2009年11月17日

伝票会計と帳簿会計、SAPとOracle EBS

「・・・・略・・・・。
企業の会計システムは、比較的システム化しやすい分野であった。しかし、国際会計基準を初めとした様々なニーズの対応により年々複雑化している。利用されるソリューションもSAP社のSAP ERP(以下SAP)やOracle社のOracle EBSなど大規模なものも多くなってきており、これらのソリューションはそれぞれアーキテクチャが異なる。
 たとえば、帳簿体系は、Oracle EBSは帳簿会計を、SAPは伝票会計を採用している。管理会計では、目的別に機能モジュールが豊富に存在するSAPに対し、Oracle EBSは財管一致を重視し、モジュールを持たず、財務会計の仕訳明細の項目で処理する。本支店会計においても、一つの取引を一つの伝票にすることを重視するSAPと、データ連携も考慮した柔軟な帳簿体系を重視するOracle EBSとで、データ構造やアプリケーションの構成は大きく異なるのである。
 加えて、リアルタイムという観点から情報システムのアーキテクチャを考える。システム連携を重視し、処理の頻度を上げてタイムリー性を上げるOracle EBSと、もともと全てのモジュール利用を前提としてリアルタイム会計を追及するSAPとでは、会計システムのアーキテクチャは全く異なる。・・・・略・・・・。」

という要約で始まる論文
「会計の基礎理論と情報構造からみた会計システムのアーキテクチャ -SAPとOracle EBSの比較を通じて」
が、日本ユニシスさんが発行する技術論文誌「技報」Vol29 No.2通巻101に掲載されています。

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Oracle EBSの設計思想である「帳簿会計」は、昨今の内部統制やIFRS対応等、グループ全体の大量の会計データをカバーする会計システムの必要性が高まっているなかでは極めて合理的な設計です。
保持しなければならい会計データが劇的に多くなっているので目的別、性質別の補助簿に格納しておくほうが後々のデータの利用という観点では合理的だからです。
もちろん帳簿間は全て連携しているでドリルスルーやドリルダウンで大元の発生源まで高速にたどることがが出来ます。
会計ビューでの帳簿会計か、伝票会計か、という議論は
システムビューではリレーショナルデータベース大福帳型データベースか?という議論なんです。

この話はOracleはもともとリレーショナルデータベースの代名詞なのでよくお話するのですが、SAPさんもOracleも扱う第三者が大福帳型との比較論として発表したのは初めてではないでしょうか。

そのほか、財務会計と管理会計に関する思想と機能の違いなど会計理論の根幹に関して考察しています。

是非、ご一読を。

2009年11月12日

上場1416社のIFRSへの意識

2009年10月30日、東京証券取引所が「国際会計基準(IFRS)の適用に向けた上場会社アンケート調査結果の概要」を公表しました。
東証全上場会社2332社を調査対象とし、本年8月~9月にかけて調査を実施、実に60%の1416社からの回答です。
公開されている情報としては最も多くの母数であり、現時点の上場企業の意識が非常によく現れていいます。

以下、いくつかのトピックです。

・IFRS適用に向けた検討を開始している会社は875社(62%)
 特に時価総額が5000億円超の会社では9割を超える会社が検討を開始している。
 
・早期適用は55社(4%)が検討。
 その内訳は2010年度3社、2011年度2社、2012年度2社、2013年度7社、未定39社となっている。

・早期適用の目的トップ3は「グローバルベースでの比較可能性確保」「グローバルベースでの決算集計等効率化」「国際信用力向上」。それぞれ35%を超えている。

・導入に伴う懸念は「導入後の決算事務負担」の1100社(78%)は納得する数字だが、次に「システム対応」が1070社(76%)と「人材不足」950社(67%)、理解不足904社(63%)、「導入コスト」774社(55%)を大きく上回っているのは驚きである。

改めて、システムに関する不安、その裏返しであるシステムへの期待を強く感じました。
もちろん、システムベンダーとしての責任も。

2009年11月11日

OracleアプリケーションのIFRS対応を読み解く

ITメディアさんが運営するIFRSに関する情報サイト「IFRSフォーラム」
「EBS、HyperionユーザーのIFRSガイド」の連載が開始されました。
「OracleアプリケーションのIFRS対応を読み解く」
というテーマで第1回目の論文が掲載されています。

