環境のみならず周辺のシステムも含めた統合データベース基盤としても活用し、さらなるコスト削減効果や運用管理の効率化を追求することができます。そこが、世界中の企業でOracle Exadataの導入が進んでいる大きな理由なのです」(岩崎氏) 増え続けるサーバの整理統合や運用管理コストの削減は、多くの企業にとって対応優先度の高い課題であり続けている。SAPを中心としたシステム環境でも、これらの課題は筆頭に挙がっていることだろう。そうした企業のニーズに応えるためにオラクルが用意した回答がOracle Exadataなのだ。SAP環境の改善を考える企業は、ぜひ一度Oracle Exadataの活用をご検討いただきたい。【オラクルデータベースインサイダー 関連記事】SAPをもっと速く! "SAP on Exadata"の比類なきパフォーマンスが、企業にコスト削減と新たなイノベーションの機会をもたらす続々と明らかになる"SAP on Exadata"の実力――SAP NetWeaver Business Warehouse の載せ替えでもハイパフォーマンスを実証"SAP on Oracle Database"の価値「実は無償でこんな機能も利用できる!」――SAP基盤としてOracle Database Enterprise Editionを使う企業にぜひ知って欲しいコトSAPのさらなる高速化、信頼性向上をOracle Exadataが実現――「SAPの高速化・高信頼性をもたらすDB基盤 Oracle Exadata」レポート《あなたへのお勧め記事》製品解説>> SAPユーザーのためのOracle情報サイト:Oracle Database for SAP 活用事例>> ライオン、エンジニアド・システムを統合データベース基盤に採用 SAP ERPの会計照会処理が…関連ソリューション>> SAPユーザー向け課題別ソリューション関連ホワイトペーパー>> Oracle ExadataをSAP環境で利用することに対する一般的なご質問に対するFAQ

SAPのERPを中心にしたシステムにおいて、バックエンドのデータベース基盤としてOracle Exadataが導入されるケースが国内外で増えている。SAP環境でOracle Exadataを利用することには、どのようなメリットがあるのだろうか? 日本オラクルの岩崎護氏に聞いた。(川添貴生) 製品開発から密接な協力関係を築くSAPとオラクル ERPシステム...

08. Upgrade

“Oracle Database 12cの魅力”を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【日立製作所編】

高可用性が求められる基幹システムなどの領域に向けて統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」を提供する日立製作所。オラクル製品に精通したエキスパート集団を擁し、BladeSymphonyとOracle Databaseなどを組み合わせたソリューションも精力的に展開している。そんな同社は、先ごろリリースされた「Oracle Database 12c」をどう見ているのか。Oracle DatabaseとBladeSymphonyのエキスパートらに聞いた。(川添貴生)日立製作所から見たOracle Database 12cの新アーキテクチャは?日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 開発統括本部 プラットフォームサービス開発本部 オラクルビジネス統括センタ 技師の片山仁史氏 日立製作所は20年以上にわたりOracle Databaseを販売し、サポート・サービス、ソリューションなどの提供を行ってきた実績を持つ。2011年にはデータベース・サーバ統合の取り組みを進め、日本オラクルと共同で「日立-オラクルVirtageソリューションセンター」を開設。BladeSymphonyに搭載されているサーバ論理分割機構のVirtage(後述)とOracle Real Application Clusters(RAC)を組み合わせた環境でのデータベース構築/統合に向けた事前評価を行うほか、企業の事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の強化に向けたシステムの提案や構築支援も行っている。 そんな同社は、Oracle Database 12cをどう評価しているのだろうか。オラクル製品のエキスパートである片山仁史氏(日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 開発統括本部 プラットフォームサービス開発本部 オラクルビジネス統括センタ 技師)は次のように語る。 「Oracle Database 12cは、従来のバージョンから大きく刷新されたという印象を持っています。かつてOracle Database 10gでOracle RACのアーキテクチャが大きく変わりましが、Oracle Database 12cのマルチテナント・アーキテクチャには、それと同等のインパクトを感じています」 そのマルチテナント・アーキテクチャの具体的な適用領域として、片山氏は「データベース統合」を挙げる。 「各種システムを1つのデータベースに集約するデータベース統合では、スキーマ単位で統合したいというお客様が多いのですが、スキーマ名や共通オブジェクトを重複させられないといった制約があるため、実際にお話を伺っていくと、最終的にスキーマ統合は難しいという結論に至るケースが少なくありません。 そこで期待しているのが、マルチテナント・アーキテクチャ環境での各データベースの独立性の高さです。これにより、データベース統合に関する課題が解決できるのであれば、データベース統合ソリューションの1つとして非常に有効な選択肢になるのではないでしょうか」(片山氏) また、マルチテナント・アーキテクチャに関連して変更された注目ポイントとして、片山氏は管理コンソールを挙げた。 「Oracle Database 12cでは、データベースの管理コンソールとして従来のDatabase Controlの代わりに『Enterprise Manager Database Express(EM Express)』を使用します。この新しい管理コンソールは、シンプルで使いやすいと感じました。ただ、わかりやすくなった一方で管理機能が限定されています。その意味で、今後はOracle Database 12cの最大の特徴であるマルチテナント・アーキテクチャ環境をEM Expressでどのように管理するのか、そしてマルチテナントとそれを格納するコンテナ・データベースのパフォーマンスの診断、チューニングの機能についても検証を行っていきたいですね」(片山氏) 日立製作所では、このようにマルチテナント・アーキテクチャ環境でのさまざまな機能との連携性や構築ノウハウの蓄積を中心に、今後も継続的に検証作業を進めていく考えだ。 「私たちがまず目指しているのは、お客様にトラブルなくOracle Database 12cをお使いいただくことです。その最初のフェーズとして、現在はOracle Databaseに関するサポートのエキスパートや、これまでオラクル製品に携わってきたメンバーが集まり、しっかりと評価を進めている段階です。 例えば、マルチテナント・アーキテクチャ環境においてネットワーク帯域を十分に確保できるのか、サービス・レベルをきちんと守れるのかといったところを気にされるお客様は少なくありません。このような部分について検証を重ねて速やかにノウハウを蓄積し、私たちのソリューションにOracle Database 12cを取り込んでいきたいと考えています」(片山氏)Oracle Database 12cへの移行の過渡期はVirtageで日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 開発統括本部 サーバ開発本部 組み込みソフトウェア設計部 主任技師の佐藤秀俊氏 今回のOracle Database 12cの開発/テスト環境の一部にはサーバ論理分割機構であるVirtage、および日立製作所のストレージVirtual Storage Platformが使用されている。その成果として、すでにVirtageがOracle Database 12cにおけるOracle RACの稼働環境としてオラクルより認定を受けている。Virtageは、日立製作所が開発したサーバの論理分割技術(LPAR)であり、ハイパーバイザを用いたサーバ仮想化技術と比べてハードウェア透過性が高いという特徴を備える。 「Oracle Database 12cと日立製作所のVirtageを組み合わせることで、スムーズな移行が提案できます」と日立製作所の佐藤秀俊氏(情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 開発統括本部 サーバ開発本部 組み込みソフトウェア設計部 主任技師)は話す。 「今回、Oracle Database 12cがリリースされましたが、ミッション・クリティカルな領域で使われているデータベースに関しては、『安定して動作しているのであれば、システム更改のタイミングまで今のバージョンのまま使い続けたい』という意向を持つお客様もいらっしゃいます。 それを踏まえ、まずは新規に開発するシステムでOracle Database 12cを採用するケースが増えるのではないかと予想しています。その際、通常であればバージョンごとにサーバを構築するというかたちになりますが、Virtageを使えば、異なるバージョンのOracle Databaseを1台のサーバに集約することが可能です。このように、Oracle Databaseの旧バージョンと新バージョンが混在する過渡期において、Virtageは有効な技術だと考えています」(佐藤氏) Oracle Database 12cを活用することにより、今後、日立製作所はデータベース・サーバ統合でどのような価値を創造していくのか、その取り組みに注目したい。【Oracle Database 12cの製品カタログはこちらから!】 Oracle Database 12cの製品カタログは、次のリンク先よりダウンロードいただけます。>>クラウド"のために開発されたデータベース「Oracle Database 12c」 (TechTargetホワイトペーパーダウンロードセンター) ◆目次:クラウドのためのデータベース Oracle Database 12cマルチテナント対応のデータベース情報ライフサイクル管理を自動化データベース自身がセキュリティを管理もしもの時にもゼロ・データロスでビジネスを続行Oracle Database 12c 主要新機能一覧"Oracle Database 12cの魅力"を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【富士通編】|【NEC編】|【新日鉄住金ソリューションズ編】【伊藤忠テクノソリューションズ編】|【日立製作所編】

高可用性が求められる基幹システムなどの領域に向けて統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」を提供する日立製作所。オラクル製品に精通したエキスパート集団を擁し、BladeSymphonyとOracle Databaseなどを組み合わせたソリューションも精力的に展開している。そんな同社は、先ごろリリースされた「Oracle Database...

01. Exadata

ケタ違いな情報活用の実現から稼働後の安定運用まで、Oracle Exadataを安心して導入できる理由──日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービス【第1回】

従来のシステム基盤を大きく凌駕する性能により、企業の情報処理に新たな地平を開き、これまでにないビジネス・モデルやIT活用を可能にした次世代のデータベース・システム基盤「Oracle Exadata」。日本オラクルは、国内企業における活用の輪をさらに広げるべく、検討フェーズからシステム設計/構築フェーズ、そして運用開始後の稼働監視、パッチ適用、アップグレード、障害対応に至るまで、Oracle Exadataのライフサイクル全般を包括的に支援する体制を整え、サービスの提供を開始している。本企画では、この日本オラクルならではのOracle Exadata活用支援サービスの特徴、メリットを紹介する。(編集部)8分の1ラックの登場でスモールスタートも可能に。すべての企業にOracle Exadataを活用するチャンスが到来 OSからデータベース、クラスタリング・ソフトやシステム管理ソフトに至るまで、オラクルが持つ多彩なソフトウェア技術と先進のハードウェア技術を融合することによって誕生した次世代のデータベース・システム基盤Oracle Exadata。その圧倒的な性能と処理スケール、そしてコスト・パフォーマンスは、従来のシステム基盤ではなしえなかった新たな情報活用を可能にし、企業のビジネスにさまざまな変革をもたらしている。具体的にどの企業が、どのようにOracle Exadataを活用しているのかは本サイトでも度々紹介してきたとおりだ。【関連記事】ソフトバンクはビッグデータを武器にサービスを向上し、ビジネスを拡大する──「Oracle Big Data Forum」レポート新世代の情報処理基盤が企業にもたらすケタ外れの性能が今、ビジネスのルール/仕組み/常識を変える今、システム基盤は水平分散型から垂直統合型へ──企業のITコスト構造を変革し、圧倒的な性能でさらなる情報活用を支えるオラクルのEngineered Systemsデータベース"インメモリ"マシンの「Oracle Exadata X3 Database In-Memory Machine」が企業ITの常識をさらに変える!企業の基幹業務をグローバルに支えるNTTコミュニケーションズの次世代クラウド・サービスの魅力Oracle Exadata導入事例(業種ごとの活用事例をご確認いただけます) 加えて、昨年リリースされたOracle Exadata X3-2では、小規模な導入によるスモールスタートが可能な低価格の8分の1ラック(Eighth Rack)モデルが追加され、より多くの企業/部門がOracle Exadataのメリットを享受することが可能になった。 こうしてOracle Exadata導入の敷居も下がる中、その活用の輪をさらに広げるべく、日本オラクルではOracle Exadataの導入検討からシステム設計/構築、そして運用開始後の稼働監視、パッチ適用、アップグレード、障害対応まで全社を挙げて支援する体制を整え、関連サービスの提供を開始している。その狙いは、Oracle Exadataの特徴を生かしたIT革新やビジネス改革に、より多くの企業がチャレンジできるよう支援することにある。本企画では、この日本オラクルによるOracle Exadata活用支援サービスの体制と、関連サービスを紹介していく。Oracle Exadataならではの特徴を生かすために、日本オラクルが活用の全ライフサイクルを支援 前述したように、Oracle Exadataはオラクルが持つソフトウェア技術とハードウェア技術を高いレベルで融合し、適正なコストで最高の性能が得られるようチューンアップを施したうえで、さらに専用に開発された「Smart Scan※1」や「Hybrid Columnar Compression※2」などの先進技術が凝集された他に類を見ないデータベース・システム基盤である。 ※1 ストレージ側でデータベースを動作させて検索処理を行い、その結果をサーバに返すことにより、データベース・サーバ側の負荷を減らしつつ検索処理を高速化する技術。 ※2 データを10分の1~50分の1に圧縮してストレージ容量を削減するとともに、ディスクI/Oを最小化して検索性能を向上させる技術。 そのため、従来のようにサーバやストレージなどのハードウェア・コンポーネント、OSやデータベースなどのソフトウェア・コンポーネントを個別に調達してシステムを構築する場合と比べて、多くの面で異なる特徴、これまでのIT基盤にない利点を備えている。特筆すべき点として、次のようなことが挙げられる。これまでにないIT活用の実現:従来のシステム基盤とはケタ違いの処理性能/処理スケールを備えており、この特徴を生かしたITの新たなビジネス活用法が、先進企業のOracle Exadata活用を支えるオラクルのコンサルティング部門によって日々検討され、ノウハウの蓄積が進んでいる先進のデータベース技術/システム管理技術:Oracle Database最新版(現時点ではOracle Database 11g Release 2)のほか、Oracle Real Application Clustersなど先進のデータベース技術が凝縮されており、システムのライフサイクル全般を通じて、その恩恵に預かることができるオラクルが標準でワンストップ/プロアクティブにサポート:ハードウェアとソフトウェアを含め、Oracle Exadata全般に対してオラクルがワンストップの標準サポートを提供している。システムの稼働状況の監視からパッチ適用、トラブル対応まで、オラクルによる予見的/プロアクティブ(事前対処的)なサポートを受けることもできる専門チームによるきめ細かなサポート:上記の標準サポートに加えて、ハードウェアやソフトウェアの導入フェーズからシステム構築フェーズ、そして運用フェーズまで、各企業のニーズに応じてきめ細かなサポートを受けることで、システム運用管理の品質を高め、また省力化/効率化することができる 日本オラクルでは、こうしたOracle Exadataの特徴/利点を最大限に引き出すべく、コンサルティング部門、教育部門(Oracle University)、サポート部門が適宜連携を図りつつ、導入検討からシステム設計/構築、運用まで、Oracle Exadata活用の全ライフサイクルを支援すべく、次のようなサービスを提供している。コンサルティングサービス 各社の既存システムやビジネス/IT戦略を踏まえたOracle Exadataの効果的な活用方法の提案をはじめ、導入計画の策定、システムの設計/構築、運用設計、運用開始後の技術支援など、Oracle Exadataの活用にかかわるすべての支援を提供。Oracle Exadataのみならず、各種オラクル製品と組み合わせた案件やクリティカルな要件のシステム、システム統合案件の支援事例も多数手掛けている。各種案件で蓄積したノウハウや、国内企業への豊富な導入実績に基づき、Engineered Systemsをはじめとするオラクル製品を活用したビジネス改革、IT改革に対するサポートを受けることができる。教育サービス(Oracle University) システムの運用管理を自社で行う場合は、オラクル製品に関する教育/研修サービスで長年の実績を持つOracle Universityより、Oracle Exadata向けに最適化された運用担当者教育を受けることができる。サポート・サービス(Oracle Premier Support/Oracle Platinum Services) オラクル製品の標準サポートとしての「Oracle Premier Support」に加え、Oracle ExadataをはじめとするEngineered Systems向けの(追加コストが不要な)推奨サポートとして「Oracle Platinum Services」を提供。Oracle Exadataによるシステムの障害検知から、より迅速な応答による問題解決支援、パッチ適用サービスに至るまで、ハードウェアとソフトウェアを含むシステム基盤に対してオラクルによるワンストップのサポートを受けることができる。ACSS(Advanced Customer Support Service) 上記の標準サポートに加えて、さらに有償のサポート・サービスとして「ACSS(Advanced Customer Support Service)」を提供する。ハードウェアに精通し、国内でEngineered Systemsを用いたシステム構築案件のほぼすべてに携わったエンジニア・チームが、Oracle Exadata導入時のハードウェアやソフトウェアのセットアップからシステム構築時の技術支援を実施。システム構築プロジェクト期間から本番運用フェーズに至るすべてのライフサイクルを対象に、Oracle Exadataの遠隔監視による運用代行や障害対応の支援、計画的なパッチ適用の支援(事前アセスメントや適用後の報告会を実施)などを提供する。 これにより、企業はシステム運用管理の品質向上と運用負荷軽減を両立し、迅速かつ的確な障害対応、システム基盤の計画的かつ適切な更新を維持することで、Engineered Systemsの先進機能/性能を最大限引き出し、安定性/高可用性といった運用上のメリットを受けることができる。 以上のサービスを通じて、企業がそれぞれの事情に応じてOracle Exadataの能力を余すところなく活用できるよう万全の体制を整えていることが大きな特徴であり、またOracle Exadataを利用するメリットであるとも言える。次回からは、これらのサービスの内容/特色を紹介していく。【保守期限が迫るサーバやストレージはありませんか? リプレースで考えるべきポイント、教えます】迫るサーバやストレージの保守期限。これを機に、解決したい課題はありませんか? Oracle Exadataを利用して賢く、効果的にリプレースするためのポイントをマンガでわかりやすく解説しています。>>Oracle Exadata特設サイト「迫るサーバーやストレージの保守期限。賢くリプレースしませんか?」

従来のシステム基盤を大きく凌駕する性能により、企業の情報処理に新たな地平を開き、これまでにないビジネス・モデルやIT活用を可能にした次世代のデータベース・システム基盤「Oracle Exadata」。日本オラクルは、国内企業における活用の輪をさらに広げるべく、検討フェーズからシステム...

