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日経ビジネス10月26日号、「カイゼンを壊せ」に学ぶ

戦後60余年、日本の製造業は「カイゼン」を武器に成長を遂げました。 しかし、今、行く手に新たな壁が出現して多くの企業経営者を悩ましている。  "グローバリゼーション"と呼ばれる複雑怪奇な壁である。  その壁は従来の方法では攻略出来そうにない。 ■ 「カイゼンを壊せ」 グローバル時代を勝ち抜くにはどうすればよいのか? 日経ビジネス10月26日号に「カイゼンを壊せ」と題する特集が組まれている。 そのなかでも東レ社の既成概念を脱した奇抜な手法(ページ28)は大いに参考になる。  ■ 東レ社の物流改革 2006年4月、既成概念を打破すべく大胆な人事の断行。  営業畑の優れた人材を物流部長に登用し、そのニューリーダーの下で常識を脱した改革を実施。 新物流部長、 ・ 米国駐在時代に米ウオールマート、米デルなどの優れた物流部門を持つことで頭角をあらわした企業を見てこられたとのこと。  そのことからSCMの真髄を肌で理解されている方であることがうかがえる。 ◇ 輸送ルートの組み換えによるコスト削減 中国工場で生産した樹脂を青森県八戸の得意先に運び込むケース ・ 日本国内の長距離トラック輸送を消滅させている ・ 結果として、全体の輸送コストは大幅減 (約3分の一へ) 旧輸送ルート: 海上輸送と国内トラック輸送の組み合わせ => 中国港ー東京港ー青森ー八戸 新輸送ルート: 海上輸送が主体. => 中国港ー釜山港ー青森港ー八戸 ◇ 部門間の連携強化による物流コストの削減  千葉工場から香港への輸出、 ・ 輸送ルートは下記の二つが考えられるが、いずれのケースも一長一短あり ・ ジレンマを部門間の業務連携で見事に解決しコスト削減を実現  A. 東京港からの船積... 船の出港頻度が多く納期遅延のリスクが少ない。 しかし コスト高 B. 千葉港からの船積... 船の出港頻度が少ないために納期遅延のリスクあり。 しかし コスト安 部門関連携による解決、 ・ 船積み港     : 最寄りの千葉港 ・ 納期遅延の回避 : お客様との納期の微調整 (営業部門にメリットを説明して協力を求める) ・ 輸送コストの削減: 船の出港日をベースにした受注活動、生産在庫の最大化   ■ 東レ社に学ぶこと、筆者の所見 ・ 人材の発掘と登用 ... 新物流部長の幅広い経験と豊富な知識、リーダーシップ ・ Win/Winの手法............. 仕組を変更して最大の効果を引き出す手法 (物流パートナーに単なる値切りはしない) ・ 部門間連携..................... 物流・営業・生産・顧客...