Oracleが書いたのはありませんよ。

執筆されたのは
IBMビジネスコンサルティングサービスさんのマネージング・コンサルタントと公認会計士のお二人。

Oracleが自らOracleのことを書くとひいき目な論調になってしまうのですが、
中立的なコンサルティングファーム視点で書かれています。

ぜひ、ご一読を。

自分も連載が楽しみです。

2009年11月 2日

OracleとSAPでトークパネル

2009年10月30日、東京ビックサイトで開催中のITpro EXPO2009の最終日、「ERPは経営に貢献できるか? IFRS対応を見据えて」というテーマでトークパネルを実施しました。

モデレータは日経コンピュータの島田優子記者、
パナリストはSAPさんは桐井氏、Oracleは自分が務めさせて頂きました。

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SAPさんとパネルディスカッションを行うのは自分の記憶の中にはありません。
おそらく今回が初めてです。

ほぼぶっつけ本番のパネルでしたが、メッセージは2社ともほぼ同じ。
「連結のレポーティングで終わりにするべからず。経営管理の高度化をゴールに!」
「理想はグループで標準化したプロセスとシステム」

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もう一つ、自分からは
「IFRSへの対応も、経営管理の高度化へ向けた取組みも、部門やプロセス横断するIT部門こそがリーダーシップをとって欲しい」とIT部門の皆さんへのエールを送らさせていただきました。

その模様はこちらのニュース「ITpro EXPO 2009 IFRS対応は3段階ですすめるべき---2大ERPベンダーがパネル討論」でも紹介されています。


2009年10月26日

美しすぎる紅葉の中で・・・

2009年10月23日、軽井沢に金融業界IT部門の幹部の皆さんにご参集いただき、新日鉄ソリューションズさんとOracle共同で毎年開催している「金融フォーラム」が実施されました。
今回で11回目、つまり11年も継続しているセミナーです。

会場の周りの山道はまさに落ち葉のじゅうたんと黄色と赤のトンネル。

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見事です。

基調講演は「朝までテレビ」でお馴染みのドリームインキュベータ堀紘一会長。
パワーポントなど使いません。
聴衆と双方向にコミュニケーションをとりながらの講演はあっという間の60分。

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続いて、新日鉄ソリューションさんから1つ、Oracleから2つの講演。

Oracleの1つ目の講演は、発表されたばかりの世界最速のデータベース・マシンである「Sun Oracle Database MachineのEXADETA V2」のすごさを常務執行役員三澤が説明。
筆者も実はEXDETA V2のプレゼンテーションを聞くのは初めて。
全部連結となるIFRS対応や高度なグループ経営管理には、アプリケーションの機能だけではなく、システムの圧倒的な性能が要求されるのですが、OracleはSUNを買収し超高速なH/Wを有することになり、機能と性能をワンストップで提供できる唯一のベンダーになったと実感しました。

そして、自分は次の2つ目のセッションでビジネストピックとして「IFRSへのIT活用」をテーマにお話しさせていただきました。

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この時期の軽井沢は人も少なく、一番いい時期かもしれません。
今度はパソコンを持たずに、プライベートでゆっくり訪れたいものです。

2009年10月22日

IFRS対応へ向けたIT・情報システムの活用「システム実装の3手法」

こんなタイトルのコラムをIFRSコンソーシアムWebサイトのIFRS最新情報・システム分野に寄稿させていただきました。

コラムはコチラをクリック!

2009年10月19日

予告!月替わり3連戦IFRS関連セミナー

10月29日(木)、30日(金)、土日をはさんで月が替わった11月2日(月)とIFRSに関連したしたセミナーを3連続営業日で実施します。

10月29日は
「IFRS対応に向けた課題整理と実行計画~事例から読み解く、将来予測重視の連結管理会計における実務としくみ」、
ということで、連結管理会計に焦点を当てた実務的な内容を、オラクル青山センターで開催します。
連結管理会計の重要性をヒューロンコンサルティング様、
連結管理会計を実現するITソリューションをOracleからご紹介します。