08. Upgrade

“Oracle Database 12cの魅力”を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【伊藤忠テクノソリューションズ編】

オラクル製品に関するスペシャリストを多数擁し、企業システムへのインプリメンテーションから技術支援、運用サポートまで幅広い領域で豊富な実績を誇る伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)。その同社で「Oracle Database 12c」の早期検証を主導したエキスパートに、検証内容や新機能の評価などを聞いた。(川添貴生)Oracle Database 12cは「かゆいところにまで手が届く」伊藤忠テクノソリューションズ ITエンジニアリング室 インフラソリューション技術第2部 インフラソリューション技術第4課の北條将也氏 オラクル製品とサービスを活用して顧客のビジネス革新に貢献したパートナー企業を表彰する「Oracle Excellence Awards 2013」において「Server & Storage」と「Security & Data Integration」、「Exadata」、そして「Specialization」の各部門で受賞を果たしたCTC。同社は現在、オラクル製品を利用したビジネスを精力的に展開しており、当然、Oracle Database 12cのベータ・テストにも早期から参加している。 このテストを主導した北條将也氏(伊藤忠テクノソリューションズ ITエンジニアリング室 インフラソリューション技術第2部 インフラソリューション技術第4課)は、今回のベータ・テストで特に力を入れて検証した内容を次のように説明する。 「これまで、主に3つの点について検証を行いました。1つは『Oracle Real Application Clusters(RAC)』です。やはりOracle Databaseの案件では、Oracle RACがポイントになることが多いので、従来のバージョンと同様に問題なく動作するかどうかをチェックしました。また、Oracle Database 12cの新機能である『マルチテナント・アーキテクチャ』、そしてセキュリティ関連の新機能である『Unified Auditing』についても動作確認を行っています」(北條氏) これらのうち、特に注目を集めているのはマルチテナント・アーキテクチャだが、北條氏はどのような印象を抱いたのだろうか。 「データベース統合などのプロジェクトでは、サーバ仮想化技術を利用して統合するケースがありますが、マルチテナント・アーキテクチャを使えば、サーバ仮想化ソフトウェアを使わずにプラグ/アンプラグという操作でデータベースの移動が簡単に行えます。これがデータベースの標準機能として搭載されていることに驚きましたね。他社のデータベースで、ここまで踏み込んだものはないので、Oracle Database 12cはかゆいところにまで手が届くソリューションに仕上がっているなと感じました」(北條氏) 加えて北條氏は、マルチテナント・アーキテクチャの意義を次のように説明する。 「CTCでは、システムの統合基盤をテンプレート化し、お客様の手間と労力を最小限に抑えながらデータベース統合を実現する『DB Pool』というソリューションを展開しています。VMwareやOracle VMを利用したサーバ仮想化によるサーバ統合の実績もあります。 ただ、仮想環境上でOracle RACを利用するとリソース制御が難しくなったり、いくつかの機能制限が生じたりするといった課題があるんですね。また、お客様によってはスキーマ統合でデータベースを集約するDB Poolの導入が難しいケースもあります。そういった意味で、新たなデータベース統合の選択肢としてマルチテナント・アーキテクチャに期待しています」(北條氏)メインストレージにZFSを採用し、新たな価値を創出 北條氏が新バージョンにおいても早速実施したというOracle RACについての動作検証結果はどうだったのだろうか。 「Oracle RACに関しては、新バージョンでも、従来と同様に利用できるかどうかという観点で検証を行っています。これまでのところは、旧バージョンと同様に問題なくOracle RACを利用できるという感触を得ています」(北條氏) またCTCでは、Oracle Database 12cのOracle RACについて、新たなチャレンジも試みているという。 「今回、1つのパターンとして当社で自営保守可能なOracle ZFS Storage Appliance(ZFSSA)をRAC共有ストレージに使用した検証を行っています。ZFSSAには、Oracle Databaseに最適化されたNFSクライアントである『Direct NFS』や広帯域ネットワークといった高速性に加えて、10~50倍にデータを圧縮できる『Oracle Hybrid Columnar Compression』を使えるなど、他社のストレージ製品にはない魅力があります。コスト面でもアドバンテージがあり、統合ストレージとしての積極的な活用という観点から検証を行っています。この取り組みの結果は、ぜひ今後の提案に生かしていきたいですね」(北條氏)非同期モードが追加されたUnified Auditingの有用性を確認 今回、もう1つ検証を行ったのがUnified Auditingだ。北條氏によれば、「セキュリティ関連の機能は、導入することによってパフォーマンスが低下するのではないかという点を懸念されるお客様が少なくない」と言う。そこで、実際にUnified Auditingを使うことにより、性能にどのような変化が見られるのかを確認したかったのだという。 「従来のOracle Databaseに用意されていた監査機能は、実際のデータ書き込みと同期して監査情報を記録する同期モードのみでした。これがOracle Database 12cでは、監査情報をいったんキューに格納したうえで書き込む非同期モードが追加されています。そこで、この2つのモード間でのパフォーマンスの違いをチェックしてみました。 その結果ですが、やはり同期モードではパフォーマンスの低下が見られましたが、非同期モードでは監査記録を行わない場合と大差のない性能が得られました。今回はあえて厳しい設定で検証を行っていますが、一般的な状況で非同期モードを使うのなら、パフォーマンスの低下は気にせずにUnified Auditingを使えるのではないでしょうか」(北條氏) もっとも、データベースのセキュリティに関しては監査を行うだけでは不十分だ。そこでCTCでは、Unified Auditingによる監査に加えて、同社が自営保守を提供しているデータベース監査ツール「Oracle Audit Vault and Database Firewall(AVDF)」と組み合わせたかたちでの提案を積極的に進めたい考えだ。 最後に北條氏は、「CTCでは現在、Oracle Database 12cの導入をバックアップする体制を着々と整えていますので、ご関心を持たれたお客様は、ぜひ気軽にお声掛けいただきたいですね」と締めくくった。ZFSSAやAVDFの併用など、Oracle Databaseを利用する企業の課題を解決するソリューションの創出に意欲的に取り組むCTCは今後、Oracle Database 12cの強みを生かしてどのようなソリューションを展開してくるのか、大いに期待したいところだ。【Oracle Database 12cの製品カタログはこちらから!】 Oracle Database 12cの製品カタログは、次のリンク先よりダウンロードいただけます。>>クラウド"のために開発されたデータベース「Oracle Database 12c」 (TechTargetホワイトペーパーダウンロードセンター) ◆目次:クラウドのためのデータベース Oracle Database 12cマルチテナント対応のデータベース情報ライフサイクル管理を自動化データベース自身がセキュリティを管理もしもの時にもゼロ・データロスでビジネスを続行Oracle Database 12c 主要新機能一覧"Oracle Database 12cの魅力"を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【富士通編】|【NEC編】|【新日鉄住金ソリューションズ編】【伊藤忠テクノソリューションズ編】|【日立製作所編】

オラクル製品に関するスペシャリストを多数擁し、企業システムへのインプリメンテーションから技術支援、運用サポートまで幅広い領域で豊富な実績を誇る伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)。その同社で「Oracle Database 12c」の早期検証を主導したエキスパートに、検証内容や新機能の評価などを聞いた。(川添貴生) Oracle Database 12cは「かゆいところにまで手が届く」 伊藤忠...

05. システム統合管理

ベリサーブのエキスパートが語る、ソフトウェア・テストで企業が抱える課題と「Oracle Application Testing Suite」の使いどころ

コンシューマーからエンタープライズまで、社会のあらゆる領域でITの活用が進む中、ソフトウェアが果たす役割の重要性も年々高まっている。当然、ソフトウェアの品質を高いレベルに保つことが、製品/サービスの質を向上させ、不具合による改修やリコールのリスクを低減するうえで重要なポイントになるが、現状、国内企業の取り組みにはまだ課題が多いようだ。オラクルのテスト・ソリューション・スイート「Oracle Application Testing Suite(ATS)」も活用しながら、品質検証をはじめソフトウェアの品質向上を支援するさまざまなサービスの提供で業界をリードするベリサーブのエキスパートらに、ソフトウェア・テストを巡り国内企業が直面する課題と、Oracle ATSの効果的な活用ポイントを聞いた。(編集部)自社製品型と受託型、国内ソフトウェア開発プロジェクトには2つのタイプ。受託型は品質向上の取り組みに多くの課題が 2001年に大手SIerのソフトウェア品質検証部門から分離独立するかたちで設立して以来、さまざまな業種の企業および開発会社に対してソフトウェアの品質検証やセキュリティ検証、テスト・プロセス改善などの品質向上支援サービスを提供してきたベリサーブ。近年はスマート・デバイスや携帯電話、カーナビなどの自動車関連ソフトウェア、家庭用および商業施設用のエネルギー制御システム、およびその他の組み込みデバイスに加えて、各種Webサービスや企業システムを対象にした品質向上支援サービスでも顧客数を伸ばしている。 その同社において、企業システム向けに品質向上支援サービスを提供している東日本第二事業部 事業部長の桑野修氏は、同社が支援に当たるソフトウェア開発プロジェクトの特徴を次のように説明する。ベリサーブ 東日本第二事業部 事業部長の桑野修氏 「ソフトウェアの品質向上という観点からは、日ごろ当社がご支援している開発プロジェクトは2つのタイプに大別できます。 1つ目のタイプは、発注側が外部に提供する製品やサービスを開発する自社製品型のプロジェクトです。例えば、メーカーが作る自社製品の組み込みソフトウェア、自社のパッケージ・ソフトやWebサービスなどがこれに当たります。 2つ目のタイプは、エンドユーザーからの委託で開発会社がソフトウェアを作るプロジェクトです。このタイプのプロジェクトでは大抵"1品もの"のソフトウェアを作りますが、発注側が定めた予算/納期内に収めるために、品質向上に関して十分な取り組みを行えていないケースが散見されます」 それでは、これら2つのタイプのプロジェクトでは、品質向上の取り組みに関してどのような違いが見られるのか。桑野氏は次のように続ける。 「自社製品型のプロジェクトでは通常、複数の顧客に提供する製品/サービスを開発しますが、品質に不具合があった場合の修正/リコールのリスクが大きいため、ソフトウェアの品質向上に関する投資を惜しまず、積極的な取り組みを行う傾向が見られます。 一方、受託型のプロジェクトに関しては現状、予算や納期などの制約から、当社が提供しているような品質向上サービスを十分に活用できていないケースが多いと感じます。発注側や受託側の品質保証部門やPMO(Project Management Office)が品質検証を行う場合でも踏み込み方が浅くなりがちで、開発会社が行うテストの実施状況をチェックリストで確認する程度となり、不安を抱えながらプロジェクトを進めるケースが大半だという印象です」非機能要件については要件定義の曖昧さが不具合の主要因に このように桑野氏は、特に受託型プロジェクトにおける品質向上の取り組み不足に危機感を抱いている。ただし、その原因が受託側だけにあるのかと言えば、そうとは限らないようだ。 定義が曖昧になりがちな非機能要件を例にとれば、金融業界など発注側が高い品質レベルを求めるプロジェクトでは、受託型であっても要件が明確に定められ、その充足状況に関しても厳しく検証が行われるケースが多いという。 しかし、業種によっては、非機能要件の定義が不明確なまま"暗黙の了解"の下で進められるプロジェクトが多数を占めるところもある。そうしたプロジェクトでは、カットオーバー後にシステムが問題なく動けばそれで済むが、性能/キャパシティ不足などの問題が見つかった際には、「それは仕様で明示されていなかったことなので、追加予算で対応します」、「それも含めて受託側の責任ではないか」といった具合に受託側と開発側で責任の押し付け合いとなり、結局は両者が損をすることになる。近年はシステムの性能やキャパシティ、セキュリティに関する意識は高まってきていると桑野氏は語るが、それでもまだ、取り組みは不十分なようだ。 「そうした受託型プロジェクトで行われるテストの内容を見ていると、大抵は作ったものが正しく動くかどうかだけをテストしており、例えば『ユーザーはこんな使い方もするのではないか』という想定レベルが非網羅的です。限定的なテストケースしか作っておらず網羅性が低いうえ、短期間で大量のテストを行わなければならない場合に、『どこからどこまでを、どういった優先順位でテストするのか』に関して発注側との間で合意形成できていないケースも少なくありません。発注側に『受託側にお任せ』という意識がまだ根強くあることも、このような問題が起こる原因の1つだと見ています」負荷テスト、回帰テスト、テスト管理は、Oracle Application Testing Suiteなどのツールの活用を標準とすべし ベリサーブは、ソフトウェア・テストを巡るこうした状況そのものを、「第三者検証機関」という立場で発注側/受託側の双方を支援することによって改善しようと努めてきた。その中で同社が有効性を強く認識していることの1つが、「ツールによるテスト自動化」である。同社は現在、さまざまな業種を対象にした品質検証サービスの中で、オラクルのテスト・ソリューション・スイートであるOracle ATSの活用を進めている。 「現状、ソフトウェア・テストの効率化や自動化に関しては、課題を抱えている企業が大半です。ソフトウェアの品質向上を効果的に行うには、本来、テスト・プロセスの整備や適切な要求仕様の策定など、上流フェーズでの取り組みにこそ力を入れるべきなのですが、多くの企業は性能検証やテスト管理など下流フェーズの作業に人手と労力をかけ、人海戦術に頼っているのが実情です。この領域は今日、Oracle ATSのようなツールで効率化/自動化することによって高いROI(投資対効果)を得ることが可能になっているわけですから、それをうまく活用することが、品質向上を効果的に行ううえで不可欠なはずです」 桑野氏が「高いROIが得られる」と評するOracle ATSは、次の3つのツールによって構成される。Oracle Load Testing:Webアプリケーションやデータベースの負荷テスト・ツール。多数のユーザーによるアクセスを擬似的に生成し、本番稼働前にアプリケーションの性能面の課題を検証することができる。最新バージョンでは、Test as a Service(TaaS)のコンセプトを取り入れ、ネットワーク上に用意した負荷テスト・サーバから、プロジェクトごとに都度、必要な数の疑似アクセスを生成し、アプリケーションの負荷テストを行うことが可能になったOracle Functional Testing:Webアプリケーションの機能テスト/回帰テストの効率化/自動化を実現するツール。画面操作のキャプチャ&リプレイによってテスト・スクリプトを簡単に作成できる点を特色とするOracle Test Manager:Oracle ATSによるテスト工程を管理するツール。テストに関する作業状況や品質情報などの一元的な管理、テスト資産の組織的な再利用、組織間における効果的な情報共有を可能にする これらのツールのうち、Oracle Load Testingに関して、ベリサーブは長年にわたって利用し続けてきた古株のユーザーである。同ツールの特色について、ベリサーブ 東日本第二事業部 ネットワーク検証サービス部 部長の松岡秀和氏は次のように説明する。ベリサーブ 東日本第二事業部 ネットワーク検証サービス部 部長の松岡秀和氏 「負荷テストに関して、予算の制約などが強いプロジェクトではオープンソースの負荷テスト・ツールを使うケースがありますが、それらのツールに関しては、擬似的な負荷生成の安定性に欠ける点に課題を感じています。ツール自体の信頼性の問題から正確かつ十分な負荷テストを行えないのでは本末転倒ですから。 これに対してOracle Load Testingは、大規模なテストでも安定して負荷を生成することのできる高い信頼性を備えています。使いやすいGUIで作業が効率的に行える点、テスト結果のレポート形式が見やすく充実している点も大きな魅力ですね。オラクルによるサポートが得られることも、私たちがお客様に安心してサービスをご提供できるという点で重要なポイントです」 松岡氏が挙げる特色は、オープンソース・プロダクトにはないOracle Load Testingの利点として、多くのユーザーが感じていることでもあるだろう。 一方、桑野氏は、他の商用製品に対するOracle Load Testingの優位性として、次の点を挙げる。 「当社はさまざまなベンダーのツールを扱ってきたことから、各社製品の特性を把握していますが、Oracle Load TestingはWebシステムの負荷テストにおいて高いコスト・パフォーマンスを発揮すると感じます。また、最近はスマート・デバイスからのアクセスを想定した負荷テストを行うケースが増えていますが、他のオープンソース・プロダクトや商用製品ではテスト(キャプチャ)できなかったアプリケーションが、Oracle Load Testingではテストできたといったこともありました。そのときは改めて、『選択肢の1つとしてOracle Load Testingを持っておくべきだな』と思いましたね」 それでは、Oracle Functional Testingがカバーする機能テストや回帰テストの領域に関して、国内企業におけるツールの活用状況はどのようなレベルにあるのだろうか。松岡氏は次のように語る。 「回帰テストは、負荷テスト以上に効率化や品質向上への関心が高い領域ではありますが、残念ながら現状、それらを実践できている企業は少数派です。 今日のソフトウェアは、ライフサイクルを通じて機能の追加/変更が度々生じます。そうした中で高い品質を維持していくには、Oracle Functional Testingのようなツールによってテストを効率化/自動化することが極めて有効です。しかし、特に受託型プロジェクトでは、1回ごとのプロジェクト予算から導入コストを捻出するのが難しいといった理由から、ツールの導入を見送るケースが見られます。回帰テスト・ツールは複数回のプロジェクトを通して使ってこそ効果が上がることを考えると、コスト配分の考え方からして間違っているのです。このことが、結果としてソフトウェアのライフサイクル全般を通じた品質保証のコストを押し上げることにもつながっています」 また、ベリサーブ 東日本第二事業部 営業部 担当部長の川瀬彰司氏は、テスト工程の一元的な管理を実現するOracle Test Managerのようなツールが、ソフトウェア・テストに関して今日の企業が抱える課題を解決するうえで重要な切り札になると語る。ベリサーブ 東日本第二事業部 営業部 担当部長の川瀬彰司氏 「国内企業では、テスト管理を表計算ソフトによって行っているところが多いのが実情です。しかし、それらはあくまでもスプレッドシートに過ぎず、それだけで複雑化が進むテスト工程の管理を十分に行えるとは言えません。 例えば、仕様書の内容に紐付くテストケースや(リリース後に生じた)不具合の把握、仕様変更が生じた際の影響範囲の把握、不具合を改修した際に行うべき回帰テストの範囲の把握などは、個々の情報を紐付けてトレーサビリティを確保しながら管理するOracle Test Managerのようなツールを使うことで、正確かつ迅速に行えるようになります。それを表計算ソフトによって行おうとすれば、相当な努力とコストが必要になるでしょう。それらの努力/コストは、本来そこにかけるべきものでしょうか? 特に不具合管理は、今やツールの利用を前提としなければ、プロジェクトを円滑に回せないところまで来ています」テスト・プロセスの改善でも、「ツールによる自動化」が実践項目の1つに 「ツールによる自動化がもたらすROIの認識不足」、「コスト配分の考え方の誤り」がツールの活用が今ひとつ進まない背景にあるというのが松岡氏、川瀬氏の指摘だが、加えて次のような事情もあると桑野氏は明かす。 「Oracle Test Managerのようなテスト管理ツールは、組織的に活用することで、より大きな効果が得られますが、それには、これを標準のテスト環境として組織内に展開しなければなりません。しかし、特に受託型の場合、プロジェクトごとにメンバーが入れ替わり、予算もプロジェクト単位となるため、社内の品質検証部門などが強く旗振りを行わない限り、導入が円滑に進まないという事情もあるようです」 逆に、自社製品型プロジェクトの場合、中長期的な視点から品質向上に取り組む意欲が強く見られる。そこで、まずはそうしたプロジェクトに対して、Oracle ATSなどを活用したテスト自動化の効果的な適用方法をより積極的に提案していきたいという。 「今日、品質向上が思うようにいかないのは、自社のテスト・アプローチに問題があるためだと認識している企業は少なくありません。そうした企業に対して、当社ではテスト・プロセス改善に向けた支援の一環として、『テストプロセス診断サービス』を提供しています。 このサービスでは、テスト・プロセスのどこに問題があり、どのような改善余地があるのかを診断しますが、そうした診断項目の1つに『テスト自動化』があります。テスト・プロセスの自動化への取り組み状況を調査したうえで、お客様に最適な自動化方法をご提案し、さらにそれを取り入れたテスト・プロセスの改善までご支援しています」(桑野氏)テストプロセス診断サービスでは、上記の段階を経て、テストがもたらす効果の最大化を目指してプロセス改善を行う ベリサーブは、業界の有識者らも交えて実施している「システム検証理論研究会」の成果も取り入れたソフトウェア検証方法論として「VSMethod(Veriserve Standarad Method)」を提供しており、テストプロセス診断サービスでは、同方法論のノウハウも生かしてプロセス改善に当たっている。 また同社は、Oracle Databaseを利用したテストの効率化/自動化を実現する「Oracle Real Application Testing(RAT)」などのツールも、今後は積極的に活用していきたいという。 「私たちがテストをご支援させていただくのは、エンタープライズ領域の中でも特に高い信頼性が求められるシステムであり、当然、データベースはOracle Databaseを利用しているケースが多く見られます。そうしたことから、Oracle RATのようなOracle Databaseとの親和性が高いテスト・ツールは、当社の中でも存在感が高まってきています」(桑野氏) プロセス改善から自動化まで、ソフトウェア・テストに関する包括的なサービスの提供によって多くのプロジェクトの品質向上を支えるベリサーブ。Oracle ATSをはじめとするオラクルのテスト・ソリューションを活用し、今後同社がどのようなサービスを展開していくのかに注目したい。【課題解決/実践に役立つ情報が満載!】 企業ITの方向性/成長戦略をお考えの皆様へ、下記のセミナーでは、ITシステム戦略の構築に役立つ情報をさまざまな角度からお届けします。>>「達人に聞く!データベースアップグレード成功の極意」  8月30日(金) オラクル青山センター>>「実機で体験! テストツールで機能/負荷テストを効率化しよう」  9月3日(火) オラクル青山センター>>「顧客事例に学ぶ、テスト自動化によるアプリケーション品質向上の実践」  9月5日 14:00~16:00 富士通トラステッド・クラウド・スクエア>>「第13回システム検証セミナー~安心・安全を追求したソフトウェア検証」  9月13日(金) 東京ドームホテル

コンシューマーからエンタープライズまで、社会のあらゆる領域でITの活用が進む中、ソフトウェアが果たす役割の重要性も年々高まっている。当然、ソフトウェアの品質を高いレベルに保つことが、製品/サービスの質を向上させ、不具合による改修やリコールのリスクを低減するうえで重要なポイントになるが、現状、国内企業の取り組みにはまだ課題が多いようだ...