グローバルSCM、台風を見つけたらどうするか? 後編

その後、台風8号「モーラコット」 は 台湾海峡 をゆっくりと横断し、8月10日未明に中国沿岸部の 福建省 に上陸。 辺りは暴風圏となりエアポートは終日閉鎖、 そのため 当日の貨物機は全て運航中止となりました。 A社 輸送部門の責任者 " ミスター・ロジ " はその事態を想定し、すでに別のアクションを実施していました。    A社チームが取り組んだ ロジスティクス作戦" "モーラコット対策" をご紹介します。  (A社のビジネスモデルは、BTO と呼ばれる 受注生産方式です)。 ■ 全体戦略 1.納期が第一優先 チームの任務は、納期に遅延なく、お客さまにご注文の品をお届けすることです。 作戦の概要は次の如くです: ◇既存の注文は、 ・ "納期指定あり"と "納期指定なし" に大別し、更にその中で取扱いの優先順位を付ける   ・ 第一優先(P1)の注文は台風が上陸する前に生産を終えて輸送を開始、その為に生産工場はフル稼働とする ・ 第二優先(P2)の注文分については、台風の通過後、直ちに 工場出荷をする  ・ 第三優先(P3)に関しては 平常時のシフト で対応する ◇新規の注文は、 ・ 平常時と変わらずに受け付けをし、その取り扱いに関しては優先順位付けをする - 緊急注文はP1, その他はP3 * 優先順位の考え方、    ・ 納期の指定あり: 納期切迫(P1)、納期余裕あり(P2)、納期十分余裕あり(P3)    ・ 納期の指定なし: 標準リードタイムを、大幅超過(P1)、多少超過(P2)、余裕あり(P3) 2.顧客への状況連絡 ・ 顧客にも予定があるので、納期遅延のリスクがあれば、その旨を事前連絡する。更にフォローアップも行う。 以上が、今回の基本戦略です。 次に 輸送責任者、ミスター・ロジの働きについてお話しをしましょう。 ■ ミスター・ロジの第一アクション ミスター・ロジは台風8号"モーラコット"の第一発見者です。彼は常日頃から台風の動きに注意しています。 今回も "モーラコット"の発見とともに、その進路や規模など、貨物輸送に及ぼす影響度を直ちに分析。 危険度が "高"であると判断し、添付図の如くオペレーションのリーダー "オーダー・フルフィルメント・マネージャー (= OFマネージャー)"に事態をエスカレーションしました。 同時に、物流関係者と輸送の手順について協議・調整を行っています。 (今回もミスター・ロジのアクションは素早く抜け目がありません)。 ■オーダー・フルフィルメント・マネージャー (= OFマネージャー) の働きについて A社は昨年末の組織改革でこのポジションを新設しました。 OFマネージャーの任務は、受注から納品に至る全体プロセスを横串監視し、注文の品がお客さまに遅延なく届くように、全体をリードすることです。 OFマネージャーが受け持つ最も重要な評価指標(=KPI)は、受注から納品に至る "トータルリードタイム"と "納期の遵守率"となります。 今回、ミスター・ロジ からの緊急通報を受け、OFマネージャーは次のアクションをとりました、、 1. 緊急時メンバー(図参照)を召集し対策を協議 (テレビ会議) 2. チームメンバーと台風直撃による課題を整理、被害を想定し対策を立案、そして、メンバーの役割分担を確認 3. その後、進捗状況をチーム内で共有するとともに全体の舵取りを続けました その結果、A社はこの非常事態を無事に乗りきることができました。 数値的には 納期遵守率 98%の実績 (目標95%)。  チームに及第点をあげて良いと思います。 なお、どの企業も変わらないと思いますが、販売予測の変動は経営層にとり大きな関心事です。 特に、緊急事態の発生が期末であれば決算の数字に影響するかもしれません。 図の如く、A社の経営層は最新の販売予測レポートを見て状況を把握しておりました。...

グローバルSCM、台風を見つけたらどうするか? 前篇

クジラ、チャンホン、 リンファ ... コーニー これらは何かご存知ですか? 動物園にいる哺乳類のことではありません。 2009年の一月以降に発生した台風の名前です。  そして、今朝、8月6日、 大型の台風8号 "モーラコット" 誕生のニュースが報じられました。 現在"モーラコット"は、宮古島の南南東約200Kmにあって、西へ毎時30kmで進行、あす8月7日(金)の15時には台北に近づき、翌8日(土)の15時には中国沿岸部へ到達。  さあ、ここからが今回の本題です! その沿岸部にはA社の生産拠点があり、A社は日本へ製品を毎日貨物機で空輸しています。 空港関係者の話では、9日(土)は90%の確率で便が欠航するとのこと、 隣の町(=16時間の陸送距離)から空輸する方法も考えられますが、 いずれの場合も合計輸送時間が増大し、最悪のケース、お客様への納品が間に合わなくなる恐れがあります。 貴方はA社の輸送部門の責任者,  Mr. Logi (ミスター・ロジ) です。 この事態にどのような対策を考えアクションを起こしますか? 後半へ続く 台風情報 デジタル台風 ・ IT製品のお問い合わせは オラクルダイレクトへ...