10月30日はなんとインターネットセミナー。
ネットを使って、プレゼンテーション資料と音声を配信します。
パソコンさえあれば参加者はセミナー会場に出向くことなく、Officeや自宅から参加できます。チャットで質問もできます。
テーマは
「国際会計基準(IFRS)入門講座! FRSがシステムに求めること」
ということで、IFRSとシステムへの影響についてポイントを整理します。

11月2日は
IFRSコンソーシアムの主催するセミナー「IFRSが経営管理、プロセス、システムに与える影響は何か?」がアビタスさんの新宿校で開催されます。
IFRSのビジネスへの影響はジャパン・ビジネス・アシュアランス様
IFRSのシステムへの影響は筆者が講演させていただきます。

様々な企業の状況や要望に応じた、3つの形態を企画してみました。
ニーズにあったセミナーに是非、ご参加ください。

2009年10月15日

財務との連携が引き出すアプリケーションの潜在能力

Oracle Opne World2009が10月11日から15日まで米国サンフランシスコで開催されています。
約1900のセッション、約45000名が参加するベンダーイベントとしては最大級のイベントです。
その基調講演で、オバマ大統領経済再生諮問委員をも務めるOracle社のチャールズ・フィリップス社長が財務アプリケーションと業務アプリケーションの連携の重要性を説き、Oarcleのアプリケーション群の連携が進んでいることをアピールしました。(ITメディアさんの記事、参照)

「正しい」財務情報と人や物の情報をマッシュアップして見る。
「素早く」分析する。
「適切」な手を打つ。

このサイクルをグループで回転させていくには、アプリケーションの連携が不可欠。
Oracleは自社開発とM&Aで多くのアプリケーションをファミリーに加えています。
加えるだけでなくアプリケーションを連携させるアーキテクチャと連携パックも提供しているんです。
それが、10月12日に最新版のリリースをさせていただいたOracle Application Integration Architecture (AIA)とProcess Integration Packs(PIP)です。

アプリケーション同士が連携して、新たな価値を生む時代、その中心である財務、会計システムがどれだけ多くのアプリケーションと連携し、財務視点から経営情報を見える化できるかがIT戦略の重要な論点になってきている。

OOWの動画はここから見られます。

Oracle Video(You Tube)
日本オラクル 広報部のチャンネル 

2009年10月13日

IFRS対応基本方針 by IFRSパートナーコンソーシアム

前回このブログでご紹介したIFRSパートナーコンソーシアムが発表した第1期のアウトプット「IFRS対応基本方針」全文です。
ある監査法人の先生からは「非常のユニークな整理」とご評価を頂きました。
読者の皆さんからもご意見、コメントなどいただければ幸いです。

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IFRS(国際会計基準)対応、今、何をなすべきか?
~ 変わる業務、プロセス、システム...将来、企業が求める姿に向けて

 近年、IFRS(国際会計基準)による世界的な会計基準の標準化が進んでいる。欧州諸国で2005年から採用されたのを皮切りに、世界各国で次々と採用が決定され、米国でも2014年から段階的な強制適用が計画されている。
 わが国においても、2009年6月、金融庁から、今後の日本企業のIFRS任意適用及び、強制適用に向けてのロードマップが示された。関連会計基準の整備も進みつつあり、日本企業にもいよいよIFRS導入への取り組みが求められる。

IFRSとは、企業において何を意味するのか
 IFRSの導入に向けては、グループ会計方針の策定、業務プロセスや情報システムの見直し、IFRSに精通したリソースの確保と経理体制の再構築等、J-SOX以上に企業グループ一丸となった取り組みが必要となる。注意したいのは、あまりに「義務感」が強調されてしまうと、IFRSに対する視野を狭め、導入作業や新業務の負担、IFRS適用に対するモチベーションの低下を引き起こす恐れがある点である。IFRS導入に際しては、「外的メリット」、「内的メリット」を理解し、企業経営の改革の機会として、戦略的に取り組むことが重要である。
 「外的メリット」は、IFRSの特徴そのもので、IFRSを適用し、外部に開示することにより期待できる効果である。例えば、グローバルレベルでの企業間比較可能性、海外市場における資金調達機会の広がりと調達コストの低減、クロスボーダーM&A対応能力の拡大が挙げられる。
 一方、「内的メリット」としては、計数管理の統一によるグループ経営管理の高度化、グループ経理標準化による業務効率化、ガバナンス強化や内部統制強化等が挙げられる。これらのメリットは、まさに、IFRSを「義務」としてとらえるのではなく、「チャンス」としてとらえる発想なくしては生まれない。
 IFRSが企業にもたらすものは、企業の意識によって大きく異なる。この機を逸すれば、これほど大規模な制度変更を契機としたグループ経理・経営管理体制の改革を実現する機会はないかも知れない。今回のIFRSへの取り組み方が、将来の企業の運命を左右することにもなりかねないであろう。