08. Upgrade

“Oracle Database 12cの魅力”を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【新日鉄住金ソリューションズ編】

新日鉄住金ソリューションズとOracle Databaseの関係の歴史は長い。その始まりは「Oracle v6」にまで遡る。多くの国内企業への導入実績を誇り、ミッション・クリティカルなシステム基盤の構築/運用を得意とする同社は、最新版である「Oracle Database 12c」をどのように評価しているのだろうか。Oracle Databaseの提供支援に当たる同社エキスパートの美坂里徳氏に聞いた。(川添貴生)マルチテナント・アーキテクチャは、データベース統合に加え、開発環境や検証環境の構築にもメリットあり新日鉄住金ソリューションズ ITインフラソリューション事業本部 ITエンジニアリング事業部 ITアーキテクティンググループの美坂里徳氏 日本オラクルとの強力なパートナーシップを持ち、多くのユーザーの期待に応え続けてきた新日鉄住金ソリューションズ。ミッション・クリティカル・システムで使われるデータベース基盤の構築など、大規模システムに多くの実績を持っている。 その同社において、Oracle Databaseの製品検証や関連案件の技術支援、スペシャリストの育成などに携わっているのが美坂氏だ。「Oracle Master Platinum Oracle Database 11g」をはじめ、数々の資格を保有するOracle Databaseのエキスパートである美坂氏は、Oracle Database 12cで新たに導入されて注目を集める「マルチテナント・アーキテクチャ」をどのように評価しているのだろうか。 「活用シーンとしてまず考えられるのは、開発環境や検証環境の構築です。マルチテナント・アーキテクチャであれば簡単にデータベースをプラグ/アンプラグできるので、開発環境用のデータベースが必要なときにすぐに作れます。データベースを複製してバージョン管理を行うといったことも可能です。本番環境のデータベースを検証環境に複製してテストするといった用途でも便利でしょう」(美坂氏) さらに、「データベース統合における選択肢の1つとしても考えられます」と美坂氏は話を続ける。 「これまでのデータベース統合には物理統合と論理統合という選択肢がありましたが、本来向かうべき方向性は論理統合です。ただし、データ・モデルが変わってしまうなどハードルが高いこともあり、実際には物理統合やスキーマ・レベルでの統合になったりするケースが少なくありません。 こうしたケースにおいて、新たなデータベース統合の選択肢としてマルチテナント・アーキテクチャが利用できると考えており、私たちがお客様にご提供するソリューションの幅が広がるという点で注目しています」(美坂氏) また、新日鉄住金ソリューションズが提供するパブリック・クラウド・サービス「absonne」との連携も検討していきたいと美坂氏は語る。 「パブリック・クラウド・サービスの中でマルチテナント・アーキテクチャを利用し、それぞれのお客様にプラガブル・データベースを提供していくというイメージです。これにより、バックアップや監視などの運用、メンテナンスの負担を軽減するほか、お客様が必要とするタイミングで迅速にデータベースをご提供できるといったメリットを実現できます。実際にサービス化する際はさまざまな要件に対して検討/検証する必要がありますが、将来的にはabsonneとの組み合わせも視野に入れたいですね」(美坂氏)今後も検証を重ね、マルチテナント・アーキテクチャの信頼性や可用性、性能を見極める 一方で、特にミッション・クリティカルな領域への適用を考えた場合、しっかりとした検証や導入実績が重要となると美坂氏は語る。 「マルチテナント・アーキテクチャには、データベースを柔軟に構成できるというメリットがありますが、リソースを共有するため、リソース管理や性能を考慮した設計が必要になりますし、特に他の12c製品の新機能と組み合わせた場合など、従来の設計と大きく異なります。新しいアーキテクチャにより、信頼性や可用性、性能などをどこまで担保できるのかをしっかりと詰めていく必要があるでしょう。そのためにも、まずは検証を重ね、設計上のポイントを整理していくことが重要だと考えています」(美坂氏) 高い信頼性が求められるシステムでは、新たなアーキテクチャや機能に対して「安定して利用できるかどうか」が厳しく問われるのは当然のことだ。特に国内の企業で求められるのは"実績"であり、たとえ利便性の高い機能であっても注意が必要である。Oracle9i Databaseで追加された「Oracle Real Application Clusters(RAC)」、Oracle Database 10gで追加された「Oracle Automatic Storage Management(ASM)」といった今日では当たり前となった機能も、普及するまでには数年を要している。同社はこうした機能にいち早く取り組み、早期から実績を積み重ね普及を推進してきた。Oracle Database 12cのマルチテナント・アーキテクチャについても同様に、しっかりとした検証の上で実績を積み重ねることが重要だと考えているようだ。ストレージの有効利用を実現するILM関連の新機能にも注目 Oracle Database 12cには、マルチテナント・アーキテクチャのほかにも、さまざまな新機能が盛り込まれている。それらの中で美坂氏が強く注目しているのはILM(Information Lifecycle Management)関連の機能である。 「大量のデータを扱うデータ・ウェアハウス(DWH)のようなシステムでは、大容量のストレージを効率良く管理する方法が必要になります。データの利用頻度を記録/管理できる『Heat Map』や、ポリシーに応じてデータの圧縮や移動が行える『Automatic Data Optimization(ADO)』などの新機能を活用すれば、お客様のシステム・コストを削減できるのではないかと思います」(美坂氏) 最後に美坂氏は、次のように今後の抱負とOracle Database 12cへの期待を語った。 「私たちは、ミッション・クリティカルかつ大規模なデータベースを多く提供してきました。そうしたシステムにも安心してOracle Database 12cをご採用いただけるように、今後も検証や実績を積み、お客様のビジネスに貢献していきたいと考えています。また、お客様のシステム統合、クラウド化の推進をお手伝いしていく中で、Oracle Database 12cがそれを支える存在になることを期待しています」 ITコスト削減のため、データベース統合へのニーズはこれまで以上に高まっている。Oracle Database 12cのマルチテナント・アーキテクチャを活用し、企業のミッション・クリティカルなシステムにどう適用していくか。数多くの導入実績と実装ノウハウを誇る新日鉄住金ソリューションズの今後の取り組みに注目だ。【Oracle Database 12cの製品カタログはこちらから!】 Oracle Database 12cの製品カタログは、次のリンク先よりダウンロードいただけます。>>クラウド"のために開発されたデータベース「Oracle Database 12c」 (TechTargetホワイトペーパーダウンロードセンター) ◆目次:クラウドのためのデータベース Oracle Database 12cマルチテナント対応のデータベース情報ライフサイクル管理を自動化データベース自身がセキュリティを管理もしもの時にもゼロ・データロスでビジネスを続行Oracle Database 12c 主要新機能一覧"Oracle Database 12cの魅力"を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【富士通編】|【NEC編】|【新日鉄住金ソリューションズ編】【伊藤忠テクノソリューションズ編】|【日立製作所編】

新日鉄住金ソリューションズとOracle Databaseの関係の歴史は長い。その始まりは「Oracle v6」にまで遡る。多くの国内企業への導入実績を誇り、ミッション・クリティカルなシステム基盤の構築/運用を得意とする同社は、最新版である「Oracle Database 12c」をどのように評価しているのだ...

08. Upgrade

“Oracle Database 12cの魅力”を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【NEC編】

長年にわたりミッション・クリティカル領域へのOracle Databaseの適用を推進してきたNEC。同社のエキスパートらは、マルチテナント・アーキテクチャなどの新機能を多数盛り込んだ新バージョン「Oracle Database 12c」をどう見ているのだろうか。正式リリース前から同データベースの検証に取り組んできたNECの担当エンジニアらに、その魅力、使いどころを聞いた。(川添貴生)データベース統合の解としてマルチテナント・アーキテクチャに期待NEC システムソフトウェア事業部 シニアエキスパートの飯田健太郎氏 1987年に国内ベンダーとして初のOEM契約を締結して以来、長年にわたって国内企業を中心にOracle Databaseを販売/導入してきたのがNECだ。近年は、NECの統合運用管理ソフトウェア「WebSAM」と「Oracle Enterprise Manager 12c」を連携させるコネクタ製品(ソフトウェア)の共同開発/提供や、国内パートナー・ベンダーでは初となる「Oracle Exadata」の一次保守サービスの提供、Oracle Exadata向けのSI支援サービスの提供、「Oracle Linux/Unbreakable Enterprise Kernel」の一時保守サービスと特定バージョンの長期保守サービスの提供など、NECとオラクルはさまざまな分野で協業関係を深めている。 NECにおけるOracle Databaseへの取り組みにおいて、自身が特に力を入れているのはミッション・クリティカル領域への適用だと話すのは、システムソフトウェア事業部 シニアエキスパートの飯田健太郎氏だ。 「NECでは、1990年代後半からミッション・クリティカル領域でOracle Databaseを積極的に活用してきました。その過程では、オラクルやその他のソフトウェア・ベンダーと協力しながら課題解決に取り組むこともありました。特に高可用性データベース・システムの実現に関して、オラクルとの間には長い協力関係があります。 こうした背景から、今回のOracle Database 12cの検証では、ミッション・クリティカル領域における新機能の有用性などを中心にチェックを行いました」(飯田氏) Oracle Database 12cで追加されるさまざまな新機能の中で、飯田氏が特に注目しているのは「マルチテナント・アーキテクチャ」だという。 「現在、多くのお客様のシステムにおいて『散在するサーバの統合』、『ITコストの最適化』が課題として浮上しています。一般には、ハードウェア仮想化によるサーバ・コンソリデーションが解として考えられますが、データベース・サーバが対象となる場合、性能要件や可用性要件が高い、I/O処理が多いなどの理由から、導入を躊躇するケースが比較的多いという印象を持っています。 Oracle Database 12cで新たに導入されたマルチテナント・アーキテクチャは、データベース層で実現されている機能であることから、収容効率や監視性、運用性などの観点でメリットを期待できると思います。ただし一方で、処理オーバーヘッドやリソース競合の影響を見極める必要性もあると考えています」(飯田氏)データベース集約時のリソース管理や可用性など、さまざまな観点からマルチテナント・アーキテクチャを評価 それでは、NECでは具体的にどのような評価を行ったのだろうか。これについて説明してくれたのは、同社システムソフトウェア事業部で高可用性ソリューションの開発に携わる伊藤高志氏(主任)だ。NEC システムソフトウェア事業部 主任の伊藤高志氏 「マルチテナント・アーキテクチャのメリットは集約率を高められる点にあると私たちは考えています。ただし、高可用性の実現という観点から見ると、集約率を高めることによって障害時の影響範囲が広がることから、逆にデメリットになる可能性もあります。 そこで、Oracle Database 12cの検証では、集約した際に個々のデータベースのリソースを適切に管理できるか、さらにはマルチテナント・アーキテクチャをOracle Real Application Clusters(RAC)構成で運用した際の可用性がどうなるかを検証しました」(伊藤氏) その検証結果はどうだったのだろうか?「期待どおりの結果が得られた」と伊藤氏は答え、次のように説明する。 「CPUリソースなど、Resource Managerの機能によって制御できるリソースに関しては、リソース使用量の制限が有効に働くことを確認しており、ほかのテナントに影響が及ぶのを防げると考えています。 また、コンテナ・データベースをRAC構成にした場合の可用性については、いずれかのプラガブル・データベースを停止してもほかには影響が及ばないことや、コンテナ・データベース自身の障害の際には短時間で待機系に切り替えられるといったことがわかりました」(伊藤氏)NECソフト長野支社ORACLEサポートグループ リーダーの寺村千秋氏 一方、NECソフト長野支社でOracle RAC機能の技術検証などを担当している寺村千秋氏(ORACLEサポートグループ リーダー)は、「REDOログ・バッファやバッファ・キャッシュを格納するメモリ領域であるSystem Global Area(SGA)を複数のデータベースで共有できること」をマルチテナント・アーキテクチャのメリットとして挙げる。 「複数のデータベースをそれぞれ個別のインスタンスで運用する場合と比べると、マルチテナント・アーキテクチャでは複数のデータベースでSGAを共有するかたちとなるため、データベースの集約率を高められると期待しています。今日、データベース統合を実現する方法はいくつかありますが、この集約率の高さが、Oracle Database 12cのマルチテナント・アーキテクチャのアドバンテージになるのではないでしょうか」(寺村氏)Oracle Database 12cで、お客様に新たな価値を提供していきたい もう1つ、NECが注目する新機能として挙げられたのが「Application Continuity」である。これはデータベースがダウンした際、障害が発生したノードで実行していたトランザクションをリプレイするという機能だ。この機能を検証した伊藤氏は、「データベース・アプリケーションを開発する現場にメリットをもたらす機能」だと評価する。 「今回の検証では、データの一貫性が保てる場合にはエラーを出力せずに処理を再実行/継続し、保てない場合はエラーを出力するという動作について、通常のアプリケーションと、Oracle Universal Connection Pool経由でのアクセスの両方で問題なく動作することを確認しました。特にOracle Universal Connection PoolやOracle WebLogic ServerのActive GridLink for RACを利用すれば、アプリケーションの変更を最小限にできる点がメリットだと考えています。 また、データベースのダウンに伴うエラー発生率をある程度抑えられる可能性がありますから、現場での対応コストの低減にもつながるのではないでしょうか」(伊藤氏) NECはWebLogic Serverの販売/導入実績も多く、高可用性機能であるActive GridLink for RACについてオラクルと共同でホワイトペーパーを作成するなど、先進的な取り組みを行ってきた。そのWebLogic Serverなど他のオラクル製品との組み合わせでも、Oracle Database 12cは威力を発揮するというわけである。 最後に飯田氏は、「今後も検証を重ねてOracle Database 12cの適用領域をしっかりと見極め、新機能を活用したご提案でお客様に新たな価値を提供していきたいですね。当社のソリューション型プラットフォーム製品群『NEC Solution Platforms』のOracle Database 12c対応も進めます。引き続きOracle Exadataと併せて、お客様に最適なシステム基盤を提供していきます」と抱負を語った。Oracle Database 12cにより、今後NECはミッション・クリティカル領域でどのような価値を生み出すのか、その取り組みに期待したい。【Oracle Database 12cの製品カタログはこちらから!】 Oracle Database 12cの製品カタログは、次のリンク先よりダウンロードいただけます。>>クラウド"のために開発されたデータベース「Oracle Database 12c」 (TechTargetホワイトペーパーダウンロードセンター) ◆目次:クラウドのためのデータベース Oracle Database 12cマルチテナント対応のデータベース情報ライフサイクル管理を自動化データベース自身がセキュリティを管理もしもの時にもゼロ・データロスでビジネスを続行Oracle Database 12c 主要新機能一覧"Oracle Database 12cの魅力"を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【富士通編】|【NEC編】|【新日鉄住金ソリューションズ編】【伊藤忠テクノソリューションズ編】|【日立製作所編】

長年にわたりミッション・クリティカル領域へのOracle Databaseの適用を推進してきたNEC。同社のエキスパートらは、マルチテナント・アーキテクチャなどの新機能を多数盛り込んだ新バージョン「Oracle Database 12c」をどう見ているのだろうか。正式リリース前から同データベースの検証に取り組んできたNECの担当エンジニアらに、その魅力、使いどころを聞いた。(川添貴生) データベー...

08. Upgrade

“Oracle Database 12cの魅力”を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【富士通編】

先進技術を満載したRDBMSの最新版「Oracle Database 12c」が先ごろリリースされた。これに先立ち、Oracle Databaseの国内販売で豊富な実績を持つベンダー各社は、ベータ・テスターとして同データベースの早期検証に取り組んできた。各社はこの最新RDBMSをどう評価しているのか。本企画では、検証に当たった各社Oracle Databaseエキスパートの声を紹介していく。初回となる今回は、富士通のエキスパートらの声をお届けしよう。(川添貴生)データベース統合におけるマルチテナント・アーキテクチャの優位性を確認富士通 統合商品戦略本部 ビジネスアプリケーション推進統括部 Oracleソリューション推進部の石川貴美子氏(Platinum of the Year 2013受賞) 1989年にオラクルとOEM契約を締結して以来、20年以上にわたりOracle Databaseを国内販売してきた実績を持つ富士通。最近ではOracle Exadataの一次保守サービスの提供、Oracle Linuxのサポート開始、システム統合運用管理環境である「Systemwalker」と「Oracle Enterprise Manager」の連携強化に取り組むなど、さまざまな領域で協業を続けている。 その富士通においてOracle Database 12cの早期検証に取り組んだ村上安彦氏(富士通ミドルウェア事業本部 商品企画室 オラクルミドルウェア技術部)は、この最新データベース製品に対する印象を次のように語る。 「Oracle Database 12cではさまざまな機能強化が図られていますが、お客様に対して最も価値を訴求できるのは、データベース間でリソースを効率的に共有することのできる『マルチテナント・アーキテクチャ』だと考えています。そこで私たちは、データベース統合の手法の1つであるインスタンス統合と比較しながら性能面を中心に検証を行いました」 ただし、評価に用いたOracle Database 12cはベータ版の段階にあり、何らかの課題も見つかるだろうと村上氏らは想定していた。 「特にマルチテナント・アーキテクチャに関してはLGWR(ログライター)周りがボトルネックになるのではないかと予想し、検証の際には更新処理を頻繁に行うなどの負荷をかけてチェックしました。 ところが、Oracle Database 12c ではLGWRも自動的にスレーブ・プロセスが立ち上がり動作するため、性能面でのボトルネックにはならないのですね。この辺りは、よく考えて作り込んでいるなと感心しました。実際にインスタンス統合の場合とパフォーマンスを比較してみると、マルチテナント・アーキテクチャに優位性があり、コスト面のメリットも大きいという結果になりました」(村上氏)マルチテナント・アーキテクチャの適用範囲の広さも評価 データベース統合の手法としては、従来から同一サーバー内に複数のデータベースを集約するインスタンス統合のほかに、スキーマ単位でデータベースを統合する方法(スキーマ統合)などもある。これらに対し、マルチテナント・アーキテクチャにはどのような優位性があると考えられるのだろうか。この問いに答えてくれたのは石川貴美子氏(富士通 統合商品戦略本部 ビジネスアプリケーション推進統括部 Oracleソリューション推進部)だ。 「既存のデータベース統合手法に関しては、リソースの有効活用という観点から、スキーマ統合がベストだと私たちは考えています。しかし実際には、連携するアプリケーションやセキュリティなどの問題から、データベースを1つにすることができないケースも少なくありません。マルチテナント・アーキテクチャのアプローチであれば、そうしたお客様にも納得してご利用いただけるのではないかと期待しています」(石川氏) さらに石川氏は、マルチテナント・アーキテクチャのメリットはデータベース統合だけではないと強調する。 「本番環境のプラガブル・データベースを検証環境にそのままコピーできる点も大きなメリットだと感じています。システムに障害が発生して調査が必要になったときなど、やはり本番環境をそのまま調査に使うのはNGというケースが多いのです。しかし、マルチテナント・アーキテクチャであれば、本番環境のデータベースを検証環境にコピーして調査することができます。こういった扱いやすさも魅力の1つですね」(石川氏)9月開催のOracle OpenWorld 2013で検証結果を披露富士通 ミドルウェア事業本部 商品企画室 オラクルミドルウェア技術部の村上安彦氏 一方、村上氏は、データベースがダウンした際に障害があったノードで実行していたトランザクションをリプレイするという新機能「Application Continuity」についても高く評価している。その理由として村上氏が挙げるのが、アプリケーション側には手を入れることなく利用できるという点だ。 「当社がこれまでご支援してきたお客様の中には、特に大規模環境でOracle Databaseを利用する際にOracle Real Application Clusters(RAC)を併用されるところが少なくありません。このOracle RACの機能を最大限に生かそうとすると、コネクション周りで異常が発生した際の処理をアプリケーション側で作り込む必要がありました。この課題を解決できる機能ではないかと考え、今回はApplication Continuityについてもチェックを行いました。 実際に検証してみてメリットだと感じたのは、基本的にサーバ側でサービスを定義すれば使えるため、アプリケーション側には手を入れる必要がないという点です。利用に際しての敷居が低く、非常に良い機能だと思います」(村上氏) 富士通は既存データベースを移行し、最新バージョンにするアップグレード・サービス「DBマイグレーションfor Oracle」を強力に推進しており、多くの実績を持つ。石川氏は、「富士通が提供するサービスを利用することによって安心/安全に最新バージョンに移行し、新機能のメリットを享受できます」と意欲を見せる。 また、富士通が提供するUNIXサーバのSPARC M10とOracle Database 12cを組み合わせることにより、大きなスケール・メリットを実現できると強調する。 「富士通では、世界最高レベルのスケーラビリティを実現した高性能/高信頼サーバとしてSPARC M10を提供していますが、このサーバとOracle Database 12cのマルチテナント・アーキテクチャを組み合わせることにより、多くのデータベースを1台のサーバに集約することが可能です。 SPARC M10や、一次保守サービスを開始したOracle Exadataなど、私たちはOracle Database 12cの実行に最適な環境のご提供にも力を入れて取り組んでいきます」(石川氏) 富士通は現在もOracle Database 12cの検証作業を続けており、その成果を2013年9月22日~26日(米国時間)にサンフランシスコで開催される「Oracle OpenWorld 2013」で披露する予定だという。大規模なデータベース統合におけるOracle Database 12cの実力を伺う意味でも、Oracle OpenWorld 2013での同社の発表に注目したい。【Oracle Database 12cの製品カタログはこちらから!】 Oracle Database 12cの製品カタログは、次のリンク先よりダウンロードいただけます。>>クラウド"のために開発されたデータベース「Oracle Database 12c」 (TechTargetホワイトペーパーダウンロードセンター) ◆目次:クラウドのためのデータベース Oracle Database 12cマルチテナント対応のデータベース情報ライフサイクル管理を自動化データベース自身がセキュリティを管理もしもの時にもゼロ・データロスでビジネスを続行Oracle Database 12c 主要新機能一覧"Oracle Database 12cの魅力"を国内主要ベンダーのエキスパートが語る【富士通編】|【NEC編】|【新日鉄住金ソリューションズ編】【伊藤忠テクノソリューションズ編】|【日立製作所編】

先進技術を満載したRDBMSの最新版「Oracle Database...