製造業の課題、グローバル生産拠点を如何に統治するか!  前篇

御社は海外に生産拠点をお持ちですか? 近年、多くの製造業は安価な労働力を求めて国内の生産拠点を海外へシフトしました。 その一方で製品の供給ネットワークが複雑になり、その管理(=統治)が難しくなっています。 ■日系A社の場合、 ・アジア地域の10工場で家電製品を製造している。 ・内8工場は自社、残り2工場は外部製造委託先である。 ・異なる生産ITシステムが混在 ◇生産統括本部の責任者の悩みは、 同じ製品を作っているにも拘わらず、各工場のパフォーマンス(=製造コスト・製品品質・生産リードタイム・納期遵守率)に大差があること。需要が変動すると達成率も一緒に変動。特に繁忙期はひどく、10工場ともにパフォーマンスが不安定だ。 調べてみると、シンガポール工場は設備が古く頻繁にシステムダウンを起こしている、大阪工場は能力以上の注文を受け、納期遅れが長期間続いていた。上海の生産委託工場では不良品が多量に出ることがある、理由を尋ねると“人的エラー”との返答でいつも原因がうやむや。 東京の本部がこれらの事実を知るのは、ひと月遅れの“月次報告書”を見てのこと。 それでは、タイミングが遅すぎる!  ◇先手必勝, 新鮮な情報が欲しい! ・現場の危機を事前に察知し回避する方法はないのか? ・全工場の状況を、リアルタイムで把握する方法はないのか? ・コストと生産性の目標を達成できているのかを期中に知る方法はないのか? ・自社の生産能力は、不足しているのか、あるいは過剰なのか? ・外部委託先(=OEM)は、いつ生産を開始してくれるのか? ・パフォーマンスの良い工場・悪い工場、違いは何か? ・どの工場の、どの生産ラインが、パフォーマンスが不安定なのか、何故か? 本社の生産統括本部長は、この現状を打破して、競争力のある生産ネットワークを築きたいと考えています。 しかし、現場の状況・全体の状況がリアルタイムで見えないため、本部は的確な指示を適時に出すことができません。 それがリーダーシップ喪失の原因となっています、 A社は、今後の需要増加を見越して、一年以内に生産能力を1.5倍に増やす計画があります。 もし、あなたがSCM業務コンサルタントなら、どのような解決策をA社に提案しますか? (続く) ・ 関連IT製品、Oracle Manufacturing Operation Center "MOC" ・ IT製品のお問い合わせは オラクルダイレクトへ...

グローバル時代を勝ち抜くには、サプライチェーンの統治能力の強化

「世界経済 安定の兆し... しかし、状況は依然として不確実」 これは先週イタリア南部レッチェで開催のG8財務相会合の共同声明である。 但し書きが付くものの、この声明にホッとされた方が多いのではないでしょうか!   しかし景気の回復を横目に、企業の戦いはグローバリゼーションの影響を受けて更に激化の様相、 ・ 戦いの場はローカルからグローバルに拡大しており、  ・ 市場には新たな強豪が続々と出現 また業務面の課題もあります、 ・ 複雑なサプライチェーンは ”高難易度の業務” を生み出し ・ 予測困難な需要の変化が ”在庫保有リスク” を増加させる この様な時代、 ・ グローバル戦略の有無 ・ 戦略の良し悪 ・ 実践能力 これらの要素が企業の勝敗を左右するのではないでしょうか!? 一瞬たりとも気を抜けない状況になってきました。  対策が必要ですね!    ◆サプライチェーンのスピード経営、計器飛行 グローバル・サプライチェーンの経営は旅客機の操縦にヒントがありそうだ。 キーワードは、 スピード、 精度、 信頼!   貴方は”ジャンボジェット”のパイロットです、空を飛んでみましょう。 飛行条件を確認 ・ 今日の天候は不良 (滑走路は濃霧で視界ゼロメートル、上空は強風) ・ 途中(=サプライチェーン上)には様々な障害物が潜んでいる (雨、雪、台風、税関審査、乗り換え地、書類の受け渡し、祭日、休日、時間外 ...) ・ 御社のセールスポイトは、 安全飛行、 時間厳守 ・ 日没で回りは夕闇 ・ 乗客乗員は貴方の腕を信頼しています 夜間飛行の開始、 さあ, やってみましょう、 飛行計器があれば恐れるものはありません。 ・ レーダー(BI)を起動させてサプライチェーン上の重要情報の見える化を行う ・ 現在地と目的地を確認し、軌道を設定 ・ KPI (コスト、リードタイム,業務品質、到着日時)をプリセットし 飛行準備完了 ・ 離陸 ・ 高度一万メートルの空へ一気に上昇 ・ 飛行状態は操縦席の計器(=ダッシュボード)で確認 ・ 異常事態を感知したら、計器が自動通知...