IFRS対応において考えるべき、企業の目指す経営モデル
 IFRSの導入は、企業のビジネス基盤全体、マネジメントの意思決定プロセスにも影響を及ぼす。このため、企業が置かれている環境、自社のビジネス基盤の整備状態、そして、経営者が目指す目的、すなわち、「目指すべき経営モデル」により、その取り組み方は変わってくる。
 我々は、IFRS対応の「ABCモデル」と称して、この「目指すべき経営モデル」を、以下の3つに類型化することを提唱する。

A. まず一つ目は、「グループ経営基盤の最適化」を目指す、アドバンス(Advance)モデルである。IFRSの概念フレームワークや将来キャッシュフロー重視、グループ会計方針の統一等といった基本思想を、グループ経営に積極的に取り込む。そのために、業務・プロセス・システムをグループで標準化し、これを支えるビジネス基盤を再構築することで、経営意思決定や組織体制を最適化、企業競争力を高める取り組みである。

B. 二つ目は、「経営資源の選択と集中」を目指す、バランス(Balance)モデルである。グループ経営の基礎情報はIFRSベースで管理し、ビジネス基盤の整備は経営上の重点領域から着手する。現在の経営管理レベルや、業務・プロセス・システム・体制は維持しながら、重点領域から必要に応じ順次向上させていく。

C. 三つ目は、「財務報告対応」を主眼とする、コンプライアンス(Compliance)モデルである。IFRSの適用による決算処理、開示資料作成に対応するための、業務・プロセス・システムの変更は、IFRSへの組み換え仕訳取得に必要な最小限の範囲で対応する。各社のマネジメントや決算処理は、従来どおり現地基準で行うが、連結においてはIFRSベースで経営管理を行うこととなる。

 企業が「目指す経営モデルのABC」を決定するためには、まず、IFRSにおける影響分析を実施する必要がある。影響分析では、最初に、IFRS適用による会計上の論点、すなわち勘定科目毎の会計処理への影響を金額面から把握する。さらに、業務・プロセス・システムなどビジネス基盤全体の何処に影響を及ぼすかを把握する。そして、それらの影響と現状の事業のグローバル展開状況、経営情報の仕組み、業務・プロセス・システムの標準化、ガバナンス等を総合的に検証することにより、「目指すべき経営モデル」が見えてくるはずだ。
 さらに、経営者が強く認識しなければならないことは、IFRS適用への取り組みは、初年度適用のためだけではなく、「適用したその後のビジネス基盤を構築している」ということである。適用した後、5年、10年先の企業および事業の姿を描き、そこから導きだす成長のシナリオを明確にすることが必要である。その結果、コストや成長ステップを考慮し、Complianceモデルから段階的にAdvanceモデルへ近づけていくといった、アプローチの採用も有効だろう。

IFRS対応に向けた、システムのあり方
 IFRS導入においては、業務や会計領域だけでなく、それを支えるシステムへの影響も大きい。IFRSに対応する会計システムを考えた場合、IFRSへの調整・組替手順とシステム対応範囲が重要な検討課題の1つとして取り上げられる。対応すべきシステムの実装は、大きく以下の3つのパターンが挙げられる。(図参照)