06. セキュリティ

企業システムへのSQLインジェクション攻撃が止まらない! データベースの防御と監査を強化する「Oracle Audit Vault and Database Firewall」

SQLインジェクション攻撃による情報漏洩やWebサイトの改竄は後を絶たず、さらに最近では機密情報を狙った標的型攻撃も増加している。こうした攻撃への対策として、オラクルはデータベースを中心に据えた保護が重要だと訴え続けてきた。そのコンセプトを具現化したセキュリティ・ソリューションの1つが「Oracle Audit Vault and Database Firewall」だ。同製品を利用した対策により、具体的にデータベースをどう守れるのか?日本オラクル製品事業統括 製品戦略統括本部 テクノロジー製品推進本部 シニア・プロダクトラインマネージャの大澤清吾氏に聞いた。(川添貴生)SQLインジェクション攻撃で10万人超の個人情報が流出 Webアプリケーションからデータベースへの問い合わせに不正なSQLコマンドを"注入(Injection)"してデータベースを操作するSQLインジェクション攻撃による被害が多発している。つい先日も、ある国内企業のWebサイトがSQLインジェクション攻撃にさらされ、クレジットカード情報を含む10万件以上もの顧客情報が盗み出されるという非常事態が発生している。 どのような理由であれ、顧客や取引先の個人情報が外部に流出する事態になれば、攻撃を受けた企業は極めて大きなダメージを被ることになる。顧客への損害賠償や顧客への対応のためのコールセンターの設置コスト、あるいは状況を正確に把握するための調査コストなど、情報漏洩を起こした企業は多額のコストをかけて対応しなければならない。企業イメージが毀損すれば、その後の売り上げにも大きな影響が及ぶだろう。企業規模や被害状況によっては、情報漏洩が原因で倒産に至る事態すら起こりうるのだ。 もちろん、機密情報の搾取に使われる攻撃手法はSQLインジェクション攻撃だけではない。特にここ数年で目立っているのは、取引先などを装ってメールをやり取りし、相手を信頼させたところでウイルスを潜ませたファイルをメールで送り付ける標的型攻撃(APT:Advanced Persistent Threat)などと呼ばれる手法だ。 こうした攻撃では、感染させたウイルスを外部からコントロールし、ネットワーク内部からサーバなどにアクセスして機密情報を盗み出すといったことが行われる。ウイルス対策ソフトで検知できないウイルスが使われることも多く、攻撃を防ぐのは容易ではない。 このようなセキュリティ上の脅威に対し、日本オラクルの大澤氏は、「実際に情報が蓄積されているデータベースに近いところで対策を施すことがますます重要になってきている」と強く指摘する。日本オラクル製品事業統括 製品戦略統括本部 テクノロジー製品推進本部 シニア・プロダクトラインマネージャの大澤清吾氏 「攻撃者が企業内部に侵入するための経路は多岐に渡っており、従来の入口と出口だけの対策だけでは十分に情報を保護するのが難しくなっている。そのため、重要性が増しているのが、攻撃者が狙う情報資産が格納されたデータベースそのものの保護である。実際、米国では国防情報システム局(DISA:Defense Information Systems Agency)がデータベース・セキュリティの実装ガイドを公開しているほか、そのための教育も積極的に行われている。一方、日本では米国ほどデータベース・セキュリティの重要性が認識されていないのが実情だ」(大澤氏)Oracle Audit Vault and Database Firewallでデータベースの保護と監査ログの集約/管理を低コストに実現する このデータベース・セキュリティの強化に有効なソリューションとして日本オラクルが提供しているのがOracle Audit Vault and Database Firewallである。大澤氏は同ソリューションの特徴を次のように説明する。 「Oracle Audit Vault and Database Firewall はSQLインジェクション攻撃を防ぐための仕組みを備えているほか、データベースやOS、ディレクトリ製品のログを取得して一元的に管理する仕組みも備えており、それによって防御だけでなく監査も実現しているのが最大の特徴となる。 さらに、今年リリースされた新バージョンでは価格体系も見直され、データベース・セキュリティに欠かせない防御と監査の両方を低コストで実現できる無二のソリューションに仕上がっている」(大澤氏) それでは、Oracle Audit Vault and Database Firewallは具体的にどのような機能を備えているのだろうか。 まずSQLインジェクション攻撃などからデータベースを保護するため、データベースに特化したファイアウォール機能を提供している。データベースに対して送信されるSQL文をネットワーク経路の途中でチェックし、不正なSQL文を検出した場合には通信をブロックしたり、アラートを発したりして管理者に警告するといったことが行える。 なお、SQLインジェクション攻撃を防ぐためのソリューションとしては、IDS(Intrusion Detection System)やIDP(Intrusion Detection and Prevention)、あるいはWAF(Web Application Firewall)を思い浮かべる方もおられるだろう。だが、これらのソリューションの多くは、単なるパターン・マッチングによって不正なSQLを検出する仕組みとなっている。しかし、SQLインジェクション攻撃で使われる不正コマンドには多様な書き方があり、それらをすべてパターン・マッチングで見つけるのは困難だろう。 それに対してOracle Audit Vault and Database Firewallでは、SQLの文法ルールに厳密に基づいて解析を行うため、正確かつ漏れのない検知が可能だと大澤氏は説明する。 「Oracle Audit Vault and Database Firewallの最大の強みは、SQLの文法解析エンジンを搭載していること。このエンジンによってSQL文の中身を理解したうえで判断するので、複雑な不正コマンドについても内容を正確に把握し、適切に対処することができる」(大澤氏)データベースやOS、LDAP製品のログを集約して安全に管理 データベース・セキュリティでは、SQLインジェクションなどの攻撃を防ぐだけでなく、システムが適切に利用されていることを証明する監査ログの保管も不可欠となる。この中で重要なのが、ログの正確な取得と複数システムの監査ログの統合、改竄を防ぐための保全、そして必要になったら適切にログを利用できる仕組みの提供である。 その点、Oracle Audit Vault and Database Firewallであれば、データベースに関する操作内容を漏れなく収集して記録できるほか、各種OSやLDAP製品などのログを一元的に管理するためのインタフェースを備えている。 また、攻撃者によるログの改竄を防ぐため、ログ保管用データベースに逐次転送し、格納データの暗号化も行っている。さまざまな条件で柔軟にログを分析できるツールも提供しているほか、HTML/CSV形式での出力や独自形式レポートの作成にも対応している。 加えて特筆すべきは、ソフトウェア・アプライアンスとして提供されるため、導入が容易であるということだ。大澤氏によれば、時間がかかるのは監査ポリシーの策定やレポートのフォーマット作成などの作業であり、サーバの構成などはインストーラが自動的に行うため、ほとんど手間はかからないという。サーバ・マシンは市販のIAサーバから、システムの規模や負荷に応じて自由に選ぶことができる。あるいは、Oracle Audit Vault and Database Firewallの取り扱いパートナーに、マシンのセットアップやシステム構築を委託するのもよいだろう。 大澤氏は以上のようにOracle Audit Vault and Database Firewallの特徴を説明したうえで、改めてデータベース・セキュリティの重要性を訴える。 「これまで、特に日本企業では入口対策が重視されてきたが、攻撃経路の多様化により、それだけでは攻撃を防ぐことが難しくなっている。攻撃者の狙いがデータベースに蓄積されている情報であることを考えると、そこに一番近い場所で攻撃を検知し、防御することが最も効率的だというのがオラクルの一貫した考え方だ。今一度、情報資産が漏洩した際のリスクを再認識し、データベースを中心に据えたセキュリティ・アプローチを一刻も早く取り入れ、実践していただきたい」(大澤氏) 冒頭でも述べたように、現在、企業が保有する情報資産を狙った攻撃はますます深刻化している。もし攻撃を受けて大規模な情報漏洩が発生すれば、企業が受けるダメージは計り知れない。その対策を考える方々なら、情報が蓄積されているデータベースそのものを保護するOracle Audit Vault and Database Firewallが、より強固なセキュリティを実現するうえで極めて有効なソリューションであることがおわかりいただけるはずだ。【Oracle Audit Vault and Database Firewallの特設サイトがオープン!】 本記事で紹介したOracle Audit Vault and Database Firewallの特徴や導入利点をさらに詳しく解説した特設サイトを開設しました。導入事例も紹介しているほか、無償トライアルも受付中。ぜひ下記サイトをご覧ください。>> Oracle Audit Vault and Database Firewall特設サイトへ

SQLインジェクション攻撃による情報漏洩やWebサイトの改竄は後を絶たず、さらに最近では機密情報を狙った標的型攻撃も増加している。こうした攻撃への対策として、オラクルはデータベースを中心に据えた保護が重要だと訴え続けてきた。そのコンセプトを具現化したセキュリティ・ソリューションの1つが「Oracle Audit Vault and Database Firewall」だ...

01. Exadata

Oracle ExadataがMM総研大賞2013でビッグデータシステム製品分野において最優秀賞受賞!

"日本のものづくり(製品・サービスによる価値づくり)をもっと元気にしたい!"という思いのもと創立されたMM総研大賞ですが、第10回目の実施となる今年は、「スマート社会を支える製品・サービス」をテーマに選定がおこなわれました。おかげさまで Oracle Exadata が、「クラウドソリューション部門のビッグデータシステム製品分野」で最優秀賞を獲得致しました。選考理由は、「Oracleの次世代データベースマシン。Oracleデー タベースの巨大な顧客資産をベースに、ハードとソフトを最適融合し、顧客の高速化ニーズをはじめ、高可用性・高拡張性・高セキュリティ・導入運用コストの削減等のニーズに対応。アンケートでは、「使いやすさ」でも高評価を得た。」ということです。※ MM総研大賞2013分析レポートより抜粋クラウドソリューション(集約・統合基盤ソリューション)としてのExadataビッグデータをビジネスに活かすためのExadataお客様に認めていただいたOracle Exadataの活用方法を、より多くのお客様にお届けできるよう引き続き精進して参ります。MM総研大賞 2013のすべての受賞企業の情報/詳細につきましてはコチラからどうぞ。

"日本のものづくり(製品・サービスによる価値づくり)をもっと元気にしたい!"という思いのもと創立されたMM総研大賞ですが、第10回目の実施となる今年は、「スマート社会を支える製品・サービス」をテーマに選定がおこなわれました。 おかげさまで Oracle Exadata が、「クラウドソリューション部門のビッグデータシステム製品分野」で最優秀賞を獲得致しました。選考理由は、「Oracleの次世代データ...

02. クラウドコンピューティング

Oracle Cloudはエンタープライズ・レベルのセキュリティ/コンプライアンス対応を提供する──「Oracle CloudWorld 2013」レポート

オラクルが提供を開始した「Oracle Cloud」は、Oracle Databaseなどのオラクル製品を利用する企業が、エンタープライズ・レベルの性能、可用性、拡張性、管理性を備えたクラウドを求める際に最有力の選択肢となるクラウド・サービスだが、企業のITマネジャーとしては、そのセキュリティやコンプライアンス対応の方針がどうなっているのかが気になることだろう。2013年4月9日に都内で開催された「Oracle CloudWorld 2013」では、米国オラクル・コーポレーションでOracle Cloud の運用を担当する幹部が来日し、そうした疑問に答えるべくセッションを実施した。(編集部)Oracle Cloudのセキュリティ・アプローチ、各国法制度への対応は?米国オラクル・コーポレーション Oracle Cloud Operations バイスプレジデントのレーフ・オルソン氏 オラクルが持つハードウェア/ソフトウェア技術を結集して提供される「Oracle Cloud」の特徴の1つは、企業がオンプレミスで利用しているオラクルのアプリケーション群やOracle Databaseなどのミドルウェア群を、そのままクラウド上で利用したり、オンプレミス/クラウド間で連携や移行を行ったりできる点だ。これにより、企業はオンデマンド、スケーラブル、高可用性、高コスト効率といったOracle Cloudの利点を享受しつつ、オンプレミスのIT資産も引き続き生かすことができる。この点に魅力を感じるIT部門は多いはずだが、1つ気がかりなのは、セキュリティやリスク管理に関する対応方針だろう。 Oracle CloudWorld 2013では、こうしたCIO/ITマネジャーの疑問に答える場として、米国オラクル・コーポレーションでOracle Cloud Operationsバイスプレジデントを務めるレーフ・オルソン氏によるセッション「Oracle Cloudが実現する、世界最高レベルのセキュリティ/コンプライアンス」を実施。Oracle Cloudが採用しているセキュリティ・アプローチや、各国の法制度への対応状況などが説明された。 セッションの冒頭、オルソン氏は、オラクル・コーポレーションのCIOであるマーク・サンデー氏がクラウドのセキュリティについて語ったビデオを流し、その中で触れられた重要なポイントとして次を挙げた。セキュリティの仕組みが、クラウド上に最初から作り込まれていることビジネス・ユーザーだけでなく、ITプロフェッショナル・ユーザーにとっても使いやすいものであること業界別、地域別のコンプライアンスに対応していること 「これらのポイントについて、すべてのクラウド・プロバイダーから同じ品質が提供されているわけではない」とオルソン氏。「クラウド・サービスを検討する際には、この点に気をつけていただきたい」と注意を促した。クラウドで難易度が増す「リスク管理」の課題 かつては企業のCIOとしての職務も経験したオルソン氏は、「CIOは、常に複数の課題に同時に取り組んでいる」と語る。その課題とは、ITリソースの「デリバリ(提供)」を確実に行ってビジネスを円滑に進めること、その導入や運用にあたって「経済的な効率」を追求すること、そしてセキュリティ対応やコンプライアンス順守などITシステムに関する「リスク管理」を行うことだという。 今日、クラウドが注目されているのは、これら3つの課題に対して有効なソリューションだからである。「デリバリ」に関しては、最新のテクノロジーを迅速かつ柔軟に取り込んでいける点が、「経済的な効率」については、必要に応じて必要な量だけリソースを調達できるユーティリティ・コンピューティングやサブスクリプション・モデルを適用している点がメリットとして挙げられる。 また、3つ目の「リスク管理」に関しては、クラウドを利用する際、「その管理を誰が行うのか」が問題となる。 「クラウドを使う場合でも、ユーザーが自らすべてのリスク管理をしなければならないとすれば多くのコストがかかる。これについては、ユーザーとクラウド・プロバイダーが協力して課題に取り組めるかどうかが大きなポイントになる」(オルソン氏)世界中にデータセンターを構築して各国のニーズ/事情に対応 オルソン氏は、Oracle Cloudのコンセプトとして、“ミッション・クリティカルなクラウド”である点を挙げる。エンタープライズ・レベルのビジネス・バックボーンを支えるシステムに求められる可用性、柔軟性、管理性を実現するにあたり、Oracle Cloudでは次のようなアプローチをとっているのだという。IT要件を初期段階から組み込んで設計多層防御によるセキュリティの確保フルスタックでのオーナーシップコンプライアンスに対する包括的なコントローラビリティ これらのアプローチの実践例として、オルソン氏はグローバルに展開しているデータセンターを紹介した。日本でもクラウド・サービス専用の新たなデータセンターを開設することが発表されている。 「これらのデータセンターは、それぞれの地域に応じた展開を行っていくうえで重要な投資だ。サービスを提供する各国のルールや企業の事情に合わせて、場合によってはデータを分散させて保持するだけでなく、特定の地域や国にまとめておくことも求められる。Oracle Cloudでは、そうしたニーズへの対応も可能となっている」(オルソン氏)巧妙化するサイバー攻撃に備え、多層防御のセキュリティ・アプローチを採用 オルソン氏が率いる「Oracle Cloud Operations」では、現在300人以上のオラクル社員が、24時間365日体制でOracle Cloudユーザーのサポートを行っている。 その中で、セキュリティに関するチームは担当分野ごとに細分化されており、業務実施、民間企業/政府機関のコンプライアンス、現場での指揮監督といった役割ごとに、それぞれのエキスパートが対応している。セキュリティ・チームに関しては、専門知識レベルもさることながら、過去の犯罪歴なども含め一般社員よりも厳しい採用審査を実施し、業務プロセスの遂行についても厳格なルールが定められている。 また、スタッフによる厳格な業務プロセスの順守と併せて、複数レベルでのファイアウォールの設置、侵入検知と攻撃への対処、ホスト・システムのセキュリティ強化などの取り組みも行っている。特に侵入検知に関しては、「単一の攻撃だけを分析対象にしたのでは対応が難しい攻撃パターンでも、複数顧客のシステムやデータセンターをまたいだ攻撃を総合的に分析し、効果的に対処できる」(オルソン氏)点が、グローバルに展開するOracle Cloudの強みの1つだという。 さらに、これらのセキュリティ確保に使われるコンポーネントが、「Oracle Identity Manager」、「Oracle Access Manager」や、「Oracle Database Vault」、「Oracle Audit Vault」といった、すでに世界中のエンタープライズ・システムで豊富な実績のあるテクノロジーだという点も大きなポイントだ。 監査については、日次および四半期ごとのインフラおよびアプリケーションのスキャン、四半期ごとのパッチとバージョンのレビュー、規則に従ったアクセス権限の棚卸し、疑似攻撃による脆弱性の発見などの作業を実施している。インシデント発生時には顧客とオラクルが連携して対処 万が一、Oracle Cloud上で何らかのインシデントが検知された際には、オラクル・チームによる回避作業、フォレンジック(詳細調査)作業、ユーザーへの通知の実施と併せて、製品チームや開発チーム、法制対応チームなど、オラクル内の他の組織が共同で対処する。 「日々の監視の中で、何か問題が発生した場合には、迅速に分析してお客様にその旨を通知し、お客様とオラクルが一丸となってインシデントに対応していく体制を整えている」(オルソン氏) 一方、コンプライアンスに関しては、基本的に「ISO 27001/2コントロールフレームワーク」に基づくプログラムを実施しており、第三者機関による監査を年次で受けている。準拠している標準規格としては、ISOのほかに「SSAE16(SOC 1,2)(米国保障業務基準)」、「HIPPA(医療保険の相互運用正と説明責任に関する法律)」、「DIACAP(米国国防総省情報保障認定および資格プロセス)」、「英国データ保護法」などがある。「コンプライアンスについては、国や企業のニーズに応じて柔軟に対応できる」とオルソン氏は胸を張る。 最後にオルソン氏は、改めてOracle Cloudがクラウドの利点を享受しつつ、エンタープライズ・レベルのセキュリティやコンプライアンスに十分に対応可能なサービスであることを強調したうえで、「オラクルは、Oracle Cloudの多層防御、脅威への対応プロセスに多くの投資を行ってきた。Oracle Cloudで提供するプロフェッショナルなサービスの内容や規約、使い方について、引き続き一貫性を保ってユーザーの皆様にお伝えしていきたいと思っている。もし必要なものがあれば、我々から提供させていただくので、ぜひ要求をお聞かせいただきたい」と呼びかけてセッションを締めくくった。

オラクルが提供を開始した「Oracle Cloud」は、Oracle Databaseなどのオラクル製品を利用する企業が、エンタープライズ・レベルの性能、可用性、拡張性、管理性を備えたクラウドを求める際に最有力の選択肢となるクラウド・サービスだが、企業のITマネジャーとしては、そのセキュリティやコンプライアンス対応の方針がどうなっているのかが気になることだ...

08. Upgrade

それ本当? Oracle Database Enterprise Edition搭載システムが4分の1のコストで導入できるって!

現在、Oracle Database Standard Editionを利用しているが、その性能や機能に限界を感じ、システムの更新/拡張を考えているという企業に最良の選択肢がある。日本オラクルが“中小規模向けのOracle Exadata”として提供しているデータベース・アプライアンス製品「Oracle Database Appliance」なら、最新のサーバ/ストレージ・システム上にOracle Database Enterprise Editionを搭載したシステムが、市販のサーバ/ストレージによる同等構成のシステムのわずか4分の1のコストで入手できるのだ。(編集部)Oracle Database Applianceは“中小規模向けOracle Exadata” 現在、Oracle Database Standard Editionを利用しているが、その性能や機能に限界を感じているという企業に朗報だ。 日本オラクルが提供する「Oracle Database Appliance」は、Oracle Database Standard Editionよるシステムからのアップグレード用として開発された、いわば“中小規模向けのOracle Exadata”である。冗長構成が可能なOracle Database Enterprise Editionを搭載しており、オラクルのハードウェア技術とソフトウェア技術を融合することによって「高い性能」と「手軽な導入」、そして「容易な管理」を実現している点が最大の特徴だ。 そのOracle Database Applianceの最新版として2013年3月にリリースされた「Oracle Database Appliance X3-2」は、1Uラック・マウントのx86サーバ2台(Xeon E5-2690が2基16コア×2台=32コア、メモリは256GB×2台=512GB)に共有の2Uストレージ・シェルフを10GbEインターコネクトで接続。このコンパクトな4U構成で2ノードの冗長構成を可能にする。最新のOracle Database EE 11g Release 2を搭載し、Oracle Real Application Clustersによるアクティブ/アクティブな2ノード・クラスタリング構成にも対応している。 Oracle Database Appliance X3-2で特に驚きなのは、その導入コストの低さだ。Oracle Databaseのプロセッサ・ライセンスとして、4~32の有効コア数に応じて課金する「Capacity-On-Demand」を適用しており、実装コア数で課金される通常のライセンスと比べてコスト面で大きな利点が生まれる。通常、16コア搭載システムならばプロセッサ・ライセンス価格は約4128万円となるが、Oracle Database Appliance X3-2を最小4コア(2プロセッサ換算)で稼働させるとしたら約1032万円と、わずか4分の1のコストで導入できてしまうのである。Oracle Database Standard Editionからのステップアップを考えている企業には、まさにうってつけのデータベース・アプライアンス製品だと言えるだろう。詳しくは、こちらのサイトから資料をダウンロードしてご覧ください※ リンク先は外部サイトとなります。資料のダウンロードにあたっては、サイトへの登録やアンケートへのご回答が必要となります

現在、Oracle Database Standard Editionを利用しているが、その性能や機能に限界を感じ、システムの更新/拡張を考えているという企業に最良の選択肢がある。日本オラクルが“中小規模向けのOracle Exadata”として提供しているデータベース・アプライアンス製品「Oracle Database Appliance」なら、最新のサーバ/ストレージ・システム上にOracle...

05. システム統合管理

新日鉄住金ソリューションズのエキスパートが語る、企業システム統合運用管理環境「Oracle Enterprise Manager 12c」ならではの魅力

ミッション・クリティカルな企業情報システム基盤の構築/運用管理を得意とする新日鉄住金ソリューションズは、オラクル製品に関する高い技術スキルと豊富な導入実績を持つことでも知られる。その同社が顧客企業のシステム運用管理に活用しているのが、Oracle Databaseをはじめとするオラクル製品の深い解析や監視/管理を可能にする統合運用管理環境「Oracle Enterprise Manager 12c」だ。同社のITインフラソリューション事業本部に所属し、ITアーキテクトとして企業のインフラ管理を担う北野佑氏(ITエンジニアリング事業部ITアーキテクティンググループ)に、Oracle Enterprise Manager 12cならではの魅力を聞いた。(川添貴生)グラフィカルなユーザー・インタフェースによる“高い操作性”がOracle Enterprise Manager 12cの魅力新日鉄住金ソリューションズ ITインフラソリューション事業本部 ITエンジニアリング事業部 ITアーキテクティンググループの北野佑氏 新日鉄住金ソリューションズでITアーキテクトとして活動する北野佑氏は、これまでOracle Databaseを用いたシステムの設計から構築、運用管理までの業務を幅広く担当。ミッション・クリティカルなシステム基盤の構築に数多く携わった経験を持つ。こうしたキャリアの中で、Oracle Enterprise Managerとも深くかかわり、先ごろ国内では第1号としてOracle Enterprise Manager 12cの活用に関する深い知識を持つエンジニアだけが取得することのできるグローバルな認定資格「Oracle Enterprise Manager 12c Certified Implementation Specialist」を取得。現在はOracle Enterprise Managerのエキスパートとしても活躍している。 その北野氏がOracle Enterprise Managerを使い始めたきっかけは、ある大手製造業のデータベース管理業務に従事していたときだった。  「私がお客様の現場でデータベース管理を担当させていただいていたときに、Oracle Database 9iからOracle Database 11gにアップグレードするプロジェクトが立ち上がりました。そのお客様は、それまでStatspackを使って性能監視などを行われていたのですが、バージョンアップに伴ってOracle Enterprise Managerによる管理に切り替えられたのです。これが、私がOracle Enterprise Managerを現場で使い始めたきっかけです」(北野氏)Oracle Enterprise Managerの概要 初めてOracle Enterprise Managerに触れたとき、北野氏は「グラフィカルなユーザー・インタフェースでデータベースの管理が行えることに感心した」のだという。 「それまではコマンドラインで操作するのが当たり前だったので、ボタン1つでさまざまな操作が行える点はメリットが大きいと感じました。私自身の業務にメリットがあるだけでなく、お客様ご自身でも簡単に操作できるという点は非常に魅力的に感じましたね」(北野氏)Oracle Enterprise Manager 12cの管理画面。システムに関するさまざまな情報がグラフィカルに表示される Oracle Enterprise Managerならではの操作性の高さは、運用管理の現場における迅速な課題解決にもつながっているようだ。 例えば、運用中のシステムで夜間に何らかの問題が発生した際、その現場にシステム・エンジニアがいないといったケースがある。 「この場合、オペレーターの方が手順書に従って一次切り分けを行うわけですが、コマンドラインしか操作インタフェースがない場合、オペレーターの方にできることは限られてしまいます。 しかし、Oracle Enterprise Manager 12cがあれば、コマンドラインでは難しかった操作をオペレーターの方ができるようになるため、一次切り分けの対応の幅がぐっと広がります。また、システム・エンジニアと電話連絡を行った際に、システム・エンジニアから『このボタンをクリックした結果を教えてください』といった具体的でわかりやすい指示を受けることができるので、切り分け後の対応スピードも速くなります。 このようにして、コマンドラインでは難しかった操作をオペレーターの方ができるようになることは、Oracle Enterprise Manager 12cならではのメリットの1つではないかと思います」(北野氏)Oracle Enterprise Managerならば、性能分析時や障害対応時の難しい切り分けを行う必要はない強力なレポート機能が運用管理業務の効率化に貢献 Oracle Enterprise Manager 12cには、システムの設計から開発、運用の各フェーズで活躍する利便性の高い機能が数多く用意されている。それらの中でも特に役立っている機能として、北野氏は「性能情報の監視/ビジュアル化機能」を挙げる。 「従来の環境では、Statspackなどを使ってSQLの性能情報を収集したり、SQLの実行計画を確認したりしていました。そうしてシステムから取得した情報をお客様にご確認いただく際には、出力結果を整形したり、表計算ソフトなどでグラフ化したりする作業が必要となり、これに多くの手間がかかっていたのです。 それに対して、Oracle Enterprise Manager 12cであれば、画面上でシステムの状態をグラフなどによって確認できるだけでなく、それをそのままレポートとしても利用できるので、管理業務の大幅な効率化を図れるようになりました」(北野氏)Oracle Enterprise Managerが収集したさまざまな稼働情報からグラフィカルなレポートを簡単に作成することができる また、何か問題が起きた際、ユーザーに一目で状況を理解してもらえる点も大きなメリットだ。例えば、何らかの問題でデータベースが停止した際、北野氏らはユーザーに管理モニタを見せながら状況を説明することがある。 「そうした際、Statspackで取得したテキスト・ベースの情報だけでは『ご理解いただけているだろうか』と不安になることがありましたが、Oracle Enterprise Manager 12cならグラフィカルな画面でご説明できるので、お客様にも状況を的確に把握していただくことができます」(北野氏) このように、Oracle Enterprise Manager 12cを高く評価する北野氏は、Oracle Enterprise Managerと他社製の運用管理ツールを連携させる仕組みの標準化にも携わっており、その作業が先ごろ完了した。 「運用管理ツールは、製品によって得手不得手があります。今回は、そのことも踏まえて、各ツールをどう棲み分けさせるかを念頭に置きながら標準化作業を行いました。 具体的には、オラクル製品に関してはOracle Enterprise Managerを使って深い情報を取得しつつ、オラクル製品以外のシステムについては汎用的な運用管理ツールを使うといった棲み分けにしています。すでに最初の標準化作業は完了しましたが、企業システムは年々変化し続けるので、今後も状況に応じて改良を続けていきます」(北野氏)オラクルも、Oracle Enterprise Managerと他社製管理ツールのそれぞれの長所を生かした連携を強化すべく、各社と協力して開発を進めている こうして標準化したOracle Enterprise Managerによる運用管理の手法については今後、積極的にユーザー企業の現場にも展開していきたいと話す。 「弊社が長年にわたって蓄積してきたノウハウを生かして標準化を行っているので、今後はこれを、さまざまなお客様にご利用いただきたいですね。それにより、コスト削減や運用負荷の軽減など、お客様はさまざまなメリットが得られます。特にOracle Exadataに関しては、Oracle Enterprise Manager 12cによる監視サービスをセットでご提案していく予定です」(北野氏)「総合運用管理環境として、さらなる発展を」──Oracle Enterprise Managerへの期待 前述したように、北野氏はOracle Enterprise Manager 12cに関する確かな知識を認定するOracle Enterprise Manager 12c Certified Implementation Specialistを取得している。この認定を受けた背景を、北野氏は次のように説明する。 「これまで、弊社では高いスキルを持ったエンジニアを育成するための取り組みを積極的に推進してきました。オラクルのCertified Implementation Specialist資格についても、第三者による弊社技術レベルの客観的な評価指標として重視し、計画を立てて認定取得に取り組んでいます。今回、私がOracle Enterprise Manager 12c Certified Implementation Specialistを取得したのも、この取り組みの一環です」 それでは、この認定の取得は今後、北野氏および新日鉄住金ソリューションズの業務やサービスにどう影響するのだろうか。 「今回の認定取得にあたり、改めて知識を整理する中で、Oracle Enterprise Manager 12cが企業システムの運用管理に威力を発揮するさまざまな機能を備えていることを再確認できました。 今後のお客様へのご提案では、それらの機能を生かしたさらなる効率化やコスト削減のプランを盛り込んでいきたいですね。弊社では、ミッション・クリティカルな大規模システムの構築を数多く手掛けていますが、そうした案件でも、Oracle Enterprise Managerを利用した運用管理サービスを提供していきたいと考えています」(北野氏) さらに、Oracle Enterprise Managerへの今後の期待として、「統合運用管理環境としてのさらなる成長」を挙げ、次のように語った。 「これまでは、Oracle DatabaseやOracle Real Application Clustersなどの周辺技術のバージョンを合わせて統合するというアプローチが主流でしたが、近年は製品のバージョンや利用している周辺技術に関係なく集約することのできるインフラが整備されてきたと感じています。そこで弊社では現在、データベース“統合”ではなく、データベース“集約”ソリューションとして、多様なデータベース環境をまとめて運用管理していくことをご提案しています。Oracle Enterprise Managerが、そうしたインフラの中心に位置し、システム全体を統合運用管理できるソリューションとして発展していくことを期待しています」Oracle Enterprise Managerの進化の歴史。システム統合運用管理環境としての今後のさらなる発展に北野氏も期待を寄せる(2013年5月現在、Oracle Enterprise Managerの最新版は12 Release 2[12.1.0.2]) 企業のIT活用をさらに促進していくうえで、「運用管理の効率化」は不可避の課題だ。Oracle Enterprise Managerも駆使しながら、新日鉄住金ソリューションズは今後この課題をどう解決していくのか。企業のミッション・クリティカル・システムの構築/運用管理を担う同社の今後に注目したい。

ミッション・クリティカルな企業情報システム基盤の構築/運用管理を得意とする新日鉄住金ソリューションズは、オラクル製品に関する高い技術スキルと豊富な導入実績を持つことでも知られる。その同社が顧客企業のシステム運用管理に活用しているのが、Oracle Databaseをはじめとするオラクル製品の深い解析や監視/管理を可能にする統合運用管理環境「Oracle...

02. クラウドコンピューティング

Oracle Exadata上のOracle Databaseをサービスとして使える「Oracle Database Cloud Service」の魅力──「Oracle Cloud World 2013」レポート

業務効率化や事業拡張などに伴い新たな業務アプリケーションのニーズが次々と生まれる中、運用管理の手間やコスト削減、開発や導入のスピード化などを目的にクラウド・サービスの活用を検討する企業が増えている。その際、各社のIT部門が悩むのが、既存のオンプレミス・システムとの連携/統合、開発/管理のしやすさ、コスト負担、セキュリティの確保などだ。そうした悩みをすべて解消すべくオラクルが提供を開始したクラウド・サービスが「Oracle Cloud」である。Oracle ExadataやOracle Exalogicなどの高い性能と可用性を備えたシステム基盤上で稼働し、Oracle DatabaseやWebLogic Serverなどの定番ミドルウェアと標準技術によって構成されたOracle Cloud、および同クラウドのラインアップの1つであるデータベース・サービス「Oracle Database Cloud Service」の魅力、そしてこれらを用いたアプリケーション開発の概要について、2013年4月9日に都内で開催されたイベント「Oracle Cloud World 2013」におけるセッションの内容を基に紹介する。(編集部)Oracle CloudはOracle Exadata/Oracle Exalogic上にPaaS、SaaS、ソーシャル・サービスを提供 「オラクルが提供するクラウドは、他社のサービスとどう違うのか? 企業にどのようなメリットをもたらすのか?」──この疑問に一挙に答える場として催されたOracle Cloud World 2013。同イベントでは、Oracle Cloudが提供するさまざまなクラウド・サービスの概要や活用例などが紹介された。その中で注目を集めたのが、Oracle Cloud上での企業アプリケーション開発/運用をテーマにしたセッション群である。 そうしたセッションの1つ「Oracle Cloudのプラットフォームサービスを利用した、ビジネス・アプリケーション構築」では、米国オラクル・コーポレーションでプロダクト・デベロップメント担当シニアディレクターを務めるアミット・チャウドリ氏が壇上に立ち、企業アプリケーション開発/運用環境としてのOracle Cloudの魅力を紹介した。米国オラクル・コーポレーション プロダクト・デベロップメントシニアディレクターのアミット・チャウドリ氏 セッションの冒頭、チャウドリ氏は、今日の企業およびIT部門が直面する課題として、「扱うデータ量の爆発的な増大」や「(それらのデータも活用した)アプリケーション開発ニーズの急増」、「スマート・デバイスなどサポートすべきクライアント端末の急増と、それによるインフラ負荷の増大」、「ソーシャルのビジネス活用」、「旧式化したITシステムの段階的な近代化(モダナイゼーション)」などを挙げた。現在、これらの課題を解消する選択肢の1つとして、クラウドが大きな注目を集めているのだという。クラウドであれば、必要なコンピューティング・リソースをオンデマンドで調達しつつ、これらの課題に対応できるからだ。 オラクルも、そうした企業の要求に応えるべく、広範なクラウド・サービスとしてOracle Cloudの提供を開始している。 Oracle Cloudは、オラクルがこれまでに開発してきたシステム基盤や各種ミドルウェア、業務アプリケーションなど多様な要素から構成されるクラウド・サービスである。 「Oracle Cloudでは、まず共通のインフラ・サービスとして、Oracle Exadata、Oracle Exalogicによるコンピュータ・リソース上でストレージやアイデンティティ管理、キャッシングなどの機能を提供する。これらはすべて、アプリケーション開発者が利用できる。 また、PaaS(Platform as a Service)として、データベース・サービスやJavaサービス(Javaアプリケーション開発/運用環境)を提供する。これらを使うことで、アプリケーション開発者はインフラのことを気にすることなく、アプリケーションを開発/配備できる。 さらに、ERP、CRM、HCMなどのアプリケーションをSaaS(Software as a Service)として提供するほか、ソーシャル・サービスも提供する。Oracle Cloud上のソーシャル・サービスを活用することで、企業はマーケティング効果を最大化することができるのだ」(チャウドリ氏)クラウドとオンプレミスの間でデータベースを自在に移行──Oracle Database Cloud 続いてチャウドリ氏は、Oracle Cloudが提供するデータベース・サービスとしてOracle Database Cloud Serviceの概要を説明した。 Oracle Database Cloud Serviceは、Oracle Exadata上で稼働するOracle Database 11g Release 2 (以降、11gR2と記載) Enterprise Editionをオンデマンドで利用することのできるデータベース・サービスだ。現在Oracle Database 11gR2をオンプレミスで利用している企業は、同様の環境をクラウド上でも使うことができる。オンプレミスで利用しているのと同じデータベース、同じコードをクラウド上でそのまま動かすことができるのだ。 Oracle Database Cloud Serviceでは、データベース・アプリケーション開発ツール「Oracle Application Express(APEX)」などを利用して、Webブラウザ上、またはデスクトップでSQL開発やWebアプリケーション開発が行える。 また、「Oracle Database Cloud Serviceとオンプレミスのシステム間でデータベースを移行したり、Oracle CloudのJavaサービス上に開発したJavaアプリケーションからOracle Database Cloud Service上のデータベースをJDBCによって利用したりすることもできる」(チャウドリ氏) セキュリティに関しても万全の配慮が図られている。Oracle Database Cloud Serviceはマルチテナントに対応しており、各テナントはデータベース・スキーマの単位で隔離される。これにより、データのセキュリティを担保している。 使い勝手についても、オンプレミスとの遜色はない。Oracle Database Cloud Serviceでは、専用のセルフサービスの管理機能が用意されており、それを使ってサービスのモニタリングや管理が行える。クラウドのWebLogic Server上でJavaアプリケーションを開発/運用──Oracle Java Cloud Service 一方、Javaサービスとして提供されるのは「Oracle Java Cloud Service」である。同サービスは、Oracle Exalogic上で稼働するWebLogic Serverをオンデマンドで提供する。 「Oracle Java Cloud Serviceを使えば、クラウド上でオンプレミスと同様のJavaアプリケーション開発/運用が行える。オンプレミス上のJavaアプリケーションをクラウド上に移行して稼働させたり、その逆のことを行ったりといった具合に、オンプレミス/クラウド間を自在に移行することもできる」(チャウドリ氏) Oracle Java Cloud Serviceでは、Javaアプリケーションの開発環境として、無償で提供されるJDeveloperやEclipse、NetBeansなど、主要な統合開発環境を利用できる。ボタンを1クリックすることでアプリケーションをデプロイし、SOAPやRESTなどのプロトコルによってクラウド内外のサービスを連携させることも可能だ。 また、Oracle Java Cloud Service上のアプリケーションは、それぞれが1つのJVM(Java仮想マシン)で動作し、アプリケーションのレベルと(Oracle Database Cloud Serviceにより)データベースのレベルでセキュリティが確保されるため、企業は安心してJavaアプリケーションの開発から運用までが行える。 さらに、サービスのモニタリングや管理を行うための機能も用意されている。 こうした特徴を備えるOracle Java Cloudの大きな優位性の1つは、ユーザー・インタフェース開発フレームワーク「Oracle Application Development Foundation(ADF)」を用いてアプリケーション開発が行える点である。 Oracle ADFは現在、オラクルのアプリケーション製品やミドルウェア製品でユーザー・インタフェース開発などの共通基盤として利用されているフレームワークだ。Webアプリケーションのみならず、AndroidやiOSを搭載したスマート・デバイスなど、さまざまなクライアント・プラットフォームに対応しており、共通のプログラム・コードでそれら複数のプラットフォームに対応したアプリケーションを実現できる点を強みとする。WebLogic Serverユーザーは無償で利用できるため、オンプレミスとクラウドの両方でアプリケーション開発基盤として利用することも可能だ。 Oracle Cloudでは、以上のOracle Database Cloud ServiceおよびOracle Java Cloud Serviceのほか、プレビュー版としてストレージ・サービスや各種開発者向けサービス(チーム管理サービスや開発ライフサイクル管理サービス、アジャイル開発支援サービスなど)、メッセージング・サービス(非同期、キューイングに対応)を公開しているほか、近くコラボレーション・サービス(ワークスペースやドキュメントの共有サービス)、レポーティング・サービス、アプリケーション・ストアなどが公開される予定だという。Oracle Database Cloud Serviceは中小企業や部門/部署レベルでの利用に最適米国オラクル・コーポレーション プリンシパルメンバー・オブ・テクニカルスタッフのシャキーブ・ラーマン氏 チャウドリ氏に続いては、米国オラクル・コーポレーションのシャキーブ・ラーマン氏(プリンシパルメンバー・オブ・テクニカルスタッフ)が「クラウドサービスを利用したOracleデータベース・アプリケーション開発」と題したセッションの中で、Oracle Database Cloud Serviceの詳細について語った。 ラーマン氏によれば、Oracle Database Cloud Serviceの大きな特徴/利点としては、次の4つが挙げられる。簡単:セルフサービスでプロビジョニングが行える。30日間の無料トライアルが可能なため、まずは試用したうえで採否を判断できる業界標準を採用:SQLやJava、REST、HTML5などの業界標準技術を使ってアプリケーション開発が行えるエンタープライズ・グレード:エンタープライズでの利用に堪えるハードウェア/ソフトウェアを採用しており、企業ユースで求められる365日24時間体制の管理/サポート体制を提供するシンプルな価格設定:データベースの利用量に応じて、3つの価格プラン(月175ドル~2000ドル)が用意される これらの特徴を備えたOracle Database Cloud Serviceは、次のような用途に特に適しているとラーマン氏は語る。クラウド・ベースでの新規アプリケーション開発/運用:Oracle Java Cloud Serviceと併せて利用し、新規にJavaアプリケーションを開発/運用。アプリケーションの更新は随時行える。研究開発での利用にも適する既存アプリケーションの移行:オンプレミスで稼働するOracle DatabaseやWebLogic Server上のアプリケーションのクラウドへの移行。これにより、クラウドのスケーラビリティや可用性などのメリットを手軽に享受できる また、利用組織としては、「中小規模の企業のほか、企業の部門/部署レベル、IT部門、そしてオラクルのパートナー企業などでの活用を主に想定している」(ラーマン氏)という。 充実したアプリケーション開発環境が用意されている点は、アプリケーション開発者にとっては大きな魅力である。Oracle Database Cloud Serviceは現在、アプリケーション開発支援のために次の6つのコンポーネントを提供している。APEX SQL Workshop:SQL開発のためのツール。SQLコマンドを使い、Webブラウザ上で開発が行える。オブジェクトの参照も可能SQL Developer:SQL開発/データ・ローディングのためのデスクトップ・ツール。これを使い、クラウド上にデータのローディングが行える。他社製データベースからのデータ移行用ツールとしても利用可能APEX Application Builder:HTML5アプリケーション開発のためのツール。Webブラウザ上でウィザード形式によりHTML5アプリケーションを開発する。モバイルからアプリケーションを作成することもできる。「APEX Application Builderは、すでに30万人以上の開発者が利用している」(ラーマン氏)RESTful Webサービス:RESTによるデータ・アクセスを可能にする機能(サービス定義はOracle APEXまたは SQL Developerで行う)。これを使うことにより、Webブラウザ上でRESTful Webサービスの開発が行えるパッケージ・アプリケーション:Oracle Cloud上に用意された、特定機能に特化した小規模なアプリケーション。1クリックでOracle Cloud上に作成したアプリケーションに追加インストールできる。バグ・トラッキングやレポート作成など、現在は約20のアプリケーションが用意されているMy Servicesポータル:Oracle Database Cloud Service上のアプリケーションの管理を行うためのツール。Oracle Database Cloud ServiceにログインしてWebブラウザ上で利用する これらのツールを利用して開発したアプリケーションから、HTTP/HTTPS、REST、そしてOracle Java Cloud Service上のアプリケーションからはJDBCによってOracle Database Cloud Service上のデータベース・サービスにアクセスすることができる。 ラーマン氏はこの後、APEX Application Builderなどを用いたOracle Database Cloud Service上でのアプリーション開発のデモを披露。Oracle Database Cloud Serviceにログインしてから、わずか数分でHTML5によるモバイル対応アプリケーションを作る様子を紹介した。このアプリケーションはレスポンシブルWebデザインによるユーザー・インタフェースを備えており、デスクトップやスマート・デバイスなど端末の画面サイズに応じて最適な画面表示を行うことができる。 最後にラーマン氏は、「パブリック・クラウドとプライベート・クラウドの利点を併せ持ったOracle Cloud、そして一度書いたアプリケーションをクラウドでもオンプレミスでも動かせるOracle Database Cloud Serviceを、ぜひ一度無料トライアルでお試しいただきたい」と呼びかけて講演を締めくくった。 以上、ここではOracle Cloud World 2013におけるセッションから、企業のアプリケーション開発/運用環境としてのOracle CloudおよびOracle Database Cloud Serviceの魅力を紹介した。サービスの詳細や使い勝手は、Oracle Cloudのサイトでいつでも読者自身で確認することができる。Oracle DatabaseやWebLogic Serverをお使いの企業は、まず無料トライアルでその実力を評価してみていただきたい。

業務効率化や事業拡張などに伴い新たな業務アプリケーションのニーズが次々と生まれる中、運用管理の手間やコスト削減、開発や導入のスピード化などを目的にクラウド・サービスの活用を検討する企業が増えている。その際、各社のIT部門が悩むのが、既存のオンプレミス・システムとの連携/統合、開発/管理のしやすさ、コスト負担、セキュリティの確保などだ...

03. ビッグデータ

エキスパートが教える、HadoopとRDBMSを組み併せたハイブリッドなデータ処理の勘所──「Oracle Big Data Forum」レポート

近年、大量のデータの分散処理基盤として「Hadoop」への注目が高まっている。うまく活用すれば低いコストで大規模かつ高速なデータ処理が行えることから、これをRDBMSと組み合わせてビッグデータの処理基盤に使おうという企業も多いようだ。それでは、HadoopとRDBMSの長所を最大限に生かすうえで留意すべきことは何か?これに関して、先ごろNTTデータと日本オラクルによる検証が行われた。2013年3月14日に日本オラクルが開催した「Oracle Big Data Forum」におけるNTTデータの近藤賢司氏による講演から、両社による検証の結果や、HadoopとRDBMSを組み合わせて使う際のポイントを紹介する。(編集部)ビッグデータへの取り組みで重要なのは「活用ループ」の形成 Oracle Big Data Forumでは、ビッグデータ活用に取り組む国内外企業のさまざまな事例が紹介されるとともに、その導入や運用をいかに行うべきかについて、技術的な側面から解説するセッションも実施された。その1つ、「先駆者が語る! Hadoop活用とデータベース連携の勘所」には、NTTデータ 基盤システム事業本部OSSプロフェッショナルサービスの近藤氏が登壇。オープンソース・プロダクトの活用に精力的な同社が、その登場初期より取り組んできたHadoopについて、利用時に留意すべき点や、日本オラクルと共同で実施した検証の結果を紹介した。NTTデータ 基盤システム事業本部OSSプロフェッショナルサービスの近藤氏 近藤氏はセッションの冒頭、企業がビッグデータを活用するにあたっては、当初より「データ収集」、「分析」、「サービス/製品化」という3つのフェーズから成る「活用のループ」を形成することが重要だと指摘した。NTTデータでは、このループを回すためのIT基盤としてHadoopに注目し、これを活用してビッグデータ活用のためのシステム開発を行ってきたという。  ご存じのとおり、Hadoopはオープンソースとして開発が進められている大規模データ向けの分散処理フレームワークである。もともとグーグルが開発した分散処理基盤のオープンソース版クローンであり、従来のITアーキテクチャでは技術的/コスト的に難しかった大量のデータ処理や高速なデータ処理を可能にするテクノロジーとして注目を集めた。NTTデータは7年前から、Hadoopに関する技術開発、実証事業、ソリューション提供に携わっている。 近藤氏によれば、さまざまなデータ処理形態の中でも、データのレイテンシーが数時間から数日単位となる「バッチ処理」の分野が、Hadoopの適用に最もふさわしい領域となる。一方、データ・サイズに関しては、ギガバイト級からペタバイト級まで幅広く対応できる点がHadoopのメリットだ。逆に、リアルタイムに近い処理性能を要求されるようなケースにはRDBMSのほうが適しているという。 「サーバの規模が10~20台程度の場合でも、既存の処理を大幅に高速化したいケースや、数百から数千台規模のサーバを運用しており、これまではやむなく捨てていた大量のデータの活用を目指すケースなど、Hadoopが使えるシーンは幅広い」(近藤氏)HadoopとRDBMSを組み合わせた“ハイブリッド”が主流に NTTデータがこれまでに手掛けたHadoop適用事例の1つに、「データ量が増加し、既存のRDBMSの性能が限界に近づいているため、Hadoopにリプレースしたい」というものがある。 この場合の導入方法としては、すべてのデータをHadoop上に載せ替える「フルリプレース方式」と、処理特性に応じてRDBMSとHadoopを併用する「ハイブリッド方式」が考えられる。 これら2つの方式には、それぞれに利点と欠点がある。 まず、RDBMSからHadoopに完全移行するフルリプレース方式の場合、構成がシンプルになる反面、アプリケーションの修正/再開発が必要になったり、ミドルウェア連携が困難になったりといったデメリットがある。 一方、ハイブリッド方式には、「RDBMSとHadoopを、それぞれが得意な処理で使い分けられるといったメリットがある反面、RDBMSとHadoopとの間で必要に応じてデータ転送を行う必要があり、その転送時間が全体のスピードアップを図るうえでネックになる」(近藤氏)という。 近藤氏は、アプリケーションの修正/再開発にかかるコストや、オンライン処理に不向きというHadoopの特性を考慮すると、フルリプレース方式よりもハイブリッド方式のほうが多くのケースに適用できるとしたうえで、その際に課題となる「データ転送時間をいかに短縮するか」が、Hadoopの導入による効果を最大化するうえでの鍵だと指摘した。Hadoop/RDBMS間のデータ転送を高速化する「Oracle Big Data Connectors」 Hadoop/RDBMS間におけるデータ転送では、Hadoopが持つ独自のインターフェースに対応したコネクタが必要となる。近藤氏のセッションでは、Hadoopの高速な実行基盤としてオラクルが開発した「Oracle Big Data Appliance」のために用意されたHadoop/RDBMSコネクタ製品「Oracle Big Data Connectors」の各モジュール(Oracle SQL Connector For HDFS、Oracle Loader for Hadoop)を使うことで、RDBMS(IAサーバ上のOracle Database)とHadoopとの間のデータ転送がどれだけ高速化できるのかを検証した結果も紹介された。 それによれば、Hadoopのデータ転送によく用いられる「Apache Sqoop」との比較では、Oracle Big Data Connectorsは約3.4倍高速だったという。この結果については、「Oracle Big Data Connectors の処理方式であるDirect Path Load/INSERTの効果が、ロード時間の短縮に与える影響が大きい」と近藤氏は説明する。 さらに近藤氏は、Oracle Big Data Connectorsに備わる、各タスクの処理量の偏りを自動的に平準化する「サンプリング機能」により、MapReduce処理の性能が大幅に改善されることに触れ、「HadoopとRDBMSとのデータ連携に関して、Oracle Big Data Connectorsは非常に高速な環境を提供する」と評した。ビッグデータ活用を低コストで実現する「Oracle Big Data Appliance」 近藤氏に続いては、日本オラクル 製品事業統括テクノロジー製品事業統括本部の能仁信亮氏が登壇。オラクルのHadoop実行環境であるOracle Big Data ApplianceとOracle Databaseを組み合わせた活用法をいくつか紹介した。 1つ目は、数百テラバイトから数ペタバイトにおよぶ大規模なデータを、比較的安価に保持/加工するためのセントラル・データ・ウェアハウス(DWH)としてHadoopを利用するケースだ。 この規模のデータ処理をOracle Exadata上のOracle Databaseで行う場合、もちろん技術的には可能であっても、かかるコストが膨大になる。そこで、コストを抑えたいというニーズがあるケースでは、Hadoopを搭載したOracle Big Data Applianceの活用を提案しているという。 この場合、例えば複数の事業部に存在するデータや、センサー・デバイス類から収集した大量のデータを、低コストで保持/加工することのできるHadoop上にいったん集約し、そこからRDBMSによるデータマートへと、アプリケーションが利用しやすい形式でデータを提供する。エンドユーザーは、このデータマートに対してBI(Business Intelligence)ツールなどを用いた分析をセキュアな環境で行える。データの正規化や加工、集計などの処理をRDBMSからHadoop側にオフロードすることで、システム全体での負荷や処理時間を削減できるのである。日本オラクル 製品事業統括テクノロジー製品事業統括本部の能仁信亮氏 「例えば、ECサイトなどでは、今後の売上向上策を考えるために、『購入直前まで進んだ顧客行動のデータ』を保持し、分析したいといったニーズがある。従来の仕組みでそれをやろうとすると、データの保持に莫大なコストがかかったり、処理に時間がかかりすぎたりといった問題に突き当たる。   HadoopとRDBMSの組み合わせならば、こうした『これまでは見えていなかった情報を、データを分析することによって可視化する』という取り組みを現実のものにできる」(能仁氏) 能仁氏は、近藤氏と同様、実装上の課題として「HadoopとRDBMSという異なる技術要素の連携」について触れ、その連携で最高の性能が得られるようハードウェアとソフトウェアの両面で綿密な設計がなされたOracle Big Data Applianceと、Hadoop/RDBMS間のデータ転送を高速化するOracle Big Data Connectorsの組み合わせが最有力のソリューションであることを改めて強調した。アプリケーション内にデータマイニングを組み込んで活用する 能仁氏が紹介した2つ目の活用法は、データマイニングの分野だ。 データマイニングは、大量のデータの中から、隠れた規則性や価値ある洞察を得るための取り組みの総称だが、能仁氏は、「ビッグデータをビジネスで効果的に活用したい場合には、人手による分析だけでなく、アルゴリズムから自動的に知見の抽出や将来予測を行い、提示できる仕組み、つまりデータマイニングが重要だ」と説く。 オラクルでは、Oracle Big Data Appliance、Oracle Exadata、Oracle ExalyticsなどのEngineered Systemsを組み合わせて、Hadoop上、RDBMS(Oracle Database)上でそれぞれにデータマイニングを行い、得られた情報を活用するという、一貫したソリューションを提供している。 「従来の統計ツールやデータマイニング・ツールは独自にデータ・ストアを持っているケースが多く、そのためDWHからのデータの移動に時間と手間がかかっていた。オラクルのソリューションなら、その手間を省いて、データが存在するところで処理を行うことができる。また今日、多くのアプリケーションがOracle Databaseを利用しているので、マイニングの結果をアプリケーション上で活用することも容易になる」(能仁氏) アプリケーション上でのデータマイニングの活用例として紹介されたのは、オラクルが提供するCRMアプリケーション「Oracle CRM Sales Prospector」でのデータマイニングの利用方法だ。Oracle CRM Sales Prospectorでは、データマイニングの結果を基にしてCRMアプリケーション上にさまざまな将来予測データや効果的なリコメンドの提示などを行っている。 こうした活用に加えて、アクセス・ログなど通常はRDBMS上に格納しないデータについては、Hadoop上でモデル作成などの処理を行うといったかたちで処理特性に応じた使い分けをすることが可能だという。 最後に能仁氏は、改めて「Hadoopの活用にあたっては、RDBMSとの連携による、それぞれの利点を生かした環境を準備することが肝要」と強調したうえで、「オラクルは、すでにHadoopを含む統合的なデータ活用基盤を提供している。また、アプリケーションと組み合わせたデータマイニングの活用といったニーズに対しても、活用法に応じてさまざまなソリューションを提供できる」と述べて講演を締めくくった。

近年、大量のデータの分散処理基盤として「Hadoop」への注目が高まっている。うまく活用すれば低いコストで大規模かつ高速なデータ処理が行えることから、これをRDBMSと組み合わせてビッグデータの処理基盤に使おうという企業も多いようだ...

03. ビッグデータ

ソフトバンクはビッグデータを武器にサービスを向上し、ビジネスを拡大する──「Oracle Big Data Forum」レポート

これまでは活用が難しかった企業内外に存在する大量および多様な構造のデータを収集/分析し、その中からビジネス上の価値ある知見を引き出す「ビッグデータ」への取り組みが本格化している。かつてはテクノロジー寄りの観点で語られることが多かったが、今日ではビッグデータを戦略的に活用し、ビジネス上の成果を上げる企業が国内にも登場し始めた。日本オラクルが2013年3月14日に都内で開催した「Oracle Big Data Forum」では、そうした企業の1社として、ビッグデータを活用して移動体通信サービスの向上やオンライン/オフライン・マーケティング事業に取り組むソフトバンク・グループの事例が紹介された。(編集部)ソフトバンク・グループは「ビッグデータの宝庫」ソフトバンクテレコム、ソフトバンクモバイル代表取締役副社長兼COOの宮内謙氏 Oracle Big Data Forumのゲスト・スピーカーとして初めに壇上に上ったのは、「価値ある情報を創り出す ~ビッグデータへの取組み~」と題して講演を行ったソフトバンクテレコム/ソフトバンクモバイル代表取締役副社長兼COOの宮内謙氏である。宮内氏は、ソフトバンク・グループが約8カ月間にわたって取り組んできたビッグデータ・プロジェクトの概要および狙いと、その成果、今後の展望について語った。 近年、インターネット上ではデータ量の爆発的な増加が加速しているが、その一因となっているのがスマートフォンの普及だ。消費者が常時携帯し、何かあればインターネットにアクセスしてさまざまな情報を引き出すことのできるスマートフォンの浸透により、情報やサービスへのアクセスが極めて身近になったことが、消費者に関するさまざまなデータを蓄積し、活用するうえでの基盤となっているのである。 インプレスR&Dの調査によれば、2008年には2.6%だった国内におけるスマートフォンの普及率は、2012年には39.8%にまで拡大。それを裏付けるように、「2009年第4四半期との比較で、2012年第3四半期にはスマートフォン版Yahoo!Japanのページ・ビューは42倍、Yahoo!オークションでのスマートフォンを介した取扱高は28倍と急速な拡大を見せている」(宮内氏)という。 Yahoo!Japanをはじめ、960社以上のインターネット企業を擁してサービスを展開するソフトバンク・グループは、「まさにビッグデータの宝庫」(宮内氏)なのである。「データ接続率の改善」と「ユーザー意識の調査」にビッグデータを活用 ソフトバンク・グループではこれまで、ビッグデータ・プロジェクトの第1段階として、グループ社内での取り組みを進めてきた。それらのうち、Oracle Big Data Forumでは、ソフトバンクモバイルのスマートフォン・ユーザーの利便性向上を図る「データ接続率改善」と「ユーザー満足度調査」の2つの取り組みが紹介された。 データ接続率改善の取り組みについて説明を行ったのは、ソフトバンクモバイル モバイルソリューション本部情報企画統括部の柴山和久氏だ。ソフトバンクモバイル モバイルソリューション本部 情報企画統括部の柴山和久氏  「これまで、ソフトバンクのデータ通信は他のキャリアに比べてつながりにくいと言われてきたが、2012年7月以降は800MHz帯による通信サービスであるプラチナバンドの導入も進めてきた。その結果として、接続率がどう変わったのか、接続率改善の取り組みはユーザーに実感されているのかといったことを把握し、より費用対効果の高いエリア対策を行うことを目的に、大規模なビッグデータ解析を行ってきた」(柴山氏) 具体的には、Yahoo! Japanなどソフトバンク・グループが提供しているサービスを利用するためのスマートフォン・アプリを介し、通信キャリアや位置情報、端末の圏内/圏外情報、実通信の可否情報など個人情報以外のデータを収集し、それらのデータを地図情報と重ね合わせることにより、実際の接続状況を把握するという作業を行った。スマートフォンから収集する情報は月間約3億件、地図情報と組み合わせたエリア解析データの件数は月間8000万件に上るという。 こうした大規模なデータ収集を行うメリットは、「従来のようなメディアや調査会社による局所的な調査ではなく、ユーザーの実際の利用シーンに合わせて接続率を把握できる点にある」(柴山氏)という。 こうして1億件以上のデータを解析することによって導き出された1つの結論は、「96.8%の接続率で、ソフトバンクが全国におけるスマートフォンのデータ接続率ナンバー1である」という事実だと柴山氏は強調する。同社がテレビCMで大々的に謳う「接続率ナンバー1」の根拠となっているのは、この解析結果なのである。 こうして現状の詳細な調査を行うだけでなく、同じデータは電波状況の改善にも活用されている。1日当たり300万件以上集まるデータを基にプロファイリングすることにより、各基地局エリア内で電波状況の悪い場所をピンポイントで特定。その場所に新たな基地局を設置することで、効果的に状況改善を行っているのだ。  「電波状況の改善は、他社との比較が目的ではない。自社の弱点を正確に把握し、適切な対策を立案/実施するための客観的な指標となるよう、ビッグデータからプロファイリングを行っている。ビッグデータは、膨大なデータの中から価値ある情報を導き出すための取り組みだ。我々は現在、ビッグデータのプロファイリングに関しては自分たちがトップ・ランナーだという自負を持って取り組んでいる」(柴山氏)ソフトバンクモバイル情報システム本部の植野正徳氏 一方の「ユーザー満足度調査」については、ソフトバンクモバイル情報システム本部の植野正徳氏が紹介した。これは、Twitter上でソフトバンクモバイルに関してつぶやかれた発言を分析し、「実際に電波状況が改善されているとユーザーが実感しているか」を明らかにしようという試みである。 具体的には、2012年3月から2013年1月にかけ、Twitter上の約7200万件の発言を無作為に抽出。自然言語処理や感情分析が行える日本オラクルの「Oracle Endeca Information Discovery」を用いて分析を行い、同社名とともに頻繁につぶやかれているキーワードの抽出や、その発言の内容が「ポジティブ」なものか「ネガティブ」なものかの判別を行い、電波状況に対するユーザーの感情がどう変化しているのかを調べた。 この分析からは、2012年のプラチナバンド発表直後に、改善への期待感からポジティブな発言が多くなり、その後は一時ユーザーが改善状況を実感できずにネガティブな発言が増えるものの、後にポジティブな感情が優位に転じるというユーザー感情の推移が確認できたという。 「プラチナバンドの導入直後は、展開が追いつかず、ユーザーにそのメリットを実感していただきづらかったが、時間の経過とともに電波状況の改善を実感していただけるようになってきていることが、Twitterの分析からも確認できた」(植野氏) これら2つの社内事例では、Endecaのほかに、リレーショナル・データとビッグデータの大規模かつ高速な処理を得意とするシステム基盤としてオラクルのEngineered Systemsが採用されている。具体的には、各種の非構造化データの収集に「Oracle Big Data Appliance」が、非構造化データと構造化データを束ねたデータの体系化には「Oracle Exadata」が、そして分析および可視化には「Oracle Exalytics」が使われている。ビッグデータ分析のためのシステム基盤を構築するにあたり、これらの製品をオラクルが提唱するビッグデータ・アーキテクチャの上で導入/活用した事例は、ソフトバンク・グループが国内初となる。オンライン/オフライン・マーケティングにも活用。ビッグデータがビジネスそのものを変える こうしたサービス品質/顧客満足度の向上に向けたビッグデータ活用例のほかに、宮内氏の講演では新たなビジネス機会をもたらすビッグデータ活用例として、Yahoo!における行動ターゲティング広告配信サービスが紹介された。 Yahoo!の行動ターゲティング広告配信サービスとは、検索キーワードなどを基に見つけた特定ジャンルに関心を持つ消費者に対して広告を配信し、広告効果を高めるという手法だ。ソフトバンク・グループでは現在、この手法を発展させ、関心の高い消費者にクーポンなどを提供することで実店舗への集客拡大を図る「ウルトラ集客」と呼ばれるサービスを展開しており、すでに数社キャンペーンにおいて高い成果を上げている。 また、2013年3月7日にソフトバンクテレコムとヤフー、イオングループが発表した業務提携では、ウルトラ集客の導入をはじめとして、店舗内で活用できるスマートフォン・アプリの提供などにより、集客から店舗内での商品選びやリコメンディング、タイム・クーポンの提示、購入までのインストア・ナビゲーション、ポイント管理までを含めた包括的なソリューションを共同で提供していくという。 「スマートフォンの普及と、こうした一連のソリューションにより、マーケティングの方法やビジネスそのものが変化していく。ICTはこれまで、企業の生産性向上やコスト削減、コミュニケーションの改善に有効なソリューションとして認識されていた。しかし、今やビッグデータの活用により、ICTはビジネスそのものの拡大にも大きく寄与できるようになったのだ」(宮内氏) ソフトバンク・グループでは今後、ビッグデータ・プラットフォームの社内での活用をさらに進めるとともに、同社とパートナー関係にある企業が持つデータとの融合も図りながら、さらなるビジネス・ソリューションの拡充と提供を目指す。 「ソフトバンク・グループにおけるビッグデータ活用は現在スタート段階にあるが、この仕組みによって確実に世の中が変わるという確信を持って取り組んできた。我々は今後、ITサービス・カンパニーから真のビジネス・パートナーへと進化していく。パートナーの皆様による、より効率の良いマーケティング、効率の良い商品開発をサポートできるよう全力で取り組んでいきたい」(宮内氏)ビッグデータの活用では、構造化データと非構造化データの組み合わせがカギになる 続いて登壇した日本オラクル製品事業統括 専務執行役員の三澤智光氏は、宮内氏の講演を受けるかたちで「ビッグデータからお客様価値を創出する~先進事例に見る、新たな情報活用のトレンド~」と題した講演を行い、主に海外企業におけるオラクル製品を用いたビッグデータ活用事例を紹介した。 例えば、米国シカゴ市警察では、2012年5月のNATOサミット開催期間中の治安維持や犯罪抑止を目的に、SNS上の情報と管内の署員配備計画のデータを組み合わせた分析が行われた。具体的には、期間中にサミットに関して発せられたTwitterのつぶやきの内容をピックアップし、発言のあった場所の位置情報を基に地図上に表示していく。発言の内容が「ポジティブ」か「ネガティブ」かも併せて分析し、その結果も反映した“つぶやきマップ”を警察官の配備状況と照らし合わせることにより、暴動などを未然に防ぐべくより効果的な配備に最適化していくといった使い方がされたという。この発言内容の分析にも、Oracle Endeca Information Discoveryが利用された。 これは行政による活用事例だが、同様の仕組みをビジネスで活用する動きも活発化している。日本オラクル製品事業統括 専務執行役員 三澤智光氏 「スマートフォンやSNSの普及により、従来のような『過去の事実』だけでなく、ユーザーの『現在の事実』や『内面の心理』に関するデータも大量に収集できるようになった。これがビッグデータ時代であり、そのデータを従来からある社内の構造化データ(RDB内のリレーショナル・データなど)と組み合わせてユーザー・エクスペリエンスの向上に生かすことが、ビジネス上の新たな価値を生む」(三澤氏) 事例として紹介された、ある大手衣料製造小売業では、商品に関してSNS上で発せられるユーザーの感想を分析し、ユーザーの評価や嗜好を加味したマーケティング施策を行うことにより、オンライン・ストアでの売上向上や、実店舗での売上向上につなげている。この分析では、SNSでの書き込みからキーワードや感情(ポジティブ、ネガティブ、ニュートラル)などを抽出して分析し、企業名によるライバルとの比較、地域や世代属性の違いによる好みや感情の変化などを読み取るといったプロファイリングが行われているという。 三澤氏は、「ここでポイントとなるのは、構造化データと非構造化データの組み合わせだ」と強調する。氏は野村総合研究所による市場調査「企業情報システムとITキーワード調査(2011年8月~9 月)」における「情報活用の成熟度における、日米間の格差」に関する調査結果も引用しながら、「活用目的の明確化」や「データ分析スキルの向上」といった課題において、日米間に大きな格差が存在することを指摘。「実はこれは、ビッグデータの活用以前に、国内企業ではデータ分析自体が行えていないという課題があることを示している」(三澤氏)と警鐘を鳴らした。 「ビッグデータ・マネジメントは、単に社外に存在する非構造化データを活用すればよいという話ではない。すでに社内にあるヒト、モノ、カネに関する構造化データを、すぐに使えるかたちに整備し、それを非構造化データと結び付けるという視点が重要になる。こうしたトータルでのデータ活用が、ビッグデータを生かし、ビジネス上の価値を生むことにつながっていくのだ」(三澤氏) そうした取り組みの成功例として三澤氏は、スバル・オブ・アメリカが行った顧客データの整理によるセグメント別の訴求事例や、ファンケルが「Siebel CRM」によってチャネルごとにデータを整備/統合し、個々の顧客にオファーやレコメンデーションを効果的に提示している例などを紹介した。ビッグデータ活用はビジネスの機会を瞬時に捕らえる「Fast Data Processing」へ 三澤氏はさらに、広義のビッグデータ活用スタイルとして、過去に生み出され、蓄積されたデータからビジネス上の価値を引き出す「Big Data Management」に加えて、最近ではさまざまなデバイスからリアルタイムに取得したデータを基に、瞬時にビジネス機会を捕える「Fast Data Processing」が新たなトレンドになっていることを紹介した。 Fast Data Processingでは、各種のセンサー類から集めた情報を瞬時に処理し、次のビジネス・アクションへとつなげるための仕組みが必要になる。そこで用いられるマシン・ツー・マシン(M2M)の通信技術やイベント処理技術などは、過去に蓄積されたデータを処理するための技術とは異なったものとなる。また通常、センサーによって自動的に生成されるデータの量は、人が意図的に生成するデータよりも膨大であるため、それを処理するシステムのキャパシティや可用性についてはさらに高いレベルが求められる。 三澤氏は、モトローラが構築した監視カメラ映像と違反車情報を組み合わせた違反車両の早期発見システムや、ナイキによる「Nike+ Digital Sport」をFast Data Processingの好例として挙げた。 Nike+ Digital Sportでは、ユーザーが身に付けている腕時計やリスト・バンド、スマートフォンなどのデバイスから、自動的にシステムへとデータが送られる。そのデータにより、走行距離や走行速度などユーザーの運動状況をモニタリングすることで、従来は難しかったメーカーによる商品購入後のユーザー・エクスペリエンスの向上や、新たなマーケティング手法の開発を可能にしている。グローバルで800万人を超えるユーザーを抱えるNIKE+を支えるシステムは、Oracle CoherenceやOracle Exadata、Oracle Spatialなどオラクルの製品を利用して構築されているという。 三澤氏は最後に、まとめとして「『時間』はすべての企業に平等な経営資源。そこでは、多種多様なデータをビジネス価値に変換するスピードこそが勝敗を分ける重要な要素になる。そのスピードを向上させるための取り組みとして、オラクルはデータベースの技術革新を続け、大きな成果を上げてきた。加えて、データを取得、体系化、分析して価値を見出すための製品ポートフォリオも拡充しており、圧倒的なパフォーマンスを提供するEngineered Systemsも提供している。これまで多くの企業と協力して取り組んできたさまざまな活用事例から得たノウハウにより、これからビッグデータの活用を始める企業に対しても多くの価値を提供できるはずだ」と述べて講演を締めくくった。

これまでは活用が難しかった企業内外に存在する大量および多様な構造のデータを収集/分析し、その中からビジネス上の価値ある知見を引き出す「ビッグデータ」への取り組みが本格化している。かつてはテクノロジー寄りの観点で語られることが多かったが、今日ではビッグデータを戦略的に活用し、ビジネス上の成果を上げる企業が国内にも登場し始めた。日本オラクルが2013年3月14日に都内で開催した「Oracle Big...

03. ビッグデータ

M2Mを支えるFast Data Processingにより、ビッグデータ収集へと向かう企業たち──「Oracle Big Data Forum」レポート

センサーなどの多様なデバイスからリアルタイムに情報を収集/処理し、そこからビジネス機会を捕捉して先手の施策を打つ──最近、このように積極的なビッグデータ収集と順次処理を行う「Fast Data Processing」に取り組む企業が国内外で増えている。実はこうした企業の中には、システム基盤としてオラクル製品を活用しているところが多い。日本オラクルが2013年3月14日に都内で開催した「Oracle Big Data Forum」におけるセッションから、それら先行企業におけるFast Data Processingの事例を紹介しよう。(編集部)Fast Data Processingで “顧客の生の挙動”をビジネスに生かす ビッグデータに対する取り組みには、過去に収集されたデータを整理/分析することによってビジネス上の価値を引き出す「Big Data Management」と、さまざまな機器やデバイスが生成する大量のイベント情報を常時収集/処理し、そこからビジネス機会をリアルタイムに捕捉する「Fast Data Processing」がある。Oracle Big Data Forumにおいて、このFast Data Processingが企業の競争力を高めるうえで新たな武器となることを説明し、そこにおけるオラクル製品の活用例を紹介したのが、日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 製品戦略部担当ディレクターの杉達也氏によるセッション「先行企業はなぜリアルタイムに情報を収集するのか」だ。日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部製品戦略部担当ディレクターの杉達也氏 セッションの冒頭、杉氏は先行企業の取り組みとして、「顧客が企業に対して明確に要求を出す以前の段階で顧客の『声になっていない声』を収集し、ビジネスに生かす」という活用法を説明した。 企業が事業戦略や施策を立案する際、「顧客の声」は貴重な情報源となる。顧客の声を集め、分析することで、製品戦略やマーケティング戦略にとっての重要な知見が得られることから、ビッグデータ活用の分野でも、顧客がSNSやブログなどで行った発言を「顧客の声」として活用しようという取り組みが行われている。 しかしながら、そうした発言は、発言者の明確な“意図”の下で自覚的に行われているものだ。それらを抽出して分析した結果は、ポジティブなものにせよ、ネガティブなものにせよ、比較的“極端”なものになりがちである。 一方、何らかのデバイスを活用して、顧客が明確に意識/発信する以前の「声になっていない声」を常時拾うことで、「顧客の生の挙動」を可視化し、生かすことを目指している企業があるという。 杉氏は、その好例の1つとして、「NIKE+ Digital Sport」を挙げた。 NIKE+では、スポーツ用品ユーザーのライフスタイルに関する情報(例えば、走行距離や走行スピードなどの情報)をリストバンドやスマートフォンなどのデバイスで収集し、これまでメーカー自身がやるのは難しかった「商品購入後」のユーザー・エクスペリエンスの向上や、ユーザーとの関係強化などの施策を行うことを可能にした。このNIKE+を支えるITインフラでは、オラクルの技術/製品が数多く利用されている。 杉氏は、米国ナイキのバイスプレジデント、ステファン・オランダー氏の、「従来のマーケティングは、お客様に商品を買ってもらうところで関係が終わっていた。今後は、その関係性を変化させる。商品を買ってもらうところからお客様との関係をスタートし、より強固にしていきたい」というコメントを紹介しながら、「お客様に関するデータをすべてカウントして生かす」ことで、これまで見えなかった情報から重要なデータが見えてくると強調した。同時に、顧客との接点を線や面へと広げることで、企業にとっては競合他社の入る隙間をなくすことにもつながるのだという。 なお、このアプローチは、昨今注目されている「M2M(Machine to Machine)」や「IoT(Internet of Things)」、「D2D(Device to Data Center)」などとして紹介されることもある。Fast Data Processingは、これらを支える技術として利用され、「新サービスの開発やユーザー・エクスペリエンスの向上、オペレーションの最適化や品質向上、処理の効率化などの効果を得ることが期待されている」(杉氏)。高速/高スケールな情報処理性能を生かしたFast Data Processingの活用例 M2Mを活用した顧客サービスの向上を実現した事例として次に紹介されたのは、米国ゼネラルモーターズ(GM)の車載情報ネットワーク技術「GM OnStar」など、北米で導入が先行しているテレマティクス・サービスだ。 こうしたサービスでは、自動車に搭載された各種センサーから集めた車両に関するさまざまな記録(ログ)をクラウド上に保存。自動車のオーナーは、そのログ・データに対してPCやスマート・デバイスからアクセスできる。 蓄積された車両情報は、ユーザーによる関連サービスの利用状況などと組み合わせて活用される。オーナーのコンタクト情報やプロファイルが、車両の識別情報、タイヤの空気圧やオイル/燃料の残量、エアバックやシートベルトの利用状況といった車両の自己診断情報と組み合わされることで、メンテナンスやサービスに関しての品質向上や時間短縮にも大きな貢献が期待できる。 また、このようなデータの蓄積によって、新車開発時に実際の利用形態に基づく、より現実的なテストケースを設定するためのデータとして活用できるというメリットも考えられる。 なお、GM OnStarサービスでは、「WebLogic Server」や「Oracle Coherence」から成る「Oracle WebLogic Suite」が利用されている。加えて、「Oracle SOA Suite」も利用し、バックエンドとの連携をSOA化することにより、新サービス展開時の実装期間を短縮しているという。 こうしたM2M型によりセンサー/コンピュータ間で自動的に情報収集を行う仕組みでは、収集されるデータが絶え間なく押し寄せることを想定しなくてはならない。そのため多くの場合、逐次型のインメモリ・イベント処理という手法が活用される。 例えば、M2Mの代表例として取り上げられることの多い「スマートグリッド/スマートメーター」を考えてみると、電気/ガスの供給状態、地域情報、天候イベントを複合的に判断して供給ルートの最適化を図るためには、途切れのない集計処理が間違いなく必要になる。また、情報ソース(この例では、設置されるスマートメーター)の数の増加、個々の情報収集のさらなる高頻度化も想定しておかなくてはならない。そこで、「Oracle Event Processing」やOracle Coherenceなどのインメモリ・プロセッシング製品群が利用されるのだという。Fast Data Processingが可能にする「より高い付加価値」とは 続いて、M2Mの先行企業が狙う「情報収集の“次の段階”」を示す事例として紹介されたのが、北米の電力需給管理サービス「EnerNOC」だ。杉氏は、M2Mサービスの展開によって、企業が最も狙っているのは「さらなる付加価値サービス(Value Added Service)の提供」であるという調査結果も引きつつ、EnerNOCが実現している興味深いビジネス・モデルについて説明した。 EnerNOCでは、スマートグリッド上から、同サービスに契約している企業の電力利用状況に関する情報を収集し、個別の企業や地域全体での電力使用量を可視化するサービスを提供している。興味深いのは、これが電力会社ではなく、サードパーティが提供しているサービスであるという点だ。 EnerNOCが契約し、管理を行っている施設は1万数千件に上るが、同社では、電力会社からの節電要請を考慮しながら、効果的な節電計画を立てて契約施設の利用量制御の仕組みを施行する。これにより、EnerNOCは契約企業に対しては節電効果によるコスト・メリットを提供。その一方で電力会社に対しては、電力需要の増減を極力平準化し、電力供給コストを抑えながら安定した電力需要を獲得することを支援する。つまり、EnerNOCは、エンドユーザー側の電力利用をコントロールしながら、特定地域での電力供給事業を安定させたいという電力会社側の要求にも応えているのだ。 EnerNOCでは、こうしたスマートグリッドのコアサービスに加えて、この取り組みの延長線上で、電力供給対象の設備の故障/障害の検知サービスや、複数施設間でのエネルギー配分による最適化サービス、さらには契約企業間のエネルギー取引などのさらなる付加価値を提供している。言うなれば、収集したエネルギー情報を活用した新たな市場を形成しているのである。 「EnerNOCの事例は、顧客のエネルギー使用情報を収集できたがゆえに、スマートグリッド・サービスを実現し、さらなる付加価値サービスを生み出せるという好例だ。情報収集の下地を作れたからこそ、その上に新たな付加価値を作ることができるのだ」(杉氏) 「新たな付加価値の提供」という視点で紹介されたもう1つの事例は、欧州の大手金融機関による「SMART BANKINGプロジェクト」だ。 SMART BANKINGプロジェクトでは、いくつかの付加価値サービスの提供を目指しており、具体的な例としては、カード決済やATM取引のタイミングで、顧客プロファイルや利用金額、さらには位置情報などに基づくタイムリーなクーポンを発行するといったものがある。 これを実現するためには、取引イベントをリアルタイムに捕捉し、的確なオファリングを提供する「逐次型アクション」が可能でなくてはならない。それに加えて、各顧客の過去のトランザクション履歴、来店履歴、会員サイトの訪問履歴、SNSでの発言などを解析/分析する「蓄積型分析処理」によって、より高精度な顧客サービスへと進化し続ける必要もある。 このサービスは、それ単体でも魅力的なものであり、顧客に対しては他社との差別化ポイントとして訴求できるが、同時に、他の企業がこの金融機関と提携したいと思わせる“場(市場)”を提供することにもなる。それにより、単なる新サービスの提供だけにとどまらない大きな可能性をもたらす。このようなビジネス拡大のアプローチは、電子マネーやポイントカードにも応用できるだろう。実績に基づく「グローバルでの知見」が集積されたオラクルの Fast Data Processing ソフトウェア群 杉氏によれば、以上に紹介した事例のほかにも、ヘルスケアや物流、セキュリティ、工業設備機器、ホームゲートウェイ、一般消費者向けデバイスといったさまざまな領域に、M2MやIoTの機会が無数に存在する。オラクルは、顧客企業のプロジェクトを通して、それらの業界やデバイスに向けてFast Data Processingの実現基盤を提供してきた。杉氏は最後に、次のように呼びかけて講演を締めくくった。 「我々が支援させていただいたFast Data Processingの活用領域は、各社の企業戦略に深くかかわるものでもあり、表に出せるケースは少ない。ここで皆様に知っていただきたいのは、オラクルは、国内外のさまざまな先行企業とともに得た経験値をFast Data Processingのためのソフトウェア機能として取り入れ続けているということだ。 これまで見えていなかった情報を、常時『見えるデータ』に変えていくM2MやIoTのアプローチは、顧客との接点の拡大や競合他社の排除に直接的に貢献する。また、リアルタイムな情報であるがゆえに、さらなる付加価値サービスの展開の下地となることを先行企業の事例が示している。 オラクルは、Fast Data Processingの技術/製品や実装ノウハウにより、そうした試みを全面的にお手伝いすることができる」

センサーなどの多様なデバイスからリアルタイムに情報を収集/処理し、そこからビジネス機会を捕捉して先手の施策を打つ──最近、このように積極的なビッグデータ収集と順次処理を行う「Fast Data Processing」に取り組む企業が国内外で増えている。実はこうした企業の中には、システム...

06. セキュリティ

サイバー攻撃から情報資産を確実に守るべく、先進企業が導入する“データベース中心の多層防御”──「Oracle Security Summit 2013」レポート

企業の機密情報や知的財産を狙ったサイバー攻撃が後を絶たない中、従来の入口対策に加えて出口対策に力を入れる動きも見られるが、「果たして、これらの対策だけで重要な情報を守ることができるのか?」と不安を感じる企業は少なくない。そこで最近は、攻撃者が狙う情報が格納されたデータベースを中心に多層的な防御体制をとる企業が欧米を中心に増えている。日本オラクルがデータベースの防御に主眼を置いた新セキュリティ製品「Oracle Database Vault and Firewall」のお披露目イベントとして2013年3月6日に開催したセミナー「Oracle Security Summit 2013」では、そうした最新の企業情報セキュリティの動向がリスク・コンサルタントや米国オラクルのセキュリティ製品担当ディレクターによって紹介された。(川添貴生)ますます巧妙化するサイバー攻撃デロイト トーマツ リスクサービス執行役員パートナーの野見山雅史氏 昨今、特定の組織や個人を狙ってウイルス対策ソフトでは検出できないマルウェアを利用して機密情報を窃取する「標的型攻撃」の被害が広まっているほか、ゼロデイ攻撃の脅威も増し続けるなど、企業における情報セキュリティ対策の重要性はますます高まっている。こうした近年のサイバー攻撃の状況と企業がなすべき対策について、「監査とリスクの視点から考える情報セキュリティ管理のポイント」と題して講演を行ったのが、デロイト トーマツ リスクサービス 執行役員パートナーの野見山雅史氏だ。 野見山氏はまず、情報セキュリティにおける脅威の変遷を振り返りつつ、外部からの攻撃について「全般的に手口が洗練されてきている」と指摘した。例えば、メールによる標的型攻撃について言えば、マルウェアを送り込む際の手口が巧妙化しており、「何の疑いもなくマルウェアが含まれた添付ファイルを開いてしまうケースが多い」(野見山氏)と実情を明かす。 こうした攻撃への対応策として現在普及しつつあるのが「出口対策」と呼ばれるものだ。従来の外部からの侵入を防ぐ「入口対策」だけでなく、侵入されてしまった場合に備えてネットワークの出口についても対策を施し、情報が外部に流出するのを防ごうというわけである。 だが、本当に出口対策だけで十分なのだろうか? これについて、野見山氏は次のように見解を述べる。 「標的型攻撃の被害を受けたある企業では、入口対策としてインバウンド監視や検疫ネットワーク、外部記憶媒体をPCが認識しないようにするといった対策を講じていた。加えて、URLフィルタリングやアウトバンド監視による出口対策も実施。外部の不正サーバとの通信を遮断して、ファイル・アップロードなどの怪しい通信を検知するといったことまで行っていたが、監査の結果、我々はそれでも不十分だという結論に至った。確かに入口と出口の対策は強化されていたが、内部のセキュリティ対策は脆弱なままだったのだ」(野見山氏)入口/出口対策に加えてデータベースそのものの保護も必要 野見山氏が、内部のセキュリティ対策で不十分だったこととして、「クライアントPC上で利用するアプリケーションの脆弱性管理が不十分である」ことに加えて挙げたのが、「職責に基づいた権限分離」と「データベースの保護」である。 まず職責に基づいた権限分離だが、これは1つの特権IDを複数の管理者、あるいはデータベースに接続するアプリケーション間で使い回すのではなく、役割ごとにID/パスワードを分離し、必要な者だけに最小限の権限のみを付与することを指す。例に挙げられた企業では、1つの特権IDをさまざまな関係者/アプリケーション間で使い回しており、内部不正が起きたときでも追跡できない状態になっていた。 また、データベースそのものの保護について、野見山氏はその重要性を次のように説明した。 「入口と出口を塞げば十分と考える向きもあるが、それは間違い。そもそも、入口/出口対策で完全に防御できるのかと言えば、迂回される可能性もある。よって、多層防御として、万が一入られてしまった場合でも内部で守る体制を整えておかなければ十分だとは言えない。 さらに、高度な脅威に対しては、被害の可能性を下げる予防的対策だけでは不十分な場合があるため、被害を最小化する発見的対策の強化も必要となる。後者の対策の代表例はモニタリングやログの取得であり、その実効性を担保するためには、関連するログを組み合わせた分析やポリシーの整備などを行っていく必要がある」 そのうえで、野見山氏は「入口/出口対策はあくまでも手段の1つに過ぎない。最も重要な情報を確実に保護するという観点を常に忘れてはならない。今後は、発見的対策がポイントになる」と強調した。オラクルが提唱するデータベースの多層防御とは データベースを保護することの重要性は、オラクルも従来から強く訴えてきた。しかし一方で、現在も多くの企業が重要な機密情報をデータベースから盗み出されているのも事実だ。このような状況になった理由として、米国オラクルのディレクターであり、データベース・セキュリティ製品のプロダクト・マネジャーを務めるロクサナ・ブラデスク氏は、「組織として十分にデータベースをコントロールできていない」ことを挙げる。米国オラクル ディレクター データベース・セキュリティ製品プロダクト・マネジャーのロクサナ・ブラデスク氏 「今日の企業がセキュリティで重視しているのはネットワークやメール・システムなどにおける防御で、残念ながらデータベースのことはあまり考慮されていない。 また、データベースへの攻撃は正当なデータベース・アクセスとして行われるので、通常は回避するのが難しい。そのため、職責に基づいた権限分離やデータベースに対するアクセスのモニタリング、適切に利用されているかどうかをチェックする監査などのコントロールが極めて重要になる」(ロクサナ氏) こうしたデータベースの保護/コントロールにおいてオラクルが提案しているのが、「予防的、検知的、管理的というかたちでの多層防御」(ロクサナ氏)である。 まず予防に関しては、データの暗号化やマスキング、特権管理などの対策が挙げられる。例えば暗号化に関して、オラクルは「Transparent Data Encryption(TDE)」と呼ばれるテクノロジーを提供。これはアプリケーションを改修することなく“透過的に”暗号化したデータにアクセスするための仕組みであり、ハードウェアとの連携によりオーバーヘッドもほとんど生じないといった特徴を持つ。 また、検知的なコントロールを実現するソリューションとして紹介されたのが、2013年2月に国内で出荷された「Oracle Audit Vault and Database Firewall」だ。これは従来別々の製品として提供されてきたOracle Audit VaultとOracle Database Firewallを統合した製品である。 Oracle Audit Vault and Database Firewallでは、まずDatabase Firewallの機能により、特権IDを持つ管理者が重要なデータに不正アクセスすることを防御する。IPアドレスやアプリケーション、認証方式、時間帯などに応じて利用可能なコマンドを制限するといったことも行える。 また、Database Firewallは、SQLインジェクションなどの攻撃からデータベースを保護するファイアウォールとしても機能する。データベースに対して送信されるSQL文を収集/解析し、危険なSQL文をブロックする機能や、収集したSQL文をログとして記録するモニタリングの仕組みなどを備える。 「単なるパターン・マッチングでSQL文の内容を評価するのではなく、SQL文法を正確に理解したルール・エンジンが逐一内容を解析するため、パターン・マッチングでは発見が難しい攻撃も見過ごすことなく検知できる点が大きな強みだ」(ロクサナ氏) こうした特徴を備えるDatabase Firewallと、データベース監査ツールであるAudit Vaultを統合したAudit Vault and Database Firewallの主な特徴として、次の4点が挙げられる。コスト・パフォーマンスの高い新たなライセンス体系を導入:データベースのモニタリング(Database Vault)とブロッキング(Database Firewall)の機能の両方を、シンプルかつ導入しやすい価格で提供する(管理対象となるサーバの1CPU当たり65万2,200円)データベース以外のログの取得が可能:Oracle Databaseや他社製データベースに加えて、新たにOSやディレクトリ・サービスに関しても独自のログを取得することが可能になった監査と防御の統合を強化:SQLレベルでの文法解析による正確なブロッキングと効率的なモニタリングの両方を実現し、取得したログは一元的かつ効率的に管理できるソフトウェア・アプライアンスとして容易かつ短期間での構築が可能:導入は、企業の要件に応じたスペックの汎用インテル・サーバにソフトウェアをインストールするだけ。インストール作業は1日もあれば完了し、監査目的であれば1カ月程度で導入が完了した実績もある 加えて、運用中に、設定したしきい値を超える事象が起きた場合には、そのことを即座にメールによるアラートとして管理者に通知する機能も備えている。データベース・ファイアウォール製品など、オラクルのセキュリティ製品で多層防御の実践を始めた企業たち 続いてロクサナ氏は、オラクルのセキュリティ製品の活用事例として、欧州および北米で移動体通信サービスを提供するTモバイル(T-Mobile)、北米をはじめ世界中でリゾート事業を手掛けるダイヤモンド・リゾート・インターナショナル(Diamond Resorts International)、一般消費者向けに金融関連サービスを提供するトランスユニオン・インタラクティブ(TransUnion Interactive)、資産管理や金融関連サービスを提供するスクエア・ツー・フィナンシャル(Square Two Financial)のケースを、各社の担当者へのインタビュー映像を基に紹介した。 Tモバイルの場合、約3500万人の加入者の情報を保護するためにOracle Database FirewallとTransparent Data Encryption、そしてData Maskingを利用しており、同社のプリンシパル・アーキテクト 企業情報セキュリティ担当のアレックス・マックナイト氏は「アプリケーションから透過的に利用することができるため、既存のシステム環境を改修することなく導入できる」とオラクルのセキュリティ・ソリューションを高く評価した。また、他の3社もDatabase FirewallやAudit Vaultをはじめとするオラクルのセキュリティ・ソリューションを駆使して多層防御を実現していると説明した。 これらの企業の事例を紹介したうえでロクサナ氏は、「各社が多層防御によってデータベースを保護している理由は、1つのソリューションだけでは十分ではなく、さまざまな攻撃からデータを保護するために、予防的、発見的、管理的なコントロールのすべてが必要だからだ。重要な情報資産に対するサイバー攻撃が続いている今日、日本の企業も1つのセキュリティ対策に頼るのは危険であり、多層的な防御を実現する方向で検討すべき段階に入っている」と述べて講演を締めくくった。 このほか、Oracle Security Summit 2013では、これまで多くの国内企業に対するDatabase Firewallの導入を手掛けてきた日立ソリューションズにより、オラクルのセキュリティ製品で多段的かつ網羅的なセキュリティ対策を実現した事例に基づくDatabase Firewall導入のポイントや導入効果などが紹介された。 この中では、ポリシー設計を始める前に正規のデータベース利用について正確に把握するのが重要であることや、実際のポリシー設計手順、不正アクセス遮断(ブロッキング)モードで本番運用を開始するまでの進め方などが説明された。 また、従来製品で提供していた不正アクセスの遮断(ブロッキング)や正確な検知などの機能に加えて、新版のAudit Vault and Database Firewallではログ取得機能が強化され、OSやディレクトリ・サービスのログ取得まで可能になったことにより、統合監査ツールとしての活用の可能性も拓けてきたことなどが指摘された。 ビッグデータ時代を迎え、企業が扱う情報の量がますます増加している現在、Oracle Exadataなどの高性能なシステム基盤上に重要なデータを集約/統合して運用効率を高める企業が増えている。それらに含まれる機密情報を効果的に守るためにも、予防的、発見的、管理的な多層防御の重要性は今後さらに高まるだろう。

企業の機密情報や知的財産を狙ったサイバー攻撃が後を絶たない中、従来の入口対策に加えて出口対策に力を入れる動きも見られるが、「果たして、これらの対策だけで重要な情報を守ることができるのか?」と不安を感じる企業は少なくない。そこで最近は、攻撃者が狙う情報が格...

03. ビッグデータ

ビッグデータ時代を支えるオラクルのBIソリューション──その戦略とロードマップ

「今日、企業幹部の3分の2は、自社内にあるデータからインテリジェンスを引き出すことが極めて重要だと考えている。しかし、10人中9人はそれがうまくできているとは思っておらず、情報を活用できていないことが売り上げの損失にもつながっていると考えている」と説明するのは、米国オラクルでビジネス・インテリジェンス プロダクトマネジメント担当バイス・プレジデントを務めるポール・ロドウィック氏だ。2012年10月に都内で開催された「Oracle Days Tokyo 2012」における氏のセッションから、オラクルのビジネス・アナリティクス製品の戦略とロードマップを紹介しよう。(沙倉芽生)オラクルはどのようなデータにも対応できるBI/EPMソリューションを提供する米国オラクル ビジネス・インテリジェンス プロダクトマネジメント担当バイス・プレジデントのポール・ロドウィック氏 セッションの中でロドウィック氏がまず明らかにしたのは、2007年のハイペリオン・ソリューションズ買収以降のオラクルのBusiness Intelligence(BI)およびEnterprise Performance Management(EPM)戦略である。その戦略とは、「BIやEPMに関するすべてのニーズを満たすために、単一で統合されたテクノロジー・レイヤを持ち、さらにそれを統合された最善の技術と組み合わせていくこと」(ロドウィック氏)であった。 また、昨今の企業は分析対象とすべきさまざまなデータを多様なかたちで抱えているため、どのようなタイプのデータにも対応できること、さらに企業が自らソリューションを構築するための技術を提供していくだけでなく、事前に構築された価値の高いBIアプリケーションの提供も行っていく。 こうした戦略に基づいてオラクルが投資を進めてきた分野は、4つの柱にまとめることができる。 「1つ目の投資分野は、『すべてのデータ、すべてのソース』という言葉で表すことができる。オラクルの製品は、すでに構造化データを幅広くカバーしてるが、近年は非構造化/準構造化データなどのビッグデータの重要性が増しているので、今後はその領域もカバーすべく製品を拡充する。 2つ目は、さまざまな種類の分析機能を持つことだ。過去5、6年にわたり、オラクルはOracle Business Intelligence 11gにビジュアル分析などさまざまな新機能を追加してきたが、今後は非構造化/準構造化データの分析機能も追加していく。 3つ目は統合型の分析アプリケーションであり、BI/EPMアプリケーションのポートフォリオを継続的に拡大していく。今後は、より幅広い機能と、深く価値のあるビジネス分析機能を提供していきたい。 4つ目は、ユーザーがいかにして情報を展開し、どのような方法で情報を消費するのかを考えることだ。つまり、オンプレミスだけでなくクラウドにも対応し、さまざまなデバイスで情報にアクセスできる仕組みが大切になる」(ロドウィック氏) なお、ロドウィック氏によれば、分析用ソフトウェアに関するこうした戦略は、すでに同社のEngineered Systemsではサポートされているという。BI統合製品「Oracle BI Foundation Suite」ではモバイル対応、Office連携を強化 それでは、実際にオラクルのビジネス・アナリティクス戦略を支えるソリューションやテクノロジーにはどのようなものがあるのか? ロドウィック氏が最初に取り上げたのは、「Oracle Business Intelligence Foundation Suite」だ。このスイート製品には、レポーティングやダッシュボード、アドホック分析、多次元OLAP、スコアカード、予測分析などの多様な機能が統合されている。 同製品の今後のロードマップについてロドウィック氏は、「最近強化しているのは、ユーザー・エクスペリエンスやビジュアライゼーションの改善で、これは今後も継続していく。また、モバイル向けの『Oracle BI Mobile』の開発も強化する。さらに、単にエンドユーザーに向けた機能だけでなく、開発者の生産性向上も視野に入れ、クラウド経由での実装も実現して、さらなるTCOの改善を図りたい」と語る。 加えて、Microsoft Office製品への対応も強化するという。現在はOracle BI Officeプラグインを使ってOffice製品とOracle BI間を連携させているが、次期Oracle BIでは「Smart View」と呼ばれるHyperion EPMと共通のOffice用アドインがプレミア・オプションとして提供される予定であり、Officeドキュメントのネーティブ書式がサポートされる。 モバイル対応については、Oracle BI MobileでiPadをサポートしたことをアピールしたうえで、「Oracle BI Foundation上に構築したアプリケーションは、追加の開発作業を行うことなくiPad上にも展開できるようになる」と説明。将来的には、機能別、目的別に構築されたモバイル・アプリケーションが導入される予定であり、さまざまなフォーム・ファクターにも対応するという。iPad上に表示されたOracle BI Mobileの画面データ分析用Engineered Systems「Oracle Exalytics」でインメモリによる高速な分析処理を実現 次にロドウィック氏が紹介したのは、インメモリ型データ分析アプライアンスの「Oracle Exalytics In-Memory Machine」である。「BIで大量の分析を行おうとするとき、これまではメモリがボトルネックになっていた。インメモリ技術を使えば高速な分析が可能であり、密度の高いデータ可視化を実現できる」とロドウィック氏。 先ごろ米国サンフランシスコで開催された「Oracle OpenWorld 2012」で発表されたばかりのOracle Exalyticsだが、「他のEngineered Systemsよりも早いペースで採用が進んでいる」とロドウィック氏は語る。例えば、メディア企業のトムソン・ロイターがExalyticsを導入し、最大100倍のパフォーマンス改善を果たしたことや、13万人以上の生徒を抱えるカリフォルニア州の教育機関がExalyticsを導入し、生徒の出席状況などのトラッキングを行って出席率を向上、年間225万ドルもの基金増収に成功した事例などを紹介した。 オラクルは今後もOracle Exalyticsへの積極的な投資を行う予定であり、データ・ディスカバリやシナリオ・モデリングなど、より幅広い分析機能の追加のほか、インメモリで各種オペレーション・データをリアルタイムに活用できるようにすること、インメモリ能力をさらに強化し、パフォーマンスを高めることなどが計画されている。データ分析ツール「Oracle Endeca Information Discovery」で構造化データと非構造化/準構造化データを組み合わせた多様なデータ分析を可能に 一方、「Oracle Endeca Information Discovery」は、オラクルが2011年10月に買収を発表したエンデカ・テクノロジーズ社の製品をベースにしたビッグデータ分析ツールだ。構造化されたデータだけでなく、準構造化データや非構造化データにも対応しており、「RDBに格納された顧客情報などの非構造化データを、ソーシャル・メディアなどの準構造化データと組み合わせて活用することができる」(ロドウィック氏)という。 「例えば、製品のリコールを避けるために、データ・ウェアハウス内にある売り上げや部品コストなどの構造化データと、これまでは分析対象にしていなかったERP内の各種テキスト情報や、FacebookやTwitterといったソーシャル・メディア上のデータを組み合わせて分析したいとする。Endeca Information Discoveryは、データソースを問わず、高速かつ直感的にデータ検索や分析が行えるので、それらの情報をすべて統合し、リコールを避けたい特定の製品が顧客にどう思われているのか、