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 まずは、連結時にIFRSへの調整・組替を実施するパターンである。グループ各社から報告用データを収集し、連結ベースでIFRSへの組替を実施する。この場合、データ収集の効率化、プロセスの自動化、IFRSへの組換えの仕組み等がシステムに求められる。対応コストを押さえ、対応時間を短縮することが可能だが、調整項目が限定されない限り、本社側の決算業務負担は大きい。
次に、グループ各社で、IFRSへの調整・組替を実施するパターンである。この場合、単体会計ベースで、現地基準とIFRSでの残高保持ができる仕組み、または、複数元帳の対応といった機能が会計システムに求められる。連結対象会社が多い場合、連結決算の早期化が期待でき、グループにおける勘定科目やセグメントの統一化が効果的に行える。しかし、各個社の決算業務担当者へのIFRSの高い理解が求められる。
そして最後は、グループ各社の業務システムで、IFRSベースでの標準化を実施・展開するパターンである。ERPシステムを効果的に導入し、経理だけでなく業務全般のグループ標準化やガバナンス強化、データの精度を向上させる。また、個別業務からIFRSへの対応を行うことにより、仕訳や処理の自動化を促進することで連結処理の負荷が軽減され、ひいては決算処理の早期化、日次・週次での実績管理へと、より大きな効果を上げることができる。しかし、グループ全社への展開には、時間とコストを要することを慎重に考慮しなければならない。
付け加えるならば、システムの実装方式は一つとは限らない。システム適用範囲について、どこからはじめるか? どの企業はどこまで対応するか? いつ対応するか? ── など、全グループ会社を対象とした検討を進めていく必要がある。IFRS導入におけるシステムの検討においても、企業がグループ全体としての「目指すべき経営モデル」と合わせて検討していくことが、効果創出の観点から不可欠である。

IFRS対応に向けた、システム構築ロードマップ
会計システム構築に必要な主要ステップと想定期間を考えてみると、以下のように描くことができる。
・構想・計画策定(3~6ヶ月)
IFRS対応における「目指すべき経営モデル」の方針策定とともに、プロジェクト実行方針、マスタープランを定義。(例えば、「海外拠点のオペレーションを全面的に見直し、IFRS適用開始までに業務システムを刷新する」、「IFRS開始時点では、連結ベースのみ対応を行い、中長期的に各社の業務・会計システムの見直しを行う」)
・各種方針検討(3~6ヶ月)
構想計画に基づき、新たな経営管理、会計方針、内部統制対応等を定義する。また、IFRS対応に向けた人材育成方針策定も重要である。
・グループ共通機能設計・開発・テスト(12~24ヶ月)
単体・連結のグループ共通機能、及び、共通コードやマスタ等の設計・開発・テストを実施。
・グループ展開、各国ローカル機能対応
グループ共通機能を各拠点にロールアウトしていくと共に、各国の税法対応など必要に応じた機能の整理、構築、展開を行う。

 システムの構築には、既存システム資産の活用、システム機能の導入タイミングといった視点を考慮する必要がある。IFRS対応に際しては、様々な要件の反映や既存システム資産の老朽化度合いを考慮し、抜本的にシステムの再構築を行う方法、または、既存システム資産を生かし、必要なところから取り組んでいく方法等が考えられる。導入タイミングにおいても、一度にビッグバン的に全機能を構築する方法、または、経営モデルとあわせて、段階的に対応範囲を拡充していく方法が考えられる。
 IFRS導入において、システム対応を考慮することは不可欠であり、また、同時に、業務やシステム運用形態においても、クラウド・コンピューティングの採用や、シェアード化を考慮することが必要となる。そして、それらをいかに検討し、実現するかによって、プロジェクトの成果は左右されると言えるであろう。

今、IFRSに向けて企業が取り組むべきこと

 IFRSでは、グループ各社の所在国・地域を問わず、原則として、グループ内のすべての会社に適用する会計基準は単一であることを義務付けている。これまで述べてきたように、IFRSへの取り組みは、非常に多岐に渡る事項を、経営レベルから会計実務のレベルまで、グループ全社において整合性をもって進めていくこととなる。それは、2015年または2016年といわれる強制適用までの約5年間が、準備期間として決して十分な期間とはいえないことを示唆するのではないだろうか。現在、IFRSとして議論の最中であるIASBとFASB間のMOUに関連する中長期プロジェクト項目(退職給付、財務諸表の表示等)が存在することを理由に、自社のIFRS対応の検討や準備作業の着手を遅らせるという判断は避けるべきだ。
 また、注意しておかなくてはならないのが、海外グループ会社からの報告財務諸表をIFRSで受けている企業である。海外でのIFRS対応が終わっていたとしても、それは当該グループ会社単位での対応である。親会社を中心とした、グループ連結レベルで、IFRS適用を検討すると、IFRS対応しているグループ会社であっても、会計処理はもちろんのこと、業務・プロセス・システムの見直しが必要になる場合も出てくるだろう。

 IFRSは、原則主義がベースとなる会計基準であり、その導入の取り組みは、各社各様となる。自社にとって最適な方法を十分検討し、選択、推進していくことが重要になる。そのためには、まず、IFRSで対応すべきことや、IFRS導入を契機に経営管理を充実させたいポイントを見定め、自らの意思で、いつ、どのような対応を行うかを決定することが必要である。そして、早い段階で、仮説ベースであったとしても、対応の方向性を示すことが、IFRSを「義務」としてとらえるのではなく、「目指すべき経営モデル」実現の「チャンス」として、IFRS導入を計画的、効果的に進めることを可能にするだろう。

文章:IFRSパートナーコンソーシアム 有志一同

本テキストをIFRS パートナーコンソーシアムの承諾なしに複製、転載することを禁止します。
引用の際は、出典を 日本オラクル株式会社主催 IFRSパートナーコンソーシアムとしてください。

2009年10月 9日

発表!IFRSパートナーコンソーシアム第1期活動成果 

「日本企業のIFRS対応を支援していく!!」
という掛け声に賛同していただいた27社で本年2月に発足した「IFRSパートナーコンソーシアム」が9月末までの第一期の活動成果と第二期の活動予定を2009年10月7日にリリースしました。参加企業も39社になっています。

記者説明会の会場には多くの記者の皆様にお集まりいただきました。

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まずは、このコンソーシアムの事務局長の大久保(日本オラクル)より
コンソーシアム発足の経緯を振り返り、本題へ。

IFRSはもちろん会計やSOXなどの領域での人材育成や資格取得教育の先端をゆくアビタス社の三輪社長より「IFRS最新動向」をご説明いただき、同社が主催する「IFRSコンソーシアム」との連携やパートナーコンソーシアムの一層の活性化にエールを頂きました。

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そして
IFRSパートナーコンソーシアムを代表して、ヒューロンコンサルティンググループの櫻田マネージングディレクターが、第一期の活動成果を報告しました。
主な成果は
・IFRSパートナーコンソーシアムセミナーを5回開催。参加企業は229社、のべ999名に参加いただいたこと。
・メンバー企業が総会、分科会に集まり、企業の枠を超えてIFRS適用のメリット、IFRS対応スケジュール、システム実装方法を討議、IFRS対応基本方針をアウトプットとして作成したこと。
追って、このブログでも公開しますがちょっとだけ予告です。

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最後は、再び、事務局の大久保より、
・対外的にはセミナーを継続j的に開催
・コンソーシアム内部の活動とししては分科会活動の継続と一層の強化、ソリューション開発とメニュー化といった
第二期活動プランを紹介しました。

ニュースリリースはこちら。

各メディアでも取り上げていただきました。

日本電波新聞 3面
ITproさん
IFRSフォーラムさん

About

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桜本 利幸 (さくらもと としゆき)

日本オラクル株式会社、アプリケーション事業統括本部、 担当ディレクター

ITコーディネータ、公認システム監査人、法政大学大学院兼任講師、日本CFO協会主任研究員、AfterJsox研究会運営委員

都市銀行にて企業金融、ストラクチャードファイナンス、商品開発に従事後 1998年4月 日本オラクル株式会社入社。  会計、財務、資金、経営管理分野を中心としたERP導入による経営改革、BPRのコンサルタント、ERP導入プロジェクトマネージャ、ERPインダストリ-マーケティング、ERPプロダクツマーケティングを担当。  現在は製品戦略部門にて国際会計基準へのコンバージェンス/アドプションやグローバル・キャッシュ・マネジメント、プロジェクト会計といった会計に関するテーマはむろん、ガバナンス・リスク・コンプライアンス(GRC)やエンタープライズ・パフォーマンスマ・ネジメント(EPM)など会計関連ソリューションとともにタレントマネジメント、グローバル人事といった人事関連ソリューションのビジネス開発・推進を担当 。講演、寄稿多数。